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【教えて!】ケアプランデータ連携システムとは?導入のデメリット・メリット、料金など解説

ケアプランデータ連携システムとは

ケアプランデータ連携システムとは、2023年(令和5年)4月より本稼働が開始された居宅介護支援事業所と介護サービス事業所がオンライン上でやりとりできるシステムです。
 
今後、介護業界の人材不足・生産性向上における重要なシステムの1つといえます。
 
しかし、「ケアプランデータ連携システムって実際どうなの?」「導入するメリットやデメリットは?」と疑問に思う方も多いでしょう。
 
この記事では、ケアプランデータ連携システムの概要やメリット・デメリットについて解説します。
 
普及率や今後の流れについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ケアプランデータ連携システムとは

ケアプランデータ連携システムとは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所でやりとりされるケアプランの一部をデータ化するシステムです。

ケアプランデータ連携システムについて、以下4点を解説します。

1.概要・目的

2.導入における背景

3.導入にかかる費用

4.フリーパスキャンペーンについて

ケアプランデータ連携システムの基礎知識を学びましょう。

概要・目的

ケアプランデータ連携システムとは、居宅介護支援事業所と介護サービスにおけるケアプランのやりとりをオンラインで完結できるシステムです。

ケアプランデータ連携システムとは

従来、ケアプランやサービス提供票はFAXや郵送でやりとりされ、業務が煩雑(はんざつ)になると同時に、転記・確認ミスが起こりやすい状態でした。

ケアプランデータ連携システムでは、ケアプラン標準仕様を使いデータを統一させることで、事業所間で異なっていた連携作業を共通化し、さまざまな負担を軽減できるのです。

今までのケアプラン受け渡し

主なメリットや効果については、後述する「ケアプランデータ連携システムを導入するメリット・効果」をご覧ください。

参考:公益社団法人国民健康保険中央会 『ケアプランデータ連携システムについて ~ システムの全体概要と機能 ~』

導入の背景

ケアプランデータ連携システムが導入された背景には、「介護人材の不足・確保」と「生産性の向上」が挙げられます。

急激な高齢化とともに介護職員の人手不足の課題が顕著となっており、2040年(令和22年)度には介護職員が約57万人不足すると試算されています。

第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について

今後、介護職員のさらなる減少が見込まれており、面倒な事務作業をより効率化することで、事務業務の時間をご利用者へのケア・その他介護業務への時間に費やせます。

こうした背景から、ケアプランデータ連携システムは人材確保・定着の一環として構築されました。

参考:厚生労働省『介護情報基盤の運用開始に向けたケアプランデータ連携システムの利用促進』

導入にかかる費用

ケアプランデータ連携システムをはじめるにあたって、以下の費用がかかります。

ライセンス料 21,000円(年間)
システムに対応している介護ソフト 10,000~20,000円程度(月額)
使用するPC 50,000~100,000円程度(1台)

 
導入するときには「介護DX証明書」もしくは「介護保険証明書」が必要で、発行手数料は無料です。

また、システムに対応している介護ソフトを選ぶ必要があります。

介護ソフトの中には、請求だけではなく記録・アセスメントを作成できる機能も搭載したソフトもあるので、事業所の運営状況や現場のニーズにあわせて選びましょう。

介護ソフトのメリットや選び方について知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

ケアプランデータ連携システムフリーパスキャンペーンについて

2025年6月1日~2026年5月31日(予定)まで、ライセンス料が1年間無料になる「フリーパスキャンペーン」が開催されています。

ライセンス料が1年間無料になる「フリーパスキャンペーン」

システムを初めて導入する方だけではなく、現在導入している事業所も1年分0円で利用できます。

今のうちにぜひ利用し、使い心地を確認しておきましょう。

参考:公益社団法人国民健康保険中央会『ケアプランデータ連携システム ヘルプデスクサポートサイト』

ケアプランデータ連携システムを導入するメリット・効果

ケアプランデータ連携システムには、主に以下3つのメリット・効果があります。

ケアプランデータ連携システムを導入するメリット・効果

 
・業務時間の削減
 
・業務負担の削減
 
・コスト削減

 
それぞれ詳しく解説します。

業務時間の削減

ケアプランデータ連携システムにより、ケアプランや実績表を転記・印刷・確認する時間を削減できます。

従来、ケアプランの受け渡しでは以下のようなやり取りが必要でした。

・介護ソフトから書面を確認し印刷する

・郵便・FAX・手渡しなどで事業所へ渡す

・受け取った事業所は紙を見ながらサービス内容を確認する

ケアプランデータ連携システムでは、計画書や提供票はデータでやり取り可能なため、印刷や郵送といった業務時間を減らし、その分別の業務に時間をかけることができるのです。

業務負担の削減

ケアプランデータ連携システムは、上記のように業務時間の削減とともに、業務負担の削減にも効果的です。

ケアプランや提供票をやり取りするときには、主に以下のような業務負担がありました。

・確認作業
 
・転記(手入力)
 
・印刷
 
・紙での保管・管理

ケアプランや提供票をやり取りするときの業務負担

とくに、確認や転記ミスが発生すると返戻につながるため、面倒かつ神経を使う業務だといえます。

ケアプランデータ連携システムは転記や管理などの事務業務負担を削減し、ご利用者への支援にかける時間・余裕を増やすことが期待できるでしょう。

参考:厚生労働省 『介護保険最新情報 Vol.1109』

コスト削減

ケアプランデータ連携システムを活用すると、業務負担・時間とともに費用(コスト)の削減にもつながります。

これまで、ケアプランや提供票を送るにあたって以下のような費用が発生していました。

・人件費
 
・印刷費
 
・郵送費
 
・交通費
 
・通信費(FAX) など

ケアプランデータ連携システムでは、これら費用を年間約81万円削減できると試算されています。

これらコストを削減できると、新たな介護人材の雇用や事業所・施設運営の改善に効果的でしょう。

ケアプランデータ連携システムを導入するデメリット・注意点

さまざまな負担を軽減できる一方で、以下6つの点に注意しましょう。

ケアプランデータ連携システムを導入するデメリット・注意点

 
1.1台のPCでしか利用できない(1事業所1ライセンスの制限)
 
2.対応した介護ソフトが必要
 
3.双方が登録する必要がある
 
4.費用が発生する
 
5.導入効果が実感しにくい可能性がある
 
6.顔の見える関係性を築きづらくなる

 

それぞれ詳しく解説します。

1台のPCでしか利用できない(1事業所1ライセンスの制限)

ケアプランデータ連携システムは、電子証明書を活用している関係上、1台のパソコンでしか利用できません。

小規模事業所や毎月の請求業務だけであれば十分ですが、異なる端末での作業や情報共有には若干手間がかかります。

そのため、どのパソコンで導入していくか・導入後どう事業所で共有していくかを十分に検討しておきましょう。

対応した介護ソフトが必要

ケアプランデータ連携システムを利用するためには、システムに対応している介護ソフトを選ぶ必要があります。

対応している介護ソフトは今後も増えていく可能性はあります。

ただ、せっかくシステムを導入したにもかかわらず、介護ソフトで対応していないとムダな労力・コストがかかります。

事業所や施設の現状も考慮しつつ、介護ソフトを選びましょう。

双方が登録する必要がある

ケアプランデータ連携システムは、相手の事業所がシステムを導入していないとシステムを活用できません。

そのため、相手事業所の導入状況によっては「システムを利用したやりとり」と「従来通り紙ベースで行うやりとり」という2つの手間が発生します。

近くの事業所・施設で導入しているかどうかは、『ケアプランデータ連携システム 利用状況』で確認してみましょう。

費用が発生する

システムを利用するには、介護ソフトやシステム利用料といった費用が発生します。

先述した「フリーパスキャンペーン」を活用することで、ある程度のコスト削減にはつながりますが、21,000円の費用を安く感じられない事業所も多いでしょう。

フリーパスキャンペーンでの無料期間中に、今後も継続する価値があるかどうかの見極めが重要です。

導入効果が実感しにくい可能性がある

日頃から外部とのやりとりが多い事業所や大規模事業所だと、システム導入のメリットを感じやすくなります。

一方で、FAXの送受信が少ない小規模事業所や周りにシステム導入している所が少ないと、導入効果を実感しにくい可能性があります。

さらには、デジタル化への移行により業務手順が変わるため、適用するまでに時間がかかります。

せっかく導入したにもかかわらず現場の不満のもとになってしまう可能性もあるため、導入前・後のフォロー体制も構築しておきましょう。

顔の見える関係性を築きづらくなる

データ上でのやりとりで完結してしまうため、手渡し(対面)での書類のやりとりに価値を見出している事業所からするとデメリットと感じてしまうでしょう。

介護サービス事業所のなかには、提供票や実績を手渡ししている事業所もあります。

もちろんFAXや郵送より時間はかかってしまいますが、実際の担当者と直接話せるタイミングとして有効です。

とくに、介護サービス事業所にとっては、利用している方の話だけではなく事業所の営業にもつながります。

システムを導入するにあたり、各事業所の関係性が少し変わることも留意しておきましょう。

ケアプランデータ連携システムの現状と今後

業務負担・コストの軽減に効果が期待されているケアプランデータ連携システムについて、その現状と今後について以下3点解説します。

1.普及率と導入状況
 
2.介護情報基盤との統合予定(2028年4月)
 
3.義務化について

今後導入を検討している事業所は、ぜひ参考にしてください。

普及率と導入状況

2025年(令和7年)8月末時点での導入している事業所は、約2万8,000事業所で全体の9.8%にあたります。

フリーパスキャンペーンにより若干導入率が上がりましたが、システムが介護業界全体に普及しているとは言い難いでしょう。

また、導入を促進させるために、自治体のなかには介護ソフトなどの経費を補助する事業を行っているところもあります。

キャンペーンだけではなく、自治体独自の補助制度も確認してみましょう。

参考:
・介護ニュース JOINT『2025年9月11日 ケアプランデータ連携システム、導入率は約1割 無料キャンペーンで上昇
・横浜市『ケアプランデータ連携システム導入促進事業補助金の申請受付を開始します!!

介護情報基盤との統合予定(2028年4月)

介護情報基盤とは、医療機関や介護事業所・利用者の情報をひとつに集約するシステムです。

介護情報基盤 全体の概念図

介護に関する各種情報が1つのシステムに集約され、情報共有の効率化や事務負担の軽減が期待されています。

参考:公益社団法人国民健康保険中央会『介護情報基盤の概要』

この介護情報基盤とケアプランデータ連携システムを、2028年4月をめどに統合する方針が打ち出されました。

介護情報基盤とケアプランデータ連携システムの統合

今後、ますます介護DXの流れが加速するため、介護事業者は少しずつ対応・準備していくことが必要です。

参考:厚生労働省『介護情報基盤について』

義務化について

2025年(令和7年)10月現在で、ケアプランデータ連携システムは義務化されていません。

また、2024年(令和6年)9月時点での厚労省のQ&Aで通知されています。

民民のやり取りなので、現時点では義務化する予定はありません。強制的に利用してもらうのではなく、メリットを理解した上で利用いただくのが望ましいと考えています。

今後義務化とならなくとも、介護情報基盤の開始や現場レベルでの業務効率化など、いずれさまざまなシステム整備が必要となるでしょう。

まとめ

ケアプランデータ連携システムは、今後の介護業界における生産性向上・DX化にとってさらに必要性が増すでしょう。

ただし、まだまだ導入率・普及率が低いため、これから国をあげてシステムの改善や導入率向上の施策がとられることが見込まれます。

ケアプランデータ連携システムの最新情報やこれからの流れに注目しておきましょう。

この記事の執筆者しょーそん

保有資格:介護福祉士 認知症実践者研修 修了 認知症管理者研修 修了 認知症実践リーダー研修 修了

グループホームに11年勤務し、リーダーや管理者を経験。
現場業務をしながら職員教育・請求業務、現場の記録システム管理などを行う。

現在は介護事務の仕事をしながら介護・福祉系ライターとしても活動中。

 
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