組織の役割もしくは役職という面から見ると、リーダーシップを取る立場にある看護師は看護部長、病棟長、看護師長といった方が当てはまります。
こうした立場にある人は、一般的な民間会社と同じような役職にありますので、リーダーという感覚が強くなります。
看護師長や看護部長といった看護師を管理する職についている方の場合、看護師たちをまとめ上げる適切なリーダーシップを発揮することが欠かせません。
後輩に慕われるリーダーシップを手に入れ、看護師や患者さんに安心感を与えられるリーダーになりましょう。
当記事では、看護師に必要なリーダーシップの概要、リーダーに求められる具体的なスキル、リーダーになりたい方がすべきことなどについて解説します。
看護師のリーダーになった方、リーダーを目指している方は、ぜひお読みください。
目次
看護師に必要なリーダーシップとは?
看護師に必要なリーダーシップとは、後輩の看護師や患者さんの安心・信頼を得るための統率力のことです。
看護師を率いる立場のリーダーには、看護師に信頼されるためのリーダーシップが不可欠となります。
看護師の上に立つ人がリーダーシップを発揮することで、看護師たちの業務がスムーズになり、患者さんに対しても適切な看護が行えるようになるでしょう。
看護師を取りまとめるリーダーとなる場合、以下のようなスキルが求められます。
・知識や経験を身につけ、経験を元に後輩を指導していくスキル
・トラブルがあっても冷静に対処し、後輩のサポートも柔軟に行えるスキル
上記のスキルを身につけ、後輩にとって信頼のおけるリーダーとなることを目指しましょう。
知識や経験を身につけ、経験を元に後輩を指導していくスキル
看護の仕事において豊富な知識を持つことは、最重要な要素のひとつです。
目の前の事態に合わせた正しい対処を素早く取るためには、看護に関するさまざまな知識や経験を持っていることが欠かせません。
経験の豊富な人がリーダーであれば、看護師も安心感を持って働けます。
自分自身が適切な対処を取れるだけでなく、看護師が困っていた際にすぐに助けられるような知識量を得ておくようにしましょう。
ただし看護師のリーダーは、ただ知識や経験が豊富なだけでは務まりません。
看護師をまとめる立場上、自身の知識・経験を元に後輩たちを指導し、良い看護師へと育てていくスキルを得る必要があります。
特に入ったばかりの看護師は、まだ右も左もわからない状況です。
新人の看護師を一人前の看護師に育てていくためには、リーダーが適切に指導する必要があります。
看護師としての知識を教えることはもちろん、看護師として働くことのやりがいや楽しさについても教えていくことで、後輩たちはより生き生きと働いていけるでしょう。
トラブルがあっても冷静に対処し、後輩のサポートも柔軟に行えるスキル
命を預かる仕事である看護の現場では、想定外のトラブルや動揺を招くような事態が発生することも少なくありません。
緊急時にリーダーが動揺してしまうと、後輩の看護師たちにも不安を与えてしまいます。
リーダーは、どのようなことがあってもできる限り冷静に対処できる心持ちを持つことが重要です。
冷静な対処能力のある人がリーダーを務めることで、看護師たちが感じる焦りやストレスが最小限になり、安心して働いてくれるようになるでしょう。
なお、知識が豊富で、いつでも冷静な判断が取れるリーダーであっても、看護師に冷たい人や淡々と厳しく指揮をとるだけの人であれば信頼は勝ち取れません。
リーダーとして看護師を率いていく以上、看護師たちに慕われるような思いやりのある人格を持つことも重要です。
看護師一人ひとりに寄り添い、厳しさと優しさをバランス良く与えられるようなリーダーになりましょう。
トラブルの際は、焦っている後輩を安心させ、適切にフォローする心がけが重要となります。
看護の仕事はチームワークが必要とされるため、看護師たちとの交流を忘れないようにしてください。
グループごとにリーダーシップを発揮する看護師が求められている
看護師の現場では、一つの部署やチーム、委員会や業務ごとに振り分けられた担当者グループといった組織も設けられています。
こうした小さな、しかも明確な役職がないグループでもリーダーシップが適切に発揮されると、隅々まで業務効率化の考え方が行き渡るようになります。
まずは、こうした方たちにもリーダーシップが求められることを意識しましょう。
その上で、看護師として求められるリーダーシップとして、業務そのものを適切に遂行する技術と知識のレベルを高める必要があります。
また、チームをまとめるためのコミュニケーション、情報共有、提案力といったものも求められます。
同時に、現場で日々生じる問題を分析して解決策を提示する能力と、チームの中で適切に分担を割り振り、それぞれが上手に仕事を進められるよう見守る力も重要です。
そして、部下やチーム全体の能力を底上げする教育や指導をすることもリーダーとして重要な役割となります。
看護師のリーダーシップを構成する4つのスキル
看護師のリーダーシップを高め、発揮するためには、主に4つのスキルが重要です。
プランニング能力
一つ目は、チームで共有する目標の設定と実行に至るプランニング能力です。
チームとしてどんな問題を解決していくかを定め、達成するまでの道のりや手法を決めるのです。
看護スキル
二つ目は、高度な看護スキルです。
リーダー自身が豊富な知識と確かな技術を持つことで、チームのメンバーに適切な指示を与えられます。
また、何かリスクが生じた時に、すぐに察知し素早く行動を取れます。
チームをまとめるスキル
三つ目は、チームをまとめるスキルです。
仕事を適材適所で分担し、それぞれがきちんと業務をこなせているかをチェックします。
進捗状況を把握して、誰かに大きな負担がかかっているのであれば、互いに協力できるようにすることも重要です。
コミュニケーションスキル
四つ目の大事なスキルはコミュニケーションスキルです。
ほとんどの場合、看護師の現場は一人で仕事をすることはなく、複数の看護師で働きます。
また、看護師だけでなく医師を始め、他の職種とも連携して働く必要があります。
同じ患者さんを複数で担当することも多いはずです。
こうした現場をスムーズに、かつリスクを軽減するためには緊密な情報共有が欠かせません。
的確にポイントを伝えて、それぞれがすべきことや気を付けるべき点を理解できるように上手に情報を提供する能力が求められます。
看護師のリーダーになるためには何をするべき?
看護師のリーダーになりたいものの、具体的に何をすれば良いのかわからず迷っている方も多いでしょう。
リーダーを目指したい方が行うべきことは、主に以下のようなものです。
知識を習得する
信頼のおけるリーダーになるためには、知識の習得が不可欠です。
学会や研修へ自主的に参加したり、資格を取得したりすることで、看護師としての知識を吸収していきましょう。
知識を得ることにより、リーダーになった際に自信を持って後輩を指導できるようになるはずです。
タスクを整理する能力を身につける
リーダーは、積み重なった仕事を後輩へと上手く振り分けなくてはなりません。
タスクの整理能力が足りていないと、多くの仕事をどう後輩に任せていいかわからず、パニックになったり、1人で抱えてしまったりすることにもつながりかねません。
現在リーダーでない方は、自分に振ってきたタスクを上手に整理し、優先順位をつけて冷静に取り組むことから始めてみましょう。
まとめ
看護師たちを率いる立場になるのであれば、リーダーシップを発揮することが欠かせません。
看護師のリーダーに求められる主なスキルは、知識や技術に関するスキル・後輩の指導スキル・トラブルへの対処スキル・看護師への思いやりのスキルです。
リーダーを目指している方は、後輩に信頼されるような知識や経験を積極的に身につけましょう。
また、振ってきたタスクに優先順位をつけて、冷静に取り組む力を身につけることも重要です。
リーダーシップを持った人が看護師を取りまとめることで、看護師も安心して働けるようになり、患者さんにとっても安心感の高い職場になっていくでしょう。
この記事の執筆者 | シフトライフ編集部 主に介護業界で働く方向けに、少しでも日々の業務に役立つ情報を提供したい、と情報発信をしています。 |
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