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【教えて!】グループホームのケアマネの仕事内容とは?業務内容や兼務について解説

グループホームのケアマネの仕事内容とは

介護保険サービスに欠かせない職種であるケアマネ(ケアマネージャー/介護支援専門員)は、幅広い知識と経験を生かし、利用者の暮らしを支えています。
グループホームのケアマネージャーとして働くことを考えている方は、具体的にどのような仕事をしているのか気になっている方は多いのではないでしょうか。
今回は、グループホームのケアマネの仕事内容について詳しく説明します。
また、ケアマネの人員配置についても解説していますので、関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

グループホームのケアマネージャーの仕事内容

高齢者と介護士

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、1ユニット5〜9人の少人数で共同生活を営み、地域における認知症ケアの拠点となる介護施設です。

認知症高齢者を対象に、食事や入浴、排泄などの日常生活のケアや機能訓練などを提供します。

グループホームにはケアマネージャーの配置が義務付けられていますが、どんな仕事をしているのでしょうか。
ここでは、グループホームのケアマネージャーの仕事内容について詳しくみていきましょう。

アセスメント(課題分析・客観的評価)

ケアマネージャーの仕事内容のひとつアセスメントとは、入居者様や家族のニーズや目標、心身状況などについて情報収集し、ケアの方向性や適切なケアを見極めることです。

アセスメントは、以下23項目からなる「課題分析標準項目」に基づいて行います。

・基本情報に関する項目(9項目)
基本状況・生活状況・障害老人の日常生活自立度・認知症である老人の日常生活自立度など

・課題分析(アセスメント)に関する項目(14項目)
健康状態・認知・社会とのかかわり・コミュニケーション能力・問題行動・介護力など

それぞれの項目に沿って質問するだけでなく、相手の気持ちに寄り添い、コミュニケーションを通じて導くことが重要です。
参照:厚生労働省 居宅介護支援の基本資料

ケアプランの作成

グループホームのケアマネージャーは「計画作成担当者」として位置づけられ、入居者の心身状況を確認し、適切なケアプランを作成することが主な仕事内容です。

ケアプランは、入居者のニーズと介護職員とのカンファレンスやアセスメントをもとに作成され、入居者が自立した生活を送るために以下の内容が記載されます。

・生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
・長期目標、短期目標
・日常生活のサポート内容

モニタリング

ケアマネの仕事は、ケアプランを作成してサービスが実施されれば終わり、ではありません。

ケアプランの内容を定期的に確認する、モニタリング業務もケアマネージャーの役割です。

ケアプランに基づいたケアが実施されているか、心身状況や本人や家族の意向に変化がないかなどを定期的にチェックし、サービス、ケアプランの評価を行います。

モニタリング(ケアプランの評価)で、ケア内容の変化やサービスの追加、調整がある場合は、再度アセスメントからケアプランの見直しが必要です。

要介護認定に関する業務

入居されている方は、すでに要介護認定を受けている方ですが、更新や状態が変化したときの区分変更申請の手続きなどが必要です。
グループホームのケアマネージャーは、入居者の要介護認定に関する業務も行います。

また、認定調査日には家族や介護スタッフが立ち会うこともありますが、ケアマネージャーが担当することも多いでしょう。

グループホーム ケアマネージャーの兼務について

高齢者と介護スタッフ

グループホームで働くケアマネージャーはスタッフが少人数ゆえに兼務することも多いです。
兼務について見ていきましょう。

介護業務を兼務する場合も多い

グループホームによっては、ケアマネージャーが介護職員として介護業務を兼務する場合があります。

介護業務の内容は、入浴介助や排泄介助などの身体介助や、調理・洗濯といった生活支援のほか、夜勤業務などです。

介護業務を兼務できる条件には、「入居者の処遇に支障がない場合」と定められ、本来のケアマネージャーの業務が適正に行われていることが前提となります。

介護業務とケアマネ業務の割合は、1カ月のうち半月・週に2日など、グループホームによって様々です。

管理者との兼務

グループホームの管理者は、厚生労働省の人員基準において「3年以上認知症の介護従事経験があり、厚生労働大臣が定める研修を修了した常勤専従者」と定められています。

人事や労務、介護サービスの質などの施設全体の運営管理を行いますが、管理業務に支障がない場合は、ケアマネージャー(計画作成担当者)との兼務が可能です。

本来の管理者業務とケアマネージャーの業務が、適正に行われていることが前提となります。

グループホームのケアマネの1日の流れ

ここでは、グループホームで働くケアマネの1日の流れについて、一例をご紹介します。

具体的な流れを見て、自分に向いているかイメージしてみてください。

グループホームで働くケアマネの1日スケジュール例

9:00 出勤、朝のミーティング(夜勤者からの申し送り)
1日のスケジュールをチェック
10:00 個別ケア、入居者の状況を確認
ケアプラン、要介護認定の申請書類などを作成
11:00 排泄介助、昼食準備
12:00 食事介助 服薬介助 昼食片付け 口腔ケア
13:00 休憩
14:00 サービス担当者会議、個別ケア、入居者の状況を確認
シフトにより入浴介助、レクリエーション
15:00 排泄介助・おやつ
16:00 ケアプラン作成、事務業務
17:00 夜勤者への申し送り
18:00 退勤

 
グループホームによって仕事内容や働き方が異なり、介護職との兼務で夜勤をするケースも少なくありません。
希望する職場があれば、事前に確認することをおすすめします。

グループホームのケアマネの配置基準

グループホームのケアマネージャーは、人員配置基準の計画作成担当者に位置づけられ、事業所ごとに1名以上の配置が必要です。
人員要件は、介護支援専門員かつ認知症介護実践者研修修了者であることとされています。

常勤職員でなければならないという決まりはないため、ケアマネ業務に支障がないことを前提に非常勤職員でも可能です。

2021年の介護報酬改定で最大3ユニットまでの兼務が可能に

これまで計画作成担当者は、1ユニットごとに1名という人員配置基準で計画作成担当者のうち1名以上はケアマネージャーであり、もう1人の計画作成担当者を業務監督する役割をもっていました。

しかし、ケアマネ人材の確保が難しい現実や、ケアマネの専門性や人材の有効活用の視点から、2021年の介護報酬の改正より緩和。
計画作成担当者をユニットごとに1名以上の配置から、事業所ごとに1名以上の配置と改められました。

例えば、18名定員の2ユニットのグループホームの場合。
2021年の介護報酬の改正前は、1ユニットごとに計画作成担当者(内、1名はケアマネージャー)を配置することが義務付けられていました。
2ユニットであれば、2名の計画作成担当者の配置が必要となり、人材確保が難しい、という背景があったのです。

しかし改正後は、事業所全体で計画作成担当者となるケアマネージャーを1名配置すればよい、という形になりました。

また、ユニット数が弾力化され原則1または2ユニットから、地域の実情により事業所の効率的運営に必要と認められる場合は3ユニット以下と改定。

2021年の介護報酬改定で、ケアマネージャーは最大3ユニットまでの兼務が可能になったのです。

参照:社保審-介護給付費分科会 令和3年度介護報酬改定の主な事項について

参照:第195回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料

兼務のメリット・デメリット

施設ケアマネが介護職員と兼務する1番のメリットは、情報収集がしやすいことです。

居宅ケアマネや兼務をしていないケアマネは、入浴や排泄などの様子を介護現場の報告から情報を得てケアプランに反映します。

一方、介護職と兼務しているケアマネは、コミュニケーションや介助を通じて直接情報収集できるため、入居者の状況をより反映させたケアプランを作成できるでしょう。

一方デメリットは、業務量が増加することです。
日々の介護業務に追われ、ケアプランの作成が間に合わないということにならないように、効率的な時間管理が求められます。

兼務はしんどいイメージがありますが、介護職と兼務することで「介護職員等特定処遇改善加算」の対象になったり、夜勤業務をすることで夜勤手当を得たりと収入アップが期待できるでしょう。

収入が上がることで、モチベーション維持や質の高いサービスの提供につながるのは、メリットが多いといえますね。

ケアマネ不在のグループホームは要件を満たせない(減算)

介護保険サービスを実施する介護施設や介護事業所には、人員配置基準が定められています。

グループホームには、「事業所ごとに1名以上の計画作成担当者(ケアマネージャー)を配置する」というのも、人員配置基準の要件のひとつです。

ケアマネ不在という人員配置基準に違反すると、介護報酬の算定額が70%に制限されるため、30%の減算となります。
介護報酬の減算は、グループホームの利益に影響するため、運営において守らなければいけないポイントです。

参照:厚生労働省 認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)

施設ケアマネと居宅ケアマネの違いとは

グループホームに勤務するケアマネジャー

ケアマネには、施設ケアマネと居宅ケアマネがあり、それぞれ仕事内容や役割には違いがあり、グループホームのケアマネは施設ケアマネに分類されます。

では、施設ケアマネと居宅ケアマネの違いについてみていきましょう。

仕事内容の違い

施設ケアマネの仕事内容

施設ケアマネは、施設内部での連絡・調整が主な仕事です。

介護職をはじめ、医師や看護師、リハビリ職、栄養士など、様々な職種と連携し業務を行います。
日頃から入居者様の様子を把握し、必要時には医師や関係機関への連絡等もケアマネ業務のひとつです。

居宅ケアマネの仕事内容

一方居宅ケアマネは、在宅で生活する自立した生活に向けて、適切なサービスを組み合わせたケアプランを作成することが主な仕事になります。

施設ケアマネと違う点は、取り扱う介護保険サービスや社会資源(地域のボランティアや民生員、老人会など)は多様なことです。

利用者様が住み慣れた地域で安心して生活できるように、適切なサービスを選定し、地域で良好な関係が築けるようにサポートも行います。

ケアプランの違い

施設ケアマネが作成するケアプラン

施設ケアマネが作成するケアプランは、施設サービス計画書となります。

入居者の希望やニーズ、目標に合わせて、その人らしい生活が継続できるように、また生活意欲や心身状況の向上にむけたケアプランです。
具体的な援助内容は、施設内のサービスやケア内容をベースに、地域のボランティアや老人会などの活動、自助活動なども含まれます。

居宅ケアマネが作成するケアプラン

一方居宅ケアマネが作成するケアプランは、居宅サービス計画書です。

施設サービス計画書と同様に、希望やニーズ、目標に合わせて、その人らしい生活の継続に向けたケアプランを作成しますが、取り扱う介護サービスや社会資源が様々で、訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービス以外も含まれます。

そのため、居宅ケアマネは、地域のボランティアや老人会、地域住民の支援、介護保険サービス(インフォーマルサービス)などを積極的に活用できるような視野の広さが必要です。

受け持ち人数

施設ケアマネと居宅ケアマネは、受け持ち人数も大きく異なります。

施設ケアマネの受け持ち人数

グループホームの入居定員は、「1ユニット5〜9人・1施設最大3ユニットまで」と定められ、ケアマネが担当するユニットの入居者数が受け持ち人数になります。

そのため、グループホームのケアマネの受け持ち人数は、最大でも27人ということです。

また特別養護老人ホームでは、入居者100人に対して1人のケアマネが必要です。

受け持ち人数が多いですが、施設内でのサービス担当者会議や調整が可能なので、居宅ケアマネのように訪問や移動で忙しいといったことは少ないでしょう。

居宅介護支援事業所のケアマネの受け持ち人数

一方居宅介護支援事業所のケアマネは、利用者35人に対し1人の配置です。

受け持ち人数には上限がなく、以下3つの区分に分けられ基本報酬が決まります。

また、2021年の介護報酬改定後、ICTの導入(訪問記録や情報共有チャットアプリなど)の有無によって受け持ち人数が異なるようになったことも特徴のひとつです。

・ICTを導入している介護支援事業所
40件未満・40件以上60件未満・60件以上

・ICTを導入している介護支援事業所
45件未満・45件以上60件未満・60件以上

居宅ケアマネの方が1人あたりの受け持ち人数が多いため、外部事業所との連絡調整やサービス担当者会議、訪問など負担が大きい傾向です。

参照:令和3年度介護報酬改定における改定事項についてP53

参照:令和4年 居宅介護支援の基本資料

利用者と過ごす時間の長さや関係の深さ

施設ケアマネと居宅ケアマネは、利用者様と過ごす時間の長さや関係の深さも異なります。

居宅ケアマネは、受け持ち件数の多さや多忙な業務から、毎月のモニタリング訪問の際にしか利用者と会う機会がないというケースがほとんどです。
そのため、利用者の変化に気づきにくいことがあります。

しかし施設ケアマネは、基本的に勤務時間中は施設に常駐です。

日頃から利用者とコミュニケーションを通じ、心身状況を把握できるため、入居者のささいな変化も敏感にキャッチすることができるでしょう。

入居者の心身状況を理解しやすい環境であるため、居宅ケアマネよりも関係性が構築されやすく、より詳しいアセスメントやモニタリングが求められます。

まとめ

グループホームは住み慣れた地域と家庭的な環境の中でなじみの関係を構築し、認知症高齢者の生活をサポートする施設です。

介護職との兼務が多いグループホームのケアマネは、身体的な介助や生活援助を通じて入居者とのコミュニケーションを図ることができます。

兼務は「忙しくて大変」というイメージがありますが、入居者と接しながらケアマネジメント業務を行いたい方や介護現場でのコミュニケーションやチームワークが好きな方は、グループホームのケアマネに向いているといえるでしょう。

ケアマネの活躍の場は多岐にわたり、仕事内容もそれぞれ異なります。

グループホームで働くことを考えている方は、今回ご紹介した内容を参考にしてください。

この記事の執筆者吉田あい

保有資格:社会福祉士・介護福祉士・メンタル心理カウンセラー・介護支援専門員

現場、相談現場など経験は10年超。
介護現場(特別養護老人ホーム・デイサービス・グループホーム・居宅介護支援事業所)、相談現場を経験。

現在はグループホームのケアマネジャーとして勤務。

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