介護施設の管理職やリーダーを務めており、現場管理の一環として「シフト作成業務」を担当している方も多いのではないでしょうか。
シフト作成は、管理職やリーダーが担当する管理業務の中でも大変な作業の1つです。
介護施設ごとに定められている人員配置基準を守りながら、各スタッフにとって公平なシフトを実現し、利用者の満足度を高めることは簡単な業務ではありません。
この記事では、そのようなシフト作成の業務負担軽減に役立つ「AIアルゴリズム搭載のシフト作成ソフト」を紹介します。
介護施設向けのツールにおいても、AIを活用した製品が増えてきています。シフト作成もAI活用が進むジャンルの一つといえます。
介護施設の管理職・リーダーの精神的な負担を裏付けるデータ、シフト作成ソフトを使用するメリットも紹介しますので、ぜひご覧ください。
目次
介護施設の管理職・リーダーは精神的な負担を感じやすい
介護施設の管理者やリーダーは、介護施設で働く他の職種に比べて、精神的な負担を感じやすい職種です。
ここで、公益財団法人介護労働安定センターが2024年に公表した「令和5年度 介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書」(※)の中から、「働くうえでの悩みや不安、不満等」に関するアンケート結果を紹介します。
なお、全体の回答割合より高い項目は赤太字で表記しています。
■各種の属性別労働条件・仕事の負担にかかる悩み、不安、不満等(複数回答)
全体 | 管理職 | 主任・リーダーなど | 一般職・担当職 | |
精神的にきつい | 22.5% | 28.3% | 26.9% | 19.7% |
有給休暇が取りにくい | 20.5% | 24.2% | 27.6% | 17.2% |
仕事の内容にわりに賃金が低い | 37.5% | 33.2% | 43.1% | 37.0% |
人手が足りない | 49.9% | 52.5% | 60.7% | 45.9% |
身体的負担が大きい | 29.3% | 20.6% | 34.6% | 30.0% |
参照:令和5年度介護労働実態調査介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書 図表19-2
上表のように、「精神的にきつい」と答えた管理職とリーダーの回答割合は、全体の回答割合に比べて高い数値を示しています。
管理職は、施設全体のマネジメント(管理業務)を担当する重要な役職です。
介護職員のように、早番、遅番、夜勤といった変則的なシフトに就くことは少なくなりますが、シフト作成をはじめとしてスタッフの管理業務、事業所全体の収支管理といった重要な業務を担当しています。
また、介助業務に従事しながら介護現場の管理を担当しているリーダーも少なくありません。
介護施設の管理職やリーダーの方は、責任の重い業務、身体的・精神的な負担のある業務を担当しており、精神的な負担を感じやすいといえます。
介護労働実態調査は、介護事業所における雇用管理や介護労働の実態及び介護労働者の雇用の実態や就業意識等を明らかにすることを目的として、厚生労働省が当センターに毎年度行わせているものです。
その調査結果は、介護事業者に対して雇用管理上の有益な知見を与えるものであるほか、政府の政策立案の基礎資料となっており、介護にかかわる方々の働く環境の改善、介護分野における人材の確保と育成、より高い介護サービス提供を実現することに役立てられています。
引用:公益財団法人 介護労働安定センター|介護労働実態調査
介護施設のシフト作成に手が抜けない理由
介護施設のシフト作成は、スタッフの収入やモチベーションに大きな影響をあたえるため、管理業務の中でも手が抜けない業務です。
ここでは、シフト作成に手が抜けない3つの理由を具体的に紹介します。
理由1.介護スタッフの生活に直結するため
アルバイト・パート・派遣社員のように時間給で働く介護スタッフの収入は、シフトの内容に大きな影響を受けます。
シフトの内容によって、出勤時間や労働時間が決まるからです。
また、1回の夜勤ごとに夜勤手当が支給される介護施設の場合、介護スタッフの収入は夜勤業務の回数つまりシフトに大きく影響を受けます。
また、扶養の範囲内で働くことを希望する介護スタッフがいれば、シフト作成者は、本人の希望する収入の範囲内でシフトを組むでしょう。
このように、介護施設のシフト作成は、働く介護スタッフの生活に直結するため、シフト作成者は不公平が生じたり本人の希望と大きくかけ離れたシフトを作成したりしないよう、気をつかう必要が出てくるのです。
理由2.スタッフのモチベーション維持につながるため
介護施設のシフトは、スタッフのモチベーションの維持・向上につながります。
自分のシフト希望が叶えられたとき、スタッフのモチベーションは上がるでしょう。
反対に、シフト希望が通らなかったり休み希望が何度も却下されたりすると、そのスタッフのモチベーションは低下してしまうかもしれません。
そのため、シフト作成者は、現場の状況、本人の希望、過去の希望休の申請状況などを照らし合わせて公平なシフト作成を目指すことになります。
スタッフの人数が多ければ多いほど、とても大変な作業になります。
スタッフのモチベーションは、利用者に対する介護サービスの質に影響をあたえるおそれもあり、シフト作成者は細かい点も注意しながらシフトを作成しています。
理由3.人員配置基準を満たすため
介護施設には、介護保険法に基づく人員配置基準が定められています。
シフト作成者は、現場で働く各職種の人員や労働時間を把握して、人員配置基準を満たすシフトを作成する必要があります。
人員配置基準を満たしているかどうかは、「常勤換算」という計算式を用いて計算することになり、常勤と非常勤職員の人数、労働時間、勤務時間などを確認して計算しなくてはいけません。
人員配置基準を満たさない場合、人員基準欠如減算の対象となり、減算が決定した場合は、介護報酬の額が減算されるため、シフト作成者にとって気の抜けない作業となります。
介護現場のシフト作成の悩み解決に役立つ「シフト作成ソフト」
複雑なシフト作成業務を毎月行うシフト作成者は、以下のような悩みを抱えやすいのではないでしょうか。
・シフト作成にかかる時間を減らしたい
・現場スタッフから不平や不満の出ないシフトを作成したい
・省略できる作業は省きたい
・できればシフト作成を外注したいくらい、実は負担が大きい…
実際のところ、シフト作成にどれくらいの時間をかけているでしょうか?施設種別や職員数などにも大きく影響されますが、毎月2、3日はシフト作成に時間を使っている、1週間くらいシフト作成を行っている…といった現場もあるのではないでしょうか。
こうした課題や悩みの解決にシフト作成ソフトが役立ちます。
シフト作成ソフトは、シフト作成者の負担を軽減するために開発されたアプリケーションです。
シフト作成ソフトには、複数の勤務形態や勤務時間を設定できる機能や従業員ごとの勤務条件を保存する機能などが備わっており、近年は介護施設のシフト作成に特化したシフト作成ツールも開発・提供されてきています。
AI搭載のシフト作成ツールも増えてきており、現場において、さらに実用性の高いシフト作成が可能になってきています。
シフト作成ソフトに限らず、勤怠システムや介護ソフトなど介護施設の事務作業にICT化を導入する介護施設も年々増加しています。
「介護施設向けのAIアルゴリズム」を搭載したシフト自動作成ソフトとは
介護施設向けのAI搭載シフト作成ソフトは、施設特有の複雑な条件、例えば、
・人員配置基準
・スタッフの勤務条件
・希望休
・職員の組合せ
・夜勤制限
などをAIが学習し、最適なシフトを自動生成するツールです。
従来の手作業やエクセル管理では困難だった公平性や効率性を担保でき、業務負担の大幅な軽減が期待できます。
例えば、独自のAIアルゴリズムを搭載する「シンクロシフト」は勤務間インターバルや逆循環シフトの回避を行い、介護職員の心身負荷が少ないシフトを自動作成します。
介護施設それぞれの条件に合わせ、勤務区分や各種設定を行うことで、個々の現場に最適なシフト作成を目指すことが可能です。(詳しくはお問合せください)
また、シンクロシフトは労働安全衛生総合研究所(JNIOSH)様との共同研究でも利用されており、研究成果については以下の記事にて紹介していますので、ぜひご覧ください。
シンクロシフトは無料トライアル期間も設けているため、自施設に合うかどうかを試してから導入を検討することが可能です。
詳細は以下よりご確認ください。
シフト作成ソフトを利用する3つのメリット
シフト作成ソフトの利用によって、シフト作成者が得られる3つのメリットを紹介します。
・シフト管理者の業務負担が軽減される
・スタッフが働きやすいシフトを実現できる
・人員配置基準を満たしているかチェックしてくれる
1.シフト管理者の業務負担が軽減される
シフト作成ソフトは、シフト作成業務の負担軽減に役立ちます。
特にシフト表の作成にエクセルを活用していた方は、作成時間を大幅に削減できるでしょう。
エクセルは直感的な操作方法が大きな魅力のソフトですが、職種や勤務形態の異なるスタッフを一元的に管理するのには不向きです。
シフト作成ツールを使用した場合、スタッフの属性(就労形態や職種など)をツールに設定・保存できるため、スタッフの入れ替えがあっても情報を更新して継続してシフト作成を行うことができます。
初めてシフト作成ツールを導入する場合、操作方法に慣れるまでに時間や労力が必要になりますが、一度使い方を覚えることで大幅な業務負担軽減を期待できるのです。
2.スタッフが働きやすいシフトを実現できる
スタッフの不満を減らし働きやすいシフトを実現したいときも、シフト作成ツールの利用が効果的です。
シフト作成ツールの中には、シフト希望の集計機能を備えたものがあります。
シフト希望の集計機能は、各スタッフが手元のスマートフォンから自分のシフト希望を、インターネットを通じてシフト作成者に申請できる機能です。
こうした機能を活用すれば、各スタッフは、自分の希望休を簡単に作成者に伝えられるようになります。
管理者に直接希望休を伝えることに、躊躇してしまうスタッフは少なくありません。
管理者やリーダーから、「シフト希望があれば、遠慮なく言ってね」と言われても、直前の申請になったときや休み希望が続いた月などは言い出しにくいものです。
また、月のカレンダーを紙で貼りだして、希望休を記入する方法を取っている介護現場もあるでしょう。
早い者勝ちでいつも希望休が書けない…そんな悩みを抱えている職員もいるかもしれません。
その点、シフト作成ツールでは、アプリなどを利用して自分の希望を伝えられるため、各スタッフの希望の休みをシフトで実現しやすくなるのです。
「シンクロシフト」はスタッフは自分のスマホから、アプリを利用し希望休申請をすることができます。
※画像:シンクロシフト紹介ページより
実際、
「休み希望が申請しやすくなった」
「シフト作成時の休みの転記ミスが無くなった」
といったお声もいただいています。
「シンクロシフト」は、独自のAIアルゴリズムを採用し公平かつ負担の少ないシフトを自動で作成できます。
シンクロシフトが作成するシフトの特徴をピックアップしてご紹介します。
1. 逆循環シフト(※)の回避
2. 連続勤務の制限
3. 勤務間インターバルの延長
4. 夜勤明けの休日確保
5. AIによる希望休や勤務回数など公平性の担保
6. スタッフの組み合わせ設定
※遅番→日勤→早番のように始業時間が徐々に早くなるシフト
シンクロシフトの詳しい情報は、以下よりご確認ください。
3.人員配置基準を満たしているかチェックしてくれる
介護業界向けシフト作成ソフトの多くは、介護施設の人員配置基準を満たしているかチェックしてくれます。
これにより、スタッフの入れ替わりがあった際でも、人員配置基準を満たしているかどうかのチェックが容易になるでしょう。
コンプライアンスに則った事業運営はもちろんのこと、人員配置基準の計算に必要な時間や労力も削減できます。
まとめ
介護施設におけるシフト作成は、管理職やリーダーにとって欠かすことのできない管理業務の1つです。
介護施設のシフトは、スタッフの収入や生活・モチベーションに大きな影響をあたえるため、手の抜けない作業でもあります。
管理業務の負担を軽減しつつ介護サービスの向上につながるようなシフトを作成するためにも、シフト作成ツールの導入がおすすめです。
まだシフト作成ツールを導入したことのない方は、ぜひこの機会にシフト作成ツールの導入をご検討ください。
弊社が開発しているシンクロシフトは実際に介護現場を運営している知見を活かし、継続して機能開発・使い勝手の改善を行っています。
・業務工数の削減
・経営利益の最大化
・現場のストレス減による離職率低下
これら3つの実現をサポートするシンクロシフト。ぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事の執筆者![]() | シフトライフ編集部 主に介護業界で働く方向けに、少しでも日々の業務に役立つ情報を提供したい、と情報発信をしています。 |
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