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総合マネジメント体制強化加算とは?算定要件・単位数など解説【2024年改定対応】

総合マネジメント体制強化加算とは

総合マネジメント体制強化加算とは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や(看護)小規模多機能型居宅介護が、地域包括ケアシステムの担い手としての取組を評価する加算です。
 
2024年(令和6年度)介護報酬改定では、地域包括ケアの推進と地域共生社会の実現に資する取組を評価する新たな区分として加算Ⅰが新設され、改定前の1,000単位/月から、加算Ⅰ(1,200単位/月)と加算Ⅱ(800単位/月)の2区分に再編されました。
 
「自事業所が加算Ⅰを算定できるのか」「具体的にどのような体制整備が必要なのか」と疑問を抱えている管理者・事務担当者の方も多いのではないでしょうか。
 
この記事では、総合マネジメント体制強化加算の算定要件や単位数、サービス種別ごとの違い、算定に向けて確認しておきたい記録のポイントまでを、厚生労働省資料に基づき解説します。

目次

総合マネジメント体制強化加算とは

総合マネジメント体制強化加算は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護および(看護)小規模多機能型居宅介護を対象とする加算です。

これらのサービスは、ご利用者の状態に応じて在宅生活を継続的に支える役割を担っており、医療・介護の多職種連携や地域との関わりが不可欠です。総合マネジメント体制強化加算は、こうしたサービスの特性を踏まえ、ご利用者の状態やご家族を取り巻く環境の変化に応じた個別サービス計画の随時見直し、地域住民との交流、医療機関等との連携といった取組を評価するものです。

2024年(令和6年度)介護報酬改定では、地域包括ケアシステムの担い手として、より地域に開かれた拠点となり、認知症対応を含む様々な機能を発揮することにより、地域の多様な主体とともにご利用者を支える仕組みづくりを促進する観点から、加算Ⅰ(1,200単位/月)が新設されました。

加算の目的と概要

総合マネジメント体制強化加算の目的は、地域包括ケアシステムの担い手として、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や(看護)小規模多機能型居宅介護が地域に開かれた拠点となり、地域の多様な主体とともにご利用者を支える仕組みづくりを促進することです。

具体的には、以下のような取組を評価する加算となっています。

・ご利用者の心身の状況やご家族を取り巻く環境の変化に応じた個別サービス計画の随時見直し

・日常的な地域住民等との交流や地域行事への参加

・医療機関等との情報提供を通じた連携

・地域住民等からの相談対応体制の確保

・地域資源を活用したご利用者支援

これらの取組は、要件として整理されており、サービス種別や算定区分(加算Ⅰ・Ⅱ)によって、対象となる要件が異なります

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

改定前は高い算定率が示されていた

総合マネジメント体制強化加算は、2024年(令和6年度)改定前の段階でも、対象サービスの多くで算定されていた加算でした。

社会保障審議会介護給付費分科会の資料では、改定前の総合マネジメント体制強化加算について、定期巡回・随時対応型訪問介護看護では算定事業所が9割以上、小規模多機能型居宅介護および看護小規模多機能型居宅介護でも算定事業所が一定割合を占めていることが示されています。

改定前から本加算を算定していた事業所も多いですが、改定後は加算Ⅱの現行要件を改めて確認する必要があります。加算Ⅱはサービス種別ごとに対象要件が異なるため、自事業所がどの要件に該当するかを丁寧に確認しましょう。

新設された加算Ⅰ(1,200単位/月)については、地域包括ケアの推進に向けた新たな要件が追加されているため、自事業所がどこまで対応できるかも、あわせて検討するとよいでしょう。

参照:「厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第234回)資料5

区分支給限度基準額の対象外となる加算

総合マネジメント体制強化加算は、区分支給限度基準額の対象外として位置づけられている加算です。

区分支給限度基準額とは、要介護度ごとに定められた1か月あたりの介護保険サービスの利用上限額のことで、原則としてこの基準額を超えると、超過分は全額自己負担となります。

区分支給限度基準額の対象外であるという点は、加算分が限度額管理の対象に含まれないことを意味します。ただし、加算分について介護保険の利用者負担(1〜3割)は通常通り発生する点には注意が必要です。

参照:「厚生労働省 サービスにかかる利用料

総合マネジメント体制強化加算の対象サービス

総合マネジメント体制強化加算の対象となるサービスは、以下の4種類です。

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護

・小規模多機能型居宅介護

・介護予防小規模多機能型居宅介護

・看護小規模多機能型居宅介護

これらはいずれも、月単位の包括的な報酬体系を基本としながら、ご利用者の状態に応じて在宅生活を支えるサービスです。小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護では通い・訪問・泊まり等を組み合わせ、定期巡回・随時対応型訪問介護看護では定期巡回や随時対応、訪問介護・訪問看護の連携により支援を行います。

なお、厚生労働省資料では、小規模多機能型居宅介護は「小規模多機能型居宅介護★」と表記されており、★は介護予防についても同様の措置を講ずる場合を示す注記です。そのため、介護予防小規模多機能型居宅介護も総合マネジメント体制強化加算の対象に含まれます。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

2024年(令和6年度)介護報酬改定での変更点

2024年(令和6年度)介護報酬改定では、総合マネジメント体制強化加算について、地域包括ケアの推進と地域共生社会の実現に資する取組を評価する新たな区分を設ける見直しが行われました。

具体的には、改定前は単一区分の総合マネジメント体制強化加算(1,000単位/月)のみでしたが、改定後は加算Ⅰ(1,200単位/月)と加算Ⅱ(800単位/月)の2区分に再編されました。

改定前後の単位数比較

改定前後の単位数を比較すると、以下のとおりです。

区分 改定前 改定後
総合マネジメント体制強化加算 1,000単位/月
総合マネジメント体制強化加算Ⅰ 1,200単位/月(新設)
総合マネジメント体制強化加算Ⅱ 800単位/月(変更)

 

改定前の1,000単位/月から、加算Ⅰは月200単位高く、加算Ⅱは月200単位低くなる形で再編されています。改定前の加算に相当する要件を中心に算定する場合、改定後の区分は加算Ⅱ(800単位/月)となります。ただし、算定にあたっては、サービス種別ごとの現行要件を確認する必要があります。

加算Ⅰの1,200単位/月を算定するためには、新設要件への対応が必要となります。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

加算Ⅰが創設された背景

加算Ⅰが創設された背景には、地域包括ケアシステムをより一層推進するという目的があります。

厚生労働省資料では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護および(看護)小規模多機能型居宅介護が、地域包括ケアシステムの担い手として、より地域に開かれた拠点となり、認知症対応を含む様々な機能を発揮することにより、地域の多様な主体とともにご利用者を支える仕組みづくりを促進する観点から、新たな加算区分が設けられたとされています。

加算Ⅰの算定要件には、地域住民等からの相談対応体制の確保、地域資源を活用したご利用者支援、地域住民等・他事業所等との共同による事例検討会・研修会の実施など、地域包括ケアの推進と地域共生社会の実現に資する取組が新たに加えられています。これは、対象サービスが地域包括ケアの拠点として果たすべき役割の拡張を示唆する改定といえます。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

既存事業所が確認すべきポイント

改定前から総合マネジメント体制強化加算を算定していた事業所が、改定後も加算を算定し続ける場合、以下のポイントを確認しましょう。

・現状の体制で加算Ⅱの要件を満たせるか

・加算Ⅰの新設要件への対応が可能か

・対応が可能であれば、どのような体制整備や記録の準備が必要か

加算Ⅱは改定前の加算に相当する要件を中心に構成されていますが、算定にあたっては、サービス種別ごとの現行要件を改めて確認することが重要です。

一方、加算Ⅰについては、地域包括ケアの推進に向けた新設要件への対応が必要です。自事業所が地域とどのような関わりを持っているかを棚卸ししたうえで、加算Ⅰの算定可否を検討してみてはいかがでしょうか。

2026年(令和8年度)介護報酬改定で本加算に変更はある?

2026年(令和8年度)介護報酬改定での総合マネジメント体制強化加算に関する変更については、現時点(2026年5月)で厚生労働省から具体的な変更内容を示す資料は公表されていません。

令和8年度改定は、処遇改善加算や食費基準費用額の見直しなどが中心とされており、総合マネジメント体制強化加算については特段の変更を示す情報は確認できない状況です。

最新の改定情報は、厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」のページや、各市町村からの通知などで適宜確認するとよいでしょう。

参照:「厚生労働省 令和8年度介護報酬改定について

総合マネジメント体制強化加算Ⅰ・Ⅱの単位数と算定要件

総合マネジメント体制強化加算Ⅰ・Ⅱの単位数と算定要件を整理します。算定要件はサービス種別ごとに異なるため、自事業所がどの要件に該当するかを丁寧に確認しましょう。

加算Ⅰの単位数と算定要件

加算Ⅰの単位数は1,200単位/月です。算定要件は、新設要件を含む(1)〜(10)の項目から、サービス種別ごとに対象となる要件を満たす必要があります。

加算Ⅰの算定要件の概要は以下のとおりです。要件(1)〜(10)のうち、(4)〜(10)が改定で新設された要件です。

要件番号 要件の概要
(1) 個別サービス計画の随時見直し
(2) 地域住民等との交流・地域行事参加
(3) 医療機関等への情報提供
(4) 地域住民等からの相談対応体制の確保
(5) インフォーマルサービスを含む生活支援サービスが包括的に提供されるような居宅サービス計画の作成
(6) 地域資源を活用したご利用者支援
(7) 障害福祉サービス事業所・児童福祉施設等と協働した世代間交流の場の拠点となること(※定期巡回・随時対応型訪問介護看護では「地域において世代間の交流を行っていること」)
(8) 地域住民等・他事業所等と共同での事例検討会・研修会の実施
(9) 市町村が実施する通いの場や在宅医療・介護連携推進事業等の地域支援事業等への参加
(10) 地域住民及び利用者の住まいに関する相談に応じ、必要な支援を行うこと

 

これらの要件のうち、どの要件が対象となるかはサービス種別ごとに異なります。詳細は次章「サービス種別ごとの算定要件の違い」で整理します。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

加算Ⅱの単位数と算定要件

加算Ⅱの単位数は800単位/月です。算定要件は、改定前の総合マネジメント体制強化加算の要件と概ね共通する内容となっています。

加算Ⅱの算定要件は、サービス種別ごとに対象となる要件が異なりますが、要件(1)個別サービス計画の随時見直しはすべてのサービスに共通する要件です。それ以外の要件(2)地域住民等との交流・地域行事参加、要件(3)医療機関等への情報提供は、サービス種別によって対象が分かれています。

加算Ⅱを算定する場合は、新設要件(4)〜(10)への対応は求められません。ただし、改定前に加算を算定していた事業所であっても、改定後は加算Ⅱの現行要件を改めて確認する必要があります。

詳細な要件は、次章「サービス種別ごとの算定要件の違い」で整理します。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

加算Ⅰ・Ⅱの比較表

加算Ⅰ・Ⅱの単位数と要件の数を比較すると、以下のとおりです。

項目 加算Ⅰ 加算Ⅱ
単位数 1,200単位/月 800単位/月
対象要件の範囲 サービス種別ごとに該当する要件を満たす。一部要件は事業所の特性に応じて1つ以上実施 サービス種別ごとに該当する要件を満たす
新設要件への対応 必要 不要
改定前との関係 新設 従来の総合マネジメント体制強化加算(1,000単位/月)から見直し

 

加算Ⅰと加算Ⅱは、選択して算定する関係にあります。両方を同時に算定することはできません。自事業所の体制を踏まえて、どちらを算定するかを検討しましょう。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

サービス種別ごとの算定要件の違い

総合マネジメント体制強化加算は、対象となる4つのサービス種別で算定要件の細部が異なります。要件(1)はすべてのサービスで共通ですが、要件(2)(3)はサービス種別によって対象が分かれており、新設要件(4)〜(10)も小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護と、定期巡回・随時対応型訪問介護看護で内容が一部異なります。

特に定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、要件(7)について「障害福祉サービス事業所、児童福祉施設等と協働し、地域において世代間の交流を行っていること」とする注記があり、小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護とは一部表現が異なります。

この章では、サービス種別ごとに対象となる要件を整理してご紹介します。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の場合

定期巡回・随時対応型訪問介護看護で算定する場合の要件は、以下のとおりです。

要件番号 要件の概要 加算Ⅰ 加算Ⅱ
(1) 個別サービス計画の随時見直し
(3) 医療機関等への情報提供
(4) 地域住民等からの相談対応体制の確保
(6) 地域資源を活用したご利用者支援
(7)〜(10) 事業所特性に応じて1つ以上実施(世代間の交流、共同事例検討会・研修会、地域支援事業への参加、住まいに関する相談支援)

 

定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、(2)地域住民等との交流・地域行事参加は対象外で、代わりに(3)医療機関等への情報提供が加算Ⅱの要件に含まれている点が特徴です。

また、選択要件(7)については、定期巡回向けの注記があり「障害福祉サービス事業所、児童福祉施設等と協働し、地域において世代間の交流を行っていること」と記されています。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

小規模多機能型居宅介護の場合(介護予防含む)

小規模多機能型居宅介護および介護予防小規模多機能型居宅介護で算定する場合の要件は、以下のとおりです。

要件番号 要件の概要 加算Ⅰ 加算Ⅱ
(1) 個別サービス計画の随時見直し
(2) 地域住民等との交流・地域行事参加
(4) 地域住民等からの相談対応体制の確保
(5) インフォーマルサービスを含む生活支援サービスが包括的に提供されるような居宅サービス計画の作成
(6)〜(9) 事業所特性に応じて1つ以上実施(地域資源の活用、世代間交流の拠点、共同事例検討会・研修会、地域支援事業への参加)

 

小規模多機能型居宅介護では、(1)(2)が加算Ⅰ・Ⅱ共通の要件です。加算Ⅰではさらに(4)(5)を加え、選択要件(6)〜(9)から事業所特性に応じて1つ以上を実施する構造となっています。なお、介護予防小規模多機能型居宅介護も同様の要件が適用されます。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

看護小規模多機能型居宅介護の場合

看護小規模多機能型居宅介護で算定する場合の要件は、以下のとおりです。

要件番号 要件の概要 加算Ⅰ 加算Ⅱ
(1) 個別サービス計画の随時見直し
(2) 地域住民等との交流・地域行事参加
(3) 医療機関等への情報提供
(4) 地域住民等からの相談対応体制の確保
(5) インフォーマルサービスを含む生活支援サービスが包括的に提供されるような居宅サービス計画の作成
(6)〜(9) 事業所特性に応じて1つ以上実施(地域資源の活用、世代間交流の拠点、共同事例検討会・研修会、地域支援事業への参加)

 

看護小規模多機能型居宅介護では、加算Ⅰ・Ⅱ共通で(1)(2)(3)が対象となります。加算Ⅰではさらに(4)(5)を加え、選択要件(6)〜(9)から事業所特性に応じて1つ以上を実施する構造です。小規模多機能型居宅介護と似ていますが、医療機関等への情報提供に関する要件(3)も対象となる点に注意が必要です。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

算定に向けて確認したい記録・体制整備のポイント

総合マネジメント体制強化加算の算定要件を満たすためには、日常業務のなかで残しておくべき記録があります。厚生労働省Q&Aでは、算定要件を満たすことを目的として新たな資料を作成する必要はなく、既存の記録で確認できれば足りるとされている項目もあります。

ただし、要件を満たしていることを示せるよう、記録の整理は欠かせません。この章では、加算Ⅰ・Ⅱの算定に向けて、サービス種別や算定区分に応じて確認しておきたい記録を5つの観点から整理してご紹介します。

個別サービス計画の見直し記録

要件(1)に対応する個別サービス計画の見直し記録は、加算Ⅰ・Ⅱの算定に共通して必要となります。

厚生労働省の改定資料では、要件(1)について「個別サービス計画について、利用者の心身の状況や家族を取り巻く環境の変化を踏まえ、介護職員(計画作成責任者)や看護職員等の多職種協働により、随時適切に見直しを行っていること」と示されています。

具体的には、見直しを行った時期、関わった職種(計画作成責任者、看護職員、介護職員など)、見直しのきっかけ、見直し内容、見直し後の対応などが分かる形が望ましいです。多職種協働で随時見直しを行っていることが分かる形で記録を整理しておきましょう。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

地域住民等からの相談対応記録

要件(4)に対応する地域住民等からの相談対応記録は、加算Ⅰの算定で重要となります。

厚生労働省Q&Aでは、地域住民等からの相談対応について、一定の頻度を定めて行う性格のものではなく、常に相談を受け付けられる体制があれば要件を満たすとされています。

また、加算要件を満たすことを目的として新たな資料を作成する必要はなく、日々の相談記録などの既存の記録で確認できれば足りるとされています。普段の業務で記録している相談対応のメモや日報などを整理しておけば、要件を満たしていることを示せる体制が確認できます。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)問145(令和6年3月15日)

地域資源を活用した支援の記録

要件(6)に対応する地域資源を活用した支援の記録は、加算Ⅰを算定するうえで、サービス種別に応じて確認しておきたい項目です。定期巡回・随時対応型訪問介護看護では対象要件となり、小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護では、要件(6)〜(9)の選択要件の一つとして位置づけられています。

厚生労働省Q&Aでは、地域資源の活用について、特定の取組を一律に実施すればよいというものではなく、地域の実情やご利用者の状態に応じて考える必要があるとされています。また、一定頻度を求めるものではなく、ご利用者が住み慣れた地域で生活を継続するために必要な支援を、地域住民等と連携して考え、常に問題意識をもって取り組むことが重要とされています。

例えば、地域のボランティア団体との連携、近隣住民との見守りに関する情報共有、地域行事への参加調整などが考えられます。ただし、該当する取組は地域の実情やご利用者の状態によって異なるため、実施内容や連携先、ご利用者への支援内容が分かるよう記録しておくことが大切です。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)問146(令和6年3月15日)

事例検討会・研修会の共同実施に関する記録

要件(8)に対応する事例検討会・研修会の記録は、加算Ⅰの選択要件として該当する場合に確認しておきたい項目です。要件上は、単に参加するだけでなく、地域住民等や他事業所等と共同で事例検討会・研修会等を実施することが求められます

厚生労働省Q&Aでは、市町村や地域の介護事業者団体等と共同実施した事例検討会・研修会も評価対象となるとされています。ここでいう「共同」とは、地域住民、民間企業、他の居宅サービス事業者など、複数の主体が参画していることを指します。

記録としては、開催日、開催場所、参加者、共同実施した主体、テーマや内容などが分かる形で残しておくと、要件を満たしていることを示しやすくなります。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)問147(令和6年3月15日)

医療機関等への情報提供の記録

要件(3)に対応する医療機関等への情報提供の記録は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護および看護小規模多機能型居宅介護で加算Ⅰ・Ⅱ共通の要件となります。

事業所が提供できるサービスの具体的な内容について、地域の病院、診療所、介護老人保健施設等へ情報提供したことが分かる形で記録を残しましょう。具体的には、情報提供の日時、提供先、提供した内容、提供方法などが分かる形が望ましいです。

なお、厚生労働省のQ&Aでは、医療機関等への情報提供について、一定の頻度を定めて行うものではなく、必要に応じて適時適切に連携を図っていればよいとされています。連携先の医療機関等ごとに記録を整理しておくと、必要に応じて行った情報提供の状況を確認しやすくなります。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

参照:「札幌市掲載 厚生労働省資料 1.(2)④ 総合マネジメント体制強化加算の見直し①②

参照:「厚生労働省 平成27年度介護報酬改定に関するQ&A 問156

総合マネジメント体制強化加算に関連するQ&A

総合マネジメント体制強化加算の算定要件のなかには、解釈に迷いやすい論点がいくつかあります。厚生労働省では、こうした論点について介護報酬改定に関するQ&Aで具体的な考え方を示しています。

この章では、現場でよく疑問が生じる5つの論点について、厚生労働省Q&Aの内容を引用しながら整理してご紹介します。実務での運用判断や、自治体からの問い合わせ対応の参考にしていただければ幸いです。

個別サービス計画の見直しに全職種が関わる必要はある?

個別サービス計画の見直しについて、要件(1)では多職種協働により随時適切に見直しを行うこととされています。ここで「すべての職種が必ず関わる必要があるのか」という疑問が生じやすい論点です。

厚生労働省の平成27年度介護報酬改定に関するQ&Aでは、「個別サービス計画の見直しに当たっては、その都度全ての職種が関わらなければならないものではなく、見直しの内容に応じて、適切に関係者がかかわることで足りる」とされています。また、「個別サービス計画の見直しに係る多職種協働は、必ずしもカンファレンスなどの会議の場により行われる必要はなく、日常的な業務の中でのかかわりを通じて行われることも少なくない」とも示されています。

令和6年度改定後も、要件(1)では多職種協働による個別サービス計画の随時見直しが求められているため、計画見直しの考え方を確認する際の参考になります。

参照:「厚生労働省 平成27年度介護報酬改定に関するQ&A 問155

地域住民等の相談に対応する体制はどのくらいの頻度が必要?

要件(4)では、日常的にご利用者と関わりのある地域住民等の相談に対応する体制を確保していることが求められます。「どのくらいの頻度で相談を受けていれば要件を満たすのか」という疑問が生じやすい論点です。

厚生労働省の令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)では、「地域住民等からの相談への対応は、一定の頻度を定めて行う性格のものではなく、常に地域住民等からの相談を受け付けられる体制がとられていれば、当該要件を満たすものである」とされています。

頻度を意識するよりも、いつでも相談を受け付けられる体制を整えていることが重要です。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)問145(令和6年3月15日)

加算算定のために新たに会議や書類作成は必要?

加算要件を満たすために、新たに会議を開催したり、専用の書類を作成したりする必要があるのか、という疑問もよく聞かれる論点です。

厚生労働省Q&Aでは、論点ごとに既存記録で確認できれば足りる旨が示されています。

個別サービス計画の見直しについて、平成27年度Q&Aでは「加算の要件を満たすことのみを目的として、新たに多職種協働の会議を設けたり書類を作成することは要しない」とされています。

地域住民等からの相談対応については、令和6年度Q&A(Vol.1)で「日々の相談記録等、既存の記録において確認できれば足りるものであり、加算要件を満たすことを目的として、新たに資料を作成することは要しない」とされています。

少なくとも、個別サービス計画の見直しや地域住民等からの相談対応については、厚生労働省Q&Aで、既存記録により確認できればよい旨が示されています。要件ごとに、既存の業務記録で確認できる状態に整理しておくことが重要です。

参照:「厚生労働省 平成27年度介護報酬改定に関するQ&A 問155

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)問145(令和6年3月15日)

地域資源の活用は具体的に何をすればよい?

要件(6)の地域資源の活用について、具体的にどのような取組を行えばよいかわかりにくいという声があります。

厚生労働省の令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)では、地域資源の活用について、平成18年3月31日付の老計発第0331005号等の通知第2の5(12)で例示された取組が示されているとしたうえで、「定期巡回随時対応型訪問介護看護事業所、(看護)小規模多機能型居宅介護事業所が日常的に行う様々な取組のうち、当該事業所の地域での役割を踏まえ実施されるものは、通知に例示する取組以外のものであっても、本要件における『地域資源を効果的に活用し、利用者の状態に応じた支援を行うための取組』に該当し得る」とされています。

特定の取組に限定されるわけではなく、地域の実情に応じて幅広く検討できる要件です。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)問146(令和6年3月15日)

市町村や地域団体と共同で行う事例検討会・研修会も対象になる?

要件(8)の事例検討会・研修会の共同実施について、市町村や地域団体と共同で行うものも評価対象になるのか、という論点があります。

厚生労働省の令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)では、「市町村が実施する事例検討会・研修会等や、地域の介護事業者団体等が複数の事業者等と共同で行う事例検討会・研修会等であっても、本要件における『地域住民等、他事業所等と共同で事例検討会、研修会等を実施していること』に該当し得る」とされています。

ここでいう「共同」とは、地域住民、民間企業、他の居宅サービス事業者など、複数の主体が参画していることを指します。事業所単独で開催する研修会とは区別される点に注意が必要です。

参照:「厚生労働省 令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)問147(令和6年3月15日)

まとめ

総合マネジメント体制強化加算は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、介護予防小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護を対象に、地域包括ケアシステムの担い手としての取組を評価する加算です。2024年(令和6年度)改定で、改定前の1,000単位/月から、加算Ⅰ(1,200単位/月)と加算Ⅱ(800単位/月)の2区分に再編されました。

加算Ⅰ・Ⅱの算定要件は、サービス種別ごとに異なります。要件(1)はすべてのサービスで共通ですが、要件(2)〜(10)はサービス種別や算定区分によって対象が分かれているため、自事業所がどの要件に該当するかを丁寧に確認しましょう。

算定にあたっては、要件を満たしていることを示せるよう、日常業務のなかで記録を整理しておくことが重要です。厚生労働省Q&Aでは、一部の論点について、既存記録で確認できれば足りる旨が示されています。本記事を参考に、自事業所の体制を見直してみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
シフトライフ編集部
Shift Life編集部

介護現場での実務経験を持つライターと、介護報酬・制度に精通した編集スタッフが連携し、現場で役立つ情報をお届けしています。
制度・加算に関する情報は、厚生労働省・自治体などの公的機関が発行する一次情報を優先的に参照し、掲載前にファクトチェックを実施しています。

 
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