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【教えて!】デイサービスの送迎を効率化する「ルート作成」のコツ5選!

デイサービスの送迎「ルート作成」のコツ

「利用者や家族が安心して利用できる送迎計画を作成したい」
「送迎業務における職員の負担を軽減させたい」
「送迎計画を効率的に作成して、自分の負担も減らしたい」

 
このようなお悩みを抱えていませんか?デイサービスやデイケアを運営するために欠かせない送迎業務。安全かつ効率的な送迎を実施しようと、頭を悩ませている担当者も多いでしょう。
 
送迎業務を効率化できれば、利用者満足度の向上や施設スタッフの負担軽減といった恩恵を期待できるため、送迎業務の改善はデイサービスにとって大きな課題です。
 
今回は、主に送迎計画を作成することの多い管理者、生活相談員、介護主任といった役職者の方に向けて、デイサービスの送迎を効率化させる「ルート作成のコツ」を解説します。
 
送迎計画の作成時間や手間を軽減しながら、自社のデイサービスにあったルート作成を構築するために、ぜひ本記事をご活用ください。

デイサービスの送迎でルート作成を工夫するメリット

デイサービスの送迎

デイサービスの送迎には、利用者を居住地からデイサービスまで安全に送り迎えすることが求められます。また、利用者が安心して乗れるような運転を実施しながら、送迎時間内に業務を完了しなくてはいけません。

ルート作成を工夫すると、このような問題を解決しやすくなります。具体的なメリットは以下の3つです。

・利用者の安心・安全に配慮した送迎を実施できる
・送迎スタッフが走りやすい送迎計画を立てられる
・計画作成者の負担を軽減できる

それぞれの項目を詳しくみていきましょう。

利用者の安心・安全に配慮した送迎を実施できる

送迎車が道に何度も迷ったり急発進・急停止を繰り返したりするようでは、利用者は安心して乗車できません。自信のない運転は交通事故に結びつくおそれもあります。つまり、安心・安全に配慮した送迎とは、

・急発進や急停止がない
・何度も道に迷わない
・必要以上にスピードを出さない
・揺れが少ない
・周囲の道路状況に対応できる

上記の項目を守った送迎を指します。

安心・安全に配慮した送迎を実施するためには、送迎スタッフの運転技術と心の余裕が必要です。そこで「お迎え時間に余裕を持ったルート作成に取り組む」ことが大切なポイントになります。

お迎え時間に余裕を設けることで、送迎スタッフはより運転に集中できるようになるため、安全に配慮した送迎を実施できるのです。

送迎スタッフが走りやすい送迎計画を立てられる

ルート作成を工夫すると、送迎スタッフが走行しやすい送迎計画につながります。走行しやすい送迎であれば、送迎中に道に迷う場面が少なくなるため、送迎スタッフが不安を感じる場面は減少するでしょう。

結果的に、送迎スタッフの負担や交通事故が発生するリスクを軽減できるのです。また、送迎スタッフに心の余裕が生まれれば、利用者や家族に対してより丁寧な対応をとりやすくなります。

計画作成者の負担を軽減できる

効率的な送迎ルートを作成できると計画作成者の負担も軽減されます。なぜなら、基本となる送迎ルートが出来上がることで、送迎計画を短時間で作成できるようになるからです。決まったパターンが1つあれば、利用者の急な休みや臨時利用にも対応しやすいでしょう。

デイサービスの現場では、管理者、生活相談員、介護主任などの役職者が送迎作成を行っているケースが少なくありません。これは役職者の方が、利用者や家族と連絡を取り合う機会やデイサービス全体を統括する場面が多いからだといえます。

そのため、送迎計画を効率的に作成できれば、計画作成にかかる時間を別のコア業務に投下することも可能となるため、役職者の業務負担を軽減できるのです。

デイサービスの送迎を効率化させるルート作成のコツ5選

デイサービスの送迎

それでは、ルート作成をどのように効率化させたらよいのでしょうか。具体的なコツを5つ解説します。

デイサービスの送迎を効率化させるルート作成のコツ

 
・【基本】事業所から遠い利用者からお迎えに行く
 
・お迎えが遅れるケースがあることを伝える
 
・お迎え時間に余裕を持たせる
 
・お迎えの順番や利用曜日の変更を検討する
 
・無料アプリや送迎システムを導入する

それぞれ詳しい内容をみていきましょう。

【基本】事業所から遠い利用者からお迎えに行く

ルート作成の基本は、事業所から最も遠い利用者からお迎えに行くことになります。遠い利用者から近い利用者へと順番にお迎えに行くことで、効率的に送迎を完了できるのです。例として、利用者3人をお迎えに行くケースをみてみましょう。

距離が遠い利用者からお迎えが基本

・A利用者~事業所からの距離5km
 
・B利用者~事業所からの距離1km
 
・C利用者~事業所からの距離3km

 
上記の場合、A利用者→C利用者→B利用者の順番でお迎えに行くのが基本ルートとなります。1人目の利用者をお迎えに行ってから事業所へ戻るまでのルートの中で、残りの利用者をお迎えするのです。

利用者の人数が増えても上記のルールを守ることがルート作成の基本となります。

お迎え時間に余裕を持たせる

くり返しになりますが、時間に余裕のある送迎計画を立てるためには、お迎え時間に余裕を持たせる必要があります。

そのため、利用者や家族には以下のように時間に幅を持たせて伝えることをおすすめします。

お迎え時間の伝え方

 
△「9時にお迎えに伺います」
 
〇「9時から9時10分の間にお迎えに伺います」
 
〇「お迎え時間は9時を予定していますが、他の方の送迎もありますので、お約束の時間より10分ほど前後します」

なお、口頭でお迎え時間を伝えた場合、聞いた人の記憶があやふやになったり忘れてしまったりするおそれがあるため、お迎え時間が記載された書類を渡す方法をおすすめします。「〇〇デイサービスセンター お迎え時間のお知らせ」などと題した書類を作成して直接お渡しましょう。

お迎えが遅れるケースがあることを伝える

送迎時間を厳守することはデイサービス側の務めといえます。しかし、天候や道路状況が悪いといった理由でデイサービスの送迎が予定より遅れるケースも考えられます。

したがって、お迎えが遅れるケースがあること、送迎時間より遅れた場合の対処法を伝えるようにしましょう。「10分以上遅れる場合はご連絡します」と伝えることで、利用者や家族が安心してお迎えを待てるようになります

送迎計画を実施後にルートの問題点を確かめる

送迎計画がうまくまわらない場合は、ルートに問題点がないか確かめましょう。想定した送迎時間より遅れることが多ければ、何らかの問題があると考えられます。問題に応じて以下のような改善策を施しましょう。

・送迎の順番を変更する
・送迎車両を追加・変更する
・ルートから外れた利用者を別の送迎車両に組み込む

自社の取り組みだけで問題を解決できない場合、利用者や家族に相談する方法も考えられます。

・お迎え時間の変更をお願いする
・送迎車両の変更をお願いする
・利用曜日の変更をお願いする

上記の方法は、利用者や家族に負担をかけるおそれがあるためご注意ください。「要介護度が高く、支度に時間が必要な方」「外出するために外出支援などのサービスを利用している方」などに相談する際は、慎重な対応が必要です。

無料アプリや送迎システムを導入する

無料アプリや送迎システムを導入することで、ITを活用したルート作成が可能になります。これまで全ての作業を手作業で行っていたとすれば、ITを活用することが時短につながるでしょう。

送迎システムとは、デイサービスの送迎業務を包括的に支援してくれるソフトウェアを指します。入力した条件にあわせて送迎計画を自動作成してくれたり、施設とドライバーの連携機能を利用できたりするので、送迎の効率化に役立ちます。

送迎システムの主な機能がこちらです。

・車いす利用者に対応した送迎計画を自動作成できる
・利用者宅の位置やルートを画面上で確認できる
・効率的な走行ルートを提示してもらえる
・送迎車の現在地を特定できる

なお、送迎システムを活用するためには、パソコンやタブレット端末が必須となりますのでご注意ください。こちらの記事では、送迎システムの詳しい概要やメリット、おすすめの送迎システムを紹介しています。

デイサービスの送迎スタッフが走りやすいルート作成のポイント

送迎スタッフから「送迎業務の負担が大きい」「現場よりも送迎が大変…」といった声を聞いて、頭を悩ませる計画作成者の方もいるのではないでしょうか。ここでは、デイサービスの送迎スタッフが走りやすいルート作成のポイントを解説します。

大変な送迎ルートは交代制にする

大変な送迎ルートとして、以下のような送迎ルートが挙げられます。

・身体介助を必要とする利用者が多いルート
・利用者宅が遠く、長距離運転になるルート
・道が狭い、路面が悪いといった道路環境に問題のあるルート

こうしたルートは送迎スタッフに一定の負担となるため、1人の送迎スタッフが何度も同じルートを担当しないよう配慮することが大切です。

しかし、送迎スタッフが限られている場合、上記の対応が困難なケースも考えられます。その際は、送迎スタッフに対して「いつもお疲れ様」「おかげで助かっています」と一声かけてみましょう。適度な声かけは、信頼関係の構築に役立ちます。

送迎スタッフと相互に連絡できる仕組みをつくる

送迎スタッフと相互に連絡できる仕組みをつくることで、送迎スタッフの不安の軽減やトラブル発生時の適切な対応が可能になります。具体的な方法がこちらです。

・送迎スタッフに携帯電話やスマートフォンを支給する
・送迎システムを活用する

デイサービスの送迎では、「お迎えに行ったら利用者が転倒していた」などと現場の送迎スタッフが適切な対応を求められる場面が存在します。

そうした事態に適切に対処するためには、送迎スタッフと事務所側が情報を共有して対処することが重要です。送迎スタッフからすると「何かあったときは事務所に連絡を入れる」と対処法がわかっていることで、負担を抱え込まずに送迎業務に取り組めるのです。

送迎表を作成してスタッフに提示する

送迎表とは、送迎ルートにおける利用者の氏名やお迎え時間などを一覧にした表のこと。送迎表には以下の項目を記載しましょう。

送迎表に記載する項目

 
・デイサービスを出発する目安の時間
 
・利用者宅到着時間
 
・事前連絡の有無
 
・利用者の持ち物やお迎え時の注意点
 
・走行ルートの注意事項など

 

送迎表をスタッフが確認すると、準備の時間が減ったりやるべきことがわかったりするため負担軽減につながるのです。

なお、送迎表は定期的に内容を確認しましょう。古い内容のままになっていないか、新しく追記すべき項目は増えていないかと定期的に内容をチェックして最新の情報を保つようにしてください。

まとめ

送迎業務は、デイサービスやデイケアに欠かせない業務。利用者や家族が安心して利用できる送迎や送迎スタッフの負担軽減のためには、ルート作成が鍵を握ります。

事業所から遠い地域に住む利用者から迎えに行くといった基本を守りながら、送迎時間を調整して、時間に余裕を持った送迎計画を作成しましょう。

また、送迎スタッフの負担軽減のためには、大変な送迎ルートを交代制にするといった対応が効果的です。事務所と送迎スタッフで相互に連絡を取れる仕組みも構築して、利用者の安全の確保とはたらきやすい労働環境の両方を実現しましょう。

最後になりましたが、ルート作成を工夫する際は、利用者、家族、送迎スタッフから定期的に聞き取り調査を実施して、送迎内容に不満や希望がないか確認すると適切な送迎計画につながりますよ。ぜひ本記事を参考に、自社のデイサービスに最適な送迎計画を立案してください。

この記事の執筆者
千葉拓未

所有資格:社会福祉士・介護福祉士・初任者研修(ホームヘルパー2級)

専門学校卒業後、「社会福祉士」資格を取得。
以後、高齢者デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設を渡り歩き、約13年間介護畑に従事する。

生活相談員として5年間の勤務実績あり。
利用者とご家族の両方の課題解決に尽力。

現在は、介護現場で培った経験と知識を生かし、
Webライターとして活躍している。

 

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