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介護保険請求の返戻とは?理由や一覧表の見方、再請求の方法を解説

介護保険請求の返戻とは

介護保険サービス事業所において、介護保険請求は重要な業務の1つです。
 
その業務の中でも「返戻」とは、請求に不備・不足があり事業所が申請した金額を受け取れない状況です。
 
返戻が発生した場合、返戻理由にもとづいて修正をし、再請求をする必要があります。
 
再請求が発生した場合、介護給付費の支払いが遅れることから、スムーズな施設運営をするためには介護保険請求のミスを減らす対策が求められます。
 
しかし、請求業務をしている事務員や管理者からすると、「返戻の原因は何?」「返戻を予防できる方法はない?」と疑問に思うことも多いでしょう。
 
この記事では、介護保険請求での返戻の概要や、「請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表」の見方・再請求方法について解説します。
 
介護保険請求の返戻が起きた場合の対処法や予防策、再請求の仕方もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

介護保険請求における返戻とは?

介護保険請求業務を行う事務員

介護保険請求の返戻について、以下5つの項目について解説します。

1.介護保険請求の流れ

2.返戻の基本的な仕組み

3.介護保険請求における保留とは

4.介護保険請求における過誤とは

5.返戻が事業所に与える影響

まずは基礎知識を学びましょう。

介護保険請求の流れ

介護保険サービスにおけるお金の流れは、下図のとおりです。

介護保険請求の流れ

出典:神奈川県国民健康保険団体連合会『2 請求と支払の仕組みについて』P.3

まずは、介護保険サービス事業所がご利用者へサービスを提供します。ご利用者は受けたサービス利用料の1~3割(※)を事業所に支払う仕組みです。
(※介護保険負担割合証に応じて割合が決定)

また、事業所は国民健康保険団体連合会(以下:国保連)に対して提供したサービス実績をもとに、「請求明細書」を作成・伝送します。

審査結果に問題がなければ事業所へ介護給付費が支払われる、という流れです。

介護サービスを提供してから介護給付費が支払われるまでの流れは、下図のとおりです。

介護サービスを提供してから介護給付費が支払われるまでの流れ

出典:国民健康保険中央会『介護給付費請求の手引き』P.1

ここで重要なのは、介護事業所は利用者へサービスを提供しても給付を受け取れるまで2か月程度かかるという点です。

そのため、介護事業所の運営において、給付を受け取れるまでの期間をどのようにやりくりするか対策する必要があります。

ただし、上記のケースは「国保連での審査に問題がなかった」場合です。

もし返戻があると、事業所が給付を受け取れる期間がより長くなってしまいます。

事業所がスムーズに介護給付費を受け取れる、つまり滞りなく事業所運営するために、介護事務員は実績や請求明細書に間違いをなくす取り組みが必要です。

返戻の基本的な仕組み

介護保険請求における返戻とは、事業所が国保連へ伝送した請求明細書に不備・不足があったため戻されることです。

事業所が伝送した請求明細書の審査結果に不備があると、「請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表」という誰に・どのような内容で審査が通らなかったのかが記載された書類が届きます。

不備内容を確認した後、修正して次月に再請求を実施するという流れです。

返戻があると、原因の特定やそれに伴う対応など事務作業が多くなってしまうため、できる限り返戻を起こさないよう工夫しましょう。

介護保険請求における保留とは

保留とは、居宅介護支援事業所などが国保連に伝送する「給付管理票」に間違いがあった・未送付だった場合に、支払いが一時停止されている状態を指します。

保留となる原因は、主に以下のようなケースです。

介護保険請求が保留となる主な原因

 
・デイサービスを運営している事業所の実績と居宅介護支援事業所の実績に不一致が見られた
 
・居宅介護支援事業所が給付管理票を伝送できていなかった
 
・サービスコードなどに間違いがあった など

保留の場合は、サービスを提供している事業所だけではなく居宅介護支援事業所とどこが間違っているかを精査します。

そのため、居宅介護支援事業所などと密に連携しておくことが大切です。

介護保険請求における過誤とは

過誤とは、すでに入金された給付に誤りがあった場合に保険者へ返金(※)することをいいます。
(※実際には、毎月国保連から受け取れる給付額から過誤申立した分が減額される)

過誤は返戻と違い、「実際に給付を受け取った後」の手続きであり、あくまで事業所が国保連ではなく保険者へ過誤申立を行います。

事業所は請求を一度取り下げたうえで、改めて正しく請求しなおすことが必要です。

基本的には事業所側で間違いを発見して過誤申立しますが、以下のように国保連や保険者から通達が出されるケースもあります。

国保連や保険者から通達が出されるケース

 
・国保連から縦覧審査確認票が届き、改めて過誤かどうか確認するよう依頼され、間違いがあれば過誤申立手続きする
 
・保険者による運営指導により、介護報酬の算定要件を満たしておらず過誤調整を行うよう指導される

過誤申立の手続きから保険者・ご利用者への返金対応まで必要なため、多くの事務負担がかかってしまいます。

日頃からサービス実施状況や算定要件をチェックするようにしましょう。

返戻が事業所に与える影響

介護保険請求の返戻は、事業所運営ひいては収益に大きく影響します。

スムーズに審査が通っても収入が入るまでに2か月を要することから、返戻があるとその分、給付を受け取れるタイミングが遅れて収益が減少してしまいます。

安定して事業所を運営させるためにも、介護事務員は返戻をなくすための防止策や返戻があったときの対処法を理解しておくことが重要です。

具体的な防止策については、後述する「返戻を防ぐための予防策」をご覧ください。

返戻理由を確認する「請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表」の見方

請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表(以下:一覧表)とは、国保連が審査した結果伝送した請求に不備・不足があり支払いができない場合に送られる書類です。

いわゆる、請求内容のどこに誤りがあるかを知らせる書類であるため、一覧表が届いたらすぐ内容を確認する必要があります。

請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表

出典:国民健康保険中央会『介護給付費請求の手引き』P.14

次に、一覧表が届くタイミングや確認すべき重要項目について解説します。

一覧表が届くタイミング

一覧表は伝送したその月の29日前後に送付されます(基準日のため、月によって前後することがあります)。

そのため、月初めには通知が来てないか確認しておきましょう。

また、一覧表の送付日は国保連(都道府県)によって異なる場合もあるため、詳細は管轄の国保連にご確認ください。

一覧表で確認すべき重要項目

一覧表が届いたら、以下の項目を確認します。

・被保険者番号・被保険者氏名

・サービス種類

・事由

・内容

・備考欄

まずは、返戻対象となった被保険者を確認します。

番号しか掲載されていない場合もあるため、被保険者番号をもとに落ち着いて対象者を特定しましょう。

また、複数事業を行っている場合は何のサービスで返戻があったかを特定することも必要です。

返戻の対象者・サービスがわかったら、その具体的な内容を確認します。

事由欄(アルファベット1文字)

事由欄は、返戻(保留)となった理由がアルファベット1文字で表示されています。

あくまで大まかな意味であるため、詳しい返戻理由は「内容」や「備考」を参照しましょう。

各文字の意味については、後述する「【返戻事由コード一覧】A〜Eの意味と原因」をご覧ください。

内容欄(エラーの詳細)

内容欄では、返戻(保留)となった原因についてコメントが記されています。

内容を参照し、正しい請求明細書を作成しましょう。

備考欄(4桁のエラーコード)

備考欄は、返戻(保留)となった原因が4桁のエラーコードとして表示されています。

エラーコード別に原因とその対応方法が確認できるので、対応方法がわからなかったら備考欄をもとに再作成するのがおすすめです。

【返戻事由コード一覧】A〜Eの意味と原因

事由欄には、大まかな返戻理由が表示されています。

ここでは、それぞれのアルファベットの意味について、以下の5つを解説します。

1.返戻事由A|一次チェックエラー

2.返戻事由B|資格チェックエラー

3.返戻事由C|給付管理票との突合不一致

4.返戻事由D|給付管理票未提出

5.返戻事由E|介護給付費等審査委員会での返戻

まずは、返戻の原因となった概要を探りましょう。

返戻事由A|一次チェックエラー

「A」は、一次チェックエラーで請求明細書内における基本的な項目での入力ミス・漏れのことです。

国保連が把握している事業所情報と請求内容が一致していない、もしくはサービス自体が未登録の可能性があります。

返戻事由B|資格チェックエラー

「B」は、利用者・事業者情報と請求明細書が不一致な場合にエラーとして表示されます。

よくある理由としては、要介護者の保険証情報が正しく入力されていなかったケースです。

また、知らないうちに区分変更申請していたなどの可能性もあるため、利用者の各保険証を確認しましょう。

返戻事由C|給付管理票との突合不一致

「C」は請求明細書と給付管理票に不一致がみられた場合に記載される文字です。

この場合、給付管理票にミスがある可能性もあります。

事業所で受け取る一覧表の備考欄には「保留」と書かれているケースもあるため、居宅介護支援事業所に確認してみましょう。

返戻事由D|給付管理票未提出

「D」は給付管理票が提出されておらず、そもそも審査ができていない状態です。

そのため、備考欄には「保留」ではなく「返戻」として処理されるため、まずは居宅介護支援事業所に状況を確認しましょう。

返戻事由E|介護給付費等審査委員会での返戻

「E」は、介護給付費等審査委員会で返戻となった場合に表示されます。

介護給付費等審査委員会とは、国保連に設置されている介護給付費が適切かどうか審査する機関です。

その審査委員会が確認し、請求内容に不備があると判断された場合に記載されます。

返戻理由の詳細|主なエラーコード一覧

ここではよくあるエラーコードの内容とその対処法について、以下のコードを解説します。

1.形式誤り(AAxx)

2.必須項目エラー(ABxx)

3.登録情報エラー(ADxx)

4.日付・期間エラー(AExx)

5.計算・金額エラー(ASxx)

6.重複エラー(ANxx)

7.受給者台帳関連エラー(12xx)

事由欄で大まかな返戻原因を把握したら、内容・備考欄で詳しく原因や対応方法を特定しましょう。

参考:
・国民健康保険中央会『介護給付費請求の手引き』P.26~
・北海道国民健康保険団体連合会『返戻対応マニュアル(介護請求)
  

形式誤り(AAxx)

「AAxx」は国保連に伝送する際の請求データそのもの(レコード)に問題があるケースです。

国保連に伝送するデータは、厚生労働省が定める「記録条件仕様」に沿って提出します。

データ内に書かれている文字などが消えていたり、データ形式に間違いがあるとエラーとして表示されるのです。

データ作成時や伝送前に間違えて文字を消してしまったなどがあれば、再度作成しなおしましょう。

必須項目エラー(ABxx)

「ABxx」は、日付や必須項目が間違っている場合です。

たとえば、請求年月や被保険者の認定有効期間に間違いがみられるケースがあります。

また、各種番号の打ち間違いでも発生するため、改めて日付や番号を見直しましょう。

登録情報エラー(ADxx)

「ADxx」は、保険者番号やサービス種類コードに誤りがある場合です。

ADD1|保険者番号・事業所番号の誤り

「ADD1」は、国保連で管理しているサービス台帳と事業所情報が不一致であるケースです。

たとえば届出を出していない・受理に時間がかかっている場合も考えられます。

国保連だけではなく保険者にも、事業所の登録情報や届出の進捗状況を確認しましょう。

ADD3|サービス種類コードの誤り

「ADD3」は、サービス種類コードの誤りです。

サービス種類別に数字(※)が割り振られており、そこに間違いのあるケースがあります。
(※ 例:通所介護→15、認知症対応型通所介護→72)

事業所がどの種別でサービスを運営しているのか改めて確認しましょう。

日付・期間エラー(AExx)

「AExx」は日付・期間のエラーが表示されます。

AEE2|サービス提供期間の誤り

日付・期間エラーのなかでもよくある間違いは「AEE2|サービス提供機関の誤り」です。

サービス開始・中止日とサービス実日数に差異がみられるとエラーとして表示されます。

とくに、月をまたいでの利用があった場合、実日数を数え間違えているケースもあるため、利用期間と実日数を再確認しましょう。

計算・金額エラー(ASxx)

「ASxx」は計算・金額にエラーがある場合に表示されます。

よくあるエラーは、介護保険負担限度額認定証で減免される食費・居住費の負担限度額との相違です。

ASS5|請求金額の計算値超過

「ASS5|請求金額の計算値超過」は、利用者の負担限度額が審査で確認した計算値より超えた場合に発生します。

ASS6|負担限度額の相違

「ASS6」は、請求明細書と利用者の負担限度額に違いがあるケースです。

たとえば、月途中で負担限度額が変更になった場合、日付で変わるのではなく月末時点での負担限度額で計算します。

それぞれのエラーについては、改めて負担限度額認定証を確認し、正しい段階や利用者負担額を入力・計算しましょう。

重複エラー(ANxx)

「ANxx」は二重登録されている場合に起こるエラーです。

ANN2|当月審査分の重複

「ANN2」は同じ月に2枚の請求明細書を送ってしまった場合に表示されます。このとき、内容が同じ場合は再請求する必要はありません。

また、1つの事業所番号で利用者に複数のサービスを提供した場合、請求明細書を分けて伝送してしまったときにもエラーが発生します。

このケースでは、一度保険者へ過誤申請してから、利用者の請求明細書を1枚にまとめて再請求します。

ANN4・ANNM|過去審査分との重複

「ANN4・ANNM(※)」は、過去に決定された請求明細書と同じ内容で再請求した場合にエラーが起こります。

こちらも過去に決定されているため再請求は不要です。
(※ANN4は「ANNM」と表示されることもありますが、同じ対応でエラーは解消されます)

受給者台帳関連エラー(12xx)

「12xx」は受給者(利用者)の情報で間違いがあった場合に起こります。

12PA|要介護認定変更申請中

「12PA」は利用者の要介護度において変更申請中のケースです。

新しい介護保険証を受け取ったら再請求しましょう。

その際、新しい要介護度だけではなく認定有効期間も必ず確認しましょう。

12P4・12P5|保険者認定情報との不一致

「12P4・12P5」は、利用者が登録している居宅介護支援事業所に間違いがあったり、「居宅サービス計画作成区分」と一致しない場合に発生します。

たとえば、ケアマネジャーが異動により所属する居宅介護支援事業所が変わったにもかかわらず更新できていなかったケースです。

対象利用者のケアマネジャーに内容を報告し、何が間違っていたのかを一緒に精査しましょう。

12PC|特定入所者認定との相違

「12PC」は、特定入所者認定との相違が考えられます。

特定入所者の申請をしているにもかかわらず入力できていなかったり、該当者ではなかった・更新で特定入所者から外れたりして相違があるケースです。

担当のケアマネジャーや保険者に登録状況を確認しましょう。

12SA|保険請求額・給付率の誤り

「12PA」は、保険請求額・給付率に相違があったときに表示されます。

サービス費用における利用者の負担額は、所得に応じて1~3割の負担割合が定められています。

負担割合証に記載されている給付率が変更されていても、前給付率で計算してしまうことで返戻となるケースです。

とくに、負担割合証が更新される8月分(9月請求時)によく起こりやすいため注意しましょう。

返戻の主な原因と具体例

介護施設で事務業務を行う事務職員

返戻でよくある原因は、主に以下の5つです。

1.事業所側の入力ミス・記載漏れ

2.利用者情報の更新忘れ(要介護度変更等)

3.給付管理票との不一致

4.事業所の体制変更の届出漏れ

5.サービス提供実績の記録誤り

それぞれについて詳しく解説します。

事業所側の入力ミス・記載漏れ

請求明細書を作成している事業所が入力を間違えていた・記載漏れがあった場合に返戻が起こります。

具体的には、以下のようなケースです。

・利用者の生年月日や被保険者番号を間違えていた

・サービスコードを間違えていた など

とくに、新規で利用開始した利用者で入力ミスや記載漏れが出やすくなります。

入力する時にはチェックリストやダブルチェックを活用しましょう。

利用者情報の更新忘れ(要介護度変更等)

要介護度の変更など、利用者情報を更新し忘れると返戻の原因となります。

以下の書類・証書の更新に注意しましょう。

・介護保険証

・介護保険負担割合証

・負担限度額認定証 など

要介護度を更新した後に新しい保険証を受け取りそびれたり、区分変更申請中にもかかわらず介護保険請求を実施してしまったなどのケースもあります。

また、負担割合証や負担限度額認定証は通常だと毎年8月に更新されるため、更新しそびれないよう気をつけましょう。

給付管理票との不一致

居宅介護支援事業所が国保連に提出する給付管理票と内容が一致していない場合も返戻の対象です。

たとえば、以下のようなケースがあります。

・給付管理票に記載されていた事業所番号が違う

・サービス内容・コードに相違があった など

給付管理票と請求明細書が一致するよう、定期的にケアマネジャーと連携をとるようにしましょう。

事業所の体制変更の届出漏れ

事業所の体制と請求明細書に違いがあると返戻の原因となります。

新規事業所を立ち上げた場合だけではなく、介護報酬改定で区分や加算が変更されたにもかかわらず更新できていなかった場合などが考えられます。

また、体制変更した届出を提出しておらず、新しい加算を算定しようとしたら返戻となるケースもあるため、届出の提出を確認するようにしましょう。

サービス提供実績の記録誤り

サービス提供実績とは、訪問介護サービスなどで使用される「サービスを提供した日時・内容などを記録する帳簿」です。

たとえば、以下のような間違いがあったときに返戻の原因となります。

・提供時間を間違えて記入していた

・利用なしにもかかわらず算定してしまっていた

・単位数の計算が間違えていた など

入力ミスや計算ミスをおこさないよう、記録の時間を確保したりテンプレート・介護ソフトを活用したりなどの対応を実施しましょう。

返戻になった場合の対処法と再請求の手順

介護保険請求が返戻になった場合、焦らずに以下4つの対処法を踏まえて進めていくことが重要です。再請求の仕方を押さえておきましょう。

1.返戻となった原因を確認・特定する

2.請求明細書を修正する

3.関係機関(ケアマネジャー・保険者)と連携する

4.期日までに再請求する

それぞれの手順について解説します。

返戻原因の確認と特定

まずは、一覧表を確認し「誰が・どのサービスで・どのような理由で」返戻となったのかを確認します。

この時、一覧表の備考欄に記載されているコードを見て、詳しい返戻原因を探ります。

また、コードだけではなく以下のような視点で原因を探るのも効果的です。

・審査の通った利用者の請求明細書と見比べる

・介護保険証や負担割合証を再度確認する

・同じご利用者で審査の通った月の請求明細書を確認する など

一覧表や保険証、実績表など多角的に原因を探ると特定しやすくなるでしょう。

請求明細書の修正

返戻の原因を特定できたら、請求明細書を修正します。

修正前・後の請求明細書を見比べて、きちんと修正することが重要です。

また、1人で修正前・後を確認するのではなく複数人でダブルチェックを行い、修正漏れがないか確認するとよいでしょう。

関係機関との連携(ケアマネジャー・保険者)

返戻原因や修正対応のめどが立ったら、ケアマネジャーや保険者と連携し、今回の返戻事案を報告・共有します。

とくに、ケアマネジャーと適切に連携し、再請求内容を正しく共有しておくのが重要です。

また、返戻内容によっては保険者に連絡して正しい請求方法を確認する必要もあります。

再請求のタイミングと提出期限

修正した請求明細書が完成したら、再請求を実施します。

29日前後に返戻(保留)一覧表が届いた場合、すぐ修正し翌月1~10日までに提出します。

原則10日を超えてしまうと翌々月の提出になってしまうため、速やかに対応することが必要です。

返戻を防ぐための予防策

介護保険請求の返戻を防ぐためには、主に5つの予防策が効果的です。

1.請求前チェック体制(チェックリスト)の整備

2.ダブルチェック体制の構築

3.居宅介護支援事業所との連携

4.利用者情報の定期的な更新

5.介護請求ソフトの活用

事業所内の事務フローの見直しにぜひ活用してください。

請求前チェック体制(チェックリスト)の整備

介護保険請求の請求前にチェックリストを活用した体制を整備しておくと、返戻リスクを減らせます。

よくある記入漏れ・入力ミスの例は、以下のとおりです。

・事業所番号やサービス種別が異なっていた

・保険者番号・被保険者番号が間違えていた

・サービスコードや実日数が違っていた

・要介護度が変更されていなかった など

ミスしがちな部分やこれまでにあった返戻原因をリスト化し、請求前にチェックしておくと同じ間違いをせずにすむでしょう。

ダブルチェック体制の構築

請求データを作成する人と確認する人と、ダブルチェック体制を構築しておくと請求前に間違いを発見しやすくなります。

1人の職員が請求データを作成→確認すると、どうしても見落としや見間違いが発生してしまうことがあります。

そのため、作成者と確認者を分けてチェックすることで、別の視点から請求データを確認できるため返戻を予防するのに効果的です。

また、介護保険請求に携わる人を1人でも多く増やしておくと、作成者にトラブルがあってもすぐ対応できるでしょう。

居宅介護支援事業所との連携

給付管理票を作成する居宅介護支援事業所・ケアマネジャーと連携を取っておくことで、返戻リスクを減らせます。

とくに、訪問・通所サービスの請求では給付管理票と請求明細書できちんと整合性がとれているかが重要です。

また、利用者の実績や各種情報に変更がある場合にも密な連携はかかせません。

月末の実績送付後にケアマネジャーから入力ミス・記載漏れを指摘されることもあるため、日頃から連絡をとっておくこともおすすめです。

利用者情報の定期的な更新

利用者の各種情報を定期的に確認・更新しておくと、返戻リスクを軽減できます。

介護保険請求に関する情報は、以下のタイミングで確認・更新すると効果的です。

・介護報酬が改定された時

・利用者の介護保険証が更新された時

・(毎年8月)負担割合証や負担限度額認定証が更新された時 など

事業所でも半年から1年のスパンで確認するタイミングを設けるといった体制を整えておくと、返戻を防げるでしょう。

介護請求ソフトの活用

介護請求ソフトを活用すると、エラー項目を自動的に知らせてくれるため返戻を予防できます。

人の目視やチェックだけではどうしてもミスは防ぎきれません。

とくにサービスコードや単位数は正しい計算方法で算出する必要があり、人力や手動では多くの負担のかかる業務です。

介護請求ソフトには自動でエラーや不明箇所が表示する機能が備わっており、国保連への伝送前に間違いを特定できます。

また、利用者の各種情報や実績の自動入力など、さまざまな点でも事務負担を軽くできるため、ぜひ導入・活用を検討しましょう。

まとめ

介護保険請求は、事業所を運営するうえで重要な事務業務の1つです。

もちろんミスや漏れが全くない状態を保つ体制を整えることも必要ですが、実際に返戻や過誤などが起きた場合に、どのような対応をするか把握しておくことが求められます。

請求業務は毎月あるため、事業所のスケジュールを踏まえながら余裕をもって取り組みましょう。

また、事務員1人で請求業務を抱え込むのではなく、複数人で作成・チェックする体制を構築することも大切です。

複数人で請求業務に関わると、作成や確認できる人が増え、入力ミス・漏れが少なくなります。

介護請求ソフトもあわせて活用すると、より返戻リスクを減らせるためぜひ検討してください。

介護保険請求はお金にかかわる業務だからこそ、請求業務を平準化して滞りなく進められるようにしましょう。

当サイト、Shift Lifeでは他にも、介護運営やICT・DX化に関する役立つ記事を多数掲載しています。

生産性向上や業務改善などさまざまな情報を知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。
 

 

この記事の執筆者しょーそん

保有資格:介護福祉士 認知症実践者研修 修了 認知症管理者研修 修了 認知症実践リーダー研修 修了

グループホームに11年勤務し、リーダーや管理者を経験。
現場業務をしながら職員教育・請求業務、現場の記録システム管理などを行う。

現在は介護事務の仕事をしながら介護・福祉系ライターとしても活動中。

 
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