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【教えて!】介護職に向いている人とは?管理者が求める「人財」も紹介

介護職に向いている人

介護職に向いている人とは?

介護職に興味があるけど、自分が向いているのかどうか知りたい
介護施設の種類が多くて、どの施設が自分に合っているかわからない
介護職として働いているけど、将来に不安がある…
上記のようなお悩みを抱えていませんか?
今回は、介護職に転職を考えている人や介護職になって1年未満の人に向けて、介護職に向いている人の特徴を解説します。
さらに、介護施設の経営者や管理者が求めるような人物像や介護施設別に向いている人も紹介します。
筆者は、介護業界で10年以上働いてきた経験を持つ元介護福祉士です。
実際に介護現場で活躍している人を参考に解説しますので、ぜひ参考にしてください。

介護職に向いている人とは

介護職に向いている人の特徴を6つ解説します。

人と接することが好きな人

人と接することが好きな人は、介護職に向いている人です。

介護職は、利用者に適切な介護サービスを提供する仕事ですので、人と接することが基本業務になります。

人と接するのが好きな人は、自然体で相手とコミュニケーションができるため、相手の立場から物事を考えることも得意です。

その結果、介護福祉士にとって重要な「利用者本位の支援」を実現できるようになり、利用者やその家族から「あなたがいてよかった」「いつもありがとう」と言ってもらえる介護職になれるでしょう。

(利用者本位、自立支援)介護福祉士は、すべての人々の基本的人権を擁護し、一人ひとりの住民が心豊かな暮らしと老後が送れるよう利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを提供していきます。

引用:公益財団法人 日本介護福祉士会|日本介護福祉士会倫理綱領

人のプライバシーや価値観を尊重できる人

人の価値観を尊重できる人も介護職に向いています。

尊重とは、

価値あるものとして大切に扱うこと。重んじる。

ことを指します。

人によって違う価値観を価値あるものとして大切にできる人なら、利用者の尊厳を大切にした介護もできるはずです。

反対に、自分の価値観を相手に強引に押し付ける人や相手をコントロールしようとする人は、利用者の気持ちや尊厳を傷つけてしまうおそれがあります。

高齢者に丁寧な対応ができる人

高齢者に丁寧な対応ができる人も介護職向きです。

なぜなら、高齢者介護では、利用者のほとんどが65歳以上の高齢者であるからです。
「敬語で話す」「礼儀正しく対応する」といった対応ができると、利用者から信頼される介護職になれるでしょう。

反対に、タメ口で話したり利用者を子ども扱いしてしまったりすると、利用者が不快感を覚えてクレームに発展する可能性もあります。

話は変わりますが、私たちより長く生きている高齢者の方の中には、職員を子どもや孫のように可愛がってくれる方が存在します。

仮に人見知りでも「年上の人と話すのなら大丈夫」という人なら、介護職に向いているので覚えておいてくださいね。

体力に自信のある人

体力に自信がある人も介護職向きです。

不規則なシフトで働いたり身体介助に従事したりと、体力が必要な介護現場ではよく動ける人が重宝されます。

介護現場の1つである特別養護老人ホームでは、平均して70名前後の入居者が24時間生活しています。

そこで介護職は入居者が生活しやすいように、入浴介助や排泄介助といった身体介助を次から次へとこなしているのです。

そのような忙しい現場で、精力的に働ける人は、利用者や同僚から頼りにされます。

キャリアアップを目指したい人

介護職は自分の努力次第でステップアップできる仕事のため、キャリアアップを目指したい人にもおすすめです。

研修に参加して介護の知識や技術を身につけたり現場で経験を積んだりして、自分の専門性を高められます。

国家資格である「介護福祉士」を取得すれば、待遇を向上させることができるでしょう。
好待遇の職場に転職することも不可能ではありません。

実際に介護業界では、未経験から介護職をはじめ介護リーダーや主任といった役職に昇進した人が数多く存在します。

気持ちの切り替えができる人

気持ちの切り替えができる人も介護職向きです。

介護職を続けていると、顔なじみになった利用者が体調を崩して入院してしまったり、病気や老衰により亡くなったりと、精神的なショックを受ける場面があります。

そこで気持ちの切り替えがうまくできないと、働くのがつらくなってしまうかもしれません。

自分の好きな趣味や活動に没頭したり、友人や家族に話したりして、気持ちを切り替えられると、介護職の仕事を楽しみながら続けていけるでしょう。

やや暗い話をしてしまいましたが、介護施設を利用して元気になっていく利用者も存在します

「家族と外食できた」

「1人でスーパーまで買い物に行けた」

と、ご自身ができたことを嬉しそうに語ってくれる利用者と出会えたら、きっと介護職を続けてよかったと思えるはずです。

管理者が求める「理想的な人財」とは

高齢者と介護スタッフ

管理者や経営者が求める介護職における「理想的な人財」とは、以下のような項目を満たす人のことです。

・利用者本位で動ける人
・前向きな人
・ミスを繰り返さない努力をする人
・チームワークを大切にする人
・きちんと挨拶ができる人

社会人として自分の仕事に責任を持ちながら介護の仕事に従事していれば、経営サイドからの評価が高まるでしょう。

また、キャリアアップを目指す方は、現場を牽引できる介護職になると

介護リーダー

介護主任

などの役職に抜擢されやすくなります。

役職に抜擢されやすい介護職の特徴

役職に抜擢されやすい介護職の特徴としては、次のようなことが挙げられます。

・コンプライアンス(法令遵守)を意識できる人
・現場を客観的に見れる人
・利用者に合わせて適切な対応ができる人
・医療・介護に関する知識や技術が豊富な人

「その人の代わりがいない」と思われる介護職も、管理者から求められる人財です。

代わりがいない介護職の特徴

では、代わりがいない介護職の特徴としては、どういったことがあるでしょうか。
まとめてみました。

・介護に関する資格を所持している人
・得意分野や特技を持っている人
・人が嫌がるような仕事に取り組む人
・欠勤が少ない人

などが挙げられるでしょう。

介護職に向いていない人とは

続いて介護職に向いていない人の特徴を4つ紹介していきます。

相手のペースに合わせるのが苦手な人

「自分のペースで仕事がしたい」

「相手のペースに合わせるとイライラしてしまう」

という人は、介護職の仕事をつらく感じるかもしれません。

なぜなら、利用者の中には、疾病や障害のため思うように動けない方もいるため、介護職は相手のペースに合わせる必要があるからです。

介護職には利用者のできることを見守り、できないことをサポートすることが求められています。

ただし、ベテランの介護職でも、慣れていない利用者を相手にすると相手のペースがつかめないことも。

相手から「もっとこうして欲しい」と言われて自分の業務を見直すことも少なくありません。

もしもあなたが失敗続きで不安になっていたとしても、徐々に改善していけますので心配しないでくださいね。

排泄介助や入浴介助ができない人

「排泄介助や入浴介助が絶対にできない」という人は、介護職向きではないかもしれません。

その理由は、介護の基本業務に排泄介助や入浴介助があり、毎日のように取り組む必要があるためです。

また、介助されている側は介助側の姿勢を見ています。

もしも嫌々やっていることが相手に伝わると、双方がストレスを抱えることになるでしょう。

しかし、排泄介助や入浴介助は徐々に慣れていける業務です。

慣れるとは、業務の視点を変える技術を指します。

「排泄介助は利用者の健康状態を確認する機会でもある」

「お風呂に入って気持ちよくなってもらおう」

業務の視点を変えることで、心理的な負担を軽減できます。

「排泄介助や入浴介助も徐々に慣れていきたい」という人は、少しずつ業務の視点を変えてみてください。

感情的になりやすい人

介護の仕事では、利用者や家族から注意・クレームを受ける場面もあります。

そこで、感情的になって言い返してしまうと、トラブルに発展してしまうかもしれません。

また、上司や先輩から注意を受けた際にすぐカッとなってしまうと、良好な人間関係を構築できないおそれもあります。

感情的になりやすく相手を攻撃してしまう人は、残念ながら介護職に向いていないかもしれません。

ただし解決策はあります。

利用者からのクレームは仕事の一環として冷静に受け取り、後で上司に報告する姿勢を持てばよいのです。

利用者から理不尽なことを言われたら、上司や同僚にしっかりと相談して、しかるべき対処を取ってもらいましょう。

上司や先輩からの注意に対しては、「自分を傷つけるものではなく成長させるものである」と捉えてみることをおすすめします。

上司や先輩からの注意があまりにも鋭い場合は、その内容に、

「業務に関する指摘であるかどうか」

「仕事と関係のない指摘がないか」

を確認することも大切です。

自分の仕事に責任を持てない人

自分の仕事に責任を持てないと、利用者、家族、同僚から信頼を得られない可能性があります。

失敗やミスは誰でも怖いものですが、そこで責任を認めなかったり責任を誰かのせいにしてしまうと、介護職を続けるのがむずかしくなってしまうでしょう。

解決策として、専門職としてのスキルを上げる方法が有効です。

勉強をして知識や技術を身につけたり研修で専門職としての心構えを学んだりすることで、プロとしての自覚が身につくため、自分の仕事に責任を持てるようになりますよ。

【介護施設別】介護職に向いている人の特徴とは

高齢者と話す介護職

介護施設とその施設の介護職が向いている人を解説します。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

特別養護老人ホームの介護職は、複数の勤務シフトに従事して24時間体制で介護サービスを提供します。

そのため、人と接することが好きな人や相手を尊重して働ける人に向いています。
介護職の基本的なスキルを身につけたいという方にもおすすめです。

特別養護老人ホームの入居者は、原則として要介護度3以上の日常的に支援が必要な人ですから、介護職として働けば必要な知識や技術を身につけられます。

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設(老健)は、家庭への復帰を目的としてリハビリテーションや日常の生活支援サービスを提供している介護施設です。

医療職やリハビリ職と接する機会が多いため、介護以外の知識を身につけている(身につけたい)人に向いています。
また、利用者の入れ替わりが激しいため、臨機応変な対応ができると現場で重宝されるでしょう。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、24時間介護スタッフが常駐して必要な介護サービスを提供している施設です。

夜勤を含む複数のシフトで働くことが多いため、自己管理能力や体力のある人に向いています。

働く施設によっては、レクリエーションの企画運営や季節行事を任されることもあるため、「入居者を喜ばせたい」という人にもおすすめです。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、認知症の診断を受けた方が利用する少人数制の介護施設です。

家庭的な雰囲気を大切にしており、入居者は9人までとなっています。

家庭的な雰囲気の職場で働きたい人や「一人ひとりの利用者とじっくり関わりたい」という人に向いています。

利用者の食事作りを職員が担うケースもありますが、多くのグループホームでは料理本を常備してくれているため、料理が苦手な方も無理なく馴染めますよ。

小規模多機能型居宅介護施設

小規模多機能型居宅介護とは、簡単に言えば「通い」「訪問」「宿泊」の3つのサービスをまとめて提供している介護施設です。

食事介助・入浴介助といった基本的な介護業務のほかに送迎業務などもあり、他の施設に比べてマルチに動くことが求められます。
次々と業務に対応できる人や相手のペースに合わせられる人に向いています。

覚えることも多い介護施設ですが、その分、介護職としてレベルアップできるでしょう。

訪問介護事業所

訪問介護事業所は、利用者の自宅に訪問介護員が訪問して、必要なサービスを提供する事業所です。

身体介助や生活援助を基本的に1人で行うため、利用者と一対一で関わりたいという人に向いています。

また、食事介助や入浴介助といった身体介助のほか、食事を作ったり掃除や洗濯に対応する生活援助も担当するため、家事が得意な人にもおすすめです。

ただし、会社の看板を背負って利用者宅で仕事に従事するため、自分が行った業務に責任を持つ姿勢も求められます。

通所介護施設(デイサービス)

デイサービスは、入居施設に比べて要介護度の低い方が利用しており、レクリエーションや体操などのアクティブな業務も多い介護施設です。

人と接するのが好きな人や、皆で一緒に何かに取り組むのが好きな人に向いています。

注意点は、介護職が送迎業務も担当する点です。

ハイエースといった福祉車両を運転できる人は即戦力になれる反面、自動車の運転が苦手な方は練習時間を確保しなくてはいけないでしょう。

参考:TOYOTA|ハイエース 車いす仕様車/ウェルジョイン

通所リハビリテーション(デイケア)

通所リハビリテーション(デイケア)は、専門的なリハビリを必要とする要介護者が通う介護施設です。
理学療法士や作業療法士といったリハビリの専門職が配置されています。

介護職は、食事介助や排泄介助、移動時の付き添いなどを行いながら、リハビリの補助的な業務を担当します。

リハビリの専門職からの指示をもとに業務に当たることが多いため、リハビリや医療に関する知識を吸収したい方に向いています。

また、利用者の在宅復帰や身体機能の維持・向上を応援・サポートしたい人にもおすすめの施設です。

介護職に向いている人 まとめ

最後に介護職に向いている人の特徴をまとめます。

・人と接することが好きな人
・人のプライバシーや価値観を尊重できる人
・高齢者に丁寧な対応ができる人
・体力に自信のある人
・キャリアアップを目指している人
・気持ちの切り替えができる人

上記の項目にあてはまる人は、ぜひ介護職員へのチャレンジを検討してみてください。

とはいえ、本当に自分が介護職に向いているのかな…と不安も感じるかもしれません。

そこでおすすめしたいのが、実際に気になる介護施設を見学してみる方法です。

介護施設を見学すると、そこで暮らしている利用者や働いている職員に会えます。
また、現場を自分の目で見て気になることがあれば質問も可能です。

気になる施設や働いてみたい現場を見つけたら、一度見学の問い合わせからはじめてみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
千葉拓未

所有資格:社会福祉士・介護福祉士・初任者研修(ホームヘルパー2級)

専門学校卒業後、「社会福祉士」資格を取得。
以後、高齢者デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設を渡り歩き、約13年間介護畑に従事する。

生活相談員として5年間の勤務実績あり。
利用者とご家族の両方の課題解決に尽力。

現在は、介護現場で培った経験と知識を生かし、
Webライターとして活躍している。

 

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