高齢者のレクリエーションに手芸を取り入れたいけれど、「針を使うのは安全面が心配」「細かい作業はご利用者に負担がかかるかもしれない」と悩んでいる介護職員も多いのではないでしょうか。
針を使わない手芸とは、両面テープや手芸用ボンドなどを活用し、縫う工程なしで作品を仕上げる手芸のことです。針による刺傷や紛失のリスクを抑えながら、ご利用者が手芸の楽しさを感じやすい活動です。
この記事では、介護施設で実践しやすい針を使わない手芸レクのおすすめ13種類紹介します。フェルトや布、毛糸、紙など素材別に分けて取り上げていますので、施設の状況やご利用者の興味にあわせて選んでみてください。
安全に実施するための準備と注意点もあわせて解説しますので、レクリエーションの企画にお役立てください。
目次
針を使わない手芸が高齢者レクにおすすめの理由

針を使わない手芸には、安全面に配慮しやすいだけでなく、ご利用者が楽しみながら手を動かしたり、作品づくりを通じて気分転換できたりするメリットがあります。ここでは、介護施設のレクリエーションに手芸を取り入れるメリットを3つの視点から紹介します。
ケガや道具の紛失リスクを抑えやすい
針を使わない手芸の大きなメリットは、安全面に配慮しやすいことです。針を使う手芸では、刺傷や針の紛失といったリスクに注意が必要です。
特に認知症の方がいる施設では、針の管理に細心の注意が求められ、スタッフにかかる負担も大きくなりがちですよね。
針の代わりに両面テープや手芸用ボンドを使えば、刺傷や針の紛失といったリスクを抑えやすくなります。針の管理にかかる負担が軽くなる分、声かけやサポートに意識を向けやすくなるでしょう。
楽しみながら手指を動かす機会になる
毛糸を巻く、紙を折る、素材を貼るといった動作は、手指を動かすよい機会になります。色や形を選んだり、手順を考えたりする工程があるため、楽しみながら頭と手を使う活動になります。
手芸レクは、楽しみながら自然と手先を使える活動として、日々のレクリエーションに取り入れやすいでしょう。
また、作品づくりに集中する時間は、ご利用者にとって気分転換にもなります。色選びや完成した作品の見せ合いがきっかけとなり、ご利用者同士の会話が自然と生まれることもあります。
完成した作品を飾ったり使ったりできる
手芸レクで作った作品は、施設内に飾ったり、実際に使ったりできる点も魅力です。自分の手で作り上げた作品が形として残るため、達成感を得やすいレクリエーションといえるでしょう。
デイサービスであれば、完成した作品をお土産として持ち帰っていただくこともできます。ご自宅でご家族に見せることで「こんなの作ったの?すごいね」と会話が生まれ、ご利用者が達成感やうれしさを感じる場面もあるでしょう。
【フェルト・布で作る】針を使わない手芸レクおすすめ5選

フェルトや布は、やわらかくて切りやすい素材です。高齢者レクとの相性がよく、両面テープや手芸用ボンドで接着すれば、縫う工程なしで作品を仕上げられます。
ここでは、フェルトや布を使った針を使わない手芸レクを5つ紹介します。作品ごとに必要な材料と現場で役立つポイントもあわせてお伝えしますので、レクの企画にお役立てください。
フェルトで作る花のマグネット
フェルトを花の形に切って重ね、フェルト用ボンドや強力両面テープで貼りあわせるだけで完成する作品です。裏面にマグネットを貼れば、ホワイトボードやご自宅の冷蔵庫などに飾れるアイテムになります。
主な材料は、フェルト(複数色)、フェルト用ボンドまたは強力両面テープ、マグネット、台紙用の厚紙です。マグネットは小さすぎるものを避け、誤飲防止のためスタッフが個数を管理しましょう。
フェルトの花びらは形が細かくなりやすいため、スタッフが事前にカットしておくと進めやすくなります。ご利用者には花びらの色選びや配置、貼りあわせの工程を担当していただくとよいでしょう。
ボンドを使う場合は乾くまで時間がかかるため、当日中に持ち帰る場合は強力両面テープを使うとスムーズです。「何色の花にしますか?」と声をかけると、色選びの段階から楽しんでいただけます。
なお、ブローチピンを使うと針状の金具が必要になります。高齢者施設ではマグネットやクリップ、ひもを通したバッグチャームにアレンジすると、針状の金具を使わずに仕上げやすくなります。
布で作るポケットティッシュケース

布を折りたたみ、布用両面テープで貼りあわせるだけで作れる実用的な作品です。完成後すぐに使えるため、「自分で作ったものを使う」楽しみを感じていただけるでしょう。
主な材料は、カットクロス(20×14cm程度)、布用両面テープ、ハサミ、定規です。
布は事前にカットし、折り位置に印をつけておくとスムーズに進みます。布用両面テープは剥離紙をはがして貼るだけなので、細かな縫製作業がなく、比較的取り組みやすい作品です。
好みの柄の布を選ぶ時間を設けると、ご利用者同士の会話が生まれるきっかけにもなります。
デイサービスのお土産としても喜ばれる作品です。
縫わない三角ポーチ
布用両面テープやボンドを使って、布を三角形に折りたたんで仕上げるポーチです。布のサイズを変えれば、小銭入れや小物入れなど用途にあわせたアレンジもできます。
主な材料は、カットクロス、布用両面テープまたは手芸用ボンド、粘着付きのマジックテープ(開閉部分を作る場合)です。マジックテープなら貼るだけで開閉部分を作れます。布の種類によっては剥がれやすい場合があるため、接着面をしっかり押さえて固定しましょう。
留め具を使わず、三角に折って差し込むだけのデザインにすれば、さらに工程を減らすこともできます。
この作品は折る・貼る工程がやや多いため、手芸に慣れている方向けのレクといえます。布は事前にカットし、折り線に沿って印をつけておくと進めやすくなるでしょう。工程をひとつずつ区切って説明しながら進めると、途中でつまずきにくくなります。
ボンドを使う場合は乾くまで時間がかかるため、当日中に持ち帰る場合は布用両面テープを使うと仕上げやすくなります。
布で作るお守り袋
四角い布を折りたたみ、ボンドで貼りあわせて作るお守り袋です。中に願い事を書いた紙を入れる工程があり、季節の行事とも組み合わせやすい作品です。
主な材料は、和柄のカットクロスやちりめん布、手芸用ボンド、ひも、願い事を書くための紙です。五円玉などを入れる場合は、誤飲防止のためスタッフが管理し、認知症の方が参加する場面では紙のお守り札などに置き換えるとよいでしょう。
「どんな願い事にしますか?」と声をかけると、ご利用者が思いを込めて作るきっかけになります。お正月や敬老の日など、行事にあわせたレクとして企画すると季節感も演出できるでしょう。
布の折りたたみとボンドでの接着が主な工程なので、布を大きめに用意しておくと取り組みやすい作品です。
フェルトのバラスタンド
フェルトを巻いてバラの花を作り、スタンドに仕上げる作品です。メッセージカードや写真を挟んで飾れるため、実用性もあります。
主な材料は、フェルト(複数色)、フェルト用ボンド、茎にする太めのストロー、台座用の紙コップなどです。茎には太めのストローを使うと、軽くて扱いやすくなります。紙コップの中に丸めた紙を詰め、しっかり差し込むと安定しやすくなります。
フェルトを渦巻き状にカットしておけば、くるくる巻くだけでバラの形が仕上がります。巻く工程が中心なので、スタッフが最初の巻き方を見本で示すと取り組みやすくなります。
バラの色やスタンドの飾りつけで個性が出るため、完成した作品を並べて見せ合うと盛り上がるでしょう。
母の日やお誕生日の贈り物としてもおすすめです。
【毛糸・ひもで作る】針を使わない手芸レクおすすめ4選

毛糸やひもは「巻く」「結ぶ」「編む」といった動作が中心の素材です。針を使わなくても多彩な作品が作れるため、介護施設の手芸レクに取り入れやすいでしょう。
ここでは、毛糸やひもを使った針を使わない手芸レクを4つ紹介します。
牛乳パックで編むマフラー
牛乳パックに切り込みを入れて簡易編み機を作り、毛糸を引っかけながら編んでいく作品です。編み棒や編み針を使わないため、通常の編み物よりも始めやすいレクです。
主な材料は、牛乳パック(1本)、毛糸、ハサミです。
牛乳パックの上部を切り開き、側面に等間隔で切り込みを入れれば編み機の完成です。この準備はスタッフが事前に済ませておくとよいでしょう。ご利用者には毛糸の色選びと、切り込みに毛糸を引っかけて編む工程を担当していただきます。
同じ動作の繰り返しで編み進められるため、手順を覚えれば自分のペースで取り組めます。完成した作品を身につけたり、施設内に飾ったりできるのもうれしいポイントです。
編む長さによって所要時間が変わるため、複数回のレクに分けて少しずつ進める方法もおすすめです。1回のレクで完成させるのが難しい場合は、ミニマフラーやネックウォーマー風の短い作品にするのもよいでしょう。
毛糸のポンポン

フォークや厚紙に毛糸をぐるぐる巻きつけ、中央を結んでカットし、形を整えて作る作品です。ひとつ作るのにそれほど時間がかからないため、レクの時間内に複数個仕上げることもできます。
主な材料は、毛糸(複数色)、フォークまたは厚紙、ハサミです。
毛糸を巻く回数で大きさやボリュームが変わるため、「もっとふわふわにしたい」「小さく作りたい」とご利用者ごとに工夫を楽しめます。複数個作ったポンポンをつなげれば、リースやガーランド、壁飾りなどにアレンジすることも可能です。
ハサミを使う工程があるため、スタッフが近くで見守り、使い終わったら速やかに回収しましょう。カットの工程が難しい場合は、スタッフが代わりに仕上げると安全に進めやすくなります。
ねじり編みのミサンガ
複数のひもをねじりながら編んでいくブレスレットです。ミサンガにはさまざまな編み方がありますが、ねじり編み(ツイスト編み)は複雑な結び方をしないため、ミサンガの中では比較的取り組みやすい方法です。
主な材料は、太めの毛糸や手芸用ひも(3〜4色)、テープ(ひもの端を固定する用)、ハサミです。刺繍糸は細くて扱いにくい場合があるため、高齢者施設では太めの素材を選ぶとよいでしょう。
3〜4色のひもを使うとカラフルな仕上がりになり、色選びの工程も楽しめます。「どの色の組み合わせにしますか?」と声をかけると、配色を考える時間がご利用者同士の会話につながることもあります。
ひもの端をテープで机に固定してから編み始めると、ひもが動きにくくなり、作業しやすくなります。片麻痺の方が参加される場合は、スタッフがひもの端を押さえるなどのサポートがあると進めやすくなるでしょう。
ひもが長すぎると絡まりやすいため、作る長さにあわせてスタッフが事前にカットしておくと進めやすくなります。
毛糸と紙皿で作るドリームキャッチャー
紙皿の縁に切り込みを入れ、毛糸を通して模様を作る壁飾りです。ドリームキャッチャーは、北米先住民の文化に由来するとされる装飾品で、悪い夢を遠ざけるお守りとして知られています。
主な材料は、紙皿、毛糸(複数色)、ハサミ、飾り用のリボンやフェルトなどです。
紙皿の縁にあらかじめ切り込みを入れておき、ご利用者には毛糸を通す工程を担当していただきます。毛糸を切り込みに引っかけながらジグザグに通していくと、中央に幾何学模様ができあがります。
由来や意味を簡単に紹介しながら進めると、作品への関心が高まり、会話のきっかけにもなります。毛糸を通す順番が分かりにくい場合は、見本を近くに置いたり、最初の数本をスタッフが一緒に通したりすると進めやすくなるでしょう。
下部にリボンやフェルトの飾りを垂らせば、見た目も華やかになり、施設内やご自宅に飾る作品として楽しんでいただけます。
飾りに使うパーツが小さい場合は、誤飲防止のためスタッフが個数を管理し、大きめのパーツを選ぶようにしましょう。
【紙・身近な素材で作る】針を使わない手芸レクおすすめ4選

紙やチラシ、プラスチック容器など身近な素材を活用すれば、材料費を抑えつつ個性的な作品が作れます。特別な道具がなくても始められるものが多いため、気軽に企画しやすい手芸レクです。
ここでは、紙や身近な素材を使った針を使わない手芸レクを4つ紹介します。
造花で作るフラワーボトル
プラスチック容器に造花や飾りを詰めて蓋をし、手軽に仕上げられる見た目の華やかな作品です。一般的なハーバリウムはガラス瓶や専用オイルを使いますが、施設レクではガラスの破損やオイルの誤飲・液漏れといったリスクがあります。
オイルを使わず、プラスチック容器で作る「フラワーボトル」なら、割れや液漏れのリスクを抑えながら楽しみやすくなります。
主な材料は、プラスチック容器、造花、リボン、カラーセロファン、大きめの飾りパーツなどです。ビーズなどの小さな飾りを使う場合は、誤飲防止のためスタッフが個数を管理し、必要に応じて大きめのパーツに置き換えましょう。ドライフラワーを使う場合は、崩れにくく扱いやすいものを選ぶとよいでしょう。
造花やリボンの配置を考える工程があるため、「どこに何を入れようかな」とご利用者同士で相談しながら進められます。完成した作品は施設内やご自宅に飾って楽しんでいただけるでしょう。
チラシや折り紙で作るコサージュ

色付きのチラシや折り紙を花びらの形にカットし、重ねて貼りあわせるとコサージュが作れます。塗る工程がないため準備が手軽で、カラフルなチラシや折り紙を選べばそれだけで華やかな仕上がりになります。
主な材料は、色付きのチラシや折り紙、手芸用ボンドまたは両面テープ、ハサミ、台紙用の厚紙、ワニ口クリップなど針を使わないタイプの金具です。
チラシや折り紙を花びらの形にカットする工程は、スタッフが事前に済ませておくと進めやすくなります。ご利用者には花びらの色選びと、重ねて貼りあわせる工程を担当していただきましょう。
花びらの縁を指で軽くカールさせると立体感が出て、より花らしい仕上がりになります。
色を加えたい場合は、水性ペンやスタンプを使うと、マニキュアなどよりも取り入れやすいでしょう。仕上げにワニ口クリップを付ければ、バッグに留めたり、壁飾りとして飾ったりできます。
穴に毛糸を通して作る紙刺繍風カード
厚紙に穴ポンチで穴を開け、毛糸を通して模様を描く作品です。針を使わずに刺繍のような見た目のカードが作れるため、完成時の達成感を得やすい作品です。
主な材料は、厚紙やボール紙、穴ポンチ(毛糸の太さにあわせて直径4〜5mm程度)、太めの毛糸、セロハンテープ、下絵用のペンです。
まず厚紙に下絵を描き、線に沿って穴ポンチで穴を開けます。この準備はスタッフが事前に済ませておくとよいでしょう。毛糸の先端をセロハンテープで細く巻いて硬くすると、穴に通しやすくなります。
ご利用者には毛糸の色選びと、穴に毛糸を通す工程を担当していただきます。
穴の間隔を広めにとると毛糸を通しやすくなります。細かな作業が難しい場合は、スタッフが毛糸の先を穴に通すところまで補助すると進めやすいでしょう。
花や星など、シンプルな図柄から始めると完成形をイメージしやすくなります。完成したカードはメッセージを添えて贈り物にしたり、壁に飾ったりと活用の幅が広がります。
リボンで作るしおり・キーホルダー
リボンを結んだり、ゼムクリップやキーホルダーパーツに取りつけたりして作る、短時間で仕上げやすい作品です。工程が少ないため、手芸に慣れていない方や、レクの時間が短い日にも取り入れやすいでしょう。
主な材料は、リボン(複数色・複数幅)、ゼムクリップ(しおりの場合)、キーホルダーパーツ(キーホルダーの場合)、ハサミです。
リボンの色や幅を複数用意しておくと、ご利用者が自分好みの組み合わせを選べます。短い時間で複数個作れるため、色や結び方を変えて楽しみやすい作品です。ゼムクリップを使う場合も、小さすぎるものは避け、スタッフが個数を管理しましょう。
キーホルダーにする場合は丸カンや小さな金具の管理が必要になるため、安全面を重視する場合はしおりや壁飾りとして仕上げると取り組みやすくなります。リボンが長すぎると体に絡まる恐れがあるため、作品のサイズにあわせてスタッフが事前にカットしておきましょう。
手芸レクを安全に実施するための準備と注意点
手芸レクは楽しい活動ですが、道具や素材の扱いには注意が必要です。針を使わないレクであっても、ハサミや小さなパーツ、接着剤など管理すべきものはあります。
ここでは、手芸レクを安全かつスムーズに進めるための準備と注意点を4つの視点から紹介します。事前準備をしっかり行うことで、スタッフもご利用者も落ち着いてレクの時間を楽しみやすくなるでしょう。
材料は事前にカット・下準備しておく
手芸レクをスムーズに進めるうえで、事前の下準備はとても大切です。フェルトや布の採寸・カット、紙皿への切り込み入れ、厚紙への穴あけなどは、レクの前にスタッフが済ませておきましょう。
完成見本を用意しておくと、ご利用者が完成形をイメージしやすくなります。「こんな作品を作りますよ」と見本を見せてから始めると、手順の説明もスムーズに伝わるでしょう。
材料を一人分ずつセットしてトレーや袋にまとめておくと、配布の手間が省けます。色や柄を複数パターン用意しておけば、ご利用者に選んでいただく工程が加わり、レクの楽しみも広がります。
接着道具は安全面を確認して選ぶ
針を使わない手芸レクでは、接着道具の選び方がポイントになります。道具ごとに特徴やリスクが異なるため、施設の状況やご利用者の状態にあわせて選びましょう。
両面テープ(布用・強力タイプ)は、剥離紙をはがして貼るだけなので、比較的手軽に使いやすい道具です。接着剤のように乾燥を待つ必要がなく、すぐに次の工程に進めるため、レクの時間内に完成させやすいでしょう。
手芸用ボンド(フェルト用・布用など)は、しっかり接着できる反面、乾くまでに時間がかかります。においの強い接着剤や有機溶剤を含む製品は換気が必要です。気分が悪くなる方もいるため、使用前に製品表示や成分を確認しておきましょう。
認知症の方がいる場合は、ボンドの容器を手の届くところに置きっぱなしにせず、スタッフが管理すると、誤飲や不意の使用を防ぎやすくなります。
アイロンや接着シートを使う工程がある場合は、火傷のリスクがあります。基本的にはスタッフが対応し、ご利用者が直接アイロンを扱う場面は避けるとよいでしょう。
小さな部品の取り扱いに注意する
針を使わないレクであっても、小さな部品の管理には注意が必要です。ビーズ、ボタン、丸カン、小さな飾りパーツ、接着剤のキャップなどは、誤飲のリスクがあります。
特に認知症の方がいる場合は、部品の個数をあらかじめ数えておき、スタッフが一つずつ手渡しで配ると管理しやすくなります。
リボンやひもは、長すぎると体に絡まる恐れがあります。作品のサイズにあわせて、スタッフが事前に適切な長さにカットしておきましょう。
ハサミやカッター、目打ちなどの刃物類は、使う場面を限定することが大切です。「この工程だけハサミを使います」と声をかけたうえで配布し、使い終わったら速やかに回収しましょう。刃物を使う工程が難しい場合は、スタッフが代わりに行うと安全に進めやすくなります。
声かけ・介助のポイント
手芸レクでは、スタッフの声かけや介助がご利用者の取り組みやすさを大きく左右します。作り方の説明は、一度にまとめて伝えるのではなく、工程をひとつずつ区切って声をかけると伝わりやすくなります。
「まず布を半分に折りましょう」「次にテープで貼りましょう」と、ひとつ終わるごとに次の手順を案内するイメージです。
完成度よりも「楽しんでいただくこと」を大切にしましょう。うまくいかない部分があっても、「いい色の組み合わせですね」「形がきれいにできていますよ」と過程を認める声かけを心がけると、ご利用者が前向きに取り組みやすくなります。
片麻痺の方が参加される場合は、台を固定する、素材を押さえるなどの介助があると作業しやすくなるでしょう。ご利用者の状態にあわせて、スタッフが補助する範囲を柔軟に調整することが大切です。
男性のご利用者のなかには、キーホルダーやドリームキャッチャーなど、実用性のある作品や飾って楽しめる作品に興味を持たれる方もいます。「手芸は女性向け」という印象を持たれる方もいるため、実用的な小物や季節の飾りなど、作品の選択肢を複数用意しておくと参加しやすい雰囲気を作りやすくなります。
よくある質問
Q:男性のご利用者でも楽しめる針を使わない手芸はありますか?
キーホルダーやドリームキャッチャー、フラワーボトルなど、実用性のある作品や飾って楽しめる作品を用意すると、男性のご利用者も参加しやすくなる場合があります。
「手芸」という言葉に抵抗がある場合は、「工作」「ものづくり」といった表現でお声がけすると参加のハードルが下がることもあります。作品の選択肢を複数用意しておくと、性別を問わず選びやすくなるでしょう。
Q:認知症の方でも取り組める作品はどれですか?
認知症の方の場合は、状態やその日の体調にあわせて、工程が少なく、繰り返しの動作で進められる作品を選ぶと取り組みやすいでしょう。
たとえば、毛糸のポンポンやリボンのしおりは、同じ動作を繰り返しやすく、比較的参加しやすい作品です。結ぶ・カットする工程が難しい場合は、スタッフが補助しましょう。
スタッフが隣で一緒に手を動かしながら進めたり、完成見本を近くに置いたりすると、ご利用者が手順をイメージしやすくなります。小さな部品を使う作品では、誤飲防止のためスタッフが部品を管理しましょう。
Q:デイサービスの持ち帰り作品としておすすめは?
ポケットティッシュケース、花のマグネット、お守り袋など、小ぶりで実用的な作品は持ち帰りに向いています。ご自宅に持ち帰ることで、ご家族との会話のきっかけにもなるでしょう。
ボンドを使う作品は乾燥に時間がかかる場合があるため、当日中に持ち帰る場合は両面テープで仕上げるか、乾燥後に次回お渡しする運用も検討してみてください。
まとめ
針を使わない手芸レクは、刺傷や針の紛失といったリスクを抑えながら、ご利用者が手芸の楽しさを感じやすい活動です。両面テープやボンドなどの接着道具を活用すれば、縫う工程なしでもさまざまな作品を作れます。
この記事では、フェルト・布・毛糸・紙など素材別に13種類の針を使わない手芸を紹介しました。作品を選ぶ際は、ご利用者の状態や施設の環境にあわせて、安全面と達成感のバランスを意識してみてください。
事前の材料準備や道具選び、声かけの工夫を丁寧に行うことで、スタッフもご利用者もレクの時間を楽しみやすくなるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。
またそのほか、デイサービスなど介護施設向けのレクリエーションに関しては以下の記事などにまとめています。合わせてご覧ください。
・【道具なしで盛り上がる!】高齢者向けレクリエーション20選!座ってできる・少人数OK
・【保存版】高齢者レクリエーションにおすすめの室内ゲーム40選!座ってできる簡単アイデア集
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この記事の執筆者![]() | Shift Life編集部 介護現場での実務経験を持つライターと、介護報酬・制度に精通した編集スタッフが連携し、現場で役立つ情報をお届けしています。 制度・加算に関する情報は、厚生労働省・自治体などの公的機関が発行する一次情報を優先的に参照し、掲載前にファクトチェックを実施しています。 |
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