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短期集中リハビリテーション実施加算とは?【老健・訪問リハ・通所リハ】算定要件や起算日など解説

短期集中リハビリテーション実施加算とは

医療機関や介護保険施設から退院・退所した方は、入院中に身体機能が低下していることが多く、在宅生活への復帰には集中的なリハビリテーションが欠かせません。
 
短期集中リハビリテーション実施加算は、退院・退所後の3ヶ月間に集中的なリハビリを提供することで、ご利用者の身体機能回復を支援するための加算制度です。
 
訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、介護老人保健施設で算定でき、それぞれに単位数や算定要件が定められています。
 
本記事では、短期集中リハビリテーション実施加算の基本的な内容から、各サービス種別の算定要件、起算日の考え方を解説、また、参考となるQ&Aなどを紹介しています。

短期集中リハビリテーション実施加算とは

自立支援介護とは

短期集中リハビリテーション実施加算は、医療機関や介護保険施設からの退院・退所直後、または新たに要介護認定を受けた方に対して、集中的なリハビリテーションを提供した場合に算定できる加算です。

この加算は、

・訪問リハビリテーション

・通所リハビリテーション

・介護老人保健施設

で算定することができ、それぞれのサービス特性に応じた算定要件が定められています。

退院・退所後の3ヶ月間という限られた期間に、週2日以上の頻度で個別のリハビリテーションを実施することで、ご利用者の身体機能の維持・向上を図ることを目的とした加算です。

加算の目的と概要

短期集中リハビリテーション実施加算の最も重要な目的は、入院・入所中に低下した身体機能を早期に回復させ、在宅生活への円滑な移行を支援することにあります。

入院中は活動量が減少し、筋力や体力が低下する傾向があります。そのため、退院直後から集中的にリハビリテーションを行うことで、廃用症候群の予防や生活動作の改善が期待できます。

また、この加算は3ヶ月間という期間が設定されており、この間に集中的な介入を行うことで、ご利用者が自宅での生活に必要な動作能力を獲得できるよう支援します。

医療機関でのリハビリテーションから在宅でのリハビリテーションへとスムーズにつなぐ橋渡しの役割も担っており、ご利用者とご家族の生活の質を高めることに貢献しています。

2024年度(令和6年度)介護報酬改定の変更点

2024年度の介護報酬改定では、短期集中リハビリテーション実施加算について重要な見直しが行われました。

特に介護老人保健施設において、科学的介護の推進を目的としたLIFE(科学的介護情報システム)への情報提出が新たに評価される仕組みが導入されています。

この改定により、リハビリテーションの効果をデータで可視化し、より質の高いサービス提供を目指す方向性が明確になりました。

訪問リハビリテーションや通所リハビリテーションについては大きな変更はありませんが、介護老人保健施設では新たな加算区分が創設されています。詳細は後述します。

LIFE(科学的介護情報システム)への提出義務化

2024年度改定の最大のポイントは、介護老人保健施設における短期集中リハビリテーション実施加算に、LIFE提出を要件とする新区分が創設されたことです。

従来は240単位/日の単一区分でしたが、改定後は「加算(Ⅰ)258単位/日」と「加算(Ⅱ)200単位/日」の2つの区分に分かれました。

■加算(Ⅰ)

加算(Ⅰ)では、入所時および月1回以上のADL(日常生活動作)等の評価を実施し、その評価結果をLIFEへ提出することが義務付けられています。

提出した情報は、厚生労働省からフィードバックを受け、そのデータを活用してリハビリテーション計画を見直すことが求められます。

■加算(Ⅱ)

一方、加算(Ⅱ)は従来型の要件を維持しており、ADL評価やLIFE提出の義務はありませんが、単位数は200単位/日に引き下げられました。

この2区分の創設により、事業所は自施設の体制や状況に応じて、より適した加算を選択できるようになっています。

科学的根拠に基づいたリハビリテーションの実践を評価する仕組みが強化され、今後はデータを活用したPDCAサイクルの確立が重要になります。

短期集中リハビリテーション実施加算の対象サービス種別

高齢者施設でのリハビリ

短期集中リハビリテーション実施加算は、介護保険制度の中で3つのサービス種別において算定することができます。

・訪問リハビリテーション

・通所リハビリテーション

・介護老人保健施設

短期集中リハビリテーション実施加算の単位数、算定要件

短期集中リハビリテーション実施加算の単位数と算定要件は、サービス種別ごとに異なる内容が定められています。

ここでは、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、介護老人保健施設のそれぞれについて、具体的な単位数と算定要件を詳しく解説します。

訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションにおける短期集中リハビリテーション実施加算は、ご利用者の自宅で提供される個別リハビリを評価する加算です。

ご利用者の実際の生活環境の中でリハビリテーションを実施できるため、日常生活に直結した訓練が可能になります。

単位数

200単位/日

※訪問リハビリテーション費の基本報酬(308単位/回)に加算
※1日に複数回訪問しても、加算は1日につき1回のみ算定

算定要件

訪問リハビリテーションで短期集中リハビリテーション実施加算を算定するには、以下の要件を満たす必要があります。

・対象者:退院(所)日または認定日から起算して3ヶ月以内の方

・実施頻度:1週間におおむね2日以上

・実施時間:1日あたり20分以上の個別リハビリテーション

・前提条件:リハビリテーションマネジメント加算を算定していること

・実施者:医師または医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士、言語聴覚士

通所リハビリテーション(デイケア)

通所リハビリテーション(デイケア)における短期集中リハビリテーション実施加算は、施設で提供される集中的な個別リハビリを評価する加算です。

専門的な機器や設備を活用した効果的なリハビリテーションが可能になります。

単位数

110単位/日

※通所リハビリテーション費の基本報酬に加算 ※所要時間の区分(1時間以上2時間未満、2時間以上3時間未満など)に関わらず、1日につき110単位を算定

算定要件

通所リハビリテーションで短期集中リハビリテーション実施加算を算定するには、以下の要件を満たす必要があります。

・対象者:退院(所)日または認定日から起算して3ヶ月以内の方

・実施頻度:1週間におおむね2日以上

・実施時間:1日あたり40分以上の個別リハビリテーション

・前提条件:リハビリテーションマネジメント加算を算定していること

・実施者:医師または医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士、言語聴覚士

介護老人保健施設

介護老人保健施設における短期集中リハビリテーション実施加算は、2024年度改定により2つの区分に分かれました。

LIFE提出を伴う加算(Ⅰ)と、従来型の加算(Ⅱ)があり、施設の体制に応じて選択できます。

短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)の単位数、算定要件

短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)は、ADL評価とLIFE提出を義務化した新区分です。

単位数:258単位/日

算定期間:入所日から3ヶ月以内

算定要件:
・実施内容:医師または医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、入所日から3ヶ月以内の期間に集中的なリハビリテーションを実施

・実施頻度:1週間におおむね3日以上

・実施時間:1日当たり20分以上の個別リハビリテーション

・ADL評価:入所時および月1回以上、ADL等の評価を実施

・LIFE提出:評価結果等の情報を厚生労働省(LIFE)へ提出

・計画見直し:LIFEから得られるフィードバックを活用し、必要に応じてリハビリテーション計画を見直す

短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)の単位数、算定要件

短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)は、ADL評価とLIFE提出を必要としない従来型の区分です。

単位数:200単位/日(従来の240単位/日から変更)

算定期間:入所日から3ヶ月以内

算定要件:
・実施内容:医師または医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、入所日から3ヶ月以内の期間に集中的なリハビリテーションを実施

・実施頻度:1週間におおむね3日以上

・実施時間:1日当たり20分以上の個別リハビリテーション

・ADL評価:不要

・LIFE提出:不要

加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は選択制であり、併算定はできません。

LIFE提出の体制が整っている施設は加算(Ⅰ)を、体制整備が難しい施設は加算(Ⅱ)を選択することになります。

短期集中リハビリテーション実施加算の算定期間と起算日

短期集中リハビリテーション実施加算の算定期間と起算日について

短期集中リハビリテーション実施加算を正しく算定するには、起算日と算定期間の考え方を理解することが重要です。

起算日とは加算の算定開始日を決める基準となる日で、この日から3ヶ月間が算定期間となります。

起算日の考え方

訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションの場合

起算日は、退院(所)日または認定日のうち、いずれか早い方の日付となります※1。

退院(所)日:病院、診療所、介護保険施設から退院・退所した日

認定日:要介護認定の効力が生じた日=認定有効期間開始日(申請日)※2

退院後に認定がなされた場合は認定日を起算日とし、認定後に退院した場合は退院日を起算日とということになります。

介護老人保健施設の場合

起算日は入所の日となります※3。

算定期間

算定期間は起算日から3ヶ月以内です。

介護老人保健施設での再入所の扱い

介護老人保健施設では、入所者が過去3ヶ月間に同じ施設に入所していた場合、短期集中リハビリテーション実施加算は算定できません※4。ただし、3ヶ月以上の期間を空けて再入所した場合は算定が可能です。

起算日の判断に迷った場合は、ケアマネジャーや医療機関と連携して、退院日や認定日を正確に確認することが大切です。

※1 岡山県 短期集中リハビリテーション実施加算の取扱いについて(平成25年1月30日)
※2 同上
※3 札幌市 介護老人保健施設における短期集中リハビリテーション実施加算の見直し(令和6年度)
※4 厚生労働省 介護サービス関係Q&A集

類似加算との違い

短期集中リハビリテーション実施加算には、名称が似ている加算や目的が近い加算がいくつか存在します。

これらの加算を正しく理解し、ご利用者の状態に応じて適切な加算を選択することが重要です。

ここでは、混同しやすい加算を簡潔に紹介します。

短期集中個別リハビリテーション実施加算との違い

短期集中個別リハビリテーション実施加算は、通所リハビリテーションのみで算定できる加算です。

名称が非常に似ているため混同しやすいですが、短期集中リハビリテーション実施加算とは別の加算として位置づけられています。

対象サービスの違い

加算名 対象サービス
短期集中リハビリテーション実施加算 ・訪問リハビリテーション
・通所リハビリテーション
・介護老人保健施設
短期集中個別リハビリテーション実施加算 通所リハビリテーションのみ

 

認知症短期集中リハビリテーション実施加算との違い

認知症短期集中リハビリテーション実施加算は、認知症の方に対する専門的なリハビリテーションを評価する加算です。

平成18年に創設され、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、介護老人保健施設で算定できます。
(訪問リハビリテーションは2024年改訂で新設)

短期集中リハビリテーション実施加算 Q&A

短期集中リハビリテーション実施加算 Q&Aで参考になるURLを記載します。

岡山県 短期集中リハビリテーション実施加算の取扱いについて(平成25年1月30日)
問「短期集中リハビリテーション実施加算の算定に当たっては、退院(所)日又は認定日か
ら起算することとなっているが、「認定日」とは市町村の認定年月日のことなのか、それ
とも認定有効期間初日のことなのか。」等

https://www.town.aichi-togo.lg.jp/material/files/group/11/tuusyoq-a.pdf
問「通所リハの短期集中リハ加算①がとれる要件について加算の要件として、「初めて要介護認定を受けた後に~」とあるが、これは要支援から要介護の場合も該当するか否か。」等

厚生労働省 介護サービス関係 Q&A集
問「期集中リハビリテーション実施加算について、退院(所)後に認定がなされた場合の起算
点はどちらか。逆の場合はどうか。」等

※介護報酬の解釈や運用は制度改正により変更される場合があり、過去のQ&Aと最新の見解が異なる可能性があります。 実際の算定において判断に迷う場合や不明な点がある場合は、必ず保険者(市町村の介護保険担当課)や都道府県の関係機関に照会し、確認されることをおすすめします。

まとめ

短期集中リハビリテーション加算は、通所リハビリ・訪問リハビリ・老健で算定することができます。

医療機関や介護保険施設から退院・退所した方、または新たに要介護認定を受けた方に対して、3か月間という重要な時期に集中的なリハビリテーションを提供することを評価する加算です。

ご利用者の身体機能回復と生活の質向上に貢献すると同時に、リハビリテーションを提供する側に施設側にとっても重要な加算となります。ぜひ積極的に加算を目指していただけたらと思います。

この記事の執筆者
シフトライフ編集部
シフトライフ編集部

主に介護業界で働く方向けに、少しでも日々の業務に役立つ情報を提供したい、と情報発信をしています。

 
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