ショートステイで働いている相談員の中には「忘れ物対策をどうすれば良いか」と悩んでいる人もいるでしょう。忘れ物があると届けに行く手間が増えるだけでなく、苦情の原因にもなりかねません。
この記事では、ショートステイでの忘れ物対策や、どのような場面で忘れ物や衣類間違いが起こりやすいかをお伝えしていきます。
目次
ショートステイで働く職員の悩み、忘れ物・衣類間違い
ショートステイで働く職員の悩みとして多いのが「忘れ物や衣類間違い」です。特に細かい荷物が多い利用者だと、忘れ物が発生する確率が高いです。また服や肌着を、別の利用者の荷物袋に入れてしまった、といった間違いが発生することもあるでしょう。
忘れ物や衣類の間違いをすると、返却する手間が発生するだけでなく、利用者や家族から苦情がくることもあり、嫌な気持ちになりがちです。
そのため、ショートステイの忘れ物対策をどうするかは、とても重要だといえるでしょう。
忘れ物対策の為に相談員が説明しておきたいこと
ショートステイの忘れ物対策として、相談員が利用者や家族へ説明しておくと良いことは、2つあります。
1つめは「貴重品は持ってこない」ことです。ショートステイは数十人の利用者が宿泊する場所です。また個室には鍵がかからないので、貴重品が紛失する可能性が高いです。
ショートステイ利用の際は、利用者や家族へ貴重品は持ってこないように説明しましょう。もし持ってきた際は、盗難防止の為施設で管理させて頂く旨も伝えておくと良いです。
2つめは「気をつけていても、忘れ物が起こる可能性がある」ことを伝えることです。職員が気をつけていても、忘れ物が起こる可能性があります。予め利用者や家族に「忘れ物があったとき、どのように対応すると良いか」を確認しておきましょう。
併設されているデイサービスを利用している人であれば「デイサービス利用時に返却しても良い」と言うこともあります。ですが、あくまで利用者や家族の都合に合わせた対応をとりましょう。
ショートステイの忘れ物対策
ショートステイの忘れ物対策として、下記5つがあります。
・衣類などに名前を記入してもらう
・荷物の写真を撮る
・持ち物チェックリストを作成する
・職員間の情報共有
・施設の物を使ってもらう
次で説明します。
衣類などに名前を記入してもらう
1つめは「衣類などに名前を記入してもらう」ことです。何日も連泊する利用者の中には、ショートステイで衣類を洗濯する場合があります。複数の利用者の衣類を洗濯すると、誰の衣類なのか分からなくなることが多いです。
なので、予め利用者や家族に衣類などに名前を記入してもらうことを依頼しましょう。油性の太いペンで大きく書いてもらうと、職員も分かりやすいです。
荷物の写真を撮る
2つめは「荷物の写真を撮る」ことです。ショートステイの職員はシフト制で働いています。ですので、受け入れと送り出しの職員が異なることが多いです。
どの職員が送り出し担当になっても良いように、荷物の写真を撮ると良いです。
ただし、荷物の写真を撮るときは事前に利用者や家族に了解を得ましょう。「勝手に自分の荷物を撮られた」と苦情が来る場合があるからです。
持ち物チェックリストを作成する
3つめは「持ち物チェックリストを作成する」です。チェックリストは、写真を撮れなかった場合に活用できるだけでなく、写真では分かりづらい細かい特徴もメモすることができるというメリットがあります。
チェックリストには、下記の項目を入れると良いです。
・服や衣類の枚数や特徴(色や柄など)
・洗濯するときの注意事項(おしゃれ着洗いか、ショートステイでは洗濯できないのか)
持ち物チェックリストを作成するときは、受け入れと送り出しの担当者が分かるようにしましょう。チェックリストにない物が出てきたり、忘れ物が発生したとき「誰が担当したのか」をすぐに確認できるからです。
また持ち物チェックリストは処分せず、個人ファイルなどに保管しておきましょう。次回利用するとき、リスト作成時の参考になります。
加えて定期的に宿泊する人であれば、エクセルなどで表を作成し、いつでも印刷できる状態にしておくのがおすすめです。
職員間の情報共有
4つめは「職員間の情報共有」です。前述したように、ショートステイの職員は夜勤を含めた不規則勤務で働いています。ですので、職員間の情報共有は必須です。
特別養護老人ホーム(以下特養)併設型のショートステイの場合、特養の職員がショートステイの利用者の入浴介助をしたり、夜間対応を行ったりすることがあります。
別部署の職員でも対応できるよう、持ち物や利用者に関する注意事項など、口頭や書面で申し送りしましょう。
施設の物を使ってもらう
5つめは「施設の物を使ってもらう」ことです。具体的には、下記があります。
・タオル
・洗面器
・シャンプーや石鹸
特にタオルは、忘れ物として多いです。可能であれば、利用者や家族に施設で用意できる物は施設の物を使ってもらい、持ってくる物を少なくしてもらいましょう。
ショートステイで物が無くなりやすいタイミング
ショートステイで物が無くなりやすいタイミングとして、下記があります。
・脱衣時
・洗濯時
次で説明します。
脱衣時
1つめは「脱衣時」です。入浴介助の際、他利用者の衣服などと混ざると、紛失する可能性が高くなります。
また特養など別部署の職員が関わる場合、だれの衣服なのか分からないことが多いです。
紛失防止対策として、下記があります。
・脱衣用の籠は、利用者ごとに分ける
・眼鏡や補聴器などをつけている利用者は、専用のケースを用意する
・1人入浴介助が終わったら、使ったタオルを片付けて動線を確保する
・脱いだ衣類は、ショートステイ利用者用の洗濯籠へ入れておくなど、分けておく
洗濯時
2つめは「洗濯時」です。特にデイサービスや特養など、別部署と併設しているショートステイでは、利用者の衣類が混ざることが多いです。
対策として、下記があります。
・部署ごとに籠や袋を分ける
・ショートステイの洗濯物はネットを使うなど、一目で分かるようにする
またおしゃれ着の場合、普通の洗濯物と混ざると乾燥まで行くことがあり、縮んで弁償しなければいけないことがあります。可能であれば、おしゃれ着は部屋で脱いでもらうか、専用の袋を用意して職員が預かるなどして、普通の洗濯物と混ざらないようにしましょう。
まとめ
ショートステイで働くなかで、忘れ物対策は必須です。チェックリストの作成や職員間の情報共有などを行い、忘れ物の発生を少なくしましょう。
ですがどんなに対策をしていても、必ず忘れ物は出てきます。その時は、誠心誠意対応しましょう。普段から利用者や家族とコミュニケーションを築いておくことで、ミスがあっても大きな問題にまで発展する可能性は低くなります。
是非上記の方法を実践し、利用者が安心安全に過ごせるようにしましょう。
この記事の執筆者 | miruto 保有資格:介護福祉士 社会福祉士 地域密着型特別養護老人ホームに6年、ショートステイに1年勤務しました。 現在は訪問介護の仕事をしながら、介護・福祉系ライターとしても活動中です。 |
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