医療・介護業界は慢性的な人手不足が深刻な問題となっています。
人手不足になると会社自体の運営にも関わってくるでしょう。
働いているスタッフが気持ちよく働けるように、経営者やリーダーはしっかりと対策を考えていくことが大切です。
そのために必要なのが、医療スタッフ、介護スタッフのモチベーションを上げる方法になります。
本記事では、医療・介護スタッフのモチベーションを上げるための方法をご紹介しています。
モチベーションアップはスタッフの離職率低下にもつながる重要なことです。
ぜひご参考にしてみてください。
目次
医療・介護スタッフのモチベーション管理ってどうして必要なの?
医療・介護スタッフのモチベーション管理が必要な理由をご紹介します。
スタッフのモチベーションを上げることができれば、施設全体としても質の向上、雰囲気が良く、利用者様の満足度向上なども見込めます。
ぜひポジティブな循環を実現したいですね。
生産性が高められるから
医療・介護の知識が豊富なのはもちろん、資格もあるのに仕事へのモチベーションが低い方もいます。
そのような方だと、仕事への意欲があまりないため、与えられた業務以外のことはしない傾向があります。
そのため、自分自身の成長へと繋がりにくいのです。
一方、知識や経験がない医療・介護スタッフでも、仕事へのモチベーションが高いと、ミスがあったとしても、改善点を見つけようとするので成長へと繋がっていきます。
モチベーションを上げると、生産性を高められるので仕事をしていく上で必要とされます。
サービスの品質向上に繋がる
モチベーションを上げることにより、医療・介護スタッフは仕事に対して向上心を持って取り組みます。
そのため、職場の人間関係も良好になり、パフォーマンスも上がるでしょう。
また、向上心がある方は明るく前向きなので、他のスタッフや利用者の方からも好かれやすいです。
スタッフが個人として評価されるだけでなく、施設全体でのサービスの品質向上にも繋がります。
離職率を抑えられるため
モチベーションが向上するとスタッフの離職率が抑えられます。
職場での目標も見出しやすく、働くのが楽しいと思えるからです。
今まではリーダーの指示待ちをしていたけれど、スタッフから率先して意見を言ってくれる場合もあります。
更にどのように改善していけば働きやすくなるかなど、改善策の提示もできるでしょう。
経営者やリーダーから見ても、スタッフの自己主張があると助かる部分が大きいのではないでしょうか。
また、利用者の方へのサービス向上にも期待ができるでしょう。
スタッフのモチベーションが下がる、上がらない原因とは?
医療・介護業界スタッフのモチベーションが下がる、上がる原因とは何でしょうか?
これから原因となる4つの要因の説明をします。
全てを早急に解消するのは難しいと思いますが、少しずつ改善していくことがとても大切です。
待遇・働き方への不満
医療・介護業界は、待遇や働き方への不満がモチベーション低下の原因となることが多いです。
仕事量に見合った給与が支払われていないと考える方もいるようです。
最近では積極的にリフレッシュ休暇や有給取得ができる病院や施設も増えており、待遇改善はおこなわれています。
しかし、人手不足のため急なシフト変更や休日出勤があるのも現状です。
そのような待遇だと、モチベーションの低下にも繋がります。
さらに残業も多く不規則な勤務体制なので、心身ともに不調になり、モチベーションがますます下がってしまいます。
人間関係への不満
例え仕事や待遇に恵まれても、人間関係が悪いとモチベーションは低下します。
医療・介護業界はスタッフ同士の連携がないと成り立たない職種なので、コミュニケーションは欠かせません。
そのため、様々なスタッフと関わるので、人間関係への不満が出てくるのでしょう。
人間関係が悪化すると、仕事への意欲も低下します。
更に積極的なコミュニケーションがとれないままでは、サービスの質が低下します。
そして職場の雰囲気も悪くなるため、仕事へのモチベーションが湧きにくいのです。
仕事に対する不満
医療・介護業界では、目に見える評価がされにくい職種です。
そのため、能力の高いスタッフが抱える仕事が多くなり、不満が溜まりやすい傾向があります。
能力や実績に応じて正当な評価がつけられないと、モチベーションは低下します。
また、自分ができる仕事のキャパシティを超えた場合も、仕事へのモチベーションは下がるでしょう。
将来に対する不安
将来に対する希望が見えないと、スタッフのモチベーションは下がります。
例えば、尊敬する上司やスタッフがいる場合は、働く意欲が湧くので将来への期待が高まるでしょう。
一方、目的とする存在がいない場合や、仕事に対する希望も見出せない状態では不安感が消えません。
その結果、不安感が募るとモチベーションが減退するのです。
スタッフのモチベーションを上げるためには?
それでは働くスタッフのモチベーションを上げるには、どのようにするとよいのでしょうか。
いくつかポイントがありますので、ご紹介します。
①待遇や労働環境の見直し
待遇や労働環境を見直すことで、スタッフのモチベーションアップに繋がります。
スタッフに現在の待遇や労働環境で満足であるかの聞き取りをおこない、多くが改善を求めているのであれば、それらに応じることも大切です。
近年は心身の大切さを求める声も多くなり、残業削減や休日制度、有給休暇の取得率や日常勤務時間などをしっかり把握することが重要です。
経営者と現場のリーダーが率先して働き方の改善をおこなっていきましょう。
②スタッフを正当に評価する
スタッフの働き方が正当に評価されるように、結果だけではなく、その過程までを評価するプロセスを取り入れてみましょう。
また定期的に面談を行い、経営者やリーダーから丁寧かつわかりやすいフィードバックをすることも大切です。
そうすることで、スタッフは正当に評価されていることを理解するので、モチベーションアップへと繋がりやすいでしょう。
③スタッフの承認欲求を満たす
長年働いているスタッフに対して、表彰制度を導入することも大切です。
勤続年数によって評価されると、承認欲求も満たされますし、モチベーションアップに繋がります。
また、スタッフへの感謝の気持ちも込めて、称賛を伝え合う場を設けるのもおすすめです。
スタッフ同士の交流の場にもなり、褒められることで仕事へのモチベーションが更に上がるでしょう。
④働く役割を言葉で伝える
医療・介護業界でのやりがいはあるけれど、自分の役割がわからないという方もいるでしょう。
そしてモチベーションが下がり続けると、何のために働いているのかわからなくなります。
そのため、組織内での役割をリーダーが一人一人に言葉で伝えることが大切です。
自己肯定感も上がりますし、モチベーションアップへと繋がります。
⑤スキルアップできるように目標を決める
何年も働いていると仕事にも慣れてくるので、ルーティーン化しやすいです。
そのことによりモチベーションが下がってしまう傾向があります。
そのため、新しいことに取り組む機会を与えるのも効果的です。
例えば、スキルアップのための資格取得や、会社でのレベルアップに繋がるキャリア研修なども取り入れてみましょう。
目標があると、意欲が掻き立てられるので、モチベーションアップに繋がるでしょう。
⑥会社のビジョンや方向性を明確に伝える
経営者から会社のビジョンをスタッフへ明確に伝えることも、モチベーションアップへと繋がります。
自分が会社への貢献ができているということを知れると、仕事に対してやりがいをもてます。
会社の経営者から直接ビジョンを伝えられることによって、更に働く意欲が湧くでしょう。
まとめ
スタッフのモチベーションを上げるためには、一人一人に応じた対策を考えることが重要です。
人それぞれ価値観が異なるので、多くのスタッフを抱える医療・介護業界では頭を悩ませることもあるでしょう。
一番大切なのは、仕事そのものに興味を持ってもらうことです。
自分が取り組んでいる医療・介護の仕事自体に興味があればモチベーションが上がりますし、仕事への意欲もさらにアップします。
経営者やリーダーは、スタッフのモチベーションが上がるように、働きやすい環境をしっかり整えていきましょう。
この記事の執筆者 | シフトライフ編集部 主に介護業界で働く方向けに、少しでも日々の業務に役立つ情報を提供したい、と情報発信をしています。 |
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