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【教えて!】デイサービスで業務分担表を作るメリットと作り方のポイントを紹介

デイサービス業務分担表 メリット・作り方

デイサービスの業務分担表は、「誰が・どの業務を・どの範囲まで担当するのか」を一覧に表したものです。
 
業務分担表には、デイサービスの業務効率をアップさせる働きがあり、すべての介護施設が取り組める業務改善策です。
 
この記事では、デイサービスの介護リーダーや管理者の方に向けて、デイサービスの業務分担表を作るメリットと作り方のポイントを紹介します。

業務分担表と業務マニュアルの違い

はじめに業務分担表と業務マニュアルの違いを確認しておきましょう。業務分担表は、各スタッフの役割や業務内容を整理して一覧表にしたものです。

たとえば、「送迎表の作成業務はAさんが担当」「行事・レクリエーションの担当はBさん」といったように、業務分担表には、業務、担当者、業務範囲を明確にする目的があります。

一方の業務マニュアルは、業務の概要や具体的な手順をまとめた書類のことです。

デイサービスの業務マニュアルの場合、緊急時の対応、苦情処理、事故発生時の対応、ハラスメントの防止などは、運営指導(実地指導)で作成しているかどうかチェックされるマニュアルです。

送迎業務や入浴業務といった現場業務は、マニュアル化が必須ではありません。しかし、介護サービスの質を一定水準に保つために、業務の手順や標準的なやり方をまとめておくことをおすすめします。

  業務分担表 業務マニュアル
意味 スタッフの役割・業務などを整理した一覧表 業務の概要や手順、注意点をまとめた書類
主な目的 業務、担当者、業務範囲を明確にする 介護サービスの質を一定の水準に保つ
具体例 送迎の担当、行事・レクの担当、書類作成の担当など 緊急時の対応、苦情対応、事故対応など

 

参照:厚生労働省|介護保険施設等運営指導マニュアル
参照:厚生労働省|介護保険施設等運営指導マニュアル 別添 確認文書・確認項目一覧

デイサービスで業務分担が必要な理由

デイサービスの送迎業務

デイサービスの業務効率化とは、ムリな仕事やムダな仕事を省いて、デイサービスの運営をスムーズにするための取り組みを意味します。

デイサービスで業務分担が必要な理由は、この業務効率化によって働く職員の負担を軽減しつつ利用者の満足度を高めることです。

デイサービスには、送迎、入浴、レクリエーション、機能訓練など複数の業務が存在します。これらの業務を、限られたスタッフで介護事故のないように提供するためには、業務の無駄を省く必要があります。

業務分担によって、誰が・どの業務を・どのくらい担当するのかを明確にし、個々のスタッフが仕事をしやすい環境に整えることで、利用者に一定水準以上の介護サービスを提供できるようになるわけです。

そのため、デイサービスの業務効率化のためには、業務分担が欠かせない取り組みとなります。

デイサービスで業務分担表を作るメリット

デイサービスで業務分担表を作るメリットについて、具体的に紹介します。

現場のスタッフが働きやすくなる

業務分担表を作成・共有すると、介護スタッフが働きやすくなります。業務分担表によって、自分がやるべき業務や業務範囲が明確になり、目の前の業務に集中できるようになるからです。

たとえば、「手が空いた人は、新規利用者のフェイスシートを作成してください」と指示されるよりも、「Aさんは書類を作成してください」「Bさんはレクリエーションを担当してください」と指示される方が、介護スタッフは迷わなくなります。

余裕をもって自分の業務を終えられたときに、手助けが必要なスタッフをフォローしてあげるとよいでしょう。そうすれば、デイサービス全体の業務が円滑に進み、残業の削減にもつながります。

業務の抜けや漏れを防止できる

業務分担表は、業務の抜け・漏れの防止にも役立ちます。業務分担表によって、誰がどの業務を担当しているのかを確認できるため、すぐにフォローができるからです。

病欠や家庭の事情により誰かが休んだとしても、その人の担当業務がわかれば、「AさんのフォローにBさんが入ってください」といった指示をすぐ出せるでしょう。デイサービス全体の業務の抜け・漏れを防止すると、介護事故の発生率低下も期待できます。

また、個々の職員にとって自分のやるべきことが明確になることで、仕事に迷う場面が少なくなります。その結果「割り振られたこの仕事をしっかりやろう」といった責任感が生じやすくなるのです。

介護リーダーや管理者が自分のデスクワークや外勤に安心して取り組める

業務分担表が現場に浸透してくると、業務分担表の活用になれた現場スタッフが、自分たちで現場をまわしていけるようになります。

「誰がレクの準備をやるの?」といった確認事項も減り、介護リーダーや管理者が指示を出す場面は少なくなるでしょう。

介護リーダーや管理者は、シフト作成などの管理業務を抱えています。生活相談員であれば、担当者会議への出席、計画書の作成・モニタリング業務を担当しているはず。

業務分担表が現場に浸透すれば、そうしたデスクワークや外勤に安心して取り組める環境につながり、介護リーダーや管理者の仕事の効率化も期待できます。

デイサービスにおける業務分担表の作成ポイント

デイサービスの業務分担表を作るセンター長

デイサービスの業務分担表を作成するときは、どのような点に気をつけたらよいのでしょうか。重要な4つのポイントを紹介します。

業務の全体像を捉える

業務分担表を作成する際は、デイサービス全体の業務を捉えることが大切です。全体の業務を捉えることで、抜けや漏れのない業務分担表の作成につながります。

まずは1日の流れを振り返り、送迎、介助業務、書類作成、レクリエーションなどの大きな項目を洗い出してみてください。業務を洗い出す際は、介護スタッフに聞きながら進めていくのがおすすめです。

どのような業務に取り組んでいるか、何人くらいで行っているか、どのくらい時間がかかるかなどをヒアリングして、現場にあった業務分担表を作成しましょう。

なお、スタッフと協力して分担表を作成すると、スタッフ全員で協力して作成したという自覚が芽生えやすくなり、業務分担表の導入がスムーズになります。

業務ごとに必要なスキルや資格を明らかにする

業務分担表を作成する際は、スタッフのスキルや資格を明らかにしておくことも大切です。

介護施設では、雇用形態、経験、スキルなどが異なるスタッフが働いています。各業務に適切なスタッフを配置するためには、スタッフの特徴を把握することが欠かせません。

適材適所に仕事を分担できれば、モチベーションの維持・向上にもつながり、利用者満足度も自然と高まっていきます。個々のスタッフの適性や長所を生かせるように、スタッフの特徴にも注意してみましょう。

公平性を保つ

業務分担表の公平性とは、業務がまんべんなくスタッフに振り分けられている状態を指します。仕事の割り振りに極端に偏りがあると、スタッフの不満の原因になるおそれがあるため、公平性を保つことが大切です。

公平性を保つためには、一人ひとりのスタッフとコミュニケーションの機会を持って、それぞれの希望や意見などを調査することからはじめてみましょう。

デイサービスの雑務(※)にも注意して、特定のスタッフに負担が集中しないように、業務分担表を作成してみてください。
※重要性は高くないが、毎日のように行われる細かい作業のこと

業務分担表の活用を現場に浸透させる

業務分担表を導入して、現場のスタッフが活用できるようになったら、介護リーダーや管理者は指示出しを控えてみましょう。

介護リーダーや管理者が、その都度指示を出した場合、現場のスタッフは業務分担表よりもリーダー・管理者からの指示を優先しがちになります。

業務分担表を現場に浸透させるためには、「困ったこと、質問があれば聞いてください」と一言伝えておくにとどめて、業務分担表を現場のスタッフに活用してもらうことが重要です。

ただし、介助方法の変更といった利用者の安全に関わる重要な項目には介入するようにしましょう。

デイサービスの業務分担表の例

デイサービスの業務分担表について、「一日の流れ」「各業務」の2つにわけて例を紹介します。下表はデイサービスの一日の流れについての業務分担表です。

デイサービスの仕事、一日の流れ

業務ごとに役割を分担した役割分担表の表です。

デイサービス 業務別の表

時間や業務内容は、各介護施設の特徴にあわせて変更してみてください。

まとめ

デイサービスで業務分担表を作成するメリットや作り方のポイントを紹介しました。

業務分担表は、誰が・どの業務を・どのくらい担当するのかを表に表したものです。いくつものやるべき業務があり、何人ものスタッフが働いているデイサービスでは、業務分担表の導入が、スタッフのモチベーション向上と業務効率化に貢献します。

ぜひ業務分担表を活用して、スタッフと利用者から選ばれるようなデイサービス、施設運営を実現してください。

この記事の執筆者
千葉拓未

所有資格:社会福祉士・介護福祉士・初任者研修(ホームヘルパー2級)

専門学校卒業後、「社会福祉士」資格を取得。
以後、高齢者デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設を渡り歩き、約13年間介護畑に従事する。

生活相談員として5年間の勤務実績あり。
利用者とご家族の両方の課題解決に尽力。

現在は、介護現場で培った経験と知識を生かし、
Webライターとして活躍している。

 
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