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【今さら聞けない!】勤怠管理は介護業界の働き方改革に必須!勤怠管理システムを使うメリット・デメリット

勤怠管理は介護業界の働き方改革に必須!

介護業界での働き方改革の推進は、介護職員の職場環境の改善や離職率の低下、人手不足の解消が期待できます。
 
しかし、介護業界ならではの多様な施設・雇用形態から働き方改革に伴う勤怠管理に頭を悩ませている管理者や経営者は多いのではないでしょうか。
 
そこで、本記事では、介護業界における勤怠管理の実態や勤怠管理システムを使うメリット、デメリットについて詳しく解説します。介護施設の複雑な勤怠管理の業務を改善したい方や勤怠管理に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

勤怠管理は介護業界の働き方改革に必須

ワークライフバランスが整った職員

介護業界における働き方改革は、長時間労働の解消や労働者の処遇改善を目的に推進されています。2019年4月の働き方改革のポイントは以下の3点です。

時間外労働の上限規制
残業時間の上限を原則月45時間・年360時間とし、特別な場合でも下記を超えることはできない
・年720時間以内
・複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
・月100時間未満(休日労働を含む)

年次有給休暇の取得義務化
年10日以上の年次有給休暇がある場合、年5日は使用者が時季を指定して取得できる

雇用形態に関わらない公正な待遇の確保
同一企業内の正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与など待遇差を禁止する

さらに2023年4月からは月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が、大企業、中小企業ともに50%引き上げられることになりました。

介護業界では、慢性的な人手不足から、長時間の労働や残業など労働環境について問題を抱えている職場も少なくありません。働き方改革が推進されることで、介護職員の処遇改善や労働環境の改善が見直され、ワークライフバランスの向上や離職率の低下が期待されます。

しかし、介護の職場ではシフト勤務や夜勤など、介護保険サービスの施設形態や介護職員によって働き方が異なり、短時間のパート職員が多いことが特徴です。介護職員一人ひとりの勤怠管理を行うのは大変な作業になるでしょう。

介護施設の管理者や施設長は、介護職員のシフト希望や人員配置基準とともに、労働基準法を遵守した正しい勤怠管理を行う必要があります。そこで勤怠管理システムを導入することで、労働時間の可視化ができるため適切な勤怠管理が可能です。

勤怠管理システムは、スムーズな業務改善や適切なシフト管理など介護業界の働き方改革に必須のシステムといえるでしょう。

参考資料:厚生労働省「都道府県労働局・労働基準監督署 働き方改革関連法のあらまし
参考資料:厚生労働省「中小企業庁 中小企業の事業主の皆さまへ

介護施設に多い勤怠の悩みとは

勤怠カード

介護施設の勤怠管理は、紙媒体やExcelによるシフト作成、介護職員の複雑な労働体系などが影響し、担当者にとって時間や手間がかかる労力の必要な業務です。ここでは、介護施設に多い勤怠の悩みを5点ご紹介します。

タイムカード・出勤簿はミスや不正が起こりやすい

タイムカードや手書きの出勤簿を使っている場合、以下のようなミスや不正が起こりうる可能性があります。

・間違えてタイムカードを打刻してしまう
・タイムカードを紛失してしまう
・他のスタッフの出勤簿に記録してしまう
・遅刻しそうなスタッフの代わって他のスタッフが出勤の打刻(記録)してしまう

介護職員の人数が多いほど勤怠管理が複雑になり、人為的なミスも生じやすいでしょう。

給与計算が煩雑

介護施設は、常勤や非常勤の介護職員(パートタイムやアルバイト)、派遣社員など多様な雇用形態や兼務のスタッフが働いているため、それぞれに応じた勤怠管理が必要になります。勤務時間や残業時間を正確に把握し、業務に対応した給与計算を行う必要があるため勤怠管理担当者の負担も大きいことが悩みのひとつです。

日勤・夜勤の管理が難しい

特別養護老人ホームや介護老人保健施設で多い勤怠の悩みは、以下のとおり日勤や夜勤など複数の勤務形態の管理です。

・非常勤職員が働く場合はそれぞれの時間に応じた給料の計算が必要
・夜勤では22時から翌朝5時は深夜割増賃金が適用

例えば、夜勤の勤務時間が17時から翌日10時までの場合では、22時から翌日5時は深夜割増賃金となり、日勤の給料の1.25倍以上の給料の支払いが義務づけられています。

不払いや計算ミスが生じると労働基準法違反となるため、正確に勤務時間を管理しなければいけません。

シフト表作成の負担が大きい

介護施設でのシフト表作成は、以下のポイントに留意する必要があります。

・人員配置基準
・スタッフの希望や勤務条件
・業務内容や介護現場の状況
・スキルや経験の有無
・イベントや行事

シフト作成者は、就業規則や法令、人員基準に気を付けながらパズルのようにシフトを組み立てていかなければいけません。手書きや表計算ソフトを使ったシフト表の場合は、急な勤務変更や人員配置基準の反映にも手間や時間がかかり、集計にも労力が必要となるでしょう。

また、シフトを作成するスタッフは管理者やリーダークラスである場合が多く、介護業務や書類整理、金銭管理、家族対応など業務は多忙です。他の業務と並行してシフト作成を行い、さらにスタッフの希望休や雇用形態を考慮しなければいけないため、大変な業務だと感じている方も多いでしょう。

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有給管理が大変

介護施設で働くスタッフが、希望の有給休暇の取得や働き方改革で義務付けられた年次有給休暇(年5日)の取得ができるように管理しなければいけません。

そのため、管理者や施設長は、スタッフの有給休暇の取得状況や残数について把握することが大切です。また、有給休暇をシフトに反映する場合は、人員配置基準が満たされるようにシフトの作成を行う必要があります。

しかし、手作業で有給管理を行っている場合は事務作業やデータ管理の煩雑さから、有給休暇の残数や人員配置基準など計算ミスが起こる可能性もあるでしょう。

介護業界に適した勤怠管理システムとは

介護業界は多様な働き方への対応や人員配置基準の遵守が必要です。

勤務状況の把握やシフト作成が複雑であるため、手書きやExcelを使ったシフト作成では時間や労力の負担が大きいですが、勤怠管理システムを導入することでシフト作成の軽減やヒューマンエラーを防止することができるでしょう。

ここでは、介護業界に適した勤怠管理システムの機能について説明します。

モバイル対応機能

スタッフが場所を問わずに、スマートフォンでWebやアプリにアクセスして希望休や有給を簡単に申請できる機能があれば、申請の負担が少なく、いつでもシフトを確認できます。

スタッフが出勤日や一緒に働くメンバーを把握できるだけでなく、シフト作成者にとっても効率的な管理や勤務日・休日の調整もスムーズに行えるでしょう。

シフト自動集計機能

シフトの自動集計機能も介護業界に適した勤怠管理システムのひとつです。

・勤務形態や希望休の自動集計
・スタッフのスキルに応じたシフト配置
・公平な勤務日の配置
・勤務日から給与計算

自動集計は手入力で生じるミスを軽減し、スムーズに給与計算できるため、シフト作成にかかる時間の削減や効率的な勤怠管理につながる機能といえるでしょう。

シフトが作成されたらシステム上で共有されますので、スタッフ全員がリアルタイムに勤務日を把握できることもメリットです。

有給休暇管理機能

介護職員の有給休暇の管理は、シフト作成者にとって負担の大きい業務です。

働き方改革に応じた有給取得義務の基準を満たすようにアラート通知してくれる機能があれば、スタッフの有給休暇の取得状況や残数を一元管理しやすいでしょう。

勤務時間管理機能

スタッフの勤務時間や休憩時間などを管理するシステムでは、人員配置基準に必要な常勤換算の計算や勤怠管理の記録が可能です。

自動で勤務時間を記録できれば、働き方改革で定められた労働時間の適正な把握や給与計算も容易に行えるでしょう。

介護業界の勤務形態に対応

早出や日勤、遅出、夜勤などの変則勤務をはじめ、施設によって勤務形態や雇用形態などのルールがあります。それぞれの施設や事業所のルールに適したシステムであることも重要なポイントです。また複雑なシフト勤務でも、過不足なく公休を組み込めるようなシステムが好ましいでしょう。

介護業界で勤怠管理システムを導入するメリット

タブレットを使ってシフト管理

介護業界における勤怠管理システムの導入は、複雑な労働体系や事務作業をスムーズにし、業務の効率アップが期待できます。

ここでは、シフト管理や業務にどのように影響するのか、勤怠管理システムを導入するメリットについてみていきましょう。

不正・打刻ミスを防止できる

勤怠管理システムには、普段使用しているスマートフォンにアプリを導入し、勤務開始時間を入力できるソフトもあります。

データはサーバーにあるため書き直しといったことも難しく、GPSに対応しているシステムであれば職場で打刻したかどうか、位置情報で把握できます。正確な勤務時間と勤怠管理システムの自動計算によって不正や打刻ミスを防止することが可能です。

多様な勤務区分も管理しやすい

介護施設では、24時間365日の稼働をカバーするため介護職員の配置が細かく区切られ、働き方も以下のように多岐に渡ります。

・早出や遅出のみのスタッフ
・夜勤のみのスタッフ
・短時間勤務のスタッフ
・兼務のスタッフ
・入浴時間のみを担当するスタッフ
・調理や清掃などの業務を担当するスタッフ

また、午前中はケアマネジャー業務、午後からは介護業務を行うといった兼務も多いため、職種によって異なる勤務時間や給与の管理を行わなければいけません。

短時間勤務や交代勤務などが組み合わさった多様な勤務区分を、人員配置基準に考慮しながらバランスよく配置するのは難しい作業です。しかし、多様な勤務区分に対応した勤怠管理システムであれば、事前に設定しておけば集計しやすくなり、時間や労力を削減できるでしょう。

事務業務を効率化できる

介護施設の勤怠管理で大変な作業は以下の2点です。

・スタッフの働き方や希望休、スキルを考慮したシフト作成
・人員配置基準や加算要件を満たすスタッフの配置

手作業で勤怠管理を行う場合、常勤換算における計算ミスが起こりやすく、不公平なシフトになってしまう可能性も高いです。

勤怠管理システムの中には、スタッフから希望休を自動集約しシフト表を自動で作成・配布してくれるものや、勤務形態一覧表を自動作成してくれるものもあります。常勤換算がクリアできているか計算する事務業務が効率化され、ミスによって生じる人員基準違反を防ぐことができるでしょう。

人件費を削減できる

タイムカードや出勤簿で勤怠管理を行っている介護施設では、介護職員の勤務時間の集計業務や給与計算にかかる人件費に高いコストがかかっています。管理者や施設長などの勤怠管理者は、勤怠管理の集計業務を行うために残業をしなければいけないことも珍しくありません。

勤怠管理システムを導入し集計作業を自動化することで、勤怠管理にかかる時間や労力などが少なくなり、業務の効率化や人件費の削減が期待できます。

介護業界で勤怠管理システムを導入するデメリット

勤怠管理システムのメリットについて紹介しましたが、同時にデメリットもあります。ここでは、介護業界で勤怠管理システムを導入するデメリットについてみていきましょう。

導入・運用の費用が発生する

勤怠管理システムを利用する際には、導入時の初期費用や毎月の運用にかかる費用が発生します。勤怠管理システムによって、ユーザー1人につき料金がかかるものや、人数に関係なく毎月定額の費用を支払うものなど様々です。

介護職員の人数に応じて費用がかかる場合は、勤怠管理システムを導入することで削減できる時間や人件費と導入・運用の費用対効果を考慮し検討しましょう。

自社の勤怠ルールに対応できない可能性

勤怠管理システムは、介護施設の勤怠ルールをパターン化しておくことで、効率的なシフト作成ができます。例えば「夜勤明けは必ず公休日にする」「遅出を連続させない」などです。

しかし、介護施設によってイレギュラーな勤務が多い場合や勤怠ルールが細かく決められている場合は、勤怠管理システムが対応しきれない可能性があります。導入を検討している勤怠管理システムが、自社の勤怠ルールに対応できるかどうかを事前に確認することが重要です。

操作に習熟できない職員へのサポートが必要

勤怠管理システムを導入する際のデメリットのひとつに、スタッフが操作を習熟するまでのサポートがあげられます。

アプリやソフトの操作に慣れないスタッフや、言語の壁がある外国人技能実習などに対して、使用方法を説明し、使いこなせるようになるまで個別的なサポートが必要です。機能の多さも選択肢のひとつですが、スタッフが操作しやすいかどうかも確認して選びましょう。

無料のお試し期間が実施されているシステムもありますので、使用感を確認し、検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

働き方改革の推進によって、介護業界の労働環境改善が期待されます。

しかし、多様な施設形態や働き方に対応した勤怠管理をすべて人の手で行うことは、労力や人件費がかかり負担が大きい業務です。そこで勤怠管理システムを導入することで、労働時間が可視化され、勤怠管理の業務改善や人件費の削減につながります。

管理者や経営者が介護職員の労働時間を把握できるだけではなく、労働者自身も自分の働き方を把握できるため、ワークライフバランスの向上にも効果的です。

適切な勤怠管理システムを導入し、介護職員が働きやすい職場環境の整備や人件費の削減、業務の効率化を進めていきましょう。

この記事の執筆者吉田あい

保有資格:社会福祉士・介護福祉士・メンタル心理カウンセラー・介護支援専門員

現場、相談現場など経験は10年超。
介護現場(特別養護老人ホーム・デイサービス・グループホーム・居宅介護支援事業所)、相談現場を経験。

現在はグループホームのケアマネジャーとして勤務。

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