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【教えて!】介護職がメンタルをやられる原因は?自分のメンタルを守るための対処法とは

介護職がメンタルをやられる原因

介護職はご利用者に対して身体的・精神的なケアを行う仕事です。身体介助などでの肉体への負担や、認知症ケア・人間関係などの精神的負担からメンタルをやられてしまう職員も少なくありません。
 
この記事では、介護職でメンタルがやられてしまう主な原因や出やすい症状について解説します。
 
また、自分を守るための対処法も紹介するので、今の職場で不安や悩みを感じている方はぜひ参考にしてください。

介護職でメンタルがやられる主な8つの原因

落ち込む介護職

介護職でメンタルがやられてしまう主な原因は、以下の8つです。

介護職でメンタルがやられてしまう主な原因

 
・職場の人間関係のストレス
・慢性的な人手不足による業務過多
・夜勤などの不規則なシフト勤務
・給料が低くキャリアを描きにくい
・長期連休が取りにくい
・利用者やご家族とのコミュニケーションが難しい
・仕事への責任やプレッシャーの重さ
・介護観と施設の方針のズレ

それぞれ詳しく解説します。

職場の人間関係のストレス

職場内の人間関係で悩み・ストレスを感じ、メンタルをやられてしまうことが多くあります。

介護現場では、様々な年齢・職種・経験をもつ人たちと密なコミュニケーションが必要です。そのため、価値観や考え方が合わない職員がいると、コミュニケーションがうまく取れずストレスを感じてしまいます。

特に、人間関係のこじれは退職のきっかけにもなりえます。詳しくは、後述する「介護職の退職理由にもメンタルの影響が考えられる」をご覧ください。

慢性的な人手不足による業務過多

介護現場の多くは慢性的な人手不足といえるでしょう。そうした職場で働く介護職員は、多くの業務を抱えてしまい負担を感じる場面があります。

人手が不足していると、介護職員1人で抱える仕事の種類・量が多くなります。ご利用者の直接的なケア業務はもちろん、介護記録や雑務などもこなす必要があり、残業や時間外労働、休日出勤せざるを得ない状況となるのです。

さらに、職員の入れ替わりも激しいため、退職者が出るとその分の業務が残された職員の負担となります。負担に耐えきれなくなった職員がまた退職し、残った職員の負担がさらに増える、という悪循環を生んでしまいます。

夜勤などの不規則なシフト勤務

24時間365日稼働している介護施設の場合、不規則な勤務により身体的・精神的負担が多くなります。

介護施設の多くは、「早番・日勤・遅番・夜勤」などの交代制勤務です。身体的負担を軽減するためには正循環シフトでの勤務が理想ですが、人手不足や急な欠員が発生すると逆循環シフトで対応せざるをえません。

また、時には6連勤などきついシフトが続く可能性もあります。身体的・精神的に厳しいシフトが続くと規則正しい生活を送るのが難しくなり、メンタルをやられてしまうでしょう。

夜勤による睡眠障害の危険性やその対策について、詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

給料が低くキャリアを描きにくい

介護職は他業界と比べると給与が低く、さらにキャリアプランが見えづらいことから、将来への不安を感じてしまう方も多いでしょう。

2022年(令和4年)時点、介護職員(月給制・常勤)の平均給与額は約317,000円です。ベースアップ等支援加算により、年々介護職員の給与は増えてきていますが、依然として他職種と比べると低くなっています。

さらに、人手不足や業務過多の状態でキャリアアップを目指そうとしても、リーダーや主任の働き方を見ていると不安を感じることが多くあるのです。

・「リーダー・主任は残業ばっかりしていて大変そう」
・「多くの責任を背負っているのに、給与は低い」
・「休みでもいろんな対応している」

上記のような働き方を見てしまうと、「このまま介護の仕事を続けていいのだろうか」とキャリアを描きづらくなってしまいます。給与が低く、キャリアアップも見込めないと感じてしまい、メンタルをやられてしまう可能性があります。

参考:厚生労働省 「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」P.12~

長期連休が取りにくい

介護施設では人員基準の定めもあり、毎日一定数の職員が必要なため、長期連休が取りづらい傾向にあります。土日祝やゴールデンウイーク、年末年始も変わらず稼働しているため、その期間での長期連休はなかなか取得しづらいのが現状です。

さらに、それ以外の期間であっても、他職員との勤務調整をする必要があります。場合によっては、「〇〇さんだけ長期で休みを取ってる」などの陰口やトラブルにつながることもあるのです。

休みが思ったように取得できず、なかなかリフレッシュできない。また、もし長期休暇を取れたとしても最悪トラブルになることもあり、そうした状況に陥ればメンタルをやられてしまうかもしれません。

利用者やご家族とのコミュニケーションが難しい

ご利用者やご家族とのコミュニケーションの難しさから、メンタルがやられてしまう可能性があります。

ご利用者のなかには認知症を抱えている方もいらっしゃり、ただでさえ介護業務で忙殺されているなかで、ご利用者の介護拒否や暴言・暴力があるとイライラしてしまい、ストレスになることも。また、「もっとこういうケアをしてください」など、ご家族から無理な要求をされる場合もあります。

頻繁にクレームや言いがかりをつけられたり、ご家族に対応する時間で他の業務に支障が出たりすると、介護職にとって大きな負担となるでしょう。

仕事への責任やプレッシャーの重さ

介護現場では、ご利用者の安心・安全を守るため、職員が自分の担当業務に責任やプレッシャーを強く感じてしまうことが多くあります。

・自分が食事介助していたら、誤嚥し入院してしまった
・見守りできてなかったせいで、ご利用者が転倒し骨折した
・施設で看取り介護をし、目の前でご利用者が亡くなった

「ご利用者の命・生活を預かっている」という責任の重さから、強くストレスを感じてしまいます。

多くの業務を抱えながら、ご利用者の命にかかわるケアをし、さらに失敗できない、というプレッシャーからメンタルがやられてしまう介護職もいるでしょう。

介護観と施設の方針のズレ

自分が持っている介護観と職場の運営方針にズレがあると大きなストレスとなります。

介護職員として働いていると、「もっとご利用者にこうしたい」「こう関わりたい」という考えをもつこともあるでしょう。しかし、施設側と介護観が合わないと、不満を抱えたり反発を覚える可能性があります。そうすると、日々の仕事にやりがいが見いだせなくなったり、日々ケアをするモチベーションが低下してしまいます。

思うように仕事ができず、さらには言動から他職員との輪を乱すものとしてみられた場合、職場に居づらいと感じることが増え、メンタルに悪い影響が出てくるのです。

介護職がメンタルをやられたときに出やすい症状

メンタルの不調に悩む介護職

介護現場では、メンタルをやられる場面やタイミングが多く存在します。メンタルがやられてしまった場合に出やすい症状は、下表のとおりです。

  主な症状
身体面 ・痛みや倦怠感を感じる
・睡眠に影響が出る
・食欲が低下する
・身体が思うように動かない など
精神面 ・情緒不安定になる、イライラする
・思考力・注意力がなくなる
・ミスが多くなる
・仕事に向き合えなくなる など

 

さらに、上記のような症状が進行すると、次のような状態になってしまう可能性があります。

1.燃え尽き症候群(バーンアウト)
 
2.うつ病

次にこれらの状態について解説します。

身体的・精神的に重大な影響が出ないよう、予兆や対処法を確認しておきましょう。自分自身のメンタルケアをすることはもちろん、部下がいるリーダーや管理職は部下のメンタル状態も気に掛けることが大切です。

燃え尽き症候群(バーンアウト)

燃え尽き症候群(バーンアウト)とは、突然意欲を失ったり投げやりな態度を取ってしまう状態です。

主な原因・予兆と症状は、下表のとおりです。

主な原因・予兆 ・仕事に行きたくないと感じる
・やる気が出ない
・遅刻や欠勤が増えた など
症状 情緒的消耗感 「疲れ果てた」「働きたくない」「もう辞めたい」と感じる
脱人格化 利用者やその家族に対して、冷たい態度をとったり関わり合いを避ける
個人的達成感の低下 自分が理想とする働きができなくなり、思うような成果を得られなくなる

 

燃え尽き症候群は、周りからみると「やる気がない」などと『甘え』とみられることがありますが、そうではありません。心身へのストレスにより燃え尽きてしまうため、信頼できる同僚や上司に相談するほか、適切なストレスへのケアをすることが大切です。

燃え尽き症候群(バーンアウト)の予兆やなりやすい人の特徴について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事もチェックしてください。

うつ病

うつ病とは、様々な心身へのストレス・負担から、気分の落ち込みや苦痛を伴い生活への支障が生じている状態です。

うつ病の主な原因・予兆と症状は、下表のとおりです。

主な原因 ・体力的・経済的負担
・ホルモンバランスの乱れ
・家庭・職場のストレス など
症状 ・気分の落ち込み
・憂うつ
・意欲低下
・不眠 など

 

うつ病を発症した場合は、病院に行き適切な対処方法を確認する必要があります。しっかりと休息し、心身ともにリフレッシュすることが大切です。

うつ病のサインや、介護職がうつ病になりやすい理由について、さらに知りたい方は以下の記事も合わせてご覧ください。

介護職の退職理由にもメンタルの影響が考えられる

介護職として働くなかでメンタルがやられてしまうと、退職にも大きく影響します。

メンタルをやられてしまう原因に「職場の人間関係のストレス」があり、介護職が退職する理由の第1位は「人間関係の悩み・問題」です。

前職の介護関係の仕事をやめた理由(複数回答)推移

出典:公益財団法人介護労働安定センター 「令和5年度「介護労働実態調査」結果の概要について」P.30

介護職員が感じる人間関係の悩みについて、よくあるケースは以下のとおりです。

・自分と合わない上司や部下がいる
・部下・後輩の指導が難しい
・経営層や管理職等の管理能力が低い
・業務の指示が不明確、不十分である
・ケアの方法等について意見交換が不十分である

介護業界で働く職員は年齢や経験がバラバラであり、さらには様々な職種と連携する必要があるため、意見の食い違いによるストレスや悩みを感じやすい傾向にあります。

さらに、職場内の人間関係だけではなく、介護サービスの対象者であるご利用者やご家族との関わりもメンタルがやられてしまう原因のひとつです。

厚生労働省が行った「精神障害による労災補償状況」のデータによると、最も請求件数の多い業種は医療、福祉(社会保険・社会福祉・介護事業)の分野でした。

精神障害の請求件数の多い業種(中分類の上位15業種)

出典:厚生労働省 「令和5年度「過労死等の労災補償状況」の訂正について」P.13

介護現場では、ご利用者の関わりに不安を感じてしまうだけではなく、ご利用者の死にも向き合うときもあります。今まで元気だったご利用者が突然亡くなった、という現実を受け止めきれず、メンタルに影響が出てしまうケースもあります。介護職員のメンタルケアが大切になります。

ご利用者やご家族、職場内の人間関係により、メンタルがやられてしまい退職せざるをえない状態は避けなければなりません。さらに、日常にも支障がでてしまう状況にならないよう対策することが必要です。

介護職でメンタルがやられやすい人の特徴とは

介護職でメンタルがやられやすい人の特徴は、大きく分けて8つのタイプです。

1.真面目な人
2.完璧主義な人
3.ネガティブ思考な人
4.他人と比較しがちな人
5.新人介護職
6.相談相手がいない人
7.気持ちの切り替えが苦手な人
8.ストレス解消法を持っていない人

それぞれの特徴について解説します。

真面目な人

仕事に真面目な人、真面目すぎる人はメンタルがやられやすくなります。真面目な人はご利用者の意見や他職員・上司から注意を受けたことを真に受け、精神的に参ってしまうことがあります。

もちろん、目の前の仕事に丁寧に取り組む姿勢は、ご利用者や他職員からの信頼を得られるため、重要な心得のひとつです。ただし、話を聞きすぎたり融通がきかなかったりすると、負担が重くのしかかり精神的に辛くなってしまいます。

真面目に業務に取り組むのも重要ですが、時には肩の力を抜いてご利用者と一緒に楽しむことも大切です。

完璧主義な人

完璧を求めてしまう人は、メンタルがやられやすい傾向があります。もちろんミスなく、限りあるマンパワーの中で完璧に業務をこなすことは素晴らしいことです。しかし、ご利用者や職員の状況によっては上手くできないことがあります。

その不完全な状況に対し、完璧主義な人は自分を責めてしまったり、周りに責任を押し付けたりするかもしれません。スタッフ同士でお互い頼りながら業務を進めていくことが必要です。

ネガティブ思考な人

自己肯定感が低く、物事をネガティブに捉えてしまう人はメンタルがやられやすくなります。自分がしたケアによりご利用者が元気になることもあれば、逆に嫌な気持ちにさせてしまうこともあります。

相手がそれほど気にしていなくても、「あの時の対応がダメだった」「自分のケアで嫌な思いをさせた」とネガティブに考えてメンタルをやられてしまうのです。1人で考え過ぎるとよりネガティブになってしまうため、周りの人に相談するようにしましょう。

他人と比較しがちな人

一緒に仕事をしている他職員に対して「自分はできていない」「あの人のほうが仕事ができている」と、比べてしまうとメンタルをやられることがあります。

介護現場では、複数の職員と一緒に業務をこなすことが求められます。その時、他職員の働きぶりをみて「自分は全然できていない」と感じ落ち込むこともあるでしょう。

人柄や相性、経験年数は人それぞれなため、自分と比較をしてネガティブになる必要はありません。自分の強みや得意なことを率先して行い、日々の業務を進めていくことが必要です。

新人介護職

介護未経験で、仕事を始めたばかりの場合、身体的・精神的な疲労からメンタルをやられる可能性があります。

介護職として仕事を始めた頃は、誰もが業務やケア方法を覚えることで、いっぱいいっぱいとなるのは当然です。失敗や疑問から不安や悩みを多く感じてしまい、参ってしまうことがあります。

「やっぱり自分には介護職は向いていない」と、過度に自分を責めすぎないようにしましょう。

相談相手がいない人

仕事についての不安や悩みを相談できる相手がいないと、1人で抱え込んでメンタルをやられることがあります。

特に、新人の頃は他職員との関係性がそこまでできていないため、どこまで悩みを打ち明けて良いのかわからないのが現状です。さらには、リーダーや主任などの役職がついた人も、チームケアの方向性や後輩への指導について、誰にも相談できず孤独だと感じてしまうかもしれません。

上司や部下、他職種の人など、自分の不安や悩みを少しでも話せる関係づくりが大切です。

気持ちの切り替えが苦手な人

介護の仕事に対して、気持ちをうまく切り替えられない人は精神的に辛くなるでしょう。

できなかったことや悩み、ストレスを家まで持ち帰ってしまうと、家でも仕事の事ばかり考えてしまい、心も身体も休まりません。休まらない状態が続くと、リフレッシュできないためメンタルをやられてしまいます。

職場から出たら仕事のことは考えず、オンオフのメリハリをつけるようにしましょう。

ストレス解消法を持っていない人

日々の業務で感じたストレスを解消できない人は、メンタルをやられてしまいやすくなります。

特に、介護職は感情労働、対人サービスであるため、様々な人との関わりにストレスを感じることが多くあります。感じたストレスは自分が休みの日にうまく発散しリフレッシュすることが重要です。

しかし、自分に合ったストレス解消法を持っていないと、ストレスをため込んだままメンタルを回復できません。旅行やスポーツ、趣味に時間を使い、気分転換を行うことでストレスを解消するようにしましょう。

介護職が自分のメンタルを守るための対処法

気分転換にウォーキングする女性

介護現場で働くとストレスを感じるタイミングが多く、うまく対処しないとメンタルをやられてしまいます。

自分のメンタルを守るために、主な対処法を5つ紹介します。

メンタルを守る主な対処法

 
1.仕事から離れ、しっかりストレス発散をする
2.介護の知識・スキルを向上させる
3.上司・同僚に相談する
4.休職する
5.異動・転職を考える

ぜひ自分に合った対処法を見つけましょう。

仕事から離れ、しっかりストレス発散をする

仕事が終わって退勤したときや休日では、仕事のことは忘れて心身ともにリフレッシュする時間を確保しましょう。

仕事とプライベートの切り替えをするとともに、日々の肉体・精神労働の疲れを癒すことが必要です。例えば、以下のようなストレス解消方法が効果的です。

・ジムに行き運動する
・趣味の時間を満喫する
・友人や家族と過ごす
・ゆっくり湯船に入る
・マッサージをうける など

連休を取りづらい場合は、上司に相談して連休を取得しましょう。シフト制の場合希望休を聞かれるため、自分や友人・家族の予定を確認して希望休を申請することが大切です。

その休みでリフレッシュするとともに、「希望休までがんばろう」「休みが取れて疲れも取れた」とメリハリが生まれます。

また、ストレスをどれほど感じているかがわかる「ストレスチェック」をしてみるのも効果的です。日常生活にも支障をきたしてしまう症状が発現する前に、ぜひ試してみましょう。

ストレスチェックの重要性やチェックシートの概要については、以下の記事をご覧ください。

介護の知識・スキルを向上させる

介護に関する知識やスキルが向上すると、メンタルがやられにくくなります。自己研鑽として知識やスキルを学ぶと、日々のケア業務に自信がつき、悩みや不安を解決できるのです。

例えば、認知症を抱えたご利用者に対する声かけに悩んでいる場合、以下のような知識・スキルの向上を目指してみましょう。

・認知症や声かけに関する本を読む
・外部の研修に参加する
・認知症実践者研修や介護福祉士の資格取得を目指す

知識・スキルアップができると、日々のご利用者への対応もスムーズになり、ストレスを軽減できます。また、スムーズなケアを行えることで、仕事上のミスや悩みが減り自己肯定感の向上にもつながるでしょう。

上司・同僚に相談する

仕事の悩みや不安がある時は、1人で悩むのではなく、上司や同僚に相談することも大切です。1人で考え込んでしまうと解決策が見つからなかったり、よりネガティブな方向に考えてしまったりし、自分を追い込んでしまう可能性があります。

上司や同僚に相談すると、抱えている悩みに対して別の視点でアドバイスを受けられ、不安やストレス・メンタルの負担を軽減できるでしょう。

「上司や他の職員が忙しそうで、なかなか話しづらい」と感じるかもしれませんが、遠慮せず打ち明けることで悩みの解決だけでなく、チームケアの向上にもつながります。

休職する

メンタルがやられるまえに、一度仕事から離れ休職することも効果的です。もちろん、様々な理由で休めないこともあり「無理をしてでも働かないといけない」と考えることもあるでしょう。

しかし、無理に働き続けると日常生活にも支障が出て、より悪化してしまう可能性は大いにあり得ます。一度仕事から離れて、体調や気持ちを落ち着かせてから一歩ずつ悩みを解消するようにしましょう。

異動・転職を考える

様々なストレス解消法を試してみてもメンタルに限界を感じる時は、異動や転職といった方法で環境を変えることも必要かもしれません。

抱えている悩みは自分自身で解決できることもあれば、周りとの関係や職場環境、得意不得意、価値観の相違など複合的な悩みもあります。その場所や環境に固執しすぎてメンタルをやられる前に、異動や転職も視野に将来のことを考えましょう。

ただし、異動や転職においてはこれまでとは違う仕事内容が求められます。また、新しい環境への慣れや人間関係の再構築で、別のストレスを感じてしまう可能性があることにも注意が必要です。

自分のやりたい事や目指す介護とマッチしている職場を慎重に探しましょう。

介護職がメンタルをやられないためには早めの対処が重要

介護現場で働く場合、メンタルをやられないためにも自分自身の不調に早めに気づき、対処をすることが重要です。早めに対処できないと、メンタルをやられてしまい精神的な症状が出てきて日常生活もままならなくなる、といった可能性もあります。その結果、休職や退職に至るケースも少なくありません。

筆者が5年ほどリーダーや管理者の仕事をしていたとき、日々多忙で休みや寝る時間を削りながら業務をこなしていました。夜勤明けでも夜まで残り、休みの日にも電話対応をし、仕事とプライベートの切り替えができず、自分自身を犠牲にして働いていたのです。

このままでは自分が壊れてしまう」と感じ、自分の得意なことを活かせる仕事に転職しました。その時に感じていた悩みや不安が解消され、今では心に余裕をもって仕事をしています。

メンタルがやられてしまう原因やきっかけは人それぞれです。早めにストレスやメンタルの不調に気づき、対処することが大切です。

まとめ

介護職は対人サービスであり、ご利用者だけでなく周りの人々との関わりが重要な仕事です。様々な配慮が求められるため、メンタルをやられてしまう人が少なくありません。

まずは、自分自身の不安や悩みに気づき、適切に対処することでメンタルがやられる可能性を減らしていくことが大切です。

Shift Lifeでは介護業界で働くみなさまに役立つ記事を多数掲載しています。介護現場での悩みや不安を解消したい方は、以下の記事をぜひご覧ください。

この記事の執筆者しょーそん

保有資格:介護福祉士 認知症実践者研修 修了 認知症管理者研修 修了 認知症実践リーダー研修 修了

グループホームに11年勤務し、リーダーや管理者を経験。
現場業務をしながら職員教育・請求業務、現場の記録システム管理などを行う。

現在は介護事務の仕事をしながら介護・福祉系ライターとしても活動中。

 
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