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【教えて!】介護職は休みがない?年間休日数や連休の作り方について解説!

介護職の年間休日数や連休の作り方

介護が必要な高齢者に常に介護サービスを提供する介護職は、休みが取りにくい仕事です。心身の疲れを取るためには、工夫して休みを取る必要があります。
そこで本稿では、高齢者介護施設で働く介護職の方と、介護職への転職を検討している方に向けて、介護職の休みについて詳しく解説します。解説する項目は以下の通りです。
 
・介護職が休みを取りにくいと感じる理由
・介護職が連休を作るためのポイント
・有給休暇について
・介護職の年間休日数
・介護職に休みが重要な理由

 
自分に無理をかけずに介護職として働きたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

介護職は休みがない、取りにくいと感じる理由

希望の休みが取れないシフトに悩む介護職

「介護職は休みがない」「休みが取りにくい」と感じる理由として、シフト制が挙げられます。詳しい内容をみていきましょう。

シフト制で働くから

シフト制とは、現場を休みなく回すために、一定の時間で職員を交代させる勤務体制のことです。シフト制を採用すると、職員を24時間常駐させることができます。特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームといった入居施設に必ず取り入れられている働き方です。

シフト制のメリット・デメリットを、介護施設側と介護職員側からみてみましょう。

介護施設のメリット・デメリット

メリット デメリット
・隙間なく介護サービスを提供できる
・人材を効率的に配置できる
・シフト作成が負担になる
・一定の人材を確保し続けなくてはいけない

 

介護職のメリット・デメリット

メリット デメリット
・勤務時間が決まっている
・夜勤が深夜手当の対象となる
・固定の休日がない
・出勤間隔が不規則になる

 
シフト制で働く介護職の場合、「1日出勤して1日休んだ後に5日働く」といったシフトが出てくるかもしれません。夜勤があれば生活リズムも崩れやすくなるため、「公休はあるのに、休みがない」と感じやすくなります。

また、シフトに穴が開くと現場が回らなくなるため、

私が休んだら、残った職員が大変になるかもしれない

休みを取りたいけど、現場が忙しそうで言い出しにくい

と、休み希望を申請しにくいケースも出てきます。

上記のような傾向は、人手不足が進行している介護施設ほど顕著になるでしょう。なお、休日が固定されており、一定の勤務時間で働ける介護施設がこちらです。

・デイサービス
・デイケア
・訪問介護

入居施設でも、パートタイムで契約すると決まった労働時間で働けます。入職時に労働時間を決めて働くためです。

有給休暇が使いにくいから

介護現場では、心情的な問題で有給休暇を使いにくいと感じるケースが出てきます。職員同士が協力して介助業務にあたっているため、

私だけ有給休暇を使って休んでいいのかな

と周りに気を遣って申請を躊躇してしまうのです。

利用者に配慮するのと同様に、同僚にも気を遣ってしまいます。周りの人まで考えられるのは、介護職としても社会人としてもすばらしい能力だと思いますが、「休みがない」と思うくらいまで働き消耗してしまうのはよくありません。

介護職って連休は取れる?

ここまでお読みいただくと「介護職が連休を取得するなんて無理なのでは?」と思ったかもしれません。しかし連休の取得は可能です。

入居施設でも介護職の待遇改善に力を入れている施設が増えてきていますし、土日休みの通所介護施設も全国に存在するからです。

実際に筆者が勤めていた特別養護老人ホームでも、人員が足りないときは別部署から助っ人が来たり職員同士が声をかけ合ったりして、連休を作っていました。連休を作るための大切なポイントを次章で解説します。

介護職が連休を作るためのポイント

ポイント

介護職が連休を作るポイントを解説します。ご自分の状況や勤め先と照らし合わせながら、参考になるポイントを探してみましょう。

希望休を申請する

連休を作る最も基本的な方法は、シフト作成者に希望休を申請して連休を作ることです。希望休申請のルールは各介護施設にもよりますが、前月20日までにシフト希望を集めている介護施設が多いので、確実に連休を取りたいなら、それより前に申請するのがよいでしょう。

ただし、連休を作ると4連勤や5連勤が発生する可能性があります。これは月ごとに公休数が定められているからです。連勤を避けたい方は、有給などを有効活用してくださいね。

有給休暇を使用する

有給休暇を使用できるのなら、以下のような方法がおすすめです。

・公休の前後に有給休暇を使用する
・有給休暇を2日以上続けて使用する

有給休暇とは、「一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇」のこと。有給休暇を取得しても賃金が減額されることはありません。賃金を気にせず安心して休めるでしょう。

夜勤明けを活用

夜勤業務がある介護施設の場合、夜勤明けを活用すると休む時間を増やせます。16時間夜勤のケースをみてみましょう。

17時から翌10時までの16時間夜勤に勤務した場合

1日目 2日目 3日目 4日目
夜勤入り
17時入り
夜勤明け
10時あがり
公休 出勤
10時出勤

 

上記の例では、2日目の夜勤明け10時から、4日目の出勤日までにおよそ48時間休む時間を設けられます。

16時間夜勤を採用している介護施設は、夜勤明けの翌日に休みを設ける傾向があるため、夜勤明けを活用すれば疑似的な連休を作れるでしょう。

一方、8時間夜勤の場合は、夜勤明けの翌日に出勤となる可能性があるのでご注意ください。

22時から7時までの8時間夜勤

1日目 2日目 3日目 4日目
夜勤入り
22時入り
夜勤明け
7時あがり
出勤 出勤
10時出勤

 

8時間夜勤を採用している介護施設で連休を作るためには、希望休を申請したり有給休暇を使用したりといった工夫が必要になります。

なお、夜勤明けの休日の取扱いは介護施設によって対応が異なります。入職前に、会社がどのように夜勤明けの休日を取り扱っているのかを確認しておきましょう。

そして夜勤明けを連休に活用する場合は、必ず自分のコンディションと相談してください。夜勤明けに無理してしまうと、次回の勤務に悪影響を及ぼす可能性があります。

職員間でシフト調整する

希望休の申請と並行して取り組んでおきたい方法が、職員間でのシフト調整です。事前に同僚と相談しましょう。

事前に休む日にちを共有することで、「〇〇さんがいなくても大丈夫なように、余裕を持ったスケジュールを組んでおこう」と、同僚も心の準備ができるようになります。もしも、他に連休を欲しい職員がいれば、お互いの休みを調節する機会を持てるでしょう。

あらかじめシフト調整しておくと、気兼ねなく連休を過ごせるようになるのです。

介護職って有給休暇は取れる?

有給休暇は、会社で働く労働者に等しく付与される法律で認められた権利です。以下の内容を確認しておきましょう。

有給休暇は年に5日取得する義務がある

2019年の労働基準法改正に伴い、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者は、年に5日有給休暇を取得することが義務付けられました。

パートタイムの方でも、年10日以上の年次有給休暇が付与されていれば対象となります。会社で働く介護職は、使用者に対して「〇月〇日に休みます」と申し出ることで有給を取得できるのです。

もしも労働者が年に5日の有給休暇を取得できていないと判明した場合、使用者は労働者に対して、時季を指定して有給休暇を取得させなくてはいけません。
参考:働き方・休み方改善ポータルサイト

介護職の有給休暇取得率

厚生労働省が公表している「令和4年 就労条件総合調査」によると、「医療、福祉」※1の平均年次有給休暇取得率は60.3%です。全産業を合わせた平均取得率は58.3%ですので、平均よりも高めであるとわかります。

医療、福祉の業界には休みが取得しにくいというイメージもあるかもしれませんが、有給を取得する人は案外多いのです。

※1 「医療、福祉」には、常用労働者30人以上を雇用している民営企業、医療法人と社会福祉法人が含まれている。パートタイム労働者を除いた、雇用期間の定めのない労働者が対象である
参考:令和4年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

介護職の年間休日数の平均

厚生労働省が発表した「平成30年 就労条件総合調査」によると、介護職を含む医療、福祉の年間休日数は、111.5日です。

・1企業の平均年間休日数は107.9日
・労働者1人の平均年間休日数は113.7日

なお「令和4年 就労条件総合調査」では、1企業の平均年間休日数は、107.0日、労働者1人の平均年間休日数は115.3日と、平成30年の結果よりも微増。同調査には医療・福祉の年間休日数は記載されていませんが、全産業の年間休日数が増えていることが確認できます。
参考:平成 30 年就労条件総合調査の概況

介護職にとって休みが重要な理由

気分転換

介護職にとって、休むことは最重要項目です。その理由を順番に解説しますので、現役介護職の方や転職を検討している方はぜひご覧ください。

自分自身の健康維持

介護職が従事する身体介助は、体を前傾させたりねじったりするため、腰椎や周辺組織の筋肉に負担をかける作業となります。しっかり体を休めないと思わぬケガにつながるかもしれません。定期的に休みを設けることで、疲労を回復する時間ができ現場で安全な介助が可能になるのです。

バーンアウトのリスクを回避(メンタルヘルス)

介護職は、転倒や誤薬といった介護事故を防止するために、神経を張り巡らせています。体への負担だけでなく、神経や心にも一定の負担がかかっているのです。

そうした気配りは利用者の安全に欠かせませんが、負担が大きすぎるとバーンアウト(燃え尽き症候群)の発症リスクを高めてしまいます。バーンアウトになると、働くことがつらくなったり意欲を持てなくなったりするため、事前の予防が大切です。休みをしっかり取って心身を休めることで、バーンアウトの発症を回避できます。

プライベートを充実させて自分らしく生活する

介護職は、利用者の快適な暮らしを実現するために、さまざまな業務についています。休みを取って、日々のプレッシャーから解放される時間を持つことは、その人らしい人生に必要不可欠なものといえるでしょう。

家族や友人、恋人と過ごしたり、自分の好きなことに没頭したりして仕事から離れる時間を持つことで、生き生きとした自分の感情を感じ取れるようになるはずです。その結果、仕事でも充実感を得られるようになり、モチベーションも持続するでしょう。

介護職が休みを取りやすい介護施設の特徴

介護職が休みを取りやすい介護施設の特徴とは、どのようなものでしょうか。以下の特徴に2つ以上あてはまっている介護施設は、休みが取りやすい施設といえます。

・介護職が多く在籍している
・欠員のフォローに力を入れている
・風通しがよい
・特別休暇制度がある

介護職が多く在籍している施設は、休みが取りやすいといえます。なぜなら、誰かが休みを取っても、フォローできる職員が複数在籍しているからです。職員の急な病欠にも対応できるため、結果的に事故が起こりにくい体制が整っているでしょう。

また、職員同士のコミュニケーションが活発で風通しがよい施設も休みが取りやすい施設です。お互いの事情を共有できるため、休みも取りやすいのです。しかし、介護現場の内部事情は求人票からは読み取れません。そこで気になる会社があれば、現場を見学あるいは体験してみることをおすすめします。現場の雰囲気を自分の身で感じることで、自分に合っているかどうかを確かめてみましょう。

特別休暇とは、会社が社員に対してあたえる休暇を指します。法律により定められた休暇(法定休暇)と異なり、企業によって特別休暇を設けている施設と設けていない施設が存在します。

特別休暇の例がこちらです。

・夏季休暇
・冬期休暇
・慶弔(けいちょう)休暇
・リフレッシュ休暇

法定休暇とは次のような休暇を指します。

・年次有給休暇
・育児休業
・介護休業
・介護休暇
・生理休暇
・産前休業
・産後休業

求人票や面接の際に担当者に確認したりすれば、企業が特別休暇制度を設けているのかどうかがわかります。また、年間休日数もみておくと、どのくらい休めそうか確認できるでしょう。

介護職はしっかり休むことも大切

介護職として働く方の中には、「休むのがこわい」と感じる方がいるかもしれません。「休んでいるうちに現場で何かあったらどうしよう」「自分が休むことで迷惑をかけていないか」と不安を感じる方も多いと思います。

しかし、体や心はAIではありません。しっかり休んで休息をあたえてあげないと、体も頭もうまく働いてくれないのです。疲労がたまった状態で現場に出てしまうと、仕事でミスを連発して、かえって周囲に迷惑をかける結果になるかもしれません。

心身が疲れていると感じたときは、「仕事をしっかりとこなすために休みを取ろう」と考えて、実際に行動してみてはいかがでしょうか。普段から真面目に仕事に取り組んでいるあなたなら、きっと周りの職員も認めてくれるはずです。

まとめ

介護職は要介護者に切れ目なく介護サービスを提供しているため、心身に一定の負担がかかる仕事です。一方で、利用者や家族から「ありがとう」と言ってもらえることも多い仕事です。

「休みがない」と思うくらいまで働き続けてしまわないように、本記事で挙げたポイントを参考にしていただき、上手に休む時間を設けてくださいね。

この記事の執筆者
千葉拓未

所有資格:社会福祉士・介護福祉士・初任者研修(ホームヘルパー2級)

専門学校卒業後、「社会福祉士」資格を取得。
以後、高齢者デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設を渡り歩き、約13年間介護畑に従事する。

生活相談員として5年間の勤務実績あり。
利用者とご家族の両方の課題解決に尽力しました。

現在は、介護現場で培った経験と知識を生かし、
Webライターとして専門性の高い記事を作成している。

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