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【教えて!】介護福祉士とは?介護職員との違いや役割を解説

介護福祉士とは

介護福祉士と介護職員に違いはあるの?そんな風に疑問を持つ方も多いと思います。
介護業界には介護士やヘルパーなど、さまざまな名称が存在します。
介護業界を知らない方は、すべての業務を介護福祉士がおこなっていると思われている方もいるのではないでしょうか。
資格によって仕事内容が異なるのはもちろん、働く場所の選択肢も広がります。
この記事では、介護福祉士と介護職員との違いや役割を解説します。
ぜひ参考にしてみてください。

介護福祉士と介護職員との違い

まず最初に介護福祉士と介護職員の違いについてご紹介します。

介護職員とは?

介護職員

介護職員とは、介護の仕事に就いている方の全般的な名称です。

介護職員は、介護施設で介護の仕事に従事している方や、訪問介護サービスにおいて、身体介護や生活援助などを行うヘルパーを指しています。

ほかにも、介護士や介護スタッフなどと呼ばれることもあり、割と自由に呼んでいるような印象があります。

介護福祉士とは?

介護福祉士とは、介護の世界では唯一の国家資格の名称です。

さらに介護福祉士国家試験に合格した方だけが名乗れる名称になります。

また、介護職員や、ヘルパーみたいに限られた業務を任される名称とは違います。

介護職員は介護職全体を指す名称ですが、介護福祉士は国家資格がなければ名乗れない名称です。

介護福祉士の受験資格

介護福祉士の受験資格を得るためには、福祉系の高校、養成施設、実務経験と実務者研修の取得をするという3つの方法があります。

以下で詳しく説明しているので参考にしてください。

福祉系の高校へ進学した場合

福祉系の高校を平成21年度以降に入学された方は、卒業後に筆記試験で合格すると介護福祉士の資格取得が可能になります。

平成20年度以前に入学された方は、卒業の後に筆記試験、実技試験に合格すると資格取得が可能です。
このように、現在と過去では要件が異なるので注意が必要です。

また、福祉系特例高等学校は、卒業後9カ月以上の実務経験と、筆記試験、実技試験の両方に合格しなければいけません。

さらに履修した講習や内容によって、実技試験が免除されます。

養成施設へ通う場合

厚生労働省に指定の養成施設に通い、介護福祉士を目指す場合は、学歴によって通う年数が異なります。

普通科高等学校の卒業生は、養成施設で2年以上です。

また、福祉系の大学や社会福祉士養成施設、保育士養成施設などの卒業生は、1年以上通わないといけません。

実務経験の場合

施設で介護の仕事の経験を積みながら介護福祉士を目指す場合は、3年以上かつ、540日以上の実務経験と、実務者研修を修了する必要があります。

この場合は学校や養成所に通う必要がなく、働いている間に介護福祉士の資格取得を目指せます。

介護福祉士の資格取得することで待遇はどうなるか

疑問を持つ介護士

介護福祉士の資格を取得すれば、資格手当がつくため給料がアップします。
ただし、施設によって金額が異なる場合や資格手当がないこともあります。

求人要項に介護福祉士資格所有者と限定されている場合は、基本給が元から高く設定されていることが多いです。

また処遇改善加算という、介護サービスの種類によって点数が変わる手当があります。

ただし、加算の対象とならないサービスもあり、稀に加算の手続きをとっていない事業所もあるので注意が必要です。

算金をどう使うかの規定はないので、各施設によって使い道は様々です。

一般的には、介護職員の給料や賞与に反映されていることがほとんどでしょう。

中でも、2019年に10月に始まった特定処遇改善加算は、勤続10年以上の介護福祉士を中心に、介護職員の年収を上げることを目的に、規定にそった施設に加算金が支給されています。

勤続10年未満でも、経験豊富なリーダー的な役割をしている介護福祉士への支給が推奨されています。

そのため、介護福祉士資格があると、給料がどんどんアップする可能性が大きいでしょう。

介護福祉士を持っているとなれる職業

介護福祉士の資格を持っているとなれる職業をご紹介します。

介護施設で働く以外の仕事も考えることができるようになります。

介護福祉士養成施設の教員や福祉系高校の教員

介護福祉士養成施設は、介護福祉士を育てる学校です。
実務経験が5年以上と、介護福祉士の資格を持っていれば、目指すことができます。

メリット

これから介護福祉士を目指す方に対して、専門的な知識や技術を教えるのはもちろん、自身の介護職としての経験を伝えられます。

現場を知っているからこそ、介護のやりがいや魅力を明確に知ってもらうことができるでしょう。

介護現場を快適にするために、介護ロボットの活用など、毎年新しい事業が導入されています。

そのため、知識をアップデートすることで、生徒だけでなく、自分自身の成長へと繋がるでしょう。

デメリット

教員という立場ですから、責任感のある仕事です。
もしも間違えた内容を教えてしまうと、大問題になる可能性があります。

生徒の成長が見られるやりがいのある仕事ですが、自身が伝える内容について正しい知識を伝えなければいけないというプレッシャーもあるでしょう。

向いている人

介護福祉士養成施設や福祉系高校では、様々な方がいます。

そのため、色んな方の対応をしなければいけないので、日頃から人とのコミュニケーションが好きな方が向いているでしょう。
また、観察力や洞察力も優れている方が望ましいです。

たくさんの生徒がいるので、全体を見渡して状況も把握しなければいけません。
さらに人にわかりやすく伝えられて、生徒に寄り添える方が向いています。

向いていない人

人とのコミュニケーションや、大勢の前で話をするのが苦手な場合はストレスがたまりやすいかもしれません。

最近では外国人も増えているため、細やかなコミュニケーション能力が問われるでしょう。
また、気持ちの切り替えが上手くできる方が良いです。

学校なので毎日大勢の方たちと関わります。
様々な出来事が起こった際にも、落ち着いて対応できる方が良いです。

福祉用具専門相談員

福祉用具専門相談員は、福祉用具の貸与や販売、事務業務などが主な仕事です。

介護認定を受けた高齢者を中心に、一人一人の心身の状態に合った福祉用具の提案を実施します。

車椅子や歩行器、電動ベッド、手すりなどを貸与する高齢者の方へ、福祉用具の扱い方の説明をします。

また、福祉用具を貸与した利用者さんの自宅に定期訪問し、状態確認や調整を行うのが仕事です。

そして福祉サービス計画書や定期訪問後の報告書を作成するのも福祉用具専門相談員の大切な仕事になります。

メリット

利用する高齢者の方やその家族さんと直接関われるので、感謝の気持ちを伝えてもらいやすい他、利用者さんのために役立っているという実感が得られやすいです。

デメリット

福祉用具は一般的に重量があり、搬入や組み立てる際に体力がいります。
場所によってはエレベーターのないマンションで作業することもあり、身体的な負担がかかることも。

福祉用具は様々なものがあり、新商品も開発されているのでその製品に対する知識も入れておかなければなりません。
また、事故や怪我の注意もあるので、明確な説明力も問われます。

職場によっては、営業ノルマがある場合があります。

数値がプレッシャーに感じやすいこともあり、精神的な負担に繋がることもあるでしょう。

向いている人

人とのコミュニケーションが得意かつ、利用者さんや家族さんの気持ちを汲み取れる力も必要です。

また、様々な福祉用具が展開されるため、常に学習意欲の高い方が向いているでしょう。

向いていない人

人とのコミュニケーションが苦手な方や、体力に自信のない方には難しいかもしれません。

その他、ノルマを課せられるのが負担になる方は注意が必要です。

サービス提供責任者

介護サービスを行う事業所をまとめる立場の仕事です。

事業所で働いている職員の手配やスケジュール管理、シフト作成の他、介護をしている家族さんの相談に乗ることもあります。

また、訪問介護計画書の作成も行います。

施設長・管理者

介護福祉士が現場以外で働く際は、施設長や管理者としての働き方があります。
ただし、施設によって要件が異なるため注意してください。

介護老人保健施設は、開設者が都道府県からの承認が得られる場合、管理者になることが可能です。

小規模多機能型居宅介護施設の管理者は、現場での3年以上介護に従事した方も認められています。

有料老人ホームなどでは、管理職になるための資格条件がない場合も多いので、各施設によって様々です。

メリット

介護施設の施設長や管理者、サービス提供責任者は、率先できるリーダーシップ力や的確なマネジメント能力が必要です。
さらに介護に関する知識や資質を求められるため、自身の成長へと繋がる仕事です。

また、新しい顧客の獲得や、施設に利益が生まれるとやりがいや喜びを感じられるでしょう。

他にも介護職員の育成が介護サービスの向上にも繋がるため、モチベーションが高まる仕事とされています。

デメリット

現場で働く立場よりも、大きな責任がある仕事です。
そのため、精神的なストレスを抱える方も多くいるでしょう。

仕事への向上心がある方や、キャリアアップを目指したい方にはおすすめです。

向いている人

利用者さんやそのご家族、介護職員、取引業者など、さまざまな方と関わるため、コミュニケーション能力が高い方が向いています。

大勢の前で話をする場面も多く、介護についての指導や指示をする立場なので、わかりやすく伝えられることも重要です。

そして幅広い視野を持つことも大切です。

経営や運営方針はもちろん、働く介護職員のことも考えないといけません。
決断力も必要で、介護職員の採用や配置も考えます。

また、介護施設は事故や怪我で緊急事態が起こる場合があります。その際に瞬時に的確な判断力も求められています。

向いていない人

多くの責任能力が問われる仕事なので、プレッシャーになることもあるでしょう。
心身ともに強い方でないと、続けられないかもしれません。

コミュニケーション能力が不得意で大勢の前で話をするのが苦手な方も難しいでしょう。

まとめ

同じ介護の仕事をする立場でも、介護福祉士と介護職員では、介護福祉士のほうが仕事を選べる視野が広がることがわかりました。

介護福祉士の資格を持っているだけで、介護職員としてキャリアアップしやすいことはもちろん、様々な仕事に挑戦するチャンスがあります。

介護業界で長く働き続けたい方には、ぜひ介護福祉士の取得を目指すことがおすすめです。

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