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【教えて!】介護職員が突然辞める・・・退職サイン、離職防止にできることとは?

介護職員が突然辞める、離職防止・対策

突然、職員に「辞めたい」と言われて困ったことはないでしょうか?頼りにしていた中堅職員など優秀な人材が、突然辞めてしまい本当に困っているという声もよく耳にします。
 
ただでさえ人材不足の施設で突然の離職は大きな痛手となるため、どうにか考え直してもらおうと思っても…すでに気持ちは固まっていることが多いです。辞めると伝えてきた時には、対応できることは少なく、転職の準備を進めているケースも少なくありません。
 
介護職員の突然の退職を防ぐには、事前に見える退職のサインを見逃さないようにして対策することが重要です。
 
なぜ辞めるのか、どんな退職のサインを出しているのかを理解して、職員が辞めない職場作りを目指しましょう。

介護職員が突然辞めるのはなぜ?

介護職員からの突然の退職願い

どの介護職員も技術や知識を身に付けたい、介護福祉士の資格取得を目指したいなど目標を持ち、利用者を笑顔にしたい、心から喜んでもらいたいなど希望を持って入職しています。

それにも関わらず退職してしまうのには理由があります。

上司からするとある日突然辞めると言われたと感じるかもしれませんが、そのほとんどは突然の思い付きなどで言ってきたわけではなく、必ず事前にサインが出ています。

そうした退職のサインや前兆を見逃さないように、介護職員はどんなことに不満を感じたり、悩んでいることが多いかを以下にまとめましたので確認してみてください。

介護職員が辞める理由

介護職員が仕事を辞める具体的な理由はそれぞれですが、多くはイメージしていた仕事と実際の現場でのギャップが大きいことなどが挙げられます。また他には人間関係が退職理由となることも多いです。

具体的にどんな理由があるのか見てみましょう。

人間関係の悩み

下記の表の通り、介護職員が辞める理由で多く上がるのは人間関係の悩みです。

介護の仕事を辞めた理由

参考:介護労働の現状 13P

介護の仕事は、職員同士の連携やコミュニケーションがとても大切です。

その為、うまくコミュニケーションが取れず「無視されている」「陰口を言われている」などと感じたり、いつも自分に対し不機嫌に感じる人などがいると、仕事がやりずらくなってしまいます。

また、上司との関係も仕事を継続するにあたっては大きく影響し、関係が悪化すれば不満を口にすることも多くなり、結果辞めてしまう事になります。

待遇、給料が不満

処遇や賃金の低さも退職理由の1つとなっており、自身が行っている業務量に対して、賃金が少ないと感じている職員が多いです。

介護職員は平均年収346.6万円、ケアマネでも393万円と、全産業の年収500.6万円に対して給与水準が低い傾向にあります。
参考:(5) 主な産業別にみた賃金

評価基準が曖昧になっている施設も多く、自分の頑張りが給料などに反映しづらく、モチベーションの低下や不満に繋がっています。

また、男性介護職員にとっては、今の賃金では結婚して家族を養うのが難しいなど、将来への不安を感じる方も多くなっています。

労働環境への不満

働いている施設の種別によっては、年中無休で運営している所もあり、日曜日や祝日の出勤や夜勤などもあります。

結婚や出産、育児や介護など、自身の生活環境の変化により仕事と家庭の両立が難しくなってくるケースがあります。

上手く両立させていくには、そうしたことへの現場の理解や協力は不可欠となり、産休や育休の制度なども使いづらい環境があると、そうしたことも不満となっていきます。

体力・精神的に辛い

介護の仕事は大きく分けると、身体介護と生活援助に分けられます。

身体介護は、食事や排泄、入浴など直接介護をすることで、抱えたり、持ち上げたりすることも多く、それを続けて何人もこなさなくてはいけないため、とても体力を使います。

また例えば、訪問介護で主に行う調理、買い物、掃除などの生活援助も、時間に追われながら次々とこなす必要があるため大変です。

利用者の中には、暴言のきつい方もいますので、ひどいことを言われたり、認知症の方から泥棒呼ばわりされるなどという事も起こります。

そうした体力、精神的な負担が辞める原因にもなっています。

運営方針が合わない

施設や法人の経営方針に不満を持ち、自分の理想とする介護が出来ずに悩みを抱えるケースもあります。

利用者に寄り添いながら介護がしたい、学校や研修で勉強したような介護を実践したいなどと思っている方が、「時間がかかりすぎる」「どんどん仕事を進めてほしい」などと言われ、入職前に思い描いていた介護と現実との違い、リアリティギャップによって辞めてしまうこともあります。

また、コスト削減、利益重視などで思ったように利用者や家族に寄り添うことができないこともあり、経営陣への反発から仕事を辞めたくなる人も少なくありません。

人手不足がずっと続いている

介護の仕事は慢性的な人手不足に悩まされています。では人手不足になると、どんな問題が起こるでしょうか?

介護施設で人手不足によって起こる問題

 
■自分の希望で休みが取りづらくなる
 
・自分や家族などの予定に合わせて休みの希望を伝えても、人が足りず休めない。
・休日に急遽呼び出される。
 
■休憩がきちんととれず、残業も多くなる
 
・交代で休憩をするにも人が足りず、十分な休憩が取れない。
・記録などが残ってしまい定時で帰れない日が増える。

上記理由などにより職員が辞めてしまい、結果的に悪循環になってしまうケースがあります。

退職前にどんなサインを出しているか

シフトに不満がある介護職

介護職員が退職を考えるのには理由があります。そして、実際に辞めると伝えて来る前には、必ず兆候やサインがあるはずです。

そうした退職のサインを事前に見つけて対応することが必要です。職員の普段の様子や働き方、人間関係などに注意して変化を見逃さないようにしましょう。

退職のサインとはどの様なものがあるのか確認してみましょう。

愚痴や不満が増える

よく見られる退職のサインに愚痴や不満が増えるという事があります。「仕事が思い通りにいかない」「仕事量の多さ」などの不満が募り、愚痴や不満に繋がっています。

ただし、まだこのタイミングでは辞めるという決断までは至っていないことが多く、職場環境の改善によって解決することもあります。

一方いつも愚痴や不満を言っていた職員が言わなくなったとしたら、あきらめの感情を抱いていたり、退職を決意した可能性もあるので注意が必要です。

遅刻・欠勤など休みが多くなる

欠勤や遅刻が増えてくることも退職のサインとなります。やる気やモチベーションが下がっていたり、悩みを抱えている可能性もあります。

もうすでに他社の内定をもらい、退職に向けた準備を進めていることも考えられます。

コミュニケーションを取ることが少なくなる

以下のような場合も退職のサインの可能性があります。

・周りとあまりコミュニケーションを取らなくなった。

・以前は会議や申し送りなどで積極的な発言が見られたが、発言が減った。

・一人で行動することが多くなった。

挨拶をしなくなるなど、周りとのコミュニケーションの取り方の変化は、わかりやすい退職のサインであるため、注目しておくべきポイントとなります。

介護職が辞めない職場作りのポイント

職員が突然退職すると、配置やシフトの変更が必要だったり、他の職員への業務負担が増加し、さらに退職者が出る可能性もあります。

ただ、介護職員自身は、突然辞めたくなるのではなく、辞めたい気持ちが蓄積されていきます。

辞めにくい職場というのは、職員がどれだけストレスなく働けるかがポイントになります。下記のポイントをよく確認し、介護職員が辞めない職場作りを目指しましょう。

コミュニケーションをしっかりとる

コミュニケーションをしっかりとって、安心して意見や考えを話し合える環境を作り、心理的安全性を確保することでストレスの軽減をしましょう。

業務負担を軽減する

施設の形態にもよりますが、送迎や備品の管理、場合によっては調理など、必ずしも介護職員でなくても行える業務は専門の職員に任せましょう。

また、記録を手書きで行っている事業所も多く、短い時間で記録や書類作成をして、事務作業にかかる時間を短縮するためにICT化も検討しましょう。

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教育、評価制度を整備する

研修等を行い、スキルアップを図りましょう。

技術や知識を身に付けたことをしっかり評価し、キャリアアップや昇給の目安とすることで、モチベーションの維持、向上に繋げましょう。

シフトの見直し

介護の現場では、早番、遅番、夜勤など様々なシフトが存在します。

コミュニケーションを取りながら、希望をシフトに反映させるなど不公平感や不満を感じさせないよう配慮しましょう。

もちろん全ての職員の希望をシフトに反映することは難しいですから、日頃からコミュニケーションを取り、できる限り公平になるように配慮していることを理解してもらうことも大切です。

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突然辞めると言われた時の対処法は?

辞めたいと話があった時に大切なことは、辞めたいと考えている職員の気持ちに寄り添うことです。

辞めたいほど悩んでいる気持ちを汲み取り、その理由や原因を具体的に聞き、改善できないか話し合うことで退職を防げる可能性があります。

改善と言っても単に給料を上げる、休みを増やすという安易な考えではなく、理由や原因を具体的に聞き、共感した対策をすることが大切です。

ただし、退職を切り出した時には、既に退職の意志は固く、引き止めが難しいケースも多いです。

無理な引き止めは、関係を悪化させる恐れもあるので、難しいと判断したら意思を尊重してあげましょう。

まとめ

職員の退職を防ぐには、どれだけ働きやすい環境作りを出来るかがポイントになります。労働環境の改善なども含めて対策を進めていく必要があるでしょう。

簡単ではありませんが、今後ますます人手不足が進むと考えられる介護業界、離職防止も施設運営で重要なテーマです。

退職を申し出る職員も、そこに至るまでには相当悩んだはずです。相手の気持ちになって対応し、決して無理に引き止めず、温かく送り出してあげましょう。

そして、業務効率化を行ったり、コミュニケーションをしっかりとりながら信頼関係の構築を図り、退職する職員を減らすための改善に繋げることが大切です。

サービスの質の向上、事業所全体のレベルアップに繋げ、より良い職場環境を作っていきましょう。

この記事の執筆者ペコ

保有資格:介護福祉士 介護支援専門員

これまで通所リハビリに2年、小規模多機能型居宅介護に17年勤務。その中でも小規模多機能では介護職4年、介護福祉士兼介護支援専門員を3年、管理者兼介護支援専門員を9年務め、現在は代表も兼任しています。

介護の話題を中心にライタ―活動を行っており、他には介護用の研修資料の作成なども行っています。

 

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