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【今さら聞けない!】通所介護(デイサービス)管理者と生活相談員は兼務できる?

デイサービスの管理者と生活相談員の兼務について

デイサービスで、介護職や生活相談員として働いている人の中には、「将来的には、管理者になりたい」と考えている人も一定数いらっしゃることでしょう。
中には、「今の仕事と管理者、両方やってみたい」という希望を持っている人もゼロではないと思われます。
しかし実際のところ、デイサービスの管理者と生活相談員、両方を兼務することは可能なのでしょうか?
 
この記事では、デイサービス管理者と生活相談員と兼務可能なのかどうか、管理者の勤務形態などについて解説します。
デイサービスにおける他職種の業務内容や人員配置についてもご紹介しますので、参考になさってください。

兼務の基本的事項について

辞書で「兼務」という言葉を調べると、「1人で2つ以上の職務を兼ねること」と出てきます。

デイサービス(通所介護)管理者の兼務とは、管理者が別の職種の業務も行うという意味になります。

厳密に言うと、管理者業務と別職種業務の時間帯は切り分けられません。
一日の勤務時間中に、両方の業務を同時進行で行う形となるのです。

なお、管理者は原則として兼務ではなく専従となっています。

詳しい内容はについては、次の見出しをご覧ください。

デイサービス(通所介護)管理者は原則、常勤専従

管理者とは、介護サービスの管理やスタッフのマネジメント、施設の運営管理、収支の管理、行政などの関係機関との連携などの役割を担う人のことです。

事業所によって、「施設長」、「サービス長」、「ホーム長」など呼び方はさまざまです。

デイサービスの場合、管理者を必ず1人は配置する必要があり、

原則専従

となります。

原則専従とは、勤務時間を通じて管理業務以外に従事しないことです。
しかし、管理上支障がない場合は、他職種が兼務可能とされます。

では、「管理上支障がない場合」とは、どういうことなのでしょうか?

「管理上支障がない場合」とは

管理上支障がない場合というのは、以下の2パターンの「いずれかに」あてはまる状態です。

①同一事業所内における兼務

「デイサービス管理者と生活相談員」や「デイサービス管理者と看護職員」などが該当します。

②他の事業所との兼務

「デイサービスと特別養護老人ホームの管理者」や、「デイサービスと居宅介護支援事業所の管理者」などが該当します。

他の事業所との兼務は、「両方の事業所が、同一敷地内に併設されている」など、地理的要件を満たした場合のみに限られますので、注意してください。

なお、①と②両方に該当する場合は、兼務が不可であることを覚えておきましょう。

デイサービス(通所介護)管理者が兼務可能なもの

前項でも述べた通り、管理上支障がなければ、管理者は兼務可能です。
しかし、管理者と兼務できる職種は限られています。

兼務できるのは以下の4職種です。

・常勤の生活相談員
・機能訓練指導員
・看護職員
・介護職員

それぞれの職種の業務内容について、簡単にみていきましょう。

1.常勤の生活相談員

デイサービス利用者さんや家族の悩みの相談を受けて、助言をします。
重要事項説明書や契約書の内容を説明し、同意を得ることも業務の一環です。

スタッフのリーダー的役割も担います。

2.機能訓練指導員

利用者さんが自立した日常生活を送るため、心身機能の維持や向上を目的としたリハビリを行うことが、業務内容です。

3.看護職員

利用者のバイタルサイン(※1)を含めた健康状態のチェック、服薬管理、医療的ケア(※2)などを行います。

memo

(※1)バイタルサイン:一般的には血圧、脈拍、体温、呼吸数のことを指す
(※2)医療的ケア:たんの吸引や、インスリン注射、人工肛門のパウチ交換などの処置
介護職員が行えるものもあるが、デイサービス内では看護師が行うものが多い。

4.介護職員

利用者さんに、入浴や食事、排泄等の介護を行う職種です。
また、レクリエーションの企画実施も業務に入ることが多く、事業所によっては送迎も担当します。

通所介護(デイサービス)に必要な人員配置基準

デイサービスの運営においては、人員配置基準が定められています。
基準が定められている職種は以下のとおりです。

・管理者
・生活相談員
・看護職員
・介護職員
・機能訓練指導員

1.管理者

事業所1か所につき1人配置が必要です。

管理者になるための資格要件は、特にありません。

しかし、介護サービス管理も業務に含まれているので、ある程度介護に関する知識や介護職の経験がある人が望ましいと言えるでしょう。

また、他職種や行政機関との連絡調整も業務に含まれるので、マネジメント経験やコミュニケーションスキルも求められます。

2.生活相談員

事業所1か所につき、1人以上の配置が必要です。

生活相談員の場合は、サービス提供時間分の配置が求められます。
6時間サービスを提供している事業所の場合、「6時間勤務者が1人」もしくは「3時間勤務者が2人」などの形です。

基本的な資格要件は、社会福祉士、社会福祉主事、精神保健福祉士の資格を有する人になります。

3.看護職員

10名以上の定員の場合、専従で1名以上必要です。
ただし常勤の決まりはありません。

看護職員という名称のとおり、看護師、准看護師の資格を有する人に限ります。

4.介護職員

利用者数15名までは、1名以上の配置が必要です。
15名を超える場合、以下の計算式で必要人員を算出します。
((利用者数-15)÷5)+1

利用者数30名のデイサービスの場合の計算式です。
((30-15)÷5)+1
=15÷5+1
=3+1
=4

結果、介護職員の必要人員は4名以上となります。

現段階では、資格要件は特にありませんが、2024年4月からは、認知症介護基礎研修の受講が完全義務化されます。

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5.機能訓練指導員

以下の資格保持者が、常勤で1人以上確保されていることが必要です。兼務でも差し支えありません。

看護師
准看護師
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
柔道整復師
あん摩マッサージ師
はり師またはきゅう師(※)

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(※)はり師またはきゅう師の場合:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、あん摩マッサージ指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で、6ヶ月以上機能訓練に従事した経験を有する者に限られます。

生活相談員の資格要件、兼務の要件は事前確認が必要

生活相談員の資格要件として、社会福祉士、社会福祉主事、精神保健福祉士の資格が必要と説明しました。
しかし、実際の資格要件は自治体によって異なる場合があります。

(例)北海道札幌市
介護福祉士
介護支援専門員

(例)千葉県
介護福祉士
介護支援専門員

(例)大阪府
社会福祉主事
社会福祉士
精神保健福祉士
介護福祉士
介護支援専門員

生活相談員として働きたい人は、勤務先がある自治体(都道府県もしくは市町村)の介護保険課にて事前に確認しましょう。

まとめ

この記事では、デイサービス管理者の兼務の可否、兼務の条件、兼務できる職種について解説いたしました。

結論から申し上げますと、一定の条件を満たせば勤務は可能です。
この「一定の条件」の根拠となるのが、人員配置基準となります。

人員配置基準を満たしていないことが明らかになると、介護報酬の返還や場合によっては行政処分の対象になります。

管理者の立場になると、人員配置基準や運営基準などを知っておかなくてはなりません。
管理者や生活相談員など兼務を考えている人は、今後のために知識を得ておくとよいでしょう。

この記事の執筆者
古賀優美子

保有資格: 看護師 保健師 福祉住環境コーディネーター2級 薬機法管理者

保健師として約15年勤務。母子保健・高齢者福祉・特定健康診査・特定保健指導・介護保険などの業務を経験。
地域包括支援センター業務やケアマネージャー業務の経験もあり。
高齢者デイサービス介護員としても6年の勤務経験あり。

現在は知識と経験を生かして専業ライターとして活動中。

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