高齢者が意欲的に取り組める頭の体操や脳トレを提供するのは、介護職にとって大変な業務の1つです。
「利用者が楽しみながら参加できる頭の体操を探している」
「人手が足りないときでも、簡単にできる脳トレを知りたい」
と、お困りの介護職や現場管理者も多いでしょう。
この記事では、頭の体操や脳トレに期待できる効果を解説してから、8種類のレクリエーションを紹介します。高齢者に楽しんでもらうポイントや注意点もまとめました。
今回紹介する内容には、高齢者がご自宅で簡単に取り組める頭の体操や脳トレもあります。在宅介護に取り組まれている家族の方もぜひご覧ください。
目次
高齢者向け頭の体操・脳トレに期待できる効果とは?
高齢者向けの頭の体操や脳トレに期待できる3つの効果を紹介します。
1.認知症の予防効果
2.コミュニケーションの活性化
3.ストレス発散
認知症の予防効果
頭の体操や脳トレの中には、記憶力や判断力をトレーニングするメニューがあります。これらに継続的に取り組むことで、認知機能の低下防止や改善効果を期待できるのです。
記憶力、判断力、言語能力、理解力といったものごとを認識するために必要な脳の機能
体を動かさずにじっと動かずにいると、体の関節が硬くなったり筋肉が衰えたりしますよね。これと同じように、人間の脳も活動をしない状態が長期間続くと、その働きが鈍くなっていくおそれがあります。
そこで、頭の体操や脳トレを活用して脳の活性化を促し認知症や軽度認知障害(MCI)の予防にいかすのです。認知症とは、病気や障害などにより脳の認知機能の働きが低下し、日常生活に支障をきたしている状態を指します。
また、認知症には該当しないものの、認知機能に軽度の低下が認められる状態は軽度認知障害(MCI)と呼ばれています。
参考:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター「MCI ハンドブック」
頭の体操や脳トレによって脳の活動を促す機会を設けて、認知症の発症や進行のリスクを低減していきましょう。
コミュニケーションの活性化
頭の体操や脳トレには、職員や他利用者とのコミュニケーションを活発にする効果も期待されています。
同じ問題に取り組み一緒に正解を考えることで、自然とお互いのコミュニケーションが円滑になるのです。
デイサービスなど介護施設に通う方なら、「顔見知りができた」「話し相手が見つかった」などと他者と交流する機会を持てるでしょう。
他者と交流する機会を持つことは、高齢者の孤立感の解消や日常生活における意欲の向上につながる可能性も期待できます。
孤立感の解消も認知症予防に効果的な施策の1つです。
ストレス発散
頭の体操や脳トレは、ストレスの発散にも効果的です。
たとえば、むずかしい問題を解けたとき、1つの課題を最後までやり遂げたとき、高齢者は大きな満足感や達成感を得られます。
実際に筆者がデイサービスで出会った利用者Aさんは、クロスワードパズルを解いたあとのコーヒーが最高に美味しいと話されていました。
頭の体操や脳トレのよいところは、特別な道具がいらない点です。机と紙があれば手軽にはじめられるため、頭の体操や脳トレは、日々のストレス解消に役立つのです。
高齢者向け頭の体操・脳トレ8選
高齢者向けの頭の体操・脳トレを8つ厳選してご紹介します。
歌謡曲、唱歌、童謡クイズ①
歌謡曲、唱歌、童謡クイズは、歌と楽器を組み合わせた頭の体操です。
難易度 | やさしい~普通 |
準備するもの | 椅子 音楽プレイヤー CDなどの音源 歌詞を記載したホワイトボード(歌詞カードでも可) 楽器(鈴、タンバリン、カスタネット、笛など) |
必要な職員 | 2人 |
活動時間 | 30分 |
向いている高齢者 | どなたでも |
期待される効果 | 記憶力、集中力、注意力、判断力、言語能力 |
歌謡曲、唱歌、童謡クイズでは、参加者に鈴やタンバリンなどの楽器を一つずつ持ってもらい、音楽にあわせて楽器を鳴らします。
「ゆきやこんこ」を例に挙げてみましょう。
(〇)=鈴を鳴らす
(△)=タンバリンを鳴らす
(◇)=カスタネットを鳴らす
ゆきやこんこ (〇)あられやこんこ (〇)
降っては降っては (△)ずんずんつもる (△)
山も野原も(◇) わたぼうしかぶり (◇)
枯木のこらず 花が咲く (〇、△、◇)
楽器を2種類以上用意すると、タンバリングループ、カスタネットグループのように役割を分担できます。まるで合唱コンクールのように、参加者全員で楽曲を演奏した気分になれますよ。参加者に唄ってもらうと、嚥下機能の訓練にもなるでしょう。
楽器が足りない場合や楽器を鳴らすのがむずかしい方がいる場合は、手拍子を入れてみてください。
歌謡曲、唱歌、童謡クイズ②
歌謡曲、唱歌、童謡クイズに体の動作を入れると、脳と体の両方を動かせる頭の体操になります。
難易度 | やさしい |
準備するもの | 椅子 音楽プレイヤー CDなどの音源 歌詞を記載したホワイトボード(歌詞カードでも可) |
必要な職員 | 2人 |
活動時間 | 30分 |
向いている高齢者 | どなたでも |
期待される効果 | 記憶力、集中力、注意力、判断力、言語能力 |
歌謡曲、唱歌、童謡クイズ②では、音楽にあわせて体を動かしていきます。
「幸せなら手をたたこう」を使った方法をみていきましょう。
幸せなら手をたたこう(パンパンと手を2回たたく)※
幸せなら手をたたこう※
幸せなら手をたたこう※
幸せなら態度で示そうよ
ほら みんなで手をたたこう※
坂本九さんの「幸せなら手をたたこう」では、「足ならそう」「肩たたこう」「ほっぺたたたこう」「ウインクしよう」など、さまざまな体の動作に関する歌詞が出てきます。
足を鳴らしたり肩をたたいたりと、原曲どおりに進行しても、有効な脳トレになるでしょう。原曲を知りたい方は、「幸せなら手をたたこう」で歌詞を検索してみてください。
上記の「~しよう」の箇所をアレンジすることで、さらに歌と体の動作を使った脳トレになります。たとえば、「幸せなら 笑いましょう」といって「あっはっは」と笑い声を上げたり、「幸せなら バンザイしよう」といってバンザイしたり。参加者の方にウケそうな動作がないか探してみましょう。
歌謡曲、唱歌、童謡クイズには、ほかにも認知機能に働きかける脳トレがあります。下記の記事からやり方やコツを確認してみてください。
認知症の予防には、運動不足の改善や社会的孤立感の解消が効果を発揮する可能性が指摘されています。音楽と運動を上手に組み合わせて脳トレを実施してみましょう。
参考:厚生労働省|認知症施策推進大綱
しりとり(言葉遊び)
日本人なら誰にでもなじみがあるしりとり。出題方法を工夫することで、楽しみながら取り組める脳トレになります。
難易度 | やさしい~むずかしい |
準備するもの | 椅子 ホワイトボード |
必要な職員 | 1人 |
活動時間 | 20分 |
向いている高齢者 | どなたでも |
期待される効果 | 記憶力、想像力、言語能力 |
ここでは「漢字しりとり」「時間制限しりとり」「文字制限しりとり」を紹介します。
漢字しりとり
漢字しりとりは、普通のしりとりと異なり「語尾の漢字」を使ったしりとりです。
たとえば、「富士山」は普通のしりとりなら語尾に「ん」がつくため失敗です。しかし、漢字しりとりでは、以下のように続けられます。
富士山※→山頂→頂上→上手→手芸→芸術→術式→式典(しきてん)→典型(てんけい)
漢字しりとりは、漢字が思いつくかぎりどこまでも続けられる頭の体操です。
参加者がルールに戸惑わないように、職員は「『ん』がついても続けられますよ。どんどん考えてみましょう」と、声をかけてみてくださいね。
時間制限しりとり
時間制限しりとりは、回答時間に制限を設けて参加者を焦らせることで、脳の活性化を促す脳トレです。
制限時間は10秒から20秒の間がよいでしょう。
普通のしりとりと同じように、同じ言葉を使用するのは1回までです。
りんご→ごま→まんじゅう→うさぎ→義理(ぎり)……
上記のように開始間もない頃はスムーズにしりとりが続くかもしれません。
しかし、だんだん語句が出そろってくると、なかなか答えが出なくなりますよ。
「〇〇さん、あと5秒です!早く答えてください」と、あえて職員が焦らせることで、参加者はハラハラ・ドキドキするような体験ができます。
文字制限しりとり
文字制限しりとりは、普通のしりとりに文字制限を設けるしりとりです。
「〇文字までの言葉で、しりとりをします」というように、文字数に制限を設けます。
たとえば「3文字まで」と限定した場合、以下のようになります。
しりとり→理性(りせい)→いちご→ごりら→ラッパ→パンツ→つり……
「〇文字限定」と、文字数を決めてしまうのもおすすめです。
しりとり→料理(りょうり)→輪郭(りんかく)→空洞(くうどう)→うんどう……
単純なしりとりにルールを設けると、想像力や言語能力を必要とする脳トレに生まれ変わります。ぜひ試してみてください。
指折り・指回し体操
指折り体操・指回し体操は、本格的なレク前のウォーミングアップとしても活用できる頭の体操です。
無意識に使っている指を意識的に使うことで脳の活性化を促します。
難易度 | やさしい~むずかしい |
準備するもの | 椅子 |
必要な職員 | 1人 |
活動時間 | 5~10分 |
向いている高齢者 | どなたでも |
期待される効果 | 集中力、注意力 |
まずは指折り体操のやり方です。
1.職員は、自分の手元が参加者に見える位置に立つ
2.参加者に向けて、両手の指をパーにした状態を示し「これから指の体操を行います」とアナウンスする
指折り体操①
1.「1、2、3、4、5」と数えながら、親指から順番に小指まで指を折る
※「5」まで数えたとき、両手はグーの状態になる
2.「6、7、8、9、10」と数えながら小指から指を開いていく
※最後、両手はパーの状態になる
やり方をアレンジして、小指から開始しても構いません。
指折り体操②(右手と左手で別々の指を折っていく体操)
1.「右手は親指から折ります。左手は小指から折ります」とやり方を説明する
2.「1、2、3、4、5」と数えながら、右手の親指から折っていく。同時に、左手は小指から折っていく。
※右手と左手で別々の指を折っていく
3.「6、7、8、9、10」と数えながら、右手は小指から開いていく。左手は親指から開いていく
①の体操をラクラクできる方が多ければ、指を折るスピードを早くしてみましょう。
②の体操がむずかしい場合は、指を折るスピードをゆっくりにしてみてください。
続いて、指回し体操のやり方です。
1.両手の指と指をくっつける
2.親指を離して、残りの指はくっつけたまま、両手の親指をクルクルと回す
3.親指→人差し指→中指→くすり指→小指の順番で指を回していく
※指回し体操は、繰り返して行うことで指がほぐれて回しやすくなります。休憩をはさみながら、上記のルーティーンを2回以上繰り返してみましょう。
漢字問題、計算問題
漢字問題や計算問題は、頭の体操や脳トレの定番メニューです。
インターネット上には、ダウンロード可能なテンプレートを提供しているWebサイトがあります。テンプレートを活用すると、ダウンロード後に人数分印刷すれば、脳トレを提供できるようになります。
業務多忙の介護現場など、短時間かつ少人数で脳トレを提供したいときにもおすすめの方法です。
ここでは、インターネットから漢字問題や計算問題をダウンロードできるおすすめのホームページを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
サービス名称 | 種類 | 料金形態 | 特徴 | お試し期間 |
レクシル | クイズ 塗り絵 漢字 ことわざ 計算 |
月額料金 | 介護レク・体操、動画、脳トレプリンとなど、幅広いサービスを総合的に提供している | 30日間の無料お試し期間あり |
シニアレク会館 | クイズ なぞり書き・書き写し 漢字 計算 |
月額料金 | パズル作家が楽しく脳トレに取り組めるように作成したテンプレートが揃っている | なし 個人利用の場合は無料 (※施設サービスとして提供する場合は有料となるが、施設側からの働きかけがない場合は無料利用できる) |
ちびむすドリル | 漢字 文章問題 ことわざ・四字熟語・慣用句 計算 |
無料 | 幼児、小学生、中学生を対象とした知育学習のオリジナルコンテンツサイト | なし (※無料配布の際は、サイト名やURL、イラストレーター・作者名は消さずに利用) |
早口言葉
早口言葉は、脳の活性化と同時に嚥下機能にも有効な脳トレです。
5分から10分ほどで実施できるため、毎日の食事前に提供してみましょう。
難易度 | やさしい |
準備するもの | 椅子 早口言葉が書かれた模造紙(ホワイトボードに書いても可) |
必要な職員 | 1人 |
活動時間 | 10分 |
向いている方 | どなたでも |
期待される効果 | 集中力、注意力、言語能力 |
高齢者の方が無理なく取り組める早口言葉を以下にまとめました。
・生麦生米生卵(なまむぎ、なまごめ、なまたまご)
・この竹垣に、竹立てかけたのは、竹立てかけたかったから、竹立てかけた
・隣の逆は、よく柿食う客だ
・バスガス爆発
・すももも桃も、桃のうち
・庭には、庭にわとりがいる
・坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた
読みやすいように読点を設けていますが、実施する際は早口にしましょう。
番外編:頭の体操や脳トレを実施する余裕がないときは
介護施設では、人手が足りなかったり業務が多忙だったりして、頭の体操や脳トレに必要なスタッフを確保できないケースがあります。
そんなときは、YouTubeの動画や番組が録画されたDVDなどを活用してみてはいかがでしょうか。
YouTubeの動画の中には、「見本役の人が高齢者に説明しながら、やり方や注意点を紹介する動画」があります。
職員と利用者の間に直接の交流こそ生まれないものの、認知機能をトレーニングする機会や体を動かす機会を提供することは可能です。
「人手が足りないけど、利用者に活動の機会を提供したい」という場合は、ITによるコンテンツも活用してみましょう。
・インターネット接続機能付きのテレビ(スマートテレビ)を活用する
・Fire TV StickやChromecastなどのストリーミングデバイスを使う
・パソコンとテレビをHDMIケーブルで接続する
なお、YouTubeの動画やDVDを活用する際は、利用者の転倒や転落などがないように、職員は必ず見守りを行いましょう。
高齢者に頭の体操・脳トレを楽しんでもらうコツ
高齢者に頭の体操や脳トレを楽しんでもらうコツは、脳トレの開始前に参加者の不安や心配を取り除くことです。
特に、はじめての頭の体操や脳トレをはじめるとき、参加者は以下の不安を感じやすくなります。
・脳トレって何をやるんだろう
・私にできるだろうか
・私は試されているのかもしれない
・恥をかきたくない
私たちも、心に何か不安や心配があると、物事を楽しめませんよね。頭の体操や脳トレをはじめるときは、まず参加者の不安や心配を取り除くようにしましょう。
参加者の不安や心配を取り除くためには、開始前の「導入部分」に力を入れるのがおすすめです。
たとえば、前述の歌謡曲、唱歌、童謡クイズ①なら以下のように説明してみてください。
「これから歌のクイズをはじめます。歌のクイズは、唱歌や童謡、昭和の歌謡曲を聞きながら、楽器を鳴らすレクリエーションです。音楽にあわせて体を動かすと、頭のトレーニングになって認知症を予防できますよ。どなたでもできるように考えていますので、安心して参加してくださいね」
このように、活動のタイトルや効果をはじめに説明してみましょう。
また、
「頭の体操や脳トレは、正解することが目的ではありません。考えることが一番の目的なんですよ。これから行う体操では、間違えることは決して恥ずかしいことではありません。」
と、脳トレの目的を説明する方法もおすすめです。
・軽い体操をしてから開始する
・昨日や今朝のニュース、今日の天気といった雑談からはじめる
・見本の職員がわざと間違える
・職員が率先して楽しむ
高齢者に頭の体操・脳トレを行うときの注意点やポイント
高齢者に頭の体操や脳トレを行うときの注意点を5つにわけて紹介します。
1.否定的な言葉や態度を避ける
2.参加者の特徴にあわせて難易度を決める
3.制限時間は「気持ち長め」に設定する
4.頭の体操や脳トレの内容を記録に残す
5.参加することも大事だが継続することはもっと大事
否定的な言葉や態度を避ける
高齢者に脳トレや体操を行うときは、否定的な言葉を避けて肯定的な言葉や態度を心がけましょう。
否定的な言葉とは、「間違えてはいけません」「失敗しないように」といった「~してはいけない」という言葉のことです。
否定的な言葉よりも肯定的な言葉を用いると、高齢者がリラックスして問題に取り組めるようになります。
たとえば、「間違えないようにしてください」といった声かけは「きっとできます」「落ち着いてやれば大丈夫です」といった「~できる」という前向きな表現に言い換えます。
繰り返しになりますが、「頭の体操は、考えることが大切です。正解しなくても大丈夫です」と、頭の体操や脳トレの目的を伝えるのもおすすめです。
参加者の特徴にあわせて難易度を決める
頭の体操や脳トレの難易度は、参加者の認知機能(理解力や記憶力)にあわせましょう。
問題が簡単過ぎたりむずかし過ぎたりすると、高齢者が参加をしぶったり参加してもやる気が出なかったりします。
全員参加型の頭の体操や脳トレの場合は、簡単な問題とむずかしい問題を一緒に出題する方法が効果的です。それぞれの参加者が「この問題なら自分でも答えられそう」と考える機会を持てるようになります。
個別に頭の体操や脳トレを行う場合は、あらかじめ難易度が異なるお題を用意しておきましょう。複数のお題を用意すると、レク当日に参加者にあわせて難易度を調整できますよ。
なお、利用者の認知機能を考えるときは、以下の方法を参考にしてみてください。
・フェイスシート、介護サービス計画書、施設ごとの計画書を参考にする
・介護主任、生活相談員、管理者等に意見を求める
・入浴介助や食事介助などの利用者の言動を参考にする
制限時間は「気持ち長め」に設定する
頭の体操や脳トレを行うときは、制限時間を長めに設定しましょう。
制限時間を長めにすると、参加者は気持ちに余裕をもって取り組めるようになり、集中力を維持しやすくなります。
結果、認知機能を十分に活用できたり他者とコミュニケーションする余裕が生まれたりするのです。
参加者の特徴や様子をみて、適切だと思う時間を設定しましょう。
頭の体操や脳トレの内容を記録に残す
脳トレの内容は、紙やデータに記録として残しておくのがおすすめです。
記録に残すことで、頭の体操や脳トレの効果を過去にさかのぼって確かめられるようになります。
また、「前回、こんな活動をしていたんですよ。脳トレは続けると効果が出てきますからやってみましょう」と、高齢者の意欲を引き出す方法としても活用できます。
ただし、全てのデータを記録に残すと膨大な作業量になりかねません。記録業務が個々のスタッフを圧迫しないように気をつけましょう。
たとえば、実施した頭の体操や脳トレを1ヶ月ごとに評価してみてはいかがでしょうか。利用者の感想や様子を1、2行ほどのメモに残しておき、1ヶ月の終了時点でまとめて評価します。
よい部分を残して悪い部分を改善すれば、より高齢者に喜ばれる脳トレになるはずです。
参加することも大事だが継続することはもっと大事
頭の体操や脳トレは、継続性が大切です。
続けて参加してもらうためにも、参加者に無理強いしないように気をつけましょう。無理強いすると「無理やり脳トレをやらされた。あそこにはもう行きたくない」と利用者から不満が出るおそれがあります。
当日のレク参加者、利用者のやる気や体力に応じて、無理のない声かけを心がけましょう。
まとめ
高齢者向けの頭の体操や脳トレを紹介しました。
頭の体操や脳トレには、認知機能を鍛える効果やストレス発散効果が期待されています。また、頭の体操や脳トレは他者とのコミュニケーションの促進剤にもなります。
ぜひ本記事の内容を参考にしていただき、自社の介護現場や利用者の方の特徴、希望にあわせて、効果的な頭の体操や脳トレを提供していきましょう。
この記事の執筆者 | 千葉拓未 所有資格:社会福祉士・介護福祉士・初任者研修(ホームヘルパー2級) 専門学校卒業後、「社会福祉士」資格を取得。 以後、高齢者デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設を渡り歩き、約13年間介護畑に従事する。 生活相談員として5年間の勤務実績あり。 利用者とご家族の両方の課題解決に尽力。 現在は、介護現場で培った経験と知識を生かし、 Webライターとして活躍している。 |
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