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【いまさら聞けない!】社会福祉法人とは?医療法人、株式会社それぞれの違いを紹介!

社会福祉法人とは?医療法人、株式会社との違い

「介護職として働きたいけれど、どのような勤務先が良いか分からない」
 
このような悩みを持つ方も少なくないと思われます。介護業界での経験が浅い方の場合、特に悩まれることでしょう。介護職の勤務先といえば、社会福祉法人による事業所が多いと思われがちですが、運営先が医療法人や株式会社である介護事業所もゼロではありません。
 
厚生労働省の資料によると、介護老人福祉施設の場合、約95%が社会福祉法人ですが、訪問介護事業所では、約67%が営利法人(会社)という状況です。ついで、社会福祉法人が約18%、医療法人が約6%となっています。
 
ここでは、社会福祉法人とは、といった内容を中心として社会福祉法人、医療法人、株式会社の特徴についてそれぞれご紹介します。勤務先選びの参考になれば幸いです。

社会福祉法人とは?

社会福祉法人とは、社会福祉法で定義されている公益性の高い非営利法人です。高齢者や子供、障害のある方など、さまざまな課題で苦しんでいる方たちの生活を、各種の社会福祉事業などで支援します。

事業収益はすべて社会福祉サービスに還元されており、行政による定期的な監査を受けている法人です。

厚生労働省令和3年度福祉行政報告例の概況」によると、2021年度末時点での社会福祉法人数は 21,021 法人でした。全国社会福祉法人経営者協議会のホームページ上データでは、職員は約87万人、福祉事業を利用している方は約296万とされています。

社会福祉法人を設立するためには、都道府県知事や、市長の認可を受ける必要があります。認可を受ける先は、法人の所在地によって異なります。

また、社会福祉法人の職員は公務員ではありません。あくまでも民間法人の職員であることを覚えておいてください。

社会福祉法人で働くメリット

社会福祉法人で働く主なメリットとしては、

・業績による給与の変動が少ない
・安定した収入を得られやすい
・地域の公益性を重視しているため転勤の可能性が低い

などが挙げられます。大きい規模の法人では、福利厚生も充実していることも特徴といえるでしょう。

医療法人とは?

医療法人とは、医師法第39条の規定に基づき設立される法人です。病院や診療所(医師、もしくは歯科医師が常時勤務する)または介護老人保健施設を開設することを目的としています。医療法人も、社会福祉法人と同じ非営利法人です。

医療法人の最も基本的な区分として、社団医療法人と財団医療法人の2つがあります。社団医療法人は、医療施設開設を目的とする法人です。

・金銭・不動産・医療機器などの出資または拠出
・2ヶ月以上の運転資金

を必要とします。

財団医療法人は、寄附により集められた資金や財産によって運営される法人です。それ以外は、社団医療法人と大きな違いはありません。

医療法人で働くメリット

医療法人で働く主なメリットとしては、

・医療と介護が連携したチームで働ける
・医療やリハビリの知識が身につく
・収入が安定している

などが挙げられます。また、経営が安定している医療法人であれば、急に職場を失う可能性が少ないといえるでしょう。厚生年金や社会保険にも加入できるというメリットもあります。

株式会社とは?

株式会社の前に、会社について説明します。会社とは、より良い商品やサービスを提供して、利益を得ることを目的とする組織です。株式会社は、株式を発行してより多くの人々からお金を集め、そのお金で、世の中の人々に役立つようなモノやサービスを生み出していく会社をいいます。

社会福祉法人や医療法人との違いは「営利法人」であることです。株式会社を設立することには、いくつかメリットがあります。

株式会社のメリット

株式会社を設立する主なメリットは、

・周りからの信用を得やすい
・お金を集めやすい
・税金の負担を軽くしやすい

などです。

会社によって異なりますが、介護事業以外の事業も運営している株式会社も多く、介護事業所の資金が潤沢にある可能性もあります。事業展開が自由であり、会社ごとに独自の運営理念があることも、株式会社の特徴といえるでしょう。

株式会社で働くメリット

株式会社で働く主なメリットとしては、

・自分の考えに合った場所で働ける
・新規事業立ち上げに携われる可能性がある
・経営や人材のマネジメントを学べる機会もある

などがあります。

社会福祉法人と医療法人の違い

社会福祉法人と医療法人の最も大きな違いは、社会福祉法人は、特別養護老人ホームを運営できるという点です。

社会福祉法人と医療法人では、施設を運営する目的が異なります。社会福祉法人は社会福祉事業を目的とした法人であることに対して、医療法人は医療サービスを行うことを目的とした法人です。

また、法人設立の根拠になる法律も異なります。社会福祉法人は社会福祉法であり、医療法人は医療法です。

社会福祉法人と株式会社の違い

社会福祉法人と株式会社の違いは、「利益を追求するか否か」です。

また、株式会社は営利法人ということもあり、業績が変動しやすく、給与の増減も考えられます。これが株式会社のメリットであり、デメリットでもあるでしょう。

平均月収の違い

厚生労働省:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」による介護職員の平均給与額等をもとに、それぞれの平均月収を以下にまとめてみました。

平均給与額(月給・常勤の者)

 
全体 : 317,540円
社会福祉法人 : 334,810円
医療法人 : 320,120円
営利法人 : 296,150円

社会福祉法人、医療法人、営利法人の三者で比較すると、社会福祉法人、医療法人が全体よりも高い給与水準であることがうかがえます。営利法人が全て株式会社とは限りませんが、社会福祉法人及び医療法人よりは給与水準が若干低いことが見てとれます。

社会福祉事業とは?

社会福祉事業とは、社会福祉法人が行うことができる3つの事業です。介護職の勤務先にも、社会福祉事業を行う事業所が含まれる場合があります。

社会福祉法人が行うことができる3つの事業

1.社会福祉事業

社会福祉事業は社会福祉法第2条に定められている事業で、高齢者や子供、障害のある方など、いわゆる「社会的弱者」と呼ばれる方々を支援するものです。社会福祉を目的とする事業として、第1種と第2種に分かれています。

2.公益事業

公益事業は、社会福祉と関係のある、公共の利益を目的とした事業のことです。
介護保険法による居宅サービス事業所や、子育て支援事業などが、公益事業にあたります。

3.収益事業

事業による収益を、社会福祉事業又は一定の公益事業に充てるためのものです。
公共施設内の売店や駐車場、貸ビルなどの経営などが、収益事業と呼ばれます。

社会福祉を目的とする事業は2種類

社会福祉を目的とする事業(社会福祉事業)は、第1種と第2種の2種類です。

1.第1種社会福祉事業

主な事業としてあげられるのは、

・児童福祉法に規定する乳児院
・老人福祉法に規定する特別養護老人ホーム
・障害者自立支援法に規定する障害者支援施設

などです。

原則的に経営主体は、国や地方公共団体、または社会福祉法人となっています。その他の者が事業を行う際は、都道府県知事の許可が必要です。

2.第2種社会福祉事業

主な事業として挙げられるのは、

・児童福祉法に規定する保育所
・老人福祉法に規定する老人デイサービス事業
・障害者自立支援法に規定する障害福祉サービス事業

などです。第1種社会福祉事業と違い、経営主体に関する制限は特にありません。

まとめ

介護職の主な勤務先として、社会福祉法人、医療法人、株式会社の3つをご紹介しました。三者三様の特徴があり、メリットもさまざまです。

しかし、社会福祉法人、医療法人、株式会社と言っても、事業所ごとに細かい特徴があります。この記事を読んで各種法人についての概要を把握しつつ、自分に合った事業所を選ぶことをおすすめします。

この記事の執筆者
古賀優美子

保有資格: 看護師 保健師 福祉住環境コーディネーター2級 薬機法管理者

保健師として約15年勤務。母子保健・高齢者福祉・特定健康診査・特定保健指導・介護保険などの業務を経験。
地域包括支援センター業務やケアマネージャー業務の経験もあり。
高齢者デイサービス介護員としても6年の勤務経験あり。

現在は知識と経験を生かして専業ライターとして活動中。

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