シフト

最終更新日

【教えて!】小規模多機能型居宅介護のシフト表作成の問題点、作り方のコツを解説!

小規模多機能型居宅介護のシフト表作成の問題点

「小規模多機能のシフトをつくることになったけど、どうしたら良いかわからない」
「自由で柔軟なサービスすぎて、何をポイントにしたらいいの?」
 
そんなお悩みを持つ小規模多機能型居宅介護の管理者・シフト作成の方に向けて、シフト・勤務表作成におけるポイントを書きました。
 
柔軟であることは人員配置をするうえでは「悩み」かも知れませんが、ご利用者にとっては大きな「強み」です。
 
「そもそも小規模多機能ってどんなサービス?」という基本を再確認して、ご利用者、ご家族、職員にとって多様なシフト作りをしていく方法を一緒にみていきましょう。

小規模多機能型居宅介護とは

悩む介護職

「小規模多機能型居宅介護」は2006年に創設された地域密着型サービスです。1つの事業所で、複数のサービスを絶え間なく(24時間365日)提供しているため介護度が中重度になっても在宅生活が維持できるように柔軟な対応が可能です。

サービス内容

訪問、通所、宿泊をご利用者のニーズに合わせて必要な組み合わせで利用できます。たとえば「訪問は必要ないけど通所メインで、たまに泊まらせてほしい」という場合や、「訪問を重視して、通所は週に1回くらいで良い」などです。事業所にはケアマネジャーも常駐しているので、サービス内容の変更等も迅速です。

小規模多機能型居宅介護の大きな特徴は「それぞれのサービスを利用する際に、時間のしばりがない」ということです。

一般的な通所介護では「~時間、デイにいなければならない」ということが法律で決まっています。また、訪問介護では「~曜日の~時」と訪問時間があらかじめ決まっています。ところが小規模多機能型居宅介護では「いつ来て、いつ帰っても良い(もちろん送迎します)」、「気になった時にすぐ訪問する」ことができます。

また宿泊についても、人員と空きさえあれば「今日泊まる」ということが可能です。こういった柔軟なサービス提供が出来るのが大きな強みです。

利用定員

・1事業所の登録定員=29名以下
・通いの利用定員=最大18名まで
・泊まりの利用定員=最大9名まで

利用料金

小規模多機能型居宅介護は「月額定額制」です。介護度別の基本料金は以下となります(要支援1から要介護5までの方が利用可能)。

介護度 1か月あたりの利用料金目安
要支援1 3,438円
要支援2 6,948円
要介護1 10,423円
要介護2 6,948円
要介護3 22,283円
要介護4 24,593円
要介護5 27,117円

 
*同一建物に居住する者以外の者に対してサービス提供をおこなう場合
*地域単価10円で計算

上記は「基本介護サービス料金」で、これに各加算、実費(食費、おやつ代、宿泊費など)を加えて、1か月分の請求とします。

小規模多機能型居宅介護のメリット

小規模多機能型居宅介護のメリットは、たとえば下記のようなものがあります。

契約の手間がはぶける

単独の「訪問」「通所」「宿泊」サービスを利用する場合、それぞれの事業所と個別に契約をしないといけませんが、小規模多機能型居宅介護では1つの事業所と契約すれば完結します。

環境が変わらないため、安心感がある

すべてのサービスを同じ事業所の職員が対応するため、ご利用者にとっては安心感が得られやすいです。特に認知症状がある方には「同じ職員がケアしてくれる」「慣れた場所に通い、泊まれる」というのは環境を変えなくて良いというメリットがあります。

相談、連携が早い

ご利用者やご家族についての情報共有は1つの事業所内で出来るので、相談や連携対応が素早く出来ます。また、ケアマネジャーが常駐しているのでケアプランやサービス内容の変更が即時にできるのも魅力です。

緊急利用が可能

小規模多機能型居宅介護は時間のしばりがないので(人員や空き状況にもよりますが)、「急な訪問、通所、宿泊」対応ができます。

ご家族が「急な用事ができたから、今日デイに行けるかしら」、職員が「あの人、昨日具合悪そうだったし心配だから今日訪問してみようか」などのニーズに応えられます。

サービスがとにかく柔軟に提供できる

時間のしばりがないということは「デイに午前だけ、午後だけ通う。お風呂や食事が終わったら帰る」など自由に利用できます。

また外出や受診付き添いなども基本的にルールがないので、ご利用者が行きたい場所に一緒に行ってとても喜ばれた、受診も付き添って主治医とよくコミュニケーションが取れたなど、こまやかなケアが柔軟にできます。

併用できるサービスもある

「訪問・通所・宿泊・ケアマネジャー」の機能が1つの事業所についていますが、それ以外のサービスとの併用をすることで、より手厚いケアにつながります。

以下のサービスは併用可能です。

・訪問看護
・訪問リハビリ
・居宅療養管理指導
・福祉用具貸与
・住宅改修

小規模多機能型居宅介護のデメリット

柔軟なサービス提供ができる一方、デメリットもあります。

ケアマネジャーを交代しないといけない

事業所には専従のケアマネジャーがいるので、今まで居宅介護支援事業所などで担当していた方がいる場合は、小規模多機能のケアマネジャーに変更する必要があります。

利用できるエリアが決められている

地域密着型サービスなので「小規模多機能型居宅介護を提供する事業所と同一市区町村内に住んでいる要支援・要介護認定を受けている方」が利用対象です。

「自分の町に小規模多機能がないけど利用したい」という場合は、隣接する市区町村の事業所が特例で利用できる場合もあります(利用条件は行政に確認してみましょう)。

併用できないサービスもある

制度上、以下のサービスについては小規模多機能型居宅介護と併用できません。

・ケアマネジャー
・訪問介護
・訪問入浴
・通所介護
・通所リハビリテーション
・ショートステイ

小規模多機能型居宅介護のシフト作成・勤務表作成が難しい理由

困っている介護職員

小規模多機能型居宅介護事業所でシフトや勤務表の作成が難しい理由としては「柔軟で多様なサービスが提供できるために、人員配置が難しい」ということです。

ご利用者やご家族からすると理想的な「定額で無制限に複数のサービスを利用できる」ということは、それを提供する「ヒト」がいるわけなので、事業所としてはここをどうマネジメントするかでサービスの質がかわってきます。

職員のスキルに差がある

「訪問・通所・宿泊」はどれも介護サービスですが、それぞれに適したスキルが必要です。たとえば、今までデイサービスで働いてきた職員は「通所」対応はスムーズにできても、「訪問」でその家のルールに合ったサービス提供をする時は苦労するかも知れません。「訪問」だけを経験した職員が「宿泊」で夜勤をした場合、日中とは違うご利用者の様子に驚くかも知れません。

また、新人とベテラン職員には経験や知識などスキルの差があるのは否めないため、シフトや勤務表でうまく組み合わせることが大切です。

そもそもの人員が足りない

多くの介護事業所が人員不足となっており「無理なシフト作成ばかりしている」という声もきかれます。くわえて「小規模多機能型居宅介護」はヘルパーやデイサービスに比べて、誰もがよく知っている、というサービスではないので求人しても「小規模多機能?ピンとこないなあ」と思われ、応募者がこないこともあります。

職員の働き方と多様なサービス提供をマッチングさせる必要がある

職員は正社員、パート、アルバイトをしている中でもそれぞれの生活ペースや希望の働き方があります。それにくわえ、小規模多機能型居宅介護は多様で柔軟なサービスをかなえていくので、シフト作成者は「第一にご利用者のニーズを満たしながら、職員がなるべく満足できる勤務表をつくる」という面で頭を悩ませるかも知れません。

小規模多機能型居宅介護の人員配置基準

他の介護サービスと同じように、小規模多機能型居宅介護にも厚生労働省が定めた「人員配置基準」があります。

役職・役割 人員配置等
代表者 認知症の介護従事経験若しくは保険医療・福祉サービスの経営経験があり、認知症対応型サービス事業開設者研修を修了した者(1名)
管理者 3年以上、認知症の介護従事経験があり認知症対応型サービス事業管理者研修を修了した常勤・専従の者(1名)
看護支援専門員 介護支援専門員であって、小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修を修了した者(1以上)
介護職員(日中・通所) 常勤換算法で3:1
介護職員(日中・訪問) 常勤換算法で1以上
介護職員(夜勤) 時間帯を通じて1以上(宿泊利用がない場合は置かないことができる)
介護職員(宿直) 時間帯を通じて1以上(随時の訪問サービスに支障がない体制が整備されている場合、必ずしも事業所内で宿直する必要はない)
看護職員 小規模多機能型居宅介護従業者のうち1以上。看護師、准看護師

 
参考資料:厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会第218回資料2 小規模多機能型居宅介護
*常勤換算の計算式:事業所の1か月間の稼働時間数÷常勤の1か月間の勤務時間数

小規模多機能型居宅介護のシフト例

実際のシフト例を挙げてみましたが、さらに細かく分けている事業所もあります。

【 早番 】
7:00〜16:00
8:00〜17:00
8:30〜12:30

【 日勤 】
9:00〜17:00
8:30〜14:00

【 遅番 】
13:00〜22:00
10:00〜19:00

【 夜勤 】
17:00〜翌9:00
16:00〜翌10:00

小規模多機能型居宅介護の介護職員の1日の流れ

事業所における1日の流れは以下のような形ですが、かっちりと決めないでその日によって過ごし方を変えている事業所もあります。

介護職員の 1日の流れ

8:30 申し送り
9:00 送迎開始・通所受け入れ(合間に訪問)
10:00 入浴・フロア業務(体操など)
11:30 昼食・口腔ケア
15:00 おやつ
16:00 送迎開始・掃除・記録
17:00 夜勤と交代
18:00 夕食・口腔ケア
19:30 着替え・就寝
定時の様子確認 記録 適時、飲水や排泄介助

小規模多機能型居宅介護のシフト作成、勤務表作り方のコツ

グループホームに勤務するケアマネジャー

ここからは、小規模多機能型居宅介護のシフトや勤務表作りのコツをいくつかご紹介します。
「定められた人員基準を満たす」「職員にとってなるべく公平で過重労働にならない」のはもちろんのこと、それ以外にもポイントがあるので参考にしていただければ幸いです。

職員の生活ペースや希望の働き方を知る

まず「ベースのシフト・勤務表」をつくるうえで、各職員の働き方に対する希望などを把握します。面談やメール、LINEなどでヒアリングする事業者が多いようです。会社には、人員基準をもとにした「決められた勤務体制」があると思うので、正社員からそこにあてはめていき、そこに各職員が希望する勤務時間帯、希望休などが実現できるかどうかを考えていきます。

もちろんすべてをかなえることは難しいので「希望休は何日まで」などルールをつくっておくことでトラブルを防ぎましょう。

ご利用者やご家族のニーズを把握する

「職員の基本シフト」という受け皿をつくったら、ご利用者やご家族が「どこにどんなサービスを必要としているか」を把握します。これはケアマネジャーや介護リーダーなどがヒアリングする場合が多いでしょう。

「基本的には週~回、通所したい」「訪問はだいたい何曜日の~時くらいに来て、こういう仕事をしてほしい」など、そのご利用者にとって「サービスの基本スケジュール」をつくります。小規模多機能型居宅介護は「柔軟であり、定額でサービスが使い放題」といっても、人員が足りなければサービス提供ができない場合もあります。

まず基本スケジュールをつくり、職員のシフトをそこに合わせるよう微調整をおこないます。

イレギュラーな場合も想定してシフトを組む

小規模多機能型居宅介護は「24時間365日」在宅介護を支えるサービスです。ご利用者、ご家族、職員などの生活にはいつ何が起こるか分かりません。時々起こるイレギュラー(ご利用者の体調不良、ご家族の急用、職員の休みなど)に対応できるシフトをつくるため、回避できそうなリスクを予測することも大事です。

たとえば、体調が悪く夜間に自宅で急変しかねない一人暮らしの方がいる時は「宿泊や夜間の訪問を検討する」、はっきりとは分からないけれど何だか調子が悪そうな方がいたら「早めに受診付き添いをする」などです。

小規模多機能型居宅介護の強みは「連続的にご利用者の様子がわかる」ことです。微妙な変化に気づき職員間で情報を共有していくと、これから起こりうるリスクを回避しやすいです。急な夜勤や訪問もあるので、ご利用者の生活全体までイメージしたうえで、必要な部分に職員を配置していきましょう。

シフト作成ツールを活用する

手書きやエクセルシートなどでシフトや勤務表を作成している事業所も多いと思いますが、デジタルツールを利用すると作成時間がかなり短縮されます。職員からの希望集計、シフト・勤務表作成、共有などがスピーディに正確にできますし、勤怠管理システムと同期させれば勤怠実績等の管理も楽です。

月々のシフト・勤務表作成の労力が減り、ご利用者へのサービスのこと、職員のケアなどをする時間がつくれるので、シフト作成ツールも検討してみてはいかがでしょうか。

シフト作成ソフトで公平なシフトを楽に作成する

 
自動シフト作成ソフト【シンクロシフト】なら、各スタッフの勤務が公平で手直しの少ない高精度なシフトを短時間で自動作成することができます。

シフト作成が管理者やリーダーの大きな負担になっている…といった介護施設も多いでしょう。シフト作成をもっと楽に、公平に作りたい、といった方はぜひご覧ください。
 

シンクロシフト

→ 自動シフト作成ソフト【シンクロシフト】詳細はこちら

まとめ

小規模多機能型居宅介護のシフト表作成の問題点、作り方のコツを解説しました。まとめると、以下のようになります。

・小規模多機能型居宅介護は「重度化、多様化する在宅介護」に対応するために創設された 柔軟な介護サービス
・同じ顔ぶれの職員や環境で対応するので、ご利用者やご家族が安心感が得られやすい
・情報の共有、連携が早い
・月額定額制なので、ご利用者がどこにお得感(メリット)を感じるかは、事業所の対応で決まる部分が大きい
・まだポピュラーでない部分もあるので求人が難しい部分もある
・柔軟なサービスであるだけに適切な人員配置が難しい
・ご利用者の生活ペースやニーズに合わせてシフトを組むことが大切

小規模多機能型居宅介護は「柔軟で自由にサービスを提供する」ことで、ご自宅に暮らすご利用者やご家族の「かゆいところに手が届く」サービスです。

自由であるがゆえに、職員にとっては「どこまでやったら良いんだろう?」と葛藤が生まれやすい側面もあります。まず事業所として「ここまでは対応する」という基本ラインを決め、職員にそれを伝えていきながらシフトを組んでいきます。

そのうえで起こるイレギュラーな事態には、職員と相談しながら「1つの事業所一丸で対応できる強み」を活かして対応しましょう。

この記事の執筆者
otoupapa

保有資格: 介護支援専門員、介護福祉士、介護予防運動指導員 等

訪問介護、デイサービス、有料老人ホーム、小規模多機能型居宅介護を経て今は居宅ケアマネジャーとして勤務。

介護職歴は約22年で、祖父母の在宅介護や福祉系のNPO法人運営を経験しました。

現在は介護・福祉系その他のライターをしながら、介護のお仕事と子育てを両立しています。

この記事をシェアするSHARE

記事一覧に戻る

シンクロシフト

人気記事RANKING

カテゴリーCATEGORY

キーワードKEYWORD