シフト作成が最長1週間→早ければ30分ほどで完成。時間も心の負担も軽くなった社会福祉法人悠生会のシンクロシフト導入事例

当日取材にご協力いただいた社会福祉法人悠生会、写真右から、副施設長の廣富様、主任の加賀様。
「以前はシフトの完成まで、長いと1週間ほどかかることもありました。今はその日のうちに終わります。時間も、気持ちも、本当に楽になりました」
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毎月のシフト作成は、担当者にとって時間的にも精神的にも負担の大きくなりがちな業務です。
希望休の取りまとめ、職員の組み合わせ、夜勤の配置——考えるべきことは多く、紙とExcelでの作業には、転記ミスや中断といった悩みも生じやすくなります。
社会福祉法人悠生会(札幌市北区)は、特別養護老人ホームを中心に、ショートステイ・デイサービス・居宅介護支援事業所を運営する法人です。法人全体で約160名の職員が在籍し、元気なときから最期の瞬間まで、切れ目のないサービスを提供できる体制を整え、地域の相談窓口としての役割を大切にしています。
今回お話を伺ったのは、シフト作成・管理担当者である廣富副施設長と、広域型特別養護老人ホーム及び、地域密着型特別養護老人ホームでシフト作成を担当されている主任の加賀様です。
希望休を紙で集め、Excelで組んでいたこれまでの体制には、転記の際の取り違え、夜勤中の中断、そしてシフト作成が特定の担当者に集中しがちな属人化など、複数の負担が積み重なっていました。
導入されたシンクロシフトによって、その作業時間や現場には、どのような変化が生まれたのか。作成時間の短縮、転記ミスの解消、ペーパーレス化。さらにその先に見据える「誰でも担える仕組み」づくりまで、導入の効果と今後の展望について、お話を伺いました。
※役職はいずれも取材時点のものです。
※本記事は2026年6月に実施した取材に基づいています。
■ 目的
・シフト作成にかかる時間と、中断の多い作業の負担を軽減し、現場や利用者と関わる時間をつくる
・紙運用で生じる転記ミスや、共有のタイムラグを解消する
・シフト作成業務の属人化を解消し、誰でも担える仕組みをつくる
■ 課題
・シフト作成は主に夜勤中に行っていたが、ケアやナースコールで中断することも多く、着手から完成まで、長いときは1週間ほどかかることもあった
・紙の希望休をExcelに転記する際、希望休が1日ずれるなどの取り違えが生じ、リーダー同士の確認に神経を使っていた
・シフト作成の段階で夜勤の入力漏れや重複が生じても、紙やExcelでは気づきにくかった
・全員分を紙で印刷・配布し、修正のたびに再印刷。連休中の職員には共有のタイムラグが生じていた
・シフト作成が特定の担当者に集中する属人化と、配布時の緊張感や締め切りのプレッシャーがあった
■ 効果
・自動作成により、完成まで長いときは1週間ほどかかっていたシフト作成が、その日のうちに完了するように。準備5〜10分、手修正を含めても早ければ30分ほどで仕上がり、勤務時間外の作業もなくなった
・希望休がスマホ申請・自動反映となり、転記ミスや行き違いが大きく減少
・夜勤などの過不足が画面で一目で分かるようになり、作成時の入力漏れ・重複がほぼゼロに
・ペーパーレス化が進み(取材時点で約50%完了)、印刷・配布の手間と経費を削減。クラウド管理で事業所外からも操作でき、担当者が不在でも他の職員が代行できる体制になった
・「AIが作っている」という安心感で配布時の精神的な負担が軽くなり、属人化からの脱却も見据えられるように
■ 本取材施設でのシンクロシフト利用サービス種別
・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム:広域型・地域密着型)
・短期入所生活介護(ショートステイ)
・通所介護(デイサービス)
施設概要――地域の相談窓口として、看取りまで切れ目なく支える
――まず、施設の概要と特徴を教えていただけますか。
廣富様:社会福祉法人悠生会と申しまして、特別養護老人ホームを2施設運営しております。あいの里地区ではショートステイや居宅介護支援事業所を併設し、南あいの里地区ではショートステイとデイサービスも併設しています。法人全体では約160名の職員が在籍しています。
特別養護老人ホームは、広域型が80床、地域密着型が29床です。いずれも全室個室のユニット型で、10床、10床の20床を一つの単位としています。
――施設として、大切にされていることはありますか。

廣富様:あいの里・南あいの里の2つの地区に拠点があり、この地域の相談窓口としての役割を大切にしています。デイサービスから特別養護老人ホームまでを運営していますので、住み慣れた地域で長く生活していくための支援をさせていただくことが多いです。
近年はお看取りへのニーズも高まっていますので、医療も含めて、しっかりとご支援できる体制を整えています。元気なときから最期のその瞬間まで、切れ目のないサービスを提供できる体制と、笑顔と挨拶を大切にしています。
――シフトは、どのような体制で作成されているのでしょうか。
廣富様:事業所ごとに作成者が分かれています。各事業所の管理者が兼務している場合もありますが、特別養護老人ホームは2ユニット(20床)を一つの単位として、2人のリーダーがシフトを作成しています。作成者は、広域型で10名、地域密着型で4名です。デイサービスは管理者が作成しています。
――加賀様は、どちらのシフトを担当されているのですか。
加賀様:私は広域型の特別養護老人ホームでリーダーを務めており、シフト作成を担当しています。今の施設では3年ほどですが、前の職場でも作成していましたので、シフトを組む際の考え方のようなものは身についていました。
導入前の課題――紙とExcelで積み重なる、転記・中断・配布の負担
紙の希望休とExcelへの転記――どれだけ気をつけても、ゼロにはできない取り違え
――シンクロシフトを導入する前は、どのようにシフトを管理されていましたか。

加賀様:作成はExcelで、希望休は紙で管理していました。職員に毎月10日までに希望休を提出してもらい、作成者が10日以降にExcelで組んでいく、という流れです。
――紙からExcelへ転記するなかで、難しさを感じていた点はありましたか。
加賀様:一番は、転記のミスですね。気を付けていても、どうしても起こってしまっていました。希望休が1日ずれてしまう、といったようなことが実際にあったので、間違っていないか、リーダー同士で必ず突き合わせて確認していました。
それでも、人の手でやることですので、二人で確認しても見落としてしまうことはありました。あとから「ここの希望休が違う」と指摘されたときは、本当にこたえましたね。そこが、一番しんどかったかもしれません。
――希望休が重なることはありませんでしたか。
加賀様:正月やお盆などは、やはり重なることがありました。人数が多いときは、職員同士で話し合ってもらうこともありました。
夜勤中に進めるシフト作成――たび重なる中断と、締め切りのプレッシャー
――シフトの作成には、どのくらいの時間がかかっていましたか。
加賀様:作り始めた当初は4〜5時間ほどかかっていたと思います。慣れてからは、1〜2時間ほどでした。何から埋めていくか、というのが頭に入った状態で1〜2時間ですし、そこまでできるようになるには1〜2年はかかりました。
――シフト作成中に、手が止まることは多かったのでしょうか。
加賀様:多かったです。ほかのケアに入ることもありますし、シフトは夜勤中に作ることが多かったのですが、ナースコールが鳴るなどして中断し、「どこまでやったか」が分からなくなることがよくありました。日勤帯では作成が難しいので、夜勤中に作るか、早番など自分の業務がすべて終わったあとに作っていました。
そうした事情もあって、実際に手を動かす時間そのものは1〜2時間でも、中断をはさみながらなので、完成までにはトータルで何日もかかっていました。着手したその日のうちにできることもあれば、できない場合は1週間ほどかかることもあります。10日以内にはシフトを仕上げたいと思っていたので、この時期に作業できるよう、自分の夜勤をあえて入れておく、ということもしていました。
――完成までの間、気持ちが休まらないと感じることもありましたか。
加賀様:ありました。「間に合わなかったら」とは常に思っていましたし、休みの日でも「まずい、まだ作っていないな」と頭をよぎることもありました。
職員の組み合わせへの配慮と、配布時の緊張感
――シフトを組むうえで、特に苦労されたことはありますか。
加賀様:職員の組み合わせには気を配っていました。新人だけの組み合わせにならないようにしたり、経験のバランスを考えて配置したり。そうした調整に時間を取られることが多かったです。これは、職員一人ひとりのことが頭に入っていないとできないことなので、ある程度の時間をかけて覚えていく必要がありました。
――できあがったシフトを配るときは、どのようなお気持ちでしたか。
加賀様:毎回、少し緊張しました。「何か言われないかな」という気持ちが、どうしてもありました。そこはなかなか慣れませんでしたね。
シフト作成して配布し終わると、「やっと終わった」とほっとするのですが、すぐにまた翌月がやってくるので、その繰り返しでした。
月途中の組み直しと、紙の配布ならではのタイムラグ
――一度組んだシフトを、月の途中で組み直すこともあったのでしょうか。
加賀様:ありました。感染症の流行や急なお休みがあると、そのたびに手直しが必要でした。コロナ禍のときは大きく組み替えることもあり、大変だったのを覚えています。組み直しで一番大変なのは、夜勤の確保です。誰が出られるか、電話をかけるなどして一人ひとり確認していました。
――シフトの配布や共有の面で、困っていたことはありましたか。
加賀様:配布は、事務所への掲示に加えて、各ユニットでの保管、そして職員全員への配布もしていたので、かなりの枚数になりました。そのうえ、配布したあとに修正が出れば、また印刷し直しです。
廣富様:ほかには、配布の時期に連休を取っている職員や、パートの方などは、配布の日に出勤していないと、シフトを受け取れないこともありました。「早めにもらえないか」という個別の依頼もありましたが、まだ確定していない場合は渡せず、悩ましい部分でした。こうした個別対応が、それなりにあったかと思います。
導入のきっかけと準備――現場の負担を抑えた導入と、設定づくりの工夫
「シフト管理システムは必須」――生産性向上の流れと、現場からの期待
――シンクロシフトの導入は、どのような形で決まったのでしょうか。

廣富様:本部主導での導入でした。法人全体で生産性向上に取り組む流れがあり、シフト管理システムの導入はもう必須だと感じていました。現場のリーダーであれば十分に活用できるだろうと見込んでいたので、ありがたいタイミングでした。
――加賀様は、自動でシフトを作れるシステムが入ると聞いて、どう感じられましたか。
加賀様:画期的だなと思いました。導入の話を聞くまで、シフトを自動で作るなんて考えられませんでしたから。システムが作ってくれるのなら本当にありがたい、と感じました。
現場の負担を抑えて進めた、個別レクチャーとサポート
――導入にあたって、どのように準備を進められましたか。
廣富様:リーダーは全員が現場に入り、夜勤や変則勤務で働いていますので、座学でレクチャーする時間を多くは取れません。できるだけ現場の負担を抑えながら導入したい、という考えが、法人としてありました。
そこで、まずは私が代表して、サインキューブさんの導入サポートを受けながら、シンクロシフトの操作方法や仕組みを理解しました。そのうえで、各リーダーの勤務時間に合わせて個別にレクチャーを準備し、徐々に導入を進めていきました。
――導入開始から、本格的な運用までは、どのくらいの期間でしたか。
廣富様:本格的な運用に入るまでは、半年ほどでした。担当者によって多少の幅はありましたが、おおむね半年から1年のうちには実践に移っていきました。
加賀様:私自身、使いこなせてきたと感じたのは、半年ほど経った頃です。やはり実際に触ってみないと分からないところがあり、「ここはこうなるのか」と少しずつ把握していきました。システムの動きや設定のポイントが分かってきたのが半年くらいで、そこから自分のなかでも格段に速くなりました。
最初のハードルだった「設定づくり」
――導入時に、苦労されたことはありましたか。
加賀様:初めて触れるものですので、まずは操作から慣れる必要がありました。とにかく触ってみるところからのスタートで、なかでも、夜勤の回数といった最初の設定が大変でした。ただ、その最初の設定を終えてからは、難しいこともなく少しずつ慣れていくことができました。
先ほどもお話しましたが、操作にも慣れて、シフト作成が軌道に乗るまでに半年ほどかかりました。
――設定は、どのように整えていかれたのですか。
加賀様:自動作成の結果を見て、「ここはこうなるのか、ではここを少し変えてみよう」と調整していきました。これは副施設長と一緒に、「ここはこうだね」とやり取りしながら進めさせてもらいました。一度きちんと設定できてからは、今はもうほとんど触っていません。
スタッフへのスムーズな浸透――アプリ操作のハードルを越えて
――職員の皆さんへは、どのようにアプリを周知されましたか。戸惑いの声などはありましたか。
廣富様:アプリについては、特に困るという職員はいませんでした。最初にアプリをダウンロードして、ログインする。その操作さえ越えられれば、あとはもう大丈夫でしたね。
アプリ上で自分の勤務表が見られるようになったので、紙を持ち歩かなくてよくなりました。その点は、どの職員も恩恵を感じているかと思います。
――シフトを作成するリーダーの皆さんは、操作に慣れるまでいかがでしたか。
廣富様:作成を担うリーダーのなかには、ITツールに不慣れな者もいますので、慣れるまでは操作に戸惑うこともある、というのが一番のハードルでした。ただ、そこは一緒にサポートしながら進めることで、ハードルを下げられたと思います。
導入の効果――「その日のうちに終わる」スピード感と、軽くなった心の負担
シフト作成が「30分ほど」に、時間外の作業もゼロへ
――シンクロシフトの導入後、シフト作成にかかる時間はどう変わりましたか。
加賀様:早ければ30分ほど、長くても1時間以内でできるようになりました。準備としては、職員が希望休を出してくれているので、それを展開して、委員会や会議の予定などを入れていきます。そこは5分から10分ほどです。あとは自動作成ボタンを押せば、シフトができあがります。
そこから手修正を少し加えても、30分ほどで仕上がる、という感じです。作り始めれば、その日のうちに終わります。
――以前は、仕事終わりや時間外に作ることもあったとのことでしたが。
加賀様:今は、シフトを作り始めた夜勤中に必ず作り終わるので、仕事終わりに作るということがなくなりました。それに、中断して「どこまでやったか」を思い出さなければならない、といったことも、ほとんどなくなりました。
廣富様:勤務時間外に作業しなくてよくなった、というのは大きいと思います。
転記ミスの解消――希望休の取り違えがなくなった
――紙からExcelへの転記について、導入後はどう変わりましたか。
加賀様:希望休をスマホで申請してもらえるようになり、それをシフト表へ反映できるようになったので、転記そのものがなくなりました。紙からExcelへ書き写す際に起こっていた取り違えが、なくなったんです。
廣富様:希望休がそのまま反映されるので、行き違いのようなミスも、だいぶ減りました。
加賀様:そうしたミスが減ったぶん、確認にかけていた手間も、ストレスも軽くなったと思います。
ペーパーレス化と、場所を選ばない「助け合い」の体制
――シフト作成の現場を越えて、法人全体ではどのような波及効果がありましたか。

廣富様:一番は、ペーパーレス化です。現時点で約50%まで完了していて、年度内には100%にする予定で進めています。生産性向上の取り組みの一つという位置づけです。これは経費の削減になりますし、何より、紙を印刷して配るという、人の時間を奪っていた作業がほぼなくなってきています。これは、確実に波及していく効果だと思います。
それと、シンクロシフトはクラウドで管理できるので、事業所の外からも操作ができます。たとえば、リーダーが急な体調不良で休んでも、明日までにシフトを仕上げなければならないというとき、私や他の職員が代わって最後の仕上げや確認、修正をすることが容易にできます。場所を選ばず対応できるので、助け合いができる点もメリットだと思います。
また、新しいものに対する職員の心理的なハードルが下がる、一つのきっかけにもなっています。ほかのICTツールの導入も進めていますので、その入り口としても役立っていると感じます。
休みの日も頭を離れなかった、精神的な負担からの解放
――シフト作成にともなう、精神的な負担や緊張感に変化はありましたか。
加賀様:休みの日に、シフトのことを考えることが、ほぼなくなりました。「この夜勤で作ろう」と思えば、その日の夜勤で作れてしまうので、頭から離れない、ということは本当になくなりました。
配るときの緊張感も、なくなりました。導入のときには、「シフトは私じゃなくて、AIが作るんだからね」と冗談まじりに言っていたんですが、今は、配布するときの緊張が本当になくなりました。しっかりしたシフトが作成されるようになっているので、みんなにも受け入れられていると思います。
特に評価している機能――視認性を高める表示と、希望休の調整を助ける機能
ユニット名つきの勤務表示と、ひと目でわかる夜勤の過不足
――シンクロシフトの機能のなかで、特に便利だと感じるものはありますか。
加賀様:途中で導入していただいた、勤務にユニット名を付けて表示できる機能です。当施設には「ひばり」「ふくろう」といったユニットがあるのですが、以前は「早番」「遅番」としか表示されず、どのユニットの早番なのかが分かりませんでした。みんな「どこの早番だろう」となってしまうので、こちらで手書きで直していたんです。
それが、ユニット名を付けて一気に表示できるようになって、その手間がなくなりました。時間効率の面でも、とても助かっています。
――画面の見やすさや、入力チェックの面ではいかがですか。
加賀様:夜勤などの人数が画面の上部に表示されるので、過不足がひと目で分かります。作成中に夜勤が未入力の日は赤く表示されるので、入力漏れを見落とすことがなくなりました。
廣富様:振り分けたときのバランスも、ひと目で分かる形になっています。Excelのころは、こうした人数やバランスを把握するのに、いちいち計算式を作る必要があったので、そこは大きな違いです。
加賀様:手書きのころは、作成段階で夜勤の人数が合わなかったり、誤って重複させてしまったり、ということがありました。今はそうした間違いがほぼなくなって、見落としの心配もなくなり、効率も上がりました。
第一・第二希望で、希望休の調整がしやすく
――希望休に関する機能では、いかがですか。
廣富様:希望休に、第一希望・第二希望を出せる機能があり、これもとても便利です。どうしても希望休が重なってしまってシフトを組むのが難しいとき、その希望が第一希望なのか第二希望なのかが分かると、調整の目安になります。
職員同士が相談し合うときや、こちらがどの職員に声をかけて調整をお願いするかを考えるときに、互いに譲り合えるきっかけになる機能だと思います。
創出された時間の使い方と今後の展望――現場ケアへの還元と、誰でも担える仕組みづくり
削減した時間を現場のケアへ、働き方にも変化が
――シフト作成にかかっていた時間が減って、どのような変化がありましたか。
加賀様:私は現場でシフトを作ることが多いのですが、作成にかかっていた時間を削減できた分、ケアに重点を置けるようになりました。シフト作成に長く時間を取られなくなったので、その分、巡回や入居者様の対応に時間を回せるようになって、とても助かっています。
――働き方の面では、どのような変化がありましたか。
加賀様:まず、休みの日にシフトのことを考えなくなりました。それに、シフト作成のための時間外も減りました。その分、早く帰れるようになり、プライベートの時間も取りやすくなりました。手書きのころとは、だいぶ変わりましたね。
連休中でもスマホでシフトを受け取れ、職員側の負担も軽減
――シフトを受け取る職員の側にも、変化はありましたか。
廣富様:連休中の職員も、シフトが公開されればスマホで見ることができます。シフトを紙で配布していたころは、休みの日にシフトだけ取りに事業所へ寄る、という職員もいましたが、そうしたこともなくなり、負担の軽減につながっています。
また、人によっては「紙のシフトは文字が小さくて見えない」ということもあり、大きく印刷してほしいと言われることもありました。今はご自身のスマホで拡大できるので、そうしたこともなくなりました。
シフト作成を、リーダーの仕事から「誰でも担える仕組み」へ
――今後、取り組んでいきたいことについて教えてください。
加賀様:目指しているのは、私でなくてもシフトが作れる状態です。設定さえ整えてしまえば、本当に、誰でも作れると思います。よほどパソコンの操作が苦手な方でなければ、たいていの方は作れると思うんです。
ユニットの担当者でなくてもシフトを作れる環境になれば、大きな効率化になると考えています。
廣富様:私たちはシフトで動いているので、シフトができあがらないと、翌月の予定を決められないことが多いんです。このタイムラグをできるだけ減らせれば、翌月、翌々月の仕事のスケジュールも早く立てられて、結果的に全体の仕事がスムーズに回っていくはずです。
そうして生まれた時間を、利用者様のケアはもちろん、施設運営のために大切な会議や打ち合わせなどに充てていけたら良いなと思っています。
他には、各リーダーのシフト作成の効率をさらに上げることと、ペーパーレスを完了させることが、次の目標です。
最終的には、シフト作成をリーダー以外の者が基礎まで作り、リーダーは確認だけでよい、という形にできたらと考えています。ゆくゆくは、リーダー以外の者が一括で作成する、ということも十分にあり得ると思っています。
同じ課題を抱える方へのメッセージ――作成者の負担軽減と、関わる全員に広がる利便性
――最後に、かつてのご自身と同じように、シフト管理に悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。
加賀様:こんなに便利なものがあるなら、もっと早く使いたかった、というのが正直な気持ちです。シフト作成がとても楽になりますし、何より、気持ちが軽くなったのが大きかったです。
さらに、空いた時間を、自分の仕事や入居者様のために使えるようにもなります。同じように悩んでいる方がいたら、ぜひ一度試してみてほしいですね。
――廣富様からは、導入を検討されている事業者の方へ、メッセージをお願いできますか。
廣富様:シフト作成には、リーダー層が一番多く関わりますので、その負担軽減はもちろん非常に大きいです。しかし、利便性が上がるのは作成者だけではありません。シフトを見る職員も含めて、使っている人みんなの利便性が上がると感じています。
シフト作成のように、関わる人が多い業務ほど、効率化による生産性への影響は大きくなります。だからこそ、全員が関わるこうした業務から効率化を進めていくことが必要だと考えています。
シフト管理に課題を感じている事業者の方には、まずその一歩として、ぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
編集後記
今回の取材で印象的だったのは、加賀様が振り返った導入前の作業風景でした。シフトは主に夜勤中に作るものの、ナースコールなどで何度も中断し、「どこまでやったか」を見失ってしまう。実際に手を動かす時間は1〜2時間でも、完成までにはトータルで何日もかかり、長いときは1週間に及ぶこともあったといいます。
それが、シンクロシフトの導入後は「作り始めれば、その日のうちに終わる」ものへと変わりました。準備から手修正まで含めても、早ければ30分ほど。勤務時間外に作業することもなくなったといいます。
変わったのは、作業時間だけではありません。「休みの日に、シフトのことを考えなくなった」「間に合わなかったらどうしよう、という不安がなくなった」——加賀様の言葉からは、時間の短縮と同時に、心の負担までもが軽くなったことがうかがえます。紙やExcelでのシフト作成の負担とは、その渦中にいるときよりも、解放されて初めて、その大きさに気づくものなのかもしれません。
一方で、廣冨様が語っていたのは、シフト作成を「誰でも担える仕組み」へと近づけていく展望でした。設定さえ整えば、特定のリーダーでなくてもシフトを作れる。生まれた時間を、利用者へのケアや、施設運営に欠かせない時間へと充てていく。それは、シフト作成という一つの業務の効率化にとどまらず、法人全体の働き方を見直していく動きへとつながっています。また、施設全体への波及効果についてもお話を伺うことができました。
シンクロシフトは、作成時間の短縮にとどまらず、作る人の精神的な負担を軽くし、シフト作成を「誰でも担える仕組み」へと変えていく。そんな手応えが、今回の取材から伝わってきました。
紙やExcelでのシフト管理に課題を感じている施設にとって、その効果を体験してみることが、見直しの一歩になるはずです。
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※本記事の役職・数値・状況は、2026年6月に実施した取材時点の情報に基づいています。
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社会福祉法人悠生会 | |
| 設立年月日 | 平成20年(2008年)7月 | |
| URL | https://www.h-yuuseikai.or.jp/ | |
この記事の執筆者![]() | Shift Life編集部 介護現場での実務経験を持つライターと、介護報酬・制度に精通した編集スタッフが連携し、現場で役立つ情報をお届けしています。 制度・加算に関する情報は、厚生労働省・自治体などの公的機関が発行する一次情報を優先的に参照し、掲載前にファクトチェックを実施しています。 |
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