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【2025年度最低賃金改定】過去最大の引き上げが介護業界に与える影響!生産性向上がさらに重要に

2025年度最低賃金改定 介護業界への影響

2025年度の最低賃金は全国加重平均で1,118円前後へと大幅に引き上げられる見込みです。
過去10年間で32%以上上昇した最低賃金は、介護事業の人件費を年々押し上げています。
 
一方で、介護報酬改定は3年ごとに行われるため、収入と支出のタイミングにズレが生じやすく、経営への圧迫要因となっています。
 
こうした環境下で介護施設経営に求められるのは、人件費増を単なるコストとして捉えるのではなく、業務効率化や人材活用の最適化へと戦略的に転換する視点ではないでしょうか。
 
本記事では、最低賃金の引き上げと、それに伴う介護業界への影響について整理しました。

最低賃金上昇の現状と推移

2025年度最低賃金改定が介護業界へ及ぼす影響とは

最低賃金はこの10年間で大きく上昇しています。

まずは以下の表をご覧ください。過去10年間の最低賃金引き上げ推移です。

過去10年間の最低賃金引き上げ推移

■全国加重平均額の推移

年度 最低賃金 引き上げ額 引き上げ率
2015年 798円
2016年 822円 +24円 3.01%
2017年 848円 +26円 3.16%
2018年 874円 +26円 3.07%
2019年 900円 +26円 2.97%
2020年 902円 +2円 0.22%
2021年 930円 +28円 3.10%
2022年 961円 +31円 3.33%
2023年 1,004円 +43円 4.47%
2024年 1,055円 +51円 5.08%
2025年(予定) 1,118円 +63円 6.00%

 

2015年度の全国加重平均は798円でしたが、2024年度には1,055円と32%以上引き上げられました。

特に2023年度は43円増、2024年度は51円増と、過去でも最大規模の引き上げが続きました。
2025年度についても全国加重平均で1,118円前後になる見込みで、上昇ペースは加速しています。

過去10年間で最低賃金は798円から1,055円へと257円増加しており、これは約32%の上昇に相当します。平均して年間約3%のペースで引き上げが続けられています。

この傾向はパート労働者だけでなく、正社員の賃金水準にも波及します。
最低賃金が事実上の賃金ベースアップを促し、人件費の底上げ要因となるためです。

当然のことですが、介護事業を経営する上でも、人件費アップは非常に大きな影響を及ぼします。

介護業界における人件費比率の高さ

介護事業は他産業と比べて人件費の割合が極めて高い構造を持っています。

厚生労働省の令和5年度介護事業経営実態調査によると、直近の調査では、

・訪問介護で約72.2%

・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)で約65.2%

・介護老人保健施設で約64.2%

が給与費として支出されています。

参照:厚生労働省 令和5年度介護事業経営実態調査結果の概要

最低賃金の引き上げは、パート職員の時給だけでなく、正社員の基本給や処遇改善手当の調整にも直結します。
結果として、職員全体の人件費が波及的に上昇していきます。

さらに、給与本体に加えて法定福利費の事業主負担も増加します。
雇用保険、厚生年金、健康保険、子ども・子育て拠出金などが上乗せされ、実際の人件費アップは最低賃金の上昇率を超える場合も少なくありません。

報酬改定(3年ごと)とのタイムラグが生む経営リスク

介護報酬は原則として3年に1度の改定が行われます。

直近の2024年度改定では全体で1.59%のプラス改定となり、賃上げ評価分や処遇改善加算の一本化が盛り込まれました。

過去の介護報酬改定率の推移

年度 改定率 主な背景・特徴
2003年 -2.3% 在宅重視・自立支援推進
2006年 -2.4% 介護予防重視
2009年 +3.0% 人材不足対応・処遇改善
2012年 +1.2% 人材確保・処遇改善継続
2015年 -2.27% 9年ぶりの大幅引き下げ
2018年 +0.54% 経営安定化・人材確保
2021年 +0.70% コロナ対応・処遇改善
2024年 +1.59% 人材流出防止・大幅賃上げ

 

出所:(資料)社会実情データ図録 介護報酬改定率の推移
※主な背景・特徴はシフトライフ編集部補足

一方で、最低賃金の上昇幅に比べれば改定率は限定的です。まったく追いついていない、というのが実感ではないでしょうか。
そのため、経営環境が依然として厳しいと感じる経営者は少なくありません。

最低賃金は毎年引き上げられるため、収入の増加と支出の増加に時間差が生じやすいのが実情です。

政府は「2020年代に全国平均1,500円」を目指す方針です。
そうした背景もあり、特に2023年度から2025年度にかけては大幅な最賃上昇が続く見込みで、収支差率を圧迫する要因となるでしょう。

このズレは、人件費比率70%を超える介護事業にとって極めて大きな経営リスクといえます。
収入改定の前にコストが先行する構造が、経営安定性を根本から揺るがす可能性があります。

特に小規模事業者や地方の事業者においては、深刻な懸念となっているところも多いのではないでしょうか。

今後さらに重要となる介護現場のICT化、業務効率化

介護記録を入力する介護スタッフ

厳しさが増す経営環境だからこそ、乗り切るための取組みがより一層必要です。
その一つが、介護現場のICT化、業務効率化です。

少ない人数でも質を落とさずに介護サービスを提供するためには、介護現場のICT化は必須だといえるでしょう。

実際、介護報酬改定でもICT化への取組みが算定要件になる加算が増えてきており、国も介護現場の生産性向上を後押ししています。

業務効率化の徹底

ICTや介護DXの導入は、現場の生産性を高める有効な手段です。
記録のデジタル化、シフト作成ツール、見守りセンサーなどを活用することで、限られた人員でも業務量を適切に処理できます。

さらに、業務手順の標準化やマニュアル整備も欠かせません。
属人的な作業を減らし、誰でも同じ水準で業務をこなせる環境をつくることが効率化につながります。

人材活用の最適化

シフト作成ソフトを活用し、配置人数を最適化することは人件費管理に直結します。
人員基準を守りながらも、同じ時間帯に人材が過度に重複しないよう調整することが重要です。

例えば、シフトの重なりを適切に抑えることで、人件費の無駄を防ぐことができます。
同時に、業務量に応じた効率的な人員配置が可能となり、現場の負担軽減にもつながります。

また、タスクシフトやタスクシェアを進めることで、専門性を必要としない業務は他職種に振り分けられます。
これにより、介護職員は本来のケア業務に集中できるようになります。

処遇改善加算や加算算定の最大化

処遇改善加算や加算算定を最大化することもさらに重要性を増すでしょう。

介護報酬改定では、処遇改善を評価する加算が一本化されました。
まずは処遇改善加算と特定処遇改善加算を確実に算定することが、経営安定化の前提となります。

そのうえで、サービス提供体制強化加算などの加算を算定していくことも、経営の安定にはとても重要だといえるでしょう。
ほかにも、自施設が算定できる加算を見極め、収益基盤を強化することが欠かせません。

これらの加算は単に収益確保に寄与するだけでなく、職員の処遇改善や利用者サービスの質向上にも直結します。
加算の算定要件を正しく理解し、確実に取り組む体制を整えることが重要です。

まとめ

最低賃金はこの10年間で32%以上上昇し、2025年度もさらに大幅な引き上げが見込まれています。
介護業界は人件費比率が高いため、経営への影響は他産業以上に大きいといえるでしょう。

一方で、介護報酬改定は3年ごとの見直しであり、最低賃金の毎年の上昇に追いつきにくい構造です。
そのため、収益が改善される前にコストが先行する厳しい経営環境が続くのが現実です。

経営層に求められるのは、この人件費増を単なる負担とみなすのではなく、戦略的な改革の契機とする視点といえます。

ICTの活用による業務効率化、シフト最適化による人材活用、そして処遇改善加算や特定処遇改善加算を含めた加算算定の徹底が、持続可能な経営に不可欠です。

介護人材の採用の難易度も上がっており、いかに人材の定着率を向上させるかも大きな課題です。この課題に対しても、現場のICT化、DX化は重要な役割を果たすでしょう。

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この記事の執筆者
シフトライフ編集部
シフトライフ編集部

主に介護業界で働く方向けに、少しでも日々の業務に役立つ情報を提供したい、と情報発信をしています。

 
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