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【教えて!】 特養の夜勤の仕事内容とは。仕事は楽?大変?

特別養護老人ホームの夜勤の仕事内容とは

特養で働きたいと考えている方は、色々な事を考えると思います。
様々な勤務があり、特に気になるのが夜勤のことではないでしょうか。
夜勤はどんな仕事内容なのかな?」「やっぱり夜勤は大変?」と思われるでしょう。
特養での勤務20年の経験を元に介護福祉士が、特養の夜勤での仕事内容や、夜勤のざっくりとした流れ、どのようにしたら夜勤を続けていくことができるか等を解説します。
本記事が特養で夜勤を希望する方の参考となりましたら嬉しいです。

特養の夜勤の仕事内容

介護職の夜勤

特別養護老人ホームの夜勤の仕事内容について見ていきたいと思いますが、その前に特養に入所する利用者について理解することも大切です。

特養に入所している利用者の平均介護度は、平成30年では3.95との事です。
介護給付費分科会 R2.8.27 の資料より引用
ほとんどの利用者が生活するのに支援が必要でしょう。

ざっくりとした入所の利用者のイメージを挙げます。

・加齢や病気を患ったことで、介助者の支援がなければ寝たきり状態
・重度の認知症を患い、生活全般に支援が必要
・加齢や脳の病気を発症し、上肢や下肢を自力で動かすことができない。車椅子が手放せない

等です。

特養に入所している方は身体・精神上に支障があり、生活の支援が必要です。

ほとんどの利用者が身体に不自由があり、直接的な身体介護が必要となります。

ですから特養での夜勤の仕事は主に、「入所している利用者への身体介護が仕事になる」と思ってよいでしょう。

では身体介護の具体的な例を挙げていきます。

食事介助や水分介助

食事介助

利用者が自身で食事や水分を食べたり飲んだりできない場合、食事介助や水分介助を行います。

スタッフが主食や副食をスプーンですくい、利用者の口まで運び食べてもらいます。
同様にお茶も飲んでもらいます。

食事・水分を摂るという行為は生命を維持するに必要不可欠。
生活に最も必要ですよね。

反面、特養で生活する利用者にとっては食事介助や水分介助にはリスクもあります。

食事や水分の提供時にムセてしまい、誤嚥性肺炎につながる危険性もあるのです。

そのため利用者の様子をみながら、食事や水分を提供する技術や知識が必要ですね。

服薬介助

利用者自身で服薬ができない場合、介助し服薬しなければなりません。

薬を服用することは、患った病気の治癒・悪化しないよう予防する効果がありますよね。
食事や水分を摂ることと同じ位、服薬は大切なことです。

服薬介助の際は確実に行いましょう。

元気な利用者の場合、手掌に薬をわたせば服薬してくれる利用者もいます。
ただその際も注意が必要です。

手掌に薬をわたしたものの、手元がおろそかになって薬を飲みこぼしてしまう場合もあります。

元気な利用者の手掌に薬をわたす際も、しっかり飲み込みまで確認することが大切です。

排泄介助

介助を行わないと寝たきり状態の利用者や、尿意の訴えがない利用者はオムツ類を着用し、定時での排泄介助となるでしょう。
就寝時、早朝に排泄介助を行うイメージです。

尿量の多い利用者の場合は、就寝時・早朝以外に排泄介助を実施。
排泄介助を行わないと、シーツ類まで尿を汚染してしまうケースが多いためです。

尿量の多い利用者の方は配慮しましょう。

尿意のある利用者はコール等で呼ばれるため、臥床したところから車椅子を用いてトイレまで誘導。
トイレでズボンを下ろし、便座に座ってもらいます。

トイレで排泄をされるとコールで押してくれるので、トイレの後始末・ズボンを整えます。
トイレ後は臥床してもらうイメージですね。

排泄介助の事例としては以上のようになります。

体位交換

特養に入所している利用者は、自身で寝返りすることができない方もいます。

寝返りができない利用者に対して、定期的に体位変換を実施。
多くの特養では約2~3時間位のペースで体位変換を行っているでしょう。

定期的な体位変換を行うことで、床ずれの予防につながります。

また利用者によっては、自身の唾液や痰等でむせてしまう方もおります。

むせてしまうことから、誤嚥性肺炎につながるリスクもあります。

体位変換時にしっかり側臥位にする必要性があるでしょう。
しっかりした体位変換は、誤嚥性肺炎を予防することができます。

コール対応

コール対応も重要な仕事です。

利用者は夕食後に居室へ戻り就寝される方が多いです。
自身の思いを伝えることができる利用者は、居室にあるコールボタンを押すなどして教えてくれます。

その場合、利用者からの呼び出しに応対します。
スタッフ待機所のコール対応機で応対したり、携帯のPHS等で応対したりします。

一番多いのは「トイレに行きたい」という排泄の訴えでしょう。

コール対応機やPHSで応対するだけでなく、実際にコールのあった居室まで向かい、コールのあった利用者と応対することも大切です。
利用者は高齢であるため、耳が遠いことが多いのです。

コール対応は、丁寧に行うことが大切ですね。

巡視と利用者の様子観察

利用者が居室で就寝されてからは、定期的な巡視と様子観察を行います。

利用者はご高齢のため、体調を崩すことが少なくありません。

また認知症を患っている利用者は、排泄の不快感から着用した尿取りパットを外してしまうことも頻繁にみられます。
巡視は1時間~2時間位の間隔で実施している施設が多いでしょう。

発熱などで体調がすぐれない利用者は、継続的に様子観察が必要です。
利用者の反応、バイタルチェックを行い利用者の容態に留意します。

落ち着かない利用者(不穏者)の対応

特養には認知症の利用者も多い施設もあるでしょう。

落ち着かない利用者(不穏者)の対応も特養の夜勤では重要です。

認知症を患っている利用者は夜間になると「家に帰りたい」と言われ、落ち着かなくなる事が多いのです。
その利用者の話を傾聴し、安心する声かけをする必要があるでしょう。

認知症を患っている方で落ち着かなくなる利用者には、寝つきを良くする薬が処方されていることが多いです。

対応が心配な場合は、先輩スタッフがどのような対応をしているかアドバイスなどもらうと良いでしょう。

記録業務

利用者の方で「体調不良があった」「転倒してしまった」等の際、記録を行います。

時系列・要点をまとめる等で記録していきます。
客観的でわかりやすい表現を心掛けましょう。

特養の介護職員の夜勤のシフトとは?

介護

特養で働く夜勤のシフトは、大きく分けて2つのパターンがあります。

2交代制夜勤の場合

日勤帯(9時~18時)、夜勤帯(17時~翌日10時)と日勤帯と夜間帯を分けた夜勤です。

16時間~17時間を想定した長時間の夜勤シフトです。

3交代制の夜勤

日勤帯(7時~16時)、遅番(14時~23時)、夜勤帯(22時~翌7時)
の3交代制で対応。

この時の夜間帯のシフトとなります。3交代の場合、8時間の勤務で1時間の休憩となります。

特養の夜勤のスケジュール(仕事の流れ)

特養の夜勤のスケジュールについてご説明していきます。

2交代制と3交代制と、別にして説明していきます。

2交代制の夜勤の場合

特養の多くは2交代制かと思います。
わかりやすく夜勤の仕事の流れをご紹介します。

①申し送りを受け、利用者の方の情報収集。
②夕食や水分を提供する。適宜、介助する。夕薬の服薬。
③夕食後の排泄介助
④就寝介助
⑤適宜、コール対応
⑦巡回や様子観察、夜間の排泄介助、体位変換
⑧早朝の排泄介助
⑨起床介助、身だしなみを整える
⑩朝食や水分を提供する。適宜、介助する。朝薬の服用
⑪記録業務(夜勤帯で、適宜、記録していく)

という流れになります。

3交代制の夜勤の場合

3交代制の場合、夜勤の仕事の流れは以下です。

①申し送りを受け、利用者の情報収集。
②適宜、コール対応
③巡回や様子観察、夜間の排泄介助、体位変換
④早朝の排泄介助
⑤起床介助、身だしなみを整える
⑥記録業務(夜間帯で適宜、記録していく)

という流れになります。

2交代夜勤と3交代の夜勤では勤務時間は違いますが、実施する内容は相違ありません。

特養の夜勤は楽?大変?

その施設によって16時間である長丁場の夜勤や、普段は寝ている深夜帯での夜勤であるため、体力的には大変です。
また夜勤では勤務スタッフも少なく、3交代制の夜勤では1人で対応する事もあります。

しかし夜勤ではほとんど利用者が入眠されており、落ち着かない利用者や体調不良の利用者がいなければ、落ち着いた夜勤になるでしょう。

夜勤の仕事としては、食事の援助・排泄の援助、就寝や起床の援助が大きなウエイトを占めます。
仕事の流れもハッキリしているので、慣れてくれば仕事の先読みができるでしょう。

そうすれば夜勤の際、効率的に仕事をこなすことができます。

特養の夜勤は体力的に大変ですが、慣れてくると先読みができるので仕事がしやすくなる傾向があります。

従来型特養とユニット型特養どちらの夜勤がきつい?

特養には、従来型特養とユニット型特養の2種類があります。
従来型特養とユニット型特養どちらの方が働きやすいのかが気になるでしょう。

それぞれの特徴をご紹介します。

従来型特養の特徴

従来型特養の特徴を、おおまかに挙げます。

・利用者が多いが、働く介護職員も多い
・働く職員が多いため、仕事をフォローしてもらえる。反面、仕事をリズム良くこなせないと批判される場合がある
・利用者が多いため、利用者同士のトラブルが起きやすい。そのためスタッフが予想しないところでトラブルが発生することがある

ユニット型特養の特徴

ユニット型の特徴を、おおまかに説明します。

・完全個室のため、プライベートが保たれる
・10人を1ユニットで対応するので、少人数のケアを実践。個別ケアが行える
・利用者が少人数のため、利用者同士のトラブルが少ない
・夜勤等で1名対応の時間帯が発生するため、心細い事がある

従来型特養・ユニット型特養、ともに、メリット・デメリットがあります。

メリット・デメリットを勘案して、どちらで働くか考えてみてはいかがでしょう。

特養の大変な夜勤を続けていくポイント

介護職

ここまで記事を読んでいただいて、特養での夜勤の仕事内容についてイメージを持っていただけたのではと思います。

しかし体力的にはキツイ夜勤です。

ここからは、どのようにしていけば特養での夜勤を続けていくことができるか説明していきます。

夜勤前は体調を整えておく

やはり夜勤の前日はしっかり休み、体調を整えておくべきでしょう。

20代の若い方でも過信せず、しっかり休み夜勤に備えるべきです。
特養での仕事は、身体介護が中心である事を伝えさせていただきました。

知らず知らずのうちに、疲れは溜まるものです。
しっかり休みましょう。

睡眠もしっかりとることを忘れずに。

仮眠時はしっかり休む

仮眠時はしっかり休んでください。

利用者が落ち着かなかったり、体調不調者がいると疲労の蓄積が高まります。
結果、ミスにつながることも珍しくありません。

休める時は、しっかりと休みましょう。

利用者の特徴を把握する

利用者の排泄のパターンや、利用者が不穏時にどのような対応をしたら落ち着いたか等、しっかり把握しておきましょう。

利用者の行動や関わった事を覚えていくと、利用者の特徴を把握することができます。
結果、利用者の行動を把握することができ、どのような対応をすれば良いかがわかってきます。

利用者の特徴を把握することに努めましょう。

自身で抱えこまない

介護職は真面目で優しい方が多いです。あなたもそうではないでしょうか。

そういった場合、

「ほかのスタッフに迷惑をかけたくない」

という気持ちが働き、あなた自身で物事を抱え込んでしまうことがあるのではないでしょうか?

そういった場合、疲弊してしまいます。
バーンアウトにつながる可能性もあります。

自分で体力的に厳しい介助の際等は、素直に他のスタッフに助けてもらうことも大切になります。

特養の仕事が向いている介護職は?

ここからは特養の仕事や夜勤が向いている方をご紹介します。

体力のある人

やはり体力がないと、特養の仕事や特養の夜勤はこなせないと思います。

一人二人の移乗介助でヘトヘトになっていたら、特養の仕事は向かないと思います。

20歳代・30歳代の方は体力があると思うので向いていると思います。
40歳代・50歳代の方でも体力に自信のある方も向いているでしょう。

判断が早い人

決断が早い人は特養で働くこと・特養の夜勤に向いていると思います。

特養では少ないスタッフ数で利用者をみているため、事故等が起こった際に迅速に対応していく必要があります。

対応が滞ってしまうと、次の仕事に支障がきたしてしまいます。
決断が早い人は、特養で働くことに向いていると思います。

報連相をしっかり行える人

報連相をしっかり行える人は、特養で働くことに向いているといえます。
介護職はチームで働いているため、情報の周知や徹底が必要です。

夜勤で働いている時は、さらに報連相の重要性は増大します。

報連相をしっかり行える人は、特養で働く事や特養の夜勤に向いています。

収入アップを望んでいる人

特養の夜勤を行い収入アップを望んでいるあなたは、モチベーションが高いと思います。
やる気に満ち溢れているため、勉強熱心ではないでしょうか。

夜勤の仕事へ真摯に向き合い、習得していくと思います。

まとめ

この記事では、特養夜勤のことについて説明いたしました。

できるかぎり「特養での夜勤の仕事について」網羅的かつ具体的に説明させていただきました。

本記事が特養の夜勤に興味を持ち、夜勤を始めるきっかけになっていただければ幸いに思います。

「特養で働くことに向いてい介護職は?」
に一つでも該当したら、介護職に向いていると考えます。

特養での20年の勤務経験を元に、特養の夜勤の仕事内容や勤務が向いている介護職、向かない介護職について解説をしました。
少しでもご参考になればと思います。

なお他にも、本記事内に関連する記事がありますのでご紹介します。
特に報連相に関しては特養での勤務に限らず重要と思います。

ぜひご覧ください。

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この記事の執筆者
Toki

保有資格: 介護福祉士 介護支援専門員

特別養護老人ホームに20年以上勤務。
経験を生かし、分かりやすい記事執筆を心がけています。

 

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