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緊急短期入所受入加算とは?算定要件・単位数・Q&Aを解説

緊急短期入所受入加算とは

ショートステイの相談員や管理者として、ご家族の急病などで計画外の緊急受入を求められる場面はありませんか。緊急短期入所受入加算は、こうした場面で活用できる加算ですが、算定要件が細かく、判断に迷うケースも多いのが現場の実情です。
 
この記事では、緊急短期入所受入加算の対象サービス、単位数、算定要件、厚労省Q&Aを、実務担当者向けに整理して解説していきます。

緊急短期入所受入加算とは

ショートステイで利用者の受け入れ

緊急短期入所受入加算とは、ご利用者やご家族のやむを得ない事情で短期入所が必要となったとき、居宅サービス計画に位置づけられていない緊急受入を行った場合に算定できる加算です。

主介護者の急な体調不良や葬儀対応など、計画的に短期入所を利用できない場面における事業所の緊急受入機能を評価するために設けられています。

要点を以下にまとめます。

項目 内容
対象サービス 短期入所生活介護、短期入所療養介護
単位数 90単位/日
算定限度日数 原則7日(やむを得ない事情がある場合は14日まで)
体制届出 不要
併算定不可 認知症行動・心理症状緊急対応加算

 

参照:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年3月8日老企第40号)

緊急短期入所受入加算の単位数と限度日数

緊急短期入所受入加算は、平成24年度の創設以来、複数回の介護報酬改定を経て現在の形に整理されてきました。現行の単位数は1日あたり90単位、算定限度日数は原則7日(やむを得ない事情で14日まで延長可)と定められています。

事業所として体制等届出は不要で、算定要件を満たした緊急受入を行った時点で算定できる加算です。ここでは、単位数と算定限度日数について、改定の経緯も踏まえて詳しく解説していきます。

単位数(90単位/日)

緊急短期入所受入加算の単位数は、1日あたり90単位です。

ただし、創設時の経緯はサービス種別によって異なります。短期入所生活介護では、平成24年度の創設時は1日あたり60単位でしたが、平成27年度の介護報酬改定で要件緩和とあわせて90単位に引き上げられました。短期入所療養介護は、創設時(平成24年度)から90単位/日が設定されており、現在も同様です。

なお、1単位あたりの金額は地域区分により異なるため、実際の加算額は事業所の所在地によって変動します。本加算は、サービス提供体制強化加算などのように事前の体制届出を行う必要はなく、算定要件を満たして緊急受入を行った時点で算定可能です。

参照:
・厚生労働省「平成24年度介護報酬改定について」
・厚生労働省「介護給付費算定に係る体制等に関する届出等における留意点について」(令和6年3月15日老発0315第1号)

算定限度日数(原則7日、やむを得ない事情で14日)

緊急短期入所受入加算の算定限度日数は、緊急に短期入所を行った日から起算して原則7日です。ただし、ご利用者の日常生活上の世話を行うご家族の疾病等やむを得ない事情がある場合には、14日まで算定が可能となります。

14日まで延長する場合でも、機械的に算定を続けるのではなく、随時アセスメントを行い、在宅復帰や代替サービスの検討を含めて判断する必要があります。

本加算の単位数・限度日数の改定経緯は、短期入所生活介護と短期入所療養介護で異なる時期に変更が行われています。

改定 短期入所生活介護 短期入所療養介護
平成24年度(創設時) 60単位/日・原則7日 90単位/日・原則7日
平成27年度改定 90単位/日・最大14日 変更なし
令和3年度改定 変更なし 最大14日に延長
令和6年度改定 変更なし 変更なし

 

平成27年度改定では短期入所生活介護の単位数が引き上げられるとともに14日延長が認められましたが、短期入所療養介護は単位数・限度日数とも変更なしでした。令和3年度改定で短期入所療養介護も14日延長が可能となり、両サービス間の限度日数の差異が解消されています。

令和6年度改定では本加算自体に変更はなく、現行の単位数・限度日数が維持されています。

参照:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定における改定事項について

緊急短期入所受入加算の算定要件

緊急短期入所受入加算の算定要件とは

緊急短期入所受入加算を算定するためには、留意事項通知に示された要件をすべて満たす必要があります。要件は大きく分けて、緊急利用の対象となるご利用者の条件、ケアマネジャーの関与、記録の整備、受入後の対応の4点に整理できます。

ここでは、現場で判断に迷いやすいポイントを中心に解説していきます。

①居宅サービス計画に位置づけられていない緊急利用であること

本加算の対象となるご利用者は、介護を行う方が疾病にかかっているなどやむを得ない理由により居宅で介護を受けることができず、かつ居宅サービス計画において当該日に利用することが計画されていない方です。

なお、新規のご利用者に限られず、すでに当該事業所で本加算の算定実績があるご利用者も対象となります。

②介護支援専門員が緊急の必要性を認めていること

原則として、あらかじめ担当ケアマネジャーが緊急の必要性および利用を認めていることが要件です。

ただし、やむを得ない事情でケアマネジャーとの事前連携が図れない場合は、ご利用者またはご家族の同意の上で緊急受入を行い、事後にケアマネジャーが必要であったと判断した場合も算定が可能です。

③利用の理由・期間・対応の記録

緊急利用にあたっては、以下の記録を整備する必要があります。

・緊急利用の理由
 
・利用期間
 
・緊急受入後の対応

あわせて、変更前後の居宅サービス計画を保存することで、計画外の緊急利用であったことを後から確認できるようにします。

14日まで延長して算定する場合は、やむを得ない事情の内容と、7日以内に方策が立てられない理由の記録も必要です。

④受入困難な場合の対応・受入後のケアマネとの相談

すでに緊急利用者を受け入れているなどで対応が困難な場合は、ご利用者に別の事業所を紹介するなど、適切な対応を行うことが求められます。

受入後は、ご利用者が速やかに居宅生活へ復帰できるよう、担当ケアマネジャーと密接な連携を行いながら相談を進めます。また、緊急利用ニーズの調整窓口を明確化し、空床情報を情報公表システムやホームページ等で公表するよう努めることも、留意事項通知で求められています。

なお、本加算は緊急利用者を受け入れた日に当該緊急利用者についてのみ算定するものです。同日に他のご利用者がいても加算対象とはならない点、認知症行動・心理症状緊急対応加算とは併算定できない点にも注意が必要です。

参照:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年3月8日老企第40号)

「やむを得ない事情」の具体例

緊急短期入所受入加算における「やむを得ない事情」や「緊急利用」の範囲については、留意事項通知で類型化された明確な定義はありません

実際の判断は、ご利用者の状況やご家族の事情に応じて、担当ケアマネジャーと事業所が個別に行うことになります。ここでは、現場で本加算の対象とされている主な場面を整理して紹介します。

実務上想定される主な場面は以下の通りです。

・主介護者の急な入院により在宅介護の継続が困難になった場合
 
・ご家族の急な不幸(葬儀対応など)で在宅介護が一時的に困難になった場合

なお、上記はあくまで実務上想定される主な場面の例であり、留意事項通知で類型化された定義ではありません。実際の算定可否は個別の状況により判断されるため、緊急受入を行う際は、担当ケアマネジャーへの事前または事後の連携を必ず行いましょう

14日まで延長して算定する場合についても、ご利用者の負担にも配慮しながら、個別に判断することが求められます。

参照:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年3月8日老企第40号)

緊急短期入所受入加算に関するよくある質問(Q&A)

緊急短期入所受入加算は、現場で算定判断に迷うケースがあります。ここでは、厚生労働省が公開している介護報酬改定に関するQ&Aから、本加算に関する代表的なものを引用して解説していきます。

緊急利用者を静養室で受け入れた場合も算定できる?

緊急利用者の受入れにあたって、専用居室や特別養護老人ホームの空床ではなく、静養室で受け入れた場合に算定できるかが論点となります。

厚生労働省のQ&Aでは以下のように示されています。

『緊急時における短期入所であれば、それぞれにおいて加算を算定できる』

居室の種類に関係なく、緊急利用が認められる場面では算定対象となります。ただし、静養室の利用は短期入所生活介護で専用居室が満床の場合に限り認められる運用とされており、空床がある場合の利用は想定されていない点に留意が必要です。

出典:『平成27年4月改定関係Q&A(Vol.1)』問68(介護保険最新情報vol.454)

月をまたいで利用した場合の算定はどうなる?

緊急短期入所受入加算は最大14日まで算定できるため、月をまたいで算定するケースが発生します。

厚生労働省のQ&Aでは以下のように示されています。

『緊急利用期間が月をまたいだ場合であっても、通算して7日を限度として算定可能である』

このQ&Aは限度日数が7日とされていた当時のものですが、令和3年度改定以降、短期入所療養介護でも最大14日までの算定が可能となっており、月をまたぐ場合もこの範囲内で扱われます。

通算日数が上限(原則7日、やむを得ない事情で14日)を超えない範囲であれば、各月で算定実績として計上できます。請求実務上は、月別の算定日数を正しく管理する必要があります。

出典:『平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)』短期入所生活介護:問96/短期入所療養介護:問99(介護保険最新情報vol.267)

計画どおり利用中の利用者が緊急的に延長した場合は算定できる?

すでにケアプランに位置づけて短期入所を利用中のご利用者が、ご家族の事情で急遽延長を希望した場合に算定できるかは、現場で判断に迷うポイントです。

厚生労働省のQ&Aでは以下のように示されています。

『算定できない』

本加算は「居宅サービス計画に位置づけられていない緊急利用」が要件であるため、計画どおりに利用中の延長は対象外となります。

延長利用が必要な場合は、ケアマネジャーと相談しケアプラン変更の手続きを行う形となります。

出典:『平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)』問91(介護保険最新情報vol.267)

参照:
・厚生労働省「平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成27年4月1日)
・厚生労働省「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成24年3月16日)

あわせて検討したい関連加算

緊急短期入所受入加算は要件を満たした場合のみ算定できる単発的な加算ですが、短期入所事業所では他にも検討すべき加算があります。ここでは、短期入所生活介護・短期入所療養介護で取得可能な代表的な加算を2つ紹介します。

サービス提供体制強化加算

サービス提供体制強化加算は、介護福祉士の配置割合や勤続年数等を評価する加算で、短期入所生活介護・短期入所療養介護も算定対象となっています。

質の高い人員体制を整えている事業所が、短期入所サービスでも検討対象とできる加算です。詳しい算定要件や届出手続きについては、以下の関連記事をご覧ください。

生産性向上推進体制加算

生産性向上推進体制加算は、ICT・テクノロジー活用による業務改善を評価する加算で、令和6年度介護報酬改定で新設されました。

短期入所系サービスも算定対象となっており、業務効率化と職員の負担軽減を図る事業所で検討対象となる加算です。詳しい算定要件や届出手続きについては、以下の関連記事をご覧ください。

まとめ

緊急短期入所受入加算は、ご利用者やご家族のやむを得ない事情で短期入所が必要となった場面で、ケアプランに位置づけられていない緊急受入を行った場合に算定できる加算です。

短期入所生活介護・短期入所療養介護で算定可能な加算で、単位数は90単位/日、算定限度日数は原則7日(やむを得ない事情がある場合は14日まで)と定められています。体制等届出は不要で、算定要件を満たした緊急受入を行った時点で算定できます。

ただし、算定にあたっては、居宅サービス計画に位置づけられていない緊急利用であること、ケアマネジャーが緊急の必要性を認めていること、利用の理由・期間・対応の記録を整備することなど、複数の要件を満たす必要があります。

特に記録の整備は運営指導でもチェックされやすいポイントなので、変更前後の居宅サービス計画の保存を含め、現場での運用ルールを明確にしておきましょう。

この記事の執筆者
シフトライフ編集部
Shift Life編集部

介護現場での実務経験を持つライターと、介護報酬・制度に精通した編集スタッフが連携し、現場で役立つ情報をお届けしています。
制度・加算に関する情報は、厚生労働省・自治体などの公的機関が発行する一次情報を優先的に参照し、掲載前にファクトチェックを実施しています。

 
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