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【教えて!】シフト作成が辛い、苦痛なのはなぜ?上手にシフトを組むにはどうしたら良い?

シフト作成が辛い、苦痛なのはなぜ?

「毎月のシフト作成、とてもつらい…」
「もっと負担を減らせる方法ないかな?」

 
シフトの作成はさまざまな調整・対応をする必要があるため、悩みや苦痛を感じている・・・というシフト管理者は多いでしょう。しかも毎月の重要な作業ですから、辛い、大変だからとやらないわけにはいきません。
 
この記事では、シフト作成が辛い・苦痛だと感じる原因について解説します。また、シフト管理者の負担を軽減する方法として、介護業界向け自動シフト作成ソフトをご紹介します。
 
シフト作成ソフトを活用するメリットについても紹介するので、シフト作成に悩みを抱えている介護リーダーや管理者の方はぜひご覧ください。

シフト作成が辛い、苦痛…という担当者は多い

忙しすぎてシフトが作れない!

介護施設や事業所において、主なシフト作成者はフロア主任やリーダーです。リーダー業務の中でもシフト作成は手間と時間のかかる業務であり、日々の現場業務やリーダー業務をこなしながら、シフト作成に取り掛からなければなりません。

毎月やってくるシフト作成業務に多くの時間や調整、周りからの意見に耳を傾けながら作成する必要があります。たとえば、Excelデータでシフト作成を行う場合、シフトの作成から配布までの手順は以下のような流れです。

《シフトの作成から配布までの手順》

主な手順 留意事項 おおよそかかる時間・期間
各職員へ希望休を聞く ・必要に応じて「希望休用紙」を配布する
・提出期限までに出ていない職員がいた場合、出すように連絡する
毎月1~10日前後
Excelデータにて作成月のフォーマットを作成する ・土日だけでなく祝日も色分けしておく
・週間・月間・年間スケジュールを確認する
・季節イベントや委員会活動、会議の日程を確認する
半日~1日程度
(調整が必要な場合、その場では完成しないことがある)
シフト作成開始 ・各職員の希望休を入力
・出勤日固定職員の打込み
・夜勤シフトの打込み
・職員休日数の確認
・必要に応じて個別に希望休調整の連絡
・早番・日勤・遅番などのシフト入力
・人員配置基準を満たしているか確認
・入力ミスがないか確認(ダブっている、足りないなど)
シフトを上司に報告する  ・上司のタイミングや返答によっては、返答待ちや対応に多くの時間を費やすことも 毎月10日~15日
苦しいシフトになっている職員には、掲示前に前もって説明しておく
シフトの掲示・配布
・職員の人数分印刷し、配布
・配布後、調整してもらった職員に感謝を伝える
・他職員からの意見があれば、改めて個別に対応する
毎月16日~25日前後

 

とくに、シフト作成では、現場職員・上司それぞれの意見を聞く必要があるので、シフト作成者は両者の板挟みになることがよくあります。

現場職員からは、

・「こんな連勤は無理」
・「もっとバランスよく休みがほしい」
・「そもそもシフト出すのが遅い」

と言われ、上司からは、

・「有給をもっと使用できるようにしろ」
・「足りないならばリーダーが残業すればよい」
・(シフト作成した後に)「この日会議だから調整して」

など、言われてしまいます。

ただでさえ、リーダーや主任として現場職員以上の業務をこなしているのにもかかわらず、さまざまな意見を言われ精神的に参ってしまうのも無理はありません。

シフト作成が辛くなる原因

シフト作成に疲れた管理者

シフト作成が苦しい・つらいと思う原因は、主に以下の点です。

シフト作成が苦しい・つらいと思う原因

 
・公平にシフトを作るのが難しい
・2交代制・3交代制などの勤務形態がある
・人手不足でシフトを組むのが難しい
・人の組み合わせが難しい(スキル、人間関係)
・シフト作成の時間が取れない
・急なシフト変更の対応が辛い
・毎月すぐにシフト作成の時期が来る
・作成したシフトに文句を言われる

それぞれの内容について詳しく解説します。

公平にシフトを作るのが難しい

シフト作成するとき、すべての職員の希望通りのシフトをかなえることは難しいといえます。

介護職員がシフトに感じる「不公平さ」とは、以下の点です。

・出勤したいシフトが通らない
・体力的にきついシフトになっている
・希望休みが通らない
・シフトが掲示されるタイミングに不満を感じる
・特定のスタッフだけの希望が通っているように感じる

たとえば、年末年始やお盆、ゴールデンウイークなどといった大型連休に希望休が重なりやすい傾向があります。その場合、誰かの休みをカバーするために他の職員に我慢をさせる必要があります。

リーダーの中で、「この職員は調整頼みやすいな」と思う職員ばかり我慢をさせてしまうと、その職員の負担やストレスは増えるばかりです。あらかじめシフト作成時のルールや、希望休が重なったときの対応方法を現場と共有しておくことが大切です。

シフトの不公平さを感じる場面や公平なシフトについて、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

2交代制・3交代制などの勤務形態

とくに施設系サービスや24時間体制で介護サービスを行っている事業所では、介護職員は2交代制もしくは3交代制で勤務しています。

たとえば、施設によっては、以下のような勤務形態でシフトを考慮しなければなりません。

《施設サービスにおける主な勤務形態》

勤務形態 勤務時間帯
早番 7:00~16:00
日勤 8:30~17:30
遅番 11:00~20:00
夜勤 17:00~翌日9:00

 

とくに、早番のみ・夜勤のみ、さらに曜日固定といった職員それぞれの契約があり、それを考慮したシフト作成が求められます。シフト作成者は、人事担当者に入職職員が希望する勤務形態を確認する必要があります。

もし異なっていた場合、シフト作成者が職員から「契約したときと勤務と違う!」と詰められることも。

本来、介護職員の疲労蓄積を考えた場合、正循環(早番→日勤→遅番→夜勤)のシフトを組みたいのだけれども、勤務固定・曜日固定の職員がいるとなかなか難しいのが現状です。人員のやり繰り上、どうしても逆循環シフトになってしまう日もある、といった介護施設も多いのではないでしょうか。

そもそも人手不足でシフトを組むのが難しい

介護職員の不足があると、シフト作成はさらに難しくなります。シフト作成における人手不足によって、以下のような問題が発生しやすくなってしまいます。

・希望休がさらに取りづらくなる
・早番~日勤まで、といった残業が慢性化する
・休日出勤が多くなる

こうした問題が慢性化すると職員の疲労やストレスが大きくなるため、ご利用者の事故につながったり、退職する職員が出てきたりする可能性も考えられます。リーダーや主任として、こうした残業や休日出勤を減らすことは、結果としてご利用者の安心・安全を守ることにつながります。

毎月作成しているシフトで人手不足の現状を把握することはもちろん、シフトシミュレーションを作成することが必要です。毎月どれほどの人員が足りないのか、充足といえるまでにはあと何名職員が必要か、を数字で明確に把握しておきましょう。

人の組み合わせが難しい(スキル、人間関係)

勤務形態や人手不足といった「人員の量」もシフト作成者を悩ませる一因ですが、一方で今働いている職員のスキルや人間関係といった「人材の質」も考える必要があります。

この「人材の質」においては、以下のような悩みが挙げられます。

・A職員とB職員で相性が悪い
・Cさんだとこの利用者の介助が不安だ
・Dさんはまだ新人だからベテラン職員と一緒に組まないといけない

とくに、シフトを配布してから、職員から「この職員は使えないから一緒に組みたくない!」といった話などを聞くと、今後のシフト作成に大きく影響します。

ただでさえ人手が足りない中で、さらに職員の組み合わせまで考慮する必要があるということは、シフト作成者にとって大きな悩みの種となります。人手不足から、分かっていてもその組み合わせにせざるを得ない、といったケースも発生するでしょう。

日ごろから職員とのコミュニケーションをはかり、ユニットや事業所のチーム力・指導力向上を意識しておきましょう。

シフト作成の時間が取れない

高齢者を介助する介護職員

日々、さまざまな業務に忙殺されるリーダーや主任にとって、シフト作成はかなりの時間と労力がかかります。とくに、シフト作成をしようと思っていても、以下のようなケースでなかなか時間が取れない可能性があります。

・シフト作成日を決めておらず、時間が過ぎてしまった
・シフト作成しようとしたら現場職員から呼ばれて対応した
・現場業務が終わってから、時間外でシフト作成せざるを得ない

シフト作成者が日頃抱えている業務量によってシフト完成までのスピードは大きく異なります。とくに、時間外でシフト作成する場合、集中力が維持できず思わぬミスにつながることも。

シフト作成の段階から、次月のシフトをいつ作成するかをスケジュールすることが必要です。また、リーダーや主任における仕事内容について、詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。

急なシフト変更の対応が辛い

いざ、シフトができたとしても、急にシフト変更が必要なケースは介護現場で多々あります。急なシフト変更も担当者を大いに悩ませる原因です。

たとえば、以下のような事例が挙げられます。

急なシフト変更が発生するケース

 
・職員の急な体調不良・欠員
・ご利用者に関する対応
・他部署との配置転換
・急な退職

最近では「明日出勤の職員がコロナウイルスに感染して欠勤となる」という事例がかなり多くあるでしょう。その場合、休みだった職員に急遽連絡をして出勤要請する必要があります。

「明日はいいけれど、次の出勤からはどうしよう…」「今回出てもらった職員の休みをどこかで振り替えなければ…」とシフト管理者の悩みは尽きません。

また、急に職員が退職すると、シフト作成者も精神的に苦しくなりますが、残された職員も大きな不安を抱えてしまいます。とくに、シフト作成者にとって、急な退職の件を聞くと、「なんで辞めたのだろう?」というよりも「次からのシフトどうしよう…」という考えが先行してしまうでしょう。

急なシフト変更にもすぐ対応できるよう、上司に職員の増員を依頼することが重要です。

毎月すぐにシフト作成の時期が来る

「シフト作成が辛い、苦痛…という担当者は多い」にて記載したようなシフト作成から配布までの流れだと、1ヶ月はあっという間に過ぎ去ります。

やっとの思いで完成したシフトにいろいろな意見を言われ、それにひとつひとつ対応していたら、また次月のシフト作成が迫ってきた…ということは大いにあります。

シフト作成に多くの時間を費やしているからこそ、すぐにやってくると思うことが多くあるのです。

作成したシフトに文句を言われる

シフトが完成し配布をしても、現場で働く職員からは以下のような文句を多く聞きます。

・あの職員、リーダーのほうがラクなシフトだ!
・もっと夜勤に入りたいのに!削られた!
・遅番→早番勤務はさすがにきつい…
・やっぱり希望休を変えたい!

もちろん、これだけでは済まず、非常に多くのシフトに関する文句を聞くことになるでしょう。苦労して作ったシフトについて、多くの文句を聞くと精神的にかなり辛くなってしまいます。

また、シフトや勤務に関する不平不満が続くと、リーダーと現場職員で軋轢(あつれき)を生む可能性があるのです。

余裕を持った人員配置やシフト作成時間を確保することで、こうした不満に耳を傾ける余裕ができ、よりよいシフトを作ることができるでしょう。

シフト作成ソフトを活用すると負担が軽減できる

シフトを作る介護リーダー

毎月さまざまな苦難を乗り越えて完成した勤務表。しかし、昨今そのような苦労をしなくても、シフト作成ソフトを活用することで負担を軽減できます。

とくに、介護現場では変則勤務であり、その中で人員基準を満たしているかどうかが一目でわかる「介護業界に特化したシフト作成ソフト」があるのです。

ここでは、シフト作成ソフトを利用するメリットやその効果について解説します。介護業界におけるシフト作成ソフトについて詳しく知りたい方は、以下の記事でおすすめのソフトを紹介していますので、ぜひご覧ください。

シフト作成ソフトを利用するメリット

シフト作成ソフトを利用するメリットは、以下のとおりです。

シフト作成ソフトを利用するメリット

 
・シフト作成者の負担軽減につながる
・シフト作成時間を短縮できる
・転記ミスがなくなる
・職員が希望休を申請しやすくなる
・シフト管理が楽になる
・シフトを共有しやすくなる

ここで重要なのは、シフト作成者がシフト作成にかける時間・労力を軽減できることで、別の業務に注力できる点です。リーダー・主任が余裕を持って業務に取り組むことで、施設や事業所の安全や働きやすい環境作りに役立ちます。

実際、シフト作成を行うリーダーや主任は、シフト作成だけでなく多くの業務をこなしています。その業務の中には、「リーダーでなくてもできること」や「やり方を変えると楽になること」も存在します。

しかし、リーダーや主任が個々人でそうした業務を見つけて自力で精査することはなかなか容易ではありません。そこで、シフト作成ソフトを活用することで、効率的にシフト作成でき、別の業務に注力できる時間を生み出すことで、結果として職場環境の改善・ご利用者の安心につながるのです。

また、他のメリットについても紹介します。

シフト作成の時間を短縮できる

シフト作成ソフトを活用することで、シフト作成時間を短縮できます。シフト作成ソフトにより異なりますが、主な機能は、以下のとおりです。

・職員の勤務時間の計算
・給与計算
・有給の自動計算 など

たとえば、Excelでシフトを作成する場合、わざわざPCを開き作業する必要があります。さらに、自動で計算できるようさまざまな関数を調べることも求められるため、それだけでも時間・労力がかかるのです。手で書く職員のシフトを埋めていく作業も必要となります。

シフト作成ソフトを導入する場合、PCを開くことは同じですが、その後はソフトを立上げ、必要に応じて設定した条件の変更などを行えば、各種計算が自動的に行うことができます。シフト表も自動で作成することができるため、作成時間の大幅な短縮につながることが期待されます。

シフトの転記ミスが無くなる

シフト作成ソフトを活用すると、シフトの転記ミスといったさまざまなミスを減らせます。たとえば、手入力でシフトを作成する場合、以下のようなミスが起こりがちです。

手入力でシフト作成する際に起こりやすいミス

 
・職員の希望休を打ち間違えた
・イベントや委員会、会議の日程を忘れていた
・よく見たら夜勤がいない日があった
・早番が2人いて勤務がダブっていた
・計算すると常勤換算を満たしていなかった

人手が増えるほど余裕のあるシフトは作成できますが、一方で職員が多いために勤怠管理がより煩雑になることも考えられます。さらに、リーダーや主任は時間がない中でシフト作成を行わなければならないので、思わぬミスを引き起こすかもしれません。

シフト作成ソフトでは、そうした人為的ミスをなくし、公平なシフトを実現できます。シフトのミスは、職員の信頼を大きく損ねる可能性がありますので、ミスなく素早くシフトが掲示されることで、現場職員の不満解消やモチベーションアップにつながるでしょう。

希望休の申請がしやすくなる

シフト作成ソフトでは、現場職員が希望休を申請しやすくなります。わざわざ別の用紙に希望休を記入し提出しなくても、ソフトを利用すればスマートフォンで数ヶ月先の希望休も申請できるのです。

簡単に提出できるだけでなく、各職員の希望に沿ったシフトを反映できるため、スケジュール管理がしやすくなるでしょう。

シフト管理が楽になる、共有しやすくなる

シフト作成ソフトを導入すると、現場職員とシフト作成者の双方にとって管理が楽になります。双方のメリットは、下表のとおりです。

《シフト作成ソフト利活用のメリット》

現場職員 シフト作成者
・他スタッフの希望休を気にしなくていい
・特定の職員へのシフトの偏りがなく、公平に感じやすい
・配布を待たなくてもスマートフォンですぐ確認できるため、予定管理がしやすい
・休み日数や勤務を管理しやすい
・時間外や残業時間をすぐ確認し、どれほど人員が必要か明確になる
・いちいち希望休用紙やシフトを配布・掲示しなくてもよい

 

シフト作成・管理は、施設や事業所が適切に運営するために必要であるにもかかわらず、人手不足や職員の組み合わせにより、多くのリーダー・主任が苦手意識をもっています。

しかし、シフト作成ソフトを導入してシフト管理が楽になることで、適切な事業運営ができて現場職員が働きやすくなり、結果としてご利用者の満足度へとつながることでしょう。

つらいシフト作成の負担軽減はとても重要!

介護リーダーと入居者

シフト作成の負担を軽減することは、作成するリーダー・主任のためだけではなく、現場職員や事業所・施設全体にとって大きなメリットとなります。

リーダー・主任がシフト作成で負担やストレスを多く抱えてしまうと、通常業務に支障が出たり、最悪の場合リーダー・主任が退職してしまうケースがあるからです。

シフト作成は、フロアや事業所の職員すべてにかかわる業務であり、提出が遅れてしまったりミスがあると多くの職員に迷惑がかかります。そうしたプレッシャーを感じながら作成したシフトにいろいろと文句を言われてしまうと、リーダー・主任はかなり苦痛に感じてしまうのです。

シフト作成ソフトを導入する、つまり「やり方を変える」ことで、シフト作成する時間や精神的負担を少なくし、「リーダーしかできない仕事」に注力できるでしょう。

まとめ

この記事では、シフト作成がつらくなる原因やシフト作成ソフトを活用するメリットについて解説しました。

「本当にこんなにもいろいろと言われるの?」と思うかもしれません。しかし、筆者もシフト作成業務を行っていた中で体験したことが多くあり、なおかつ事例の一部なのです。

シフト作成に苦しんでいるリーダー・主任といった方たちが、この記事が少しでも負担軽減できる一助になれば幸いです。

ShiftLifeでは、シフト作成に関する記事を他にも多数掲載しています。シフト作成について悩みを抱えている方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。

この記事の執筆者しょーそん

保有資格:介護福祉士 認知症実践者研修 修了 認知症管理者研修 修了 認知症実践リーダー研修 修了

グループホームに11年勤務し、リーダーや管理者を経験。
現場業務をしながら職員教育・請求業務、現場の記録システム管理などを行う。

現在は介護事務の仕事をしながら介護・福祉系ライターとしても活動中。

 

 

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