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【教えて!】介護施設におけるレクリエーションの目的・意味・重要性とは?

介護施設 レクリエーションの目的

はじめて介護施設でレクリエーションを担当するとき、以下のような疑問を感じる介護士も多いでしょう。
 
「なぜ介護現場ではレクリエーションを行うの?」
「レクリエーションの効果とは?」
「レクリエーションにはどんな種類があるの?」

 
この記事では、新人介護士やはじめてレクリエーションを担当する介護士に向けて、介護施設におけるレクリエーションの目的や意味を紹介します。レクリエーションの種類や企画の立て方なども解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

レクリエーションとは?介護現場での基本的な考え方

介護施設でカラオケのレクリエーションを楽しむ高齢者

レクリエーションは、介護施設が利用者に提供する活動の1つです。

体を動かすメニューや頭を使うメニュー、リフレッシュにつながるメニューなどを提供することで、利用者の生活の質(QOL)の向上に役立ててもらいます。

レクリエーションは、参加人数によって集団レクリエーション個別レクリエーションに分けられます。

  集団レクリエーション 個別レクリエーション
意味 複数の利用者が参加するレクリエーション 「利用者1人」または「利用者1人と職員」で行うレクリエーション
特徴 ・メニュー数が豊富
・他者とのコミュニケーションを促せる
・相手の趣味や好みに合わせたメニューを提供しやすい

 

多くの介護施設では、一日のスケジュールや利用者のADLなどに合わせて、集団レクリエーションと個別レクリエーションの両方が提供されています。

企画や司会進行を担当するのは主に現場の介護士です。医療職やリハビリ職がサポートしてくれることもあります。

介護施設でのレクリエーションの目的・意味とは

介護施設でのレクリエーションの目的は、利用者の身体機能の維持・向上や楽しみの創出などを通じて、その人の生活の質を高めるサポートをすることです。

日常生活をより過ごしやすく楽しみを持って送れるように、さまざまなレクリエーションを提供します。

また、利用者がレクリエーションに参加すると、

「ほかに来ている人と交流できた」

「介護士と顔見知りになれた」

「介護施設の対応を確認できた」

といった体験を得やすくなります。そうした経験は、次に介護施設を利用する際の不安軽減に役立ちます。

レクリエーションの効果

高齢者施設でレクリエーションに参加する女性

レクリエーションの効果をもう少し詳しくみていきましょう。

介護施設で行うレクリエーションには、主に4つの効果が期待されています。

介護施設で行うレクリエーションの主な効果

 
・身体機能の維持・向上
 
・脳の活性化
 
・コミュニケーションの促進
 
・生活の質(QOL)の向上

身体機能の維持・向上

日常生活を送るために必要な動作を維持することです。

レクリエーションの参加者は、運動を通じて筋肉を使ったり関節を動かしたり、皮膚などの感覚を使ったりと身体のさまざまな機能を使います。

特に筋力や関節の動きなどは、日常生活動作(ADL)の維持に欠かせない身体機能です。

介護施設のレクリエーションでは、こうした身体機能の維持・向上を図ることで、食事や排せつ、歩行や入浴といった日常生活を安全に送れるようにサポートを行います。

脳の活性化

脳の機能(考える力・記憶する力・判断する力など)を使うことです。

たとえば、介護士がレクリエーションのルールを説明するとき、参加者はルールを記憶したり理解したりします。

さらに、「自分の番が来たら、回答すればいいんだな」といった判断を行ったりと脳のさまざまな機能を使います。

ほかにも、勝ち負けのつくレクリエーションでは「勝って嬉しい」「負けて悔しい」などの感情を感じるでしょう。

レクリエーションには、参加者の考える力や記憶する力などを活性化させる効果が期待されています。

コミュニケーションの促進

レクリエーションに参加することで、ほかの利用者や施設スタッフとコミュニケーションする機会を持つことができます。

複数の参加者が集まって行う集団レクリエーションでは、介護士と利用者、利用者と利用者によるコミュニケーションが活発に行われます。

他者とのコミュニケーションには、孤立感の解消や気分転換などの効果が期待されており、本人のストレス軽減にも有効です。

レクリエーションには、コミュニケーションの促進効果も期待されています。

生活の質(QOL)の向上

QOLとは「Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)」の略で、生活の質を意味します。

身体機能の維持・向上や脳の活性化、コミュニケーションの促進は、日常生活をより過ごしやすく楽しみを持って送るために重要な要素です。

介護施設は、レクリエーションを提供することで、参加者の「生活の質」の向上をサポートします。

介護施設のレクリエーションの種類と内容

介護施設でレクレーションを楽しむ女性利用者

介護施設で実施されるレクリエーションの種類と具体例を6項目に分けてみていきましょう。

身体を使ったレクリエーション

全身や身体の一部を使うレクリエーションです。具体例は、以下のとおりです。

・輪投げ

・風船バレー

・ボーリング

・的当て

・ボッチャ

・集団体操

身体を使うレクリエーションでは、参加者が安全に動けるスペースの確保や机の整理、道具の準備などに時間がかかります。

そのため、レクリエーションの実施に複数の介護士が配置されるケースが多く、実施時間も他のレクリエーションに比べて長めです。

手先を使ったレクリエーション

指や手首などを使うレクリエーションです。具体例は、以下のとおりです。

・貼り絵(ちぎり絵)

・折り紙

・塗り絵

・裁縫

・生け花

・洗濯物たたみ

手先を使うレクリエーションは、1人または少人数で実施できるものが多いため、「大人数よりも少人数でいる方が好き」「マイペースで過ごしたい」という方に向いているでしょう。余暇活動やすきま時間にも活用できるレクリエーションです。

頭を使ったレクリエーション

脳の活性化を目的とするレクリエーションです。具体例は、以下のとおりです。

・クロスワードパズル

・漢字・計算問題

・クイズ問題

・トランプ

・かるた

・花札

・将棋

・麻雀(マージャン)

頭を使うレクリエーションは、考えることや頭脳戦が好きな方に積極的にすすめるとよいでしょう。介護施設では、将棋やマージャンの対戦相手としてボランティアの方が活躍されているケースもあります。

音を楽しむレクリエーション

音楽を楽しむ主なレクリエーションには、以下のような活動があります。

・カラオケ

・DVD・CDなどの音楽鑑賞

・音楽療法士による音楽療法

・演奏会

音を楽しむレクリエーションには、音響設備が必要です。たとえば、音楽クイズなどの簡易的なレクリエーションなら、CDラジカセと音源(CDやMDなど)が欠かせません。

音楽療法士による音楽療法は、要介護度の重い方がいる特別養護老人ホームでも人気のレクリエーションです。ボランティアの方や職員による演奏会も、音楽好きな方に喜ばれるでしょう。

外出して気分転換できるレクリエーション

外出して気分転換を図れるレクリエーションには、以下のような活動があります。

・お花見

・果物狩り

・公園散歩

・外食レクリエーション

外出レクリエーションは、施設内のレクリエーションに比べて、やるべきことが多いです。たとえば、企画書の作成や家族への連絡、外出道具の準備や訪問場所のアポ取りなどは必須の業務でしょう。外部に連絡を取ることが多くなります。

しかし、外出レクリエーションは、施設内ではむずかしい非日常的な体験のできる活動です。準備に時間がかかる分、多くの利用者に喜んでもらえるでしょう。

地域交流ができるレクリエーション

レクリエーションを通じて、地域の住民や団体と交流を深めることも可能です。具体例は、以下のとおりです。

・保育園児や幼稚園児を施設に招いて、利用者の方々と交流を深めてもらう

・地域の音楽サークルや団体を招いて「演奏会」を開催する

・地域で活躍する手芸や生け花の専門家を招いて「教室」を開く

注意点

 
地域交流ができるレクリエーションを実施するためには、地域の住民や団体と信頼関係を築いたうえで、電話連絡などによってお互いのスケジュールを調整する必要があります。

そのため、地域交流ができるレクリエーションを企画したい場合は、外部とコンタクトの取れるスタッフ(介護リーダーや生活相談員など)に相談することをおすすめします。

介護施設で盛り上がる人気のレクリエーションとは?

レクリエーションを見守る介護職

介護施設で盛り上がる人気のレクリエーションには、2つの共通点があります。

介護施設で盛り上がるレクの共通点

 
・わかりやすいこと
 
・複数の参加者で楽しめること

です。

たとえば、風船バレーは介護施設で盛り上がるレクリエーションの1つです。風船バレーの特徴をみてみましょう。

・ルールがわかりやすい(風船が床に落ちたらNGなど)

・性別や身体機能に関わらず誰でも参加できる

・すばやい動作は必要ない(風船はゆっくり動く)

・力も必要ない(軽く触れるだけで風船は浮く)

おすすめの参加人数 2~6人
介護士の目安 2人以上
準備するもの 大きめの風船
肘置きのある椅子
時間の目安 10~20分
注意点 参加者の転倒や椅子からの転落

 

また、ホワイトボードを活用したレクリエーションも現場が盛り上がりやすくなります。メリットをみてみましょう。

ホワイトボード活用レクのメリット

 
・図や表を使ってレクリエーションのルールを説明できる
 
・利用者から出た回答や得点をわかりやすく表示できる
 
・10人以上の方が参加できる

ホワイトボードを活用したレクリエーションの例がこちらです。

・みんなで盛り上がる!料理と食材の連想問題!

・歌って楽しむ!歌謡曲と童謡クイズ

・50音の中から単語を作ろう!言葉連想ゲーム

・昔をなつかしんで…「この人は誰?」有名人クイズ

各レクリエーションの概要や準備・やり方などを知りたい方は、以下の記事などをご覧ください。

介護施設でレクリエーションを企画する介護士が気をつけるべきポイント

介護施設で利用者のレク参加をサポートする介護職員

介護士がレクリエーションを企画する際は、どのようなポイントに気をつけたらよいのでしょうか。

参加者に楽しんでもらうためのポイントを紹介します。

参加者に合わせた内容(難易度)を準備する

レクリエーションを企画する際は、参加者に合わせた難易度のメニューを考えておきましょう。

たとえば、「やさしい・ふつう・むずかしい」といったように複数の難易度を用意しておくと、その日の参加者に合ったメニューを提供できるようになります。

仮に運動系のレクリエーションを企画する際は、

・全身を使うレクリエーション(風船バレーなど)

・下半身だけを使うレクリエーション(キックボーリングなど)

といったように用意するのがおすすめです。

こうすることで、「要支援や要介護度の軽い方が多い日」と「要介護度の高い方や車いすの方が多い日」の両方に対応できます。

同じように、脳トレ系のレクリエーションを企画する際は、難易度の異なる問題を用意しておくと、参加者の理解力に合わせた問題を提供できます。

安全に十分配慮する

レクリエーションを企画する際は、利用者の安全面に配慮しましょう。

たとえば、運動系のレクリエーションには、以下のようなリスクが潜んでいるかもしれません。

運動系レクリエーションに潜むリスク

 
・つまずいての転倒
 
・椅子からの転落
 
・手や足を障害物にぶつけてケガをする
 
・他利用者とのトラブル

また、おやつレクでは、誤嚥の発生や禁食の提供を防ぐために、おやつのメニューや形態を検討する必要があるでしょう。

利用者のために用意したレクリエーションで、けが人や体調不良の方を出したくないですよね。

レクリエーション中の事故・トラブルを防ぐために、企画段階からリスクと対処法を考えておくのが安心です。

もしもレクの安全対策として何に気をつけたらよいかわからないときは、経験のある先輩職員・同僚に相談してみましょう。きっと過去の経験からよいアドバイスをもらえるはずです。

過去に実施されたレクリエーションの内容を参考にするのも効果的です。

参加を無理強いしない

利用者にレクリエーションへの参加を促すときは、利用者の主体性(自分の意思や判断で行動すること)を尊重しましょう。

利用者に「嫌でも参加してください」「参加しないとだめです」と声をかけるのは、レクリエーションへの参加を押しつける行為にあたります。相手との関係性が悪化したり、介護施設への不信感を招いたりするかもしれません。

参加を促すには、「レクリエーションに参加すると、身体のリハビリになりますよ」などと、レクリエーションに参加すると自分にどんないいことがあるのか、そのメリットを伝える方法なども有効です。

最終的な判断を本人に任せることで、「押しつけられた」と感じることを避けられるかもしれません。介護施設の方針や利用者の性格・価値観に合わせて、伝え方を工夫してみましょう。

介護士も楽しめるレクリエーションを考える

介護士の趣味や好きなことをテーマに設定すると、利用者と介護士の両方が楽しめるようなレクリエーションを企画できます。

たとえば、介護士の趣味が釣りなら、釣りにまつわるクイズ問題や魚編のつく漢字問題、「〇〇市で名物の魚料理は?」「〇〇市で穴場の釣り場はどこ?」といった豆知識クイズなどのメニューが考えられます。

担当する介護士の趣味や好きなことをテーマに設定できないか検討してみましょう。

レクレーションについて、他にも以下のような記事を掲載しています。こちらもご覧ください。

まとめ

介護施設のレクリエーションには、「楽しい時間や喜びを感じるひとときを持ってもらう」「緊張をほぐしたり気分転換を図ったりする」といった効果もあります。参加者に楽しんでもらいながら、利用者のQOLの向上をサポートできる活動です。

レクリエーションには記事中で紹介したように、身体機能の維持・向上や脳の活性化、コミュニケーションの促進など様々な効果があります。そして、楽しんで参加してもらうことで、より高い効果が得られるでしょう。

レクリエーションを企画する際は、難易度の異なるレクリエーションを考えたり、安全面に十分配慮したりして、参加する皆さんがよい時間を過ごせるように配慮しましょう。

この記事の執筆者
千葉拓未

所有資格:社会福祉士・介護福祉士・初任者研修(ホームヘルパー2級)

専門学校卒業後、「社会福祉士」資格を取得。
以後、高齢者デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設を渡り歩き、約13年間介護畑に従事する。

生活相談員として5年間の勤務実績あり。
利用者とご家族の両方の課題解決に尽力。

現在は、介護現場で培った経験と知識を生かし、
Webライターとして活躍している。

 
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