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【教えて!】認知症介護基礎研修が2024年から義務化!対象者や研修内容、費用を解説!

認知症介護基礎研修とは

超高齢社会を突き進む日本では高齢化とともに認知症患者が増加
適切な認知症ケアを提供するため、スキル向上と専門知識の普及を目指し、2024年から認知症介護基礎研修が義務化となりました。
認知症介護基礎研修を受講することで、認知症患者への理解を深め、適切な対応を学ぶことができるでしょう。
 
本記事では、認知症介護基礎研修について、対象者や研修内容、費用などについて詳しく解説します。
あわせて義務化の背景や研修が免除されるケースについても説明しますので、ぜひ参考にしてください。

認知症介護基礎研修とは

認知症介護基礎研修について学ぶ介護職

認知症介護基礎研修とは、

無資格の介護士が認知症への理解を深め、基礎的な知識やスキルを習得するための研修

です。

質の高いケアや適切なサポートを行うことで、認知症の方とその家族のQOL(生活の質)を向上できますが、実現するには適切な人材育成が必要となります。

認知症ケアが実践できる人材育成を目的に、2015年に策定された「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」に基づき、創設されたのが認知症介護基礎研修です。

参照:認知症介護研究・研修仙台センター 認知症介護基礎研修、実践研修等のあり方およびその育成に関する調査研究事業報告書

参照:認知症施策推進関係閣僚会議 日認知症施策推進大綱

認知症介護基礎研修はいつから義務化?

認知症介護基礎研修は、2021年〜2023年の3年間は経過措置期間となり、その期間の受講は努力義務です。

2024年4月以降は、無資格の介護職員に対して完全に受講が義務化されます。

また新規採用、中途採用を問わず、採用後1年間は猶予期間が設けられ、採用後1年を経過するまでに認知症介護基礎研修を受講する必要があります。
開催状況を確認し、受講のタイミングを検討しましょう。

義務化の背景

超高齢社会の日本では、2025年には約675万人、5.4人に1人が認知症になると予測されています。

介護の仕事は、無資格・未経験からでも働くことができるため、認知症介護の知識やスキルを持たないまま介護サービスに従事してたり、不適切な認知症ケアが行われているケースも少なくありません。

認知症患者への介護は、通常の介護よりもさらに細やかな配慮や専門性の高いケアが求められ、適切な介護を行うためには、認知症に関する正しい知識やスキルが必要です。

特に未経験や無資格で仕事を始めた介護職員は、認知症患者への対応に戸惑うこともあるでしょう。

そこで、認知症ケアの理解を深め、認知症介護の質の向上と適切なケアの実践を目指すために認知症介護基礎研修が義務化されました。

認知症介護基礎研修はいつまでに受講する必要がある?

2021年度の介護報酬改定により、無資格の介護職員に対して、認知症介護基礎研修の受講が義務となり、2024年3月31日までは、経過措置期間です。

2024年4月からは、完全に義務化されるので、2024年3月31日までに受講する必要があります。

また新規採用・中途採用をされた方は、採用後1年間は受講猶予期間となりますが、1年以内に研修を受講しなければいけません。

認知症介護基礎研修の対象者

認知症介護基礎研修を受講しなければいけない人は、どんな人なのでしょうか?

ここでは、認知症介護基礎研修の対象者と免除される人についてみていきましょう。

対象者

認知症介護基礎研修は、「介護に直接携わる職員のうち医療・福祉関係の資格を有さない方」が受講対象者となります。

訪問系サービス(訪問入浴介護は除く)、福祉用具貸与、居宅介護支援以外の全サービスです。

また、認知症サポーター等養成講座の修了者や医療・福祉関連の資格を持たない外国人介護職員は、義務付けの対象外とはならず、認知症介護基礎研修を受講する必要があります。

免除される人

認知症介護基礎研修の義務付け対象とならない人は、以下各資格やカリキュラム等において、認知症介護に関する基礎的な知識及び技術を習得している人です。

受講が免除される資格

認知症介護基礎研修の受講が免除される資格は、以下のとおりです。

看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、生活援助従事者研修修了者に加え、介護職員基礎研修課程又は訪問介護員養成研修一級課程・二級課程修了者、社会福祉士、医師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、管理栄養士、栄養士、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師等

受講が免除される研修

認知症介護実践者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護指導者研修等の認知症の介護等に係る研修を修了した人

受講が免除されるその他の条件

養成施設や福祉系高校を卒業し、卒業証明書及び履修科目証明書で認知症に係る科目を受講していることが確認できる人
人員配置の基準上、従業員数に算定される従業者ではない人や、介護に直接携わる可能性がない人
EPA介護福祉士、在留資格「介護」等の医療・福祉関係の有資格者である外国人介護職員

参照:厚生労働省 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A Vol.3(令和3年3月26日

参照:厚生労働省 介護保険法施行規則第 140 条の 63 の6第1号に規定する厚生労働大臣が定める基準についてVol.945(令和3 年3月19 日)認知症介護基礎研修(基準告示第 10 条)

認知症介護基礎研修を受けないとどうなる?

認知症介護基礎研修の受講が完全義務化されるのは2024年4月からです。

2024年3月までは、経過措置期間として研修は努力義務となり、研修を受講していなくても介護職員として働けないわけではありません。
また、認知症介護基礎研修は介護職員ではなく介護事業者に課されているものです。

2024年4月以降、無資格の介護職員を雇用しているにもかかわらず受講の配慮をしない介護事業者に対しては、行政指導や行政処分の対象となる可能性があります。

認知症介護基礎研修の内容、費用

認知症介護基礎研修は、認知症ケアの基礎的な知識やスキルを身に着ける研修ですが、仕事をしながら研修を受講する方は多いものです。

受講時間が長かったり受講費用が高額だと、仕事やプライベートにも影響があるため、研修内容や受講費用について気になる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、認知症介護基礎研修の内容や受講に必要な費用について説明します。

研修カリキュラムとスケジュール

認知症介護基礎研修は、「認知症の人の理解と対応の基本」について学び、研修カリキュラムは以下の4項目です。

認知症介護基礎研修 研修カリキュラム

・認知症の人を取り巻く現状
・具体的なケアを提供する時の判断基準となる考え方
・認知症の人を理解するために必要な基礎的知識
・認知症ケアの基礎的技術に関する知識と実践上の留意点

また、学習内容については以下のとおりです。

認知症介護基礎研修 学習内容

・本人主体のケアに必要な考え方や知識を習得
・認知症の定義や原因疾患別の特徴などの知識
・認知症ケアや認知症の症状が生活や心理面に与える影響を理解
・具体的な事例動画などを題材に症状の背景や根拠、具体的なコミュニケーションやケアの方法を理解

各章の学習が終了した後、確認テストがあり、合格することで次の章を受講でき、すべての章の学習が終了すると受講修了です。
試験は実施されず、決められたカリキュラムをすべて修了した方には、受講修了証書が交付されます。

受講時間は、おおむね150分程度で、1日で修了する研修です。
受講の負担は少ないですが、確認テストや自己学習の時間など個人差が生じます。

実施主体によって詳細なスケジュールが異なる場合がありますので、受講前に確認するようにしましょう。

参照:認知症介護情報ネットワーク

参照:認知症介護基礎研修シラバス

難易度は?

認知症介護基礎研修は、医療・福祉の資格を取得していない方や未経験の方を対象にした研修です。

認知症ケアについて、ゼロから基礎的な知識やスキルを学ぶカリキュラムになっているので、難易度はさほど高くなく、研修内容もわかりやすくなっています。

他の資格と比べると、受講しやすい研修といえるでしょう。

受講費用

認知症介護基礎研修の受講費用は、研修を実施する自治体や団体によって異なりますが、テキスト代や受講費を含めて3,000円〜5,000程度が目安です。

実施主体者が自治体の場合、受講料は無料ということもありますが、別途テキスト代が必要な自治体もあります。

認知症介護基礎研修の実施はeラーニングの自治体も多い

自宅でeラーニングで学習する介護職

認知症介護基礎研修の受講方法は、eラーニングや対面研修など各自治体や団体によって異なりますが、多くの自治体がeラーニングを活用して実施しています。

eラーニングの実施が多い背景には、以下3つの理由があげられます。

・仕事の都合がつけやすいため受講のハードルが低い
・時間や場所に制約されずに学習できる
・個々のペースに合わせて学習を進められる

忙しい介護従事者にとって、eラーニングで認知症介護基礎研修を受講できることは、受講の負担が少なく効率的に学べる点がメリットといえますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
認知症介護基礎研修について、対象者や研修内容、費用、義務化の背景などについて解説しました。

一言で認知症といっても症状や対応方法は様々ですが、資格や経験のない介護職にとっては、苦慮することも少なくありません。

その人に合ったケアを提供するためには、認知症に関する理解を深めることが重要です。

認知症ケアの不安を解消し、適切な対応と安心感を与えるケアを学ぶための認知症介護基礎研修を受講し、介護職員として活躍していきましょう。

この記事の執筆者吉田あい

保有資格:社会福祉士・介護福祉士・メンタル心理カウンセラー・介護支援専門員

現場、相談現場など経験は10年超。
介護現場(特別養護老人ホーム・デイサービス・グループホーム・居宅介護支援事業所)、相談現場を経験。

現在はグループホームのケアマネジャーとして勤務。

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