更新研修の受講を介護支援専門員証の更新要件とする仕組みは、2026年6月に成立した法改正で廃止が正式に決まりました。ただし、いつから廃止されるのかは、2026年8月時点でまだ決まっていません。
更新期限が近い方ほど、更新研修を申し込むべきかどうか、判断に迷うところではないでしょうか。
廃止後は、介護支援専門員証に有効期間が設けられなくなります。ただし、研修そのものがなくなるわけではなく、更新制とは切り離して、定期的な研修の受講は続きます。
また、対象となる事業者または施設の開設者には、ケアマネジャーを業務に従事させたときや、その業務に従事しなくなったときの報告と、研修を受講できる機会を確保するための措置が求められます。
更新制廃止の内容と施行時期、施行までに確認しておきたいことを、厚生労働省や国会の公表資料をもとに整理しました。
※この記事の制度情報は、2026年8月時点で確認できる公表資料にもとづいています。
この記事の要点は、次の5つです。
・ケアマネジャーの更新制廃止は正式に決定している
・具体的な施行日は、2026年8月時点でまだ決まっていない
・施行前に有効期間が満了し、その後も業務を続ける場合は、現行の更新研修・更新手続きが必要
・更新制の廃止後も定期的な研修の受講は続く
・対象となる事業者または施設の開設者には、報告と研修受講機会を確保するための措置が求められる
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ケアマネの更新制廃止は正式に決定

ケアマネジャーの更新制の廃止は、検討段階を終えて法律で決まった内容です。2026年6月に成立した法改正により、介護支援専門員証を5年ごとに更新し、その際に研修の受講を求める仕組みがなくなります。
ただし、なくなるのは介護支援専門員証の有効期間と更新手続きであり、ケアマネジャーが新たな知識や技能を学ぶ機会そのものが失われるわけではありません。インターネット上には、法改正前の「検討中」「議論されている段階」とする情報も残っているため、まずは何がどこまで決まったのかを整理しておきましょう。
2026年6月の法改正で介護支援専門員証の更新制廃止が決まった
更新制の廃止を定めたのは、社会福祉法等の一部を改正する法律です。2026年6月19日に成立し、同月25日に公布されました。法律番号は令和8年法律第51号です。
見直しの背景には、ケアマネジャーの人材確保や定着をめぐる課題があります。また、更新制にひも付く研修は時間的・経済的な負担が大きいという声も上がっていました。
参照:「参議院 社会福祉法等の一部を改正する法律案 議案情報」
研修そのものがなくなるわけではない
「更新研修が廃止される」と聞くと、これから研修を受ける必要がなくなるように感じるかもしれません。実際になくなるのは、介護支援専門員証に有効期間を設け、その更新の要件として研修の受講を求めるという仕組みです。
更新制廃止後は、介護支援専門員証の更新手続きそのものがなくなり、研修は更新とは結び付かない形で受講することになります。そのうえで、対象となるケアマネジャーには、資質の保持と向上を図るため、都道府県知事が行う研修を受けることが求められます。
対象者や研修の詳細は、今後、厚生労働省令で定められることになっています。
検索時には「ケアマネ更新研修廃止」という言葉が使われることが多いと思いますが、制度上は、更新制の廃止と研修制度の見直しがあわせて進められると押さえておきましょう。
ケアマネ更新研修廃止はいつから?

更新制が廃止される具体的な日付は、2026年8月時点でまだ決まっていません。改正法では、公布の日から1年6か月を超えない範囲内で、政令で定める日から施行すると規定されています。
そのため、更新制の廃止に関する規定が施行されるまでは、現行の更新制度が続きます。施行前に更新期限を迎え、その後もケアマネジャーとして業務を続ける場合は、これまでどおりの対応が必要です。
いつ廃止されるのかという疑問については、時期の範囲だけが決まっている状態だと理解しておくとよいでしょう。
具体的な施行日はまだ決まっていない
厚生労働省は、施行日について、都道府県における準備期間なども踏まえて今後政令で定めるとしています。2026年8月時点で、日付を定めた政令は確認できていません。
法律が成立してすぐに運用が変わるわけではありません。施行日は今後政令で示されるため、厚生労働省や都道府県の案内を確認しておきましょう。
公布後1年6か月以内に政令で施行日が定められる
改正法が公布されたのは2026年6月25日です。更新制の廃止に関する規定は、この日から1年6か月を超えない範囲内で、政令が定める日に施行されます。公布日から数えると、法律の規定上、遅くとも2027年中には施行されることになります。
ここで気をつけたいのが、2027年4月1日という日付です。改正法の原則的な施行日は令和9年4月1日と定められていますが、更新制の廃止と研修の見直しに関する部分は、これとは別に政令で施行日を定めることになっています。
そのため、2027年4月1日から更新研修がなくなると、現時点で断定することはできません。
参照:「厚生労働省 社会福祉法等の一部を改正する法律について(報告)」
施行前に更新期限を迎え、業務を続ける場合は現行の更新研修・更新手続きが必要
廃止が決まったことを理由に、いま必要な手続きを止めてしまうのは避けましょう。施行日を迎えるまでは現行の制度が続くため、それまでに有効期間が満了し、その後も業務を続ける場合は、現行制度に沿って必要な研修を受け、更新の手続きを行うことになります。
有効期間が満了した介護支援専門員証では、ケアマネジャーとして業務を行えません。担当されているご利用者への支援や事業所の運営に影響が出ないよう、自己判断で更新を見送らず、登録先の都道府県や研修実施機関の案内を確認してください。
なお、施行日の前後に有効期間が満了する場合の細かな取扱いについては、今後の政令や省令、通知、都道府県の案内を確認する必要があります。
現在の状況ごとに、確認しておきたいことを整理しました。
| 現在の状況 | 2026年8月時点で確認したい対応 |
| 施行前に更新期限を迎え、その後も業務を続ける | 現行制度に沿って、必要な研修の受講と更新手続きを進める |
| 施行日時点で有効な介護支援専門員証を持っている | 施行後は有効期間の定めがないものとされるため、施行日と都道府県の案内を確認する |
| 介護支援専門員証の有効期間がすでに満了している | 自動的に有効になるとは確認できないため、現時点の取扱いを登録先の都道府県に確認する |
| 復職を検討している | 復職時の研修は見直しが検討されているため、現行の手続きと今後の案内を確認する |
| 施行日が決まるのを待っている | 自己判断で必要な研修・更新手続きを止めず、厚生労働省や都道府県の案内を確認する |
ケアマネの更新制廃止で変わること

更新制が廃止されると、介護支援専門員証に関する手続きが大きく変わります。これまでは5年ごとに研修を受け、介護支援専門員証の更新を申請する必要がありました。
廃止後は、この流れがなくなります。一方で、研修の受講は形を変えて残るため、何がなくなり何が残るのかを分けて押さえておくことが大切です。
ここでは、ケアマネジャー本人に関わる変更点を3つに分けて見ていきましょう。
介護支援専門員証の有効期間と更新手続きがなくなる
施行日以後は、介護支援専門員証に有効期間が設けられなくなります。そのため、有効期間を管理し、登録先の都道府県に更新を申請する手続きも不要になります。
更新期限の管理や申請の準備がなくなることは、日々の業務を抱えるケアマネジャーにとって、事務的な負担の軽減につながるでしょう。
施行日時点で有効な介護支援専門員証は有効期間の定めがなくなる
すでに交付を受けている介護支援専門員証がどう扱われるのかも、気になるところではないでしょうか。改正法の附則では、施行の際に現に効力を有する介護支援専門員証について、施行の日以後は有効期間の定めがないものとすると定められています。
対象となるのは、施行の時点で効力を持っている証です。それ以前に有効期間が満了した証が自動的に有効になるとは確認できないため、登録先の都道府県に取扱いを確認しておきましょう。
参照:「衆議院 社会福祉法等の一部を改正する法律案 附則第16条」
更新制廃止後も定期的な研修の受講は続く
介護支援専門員証の更新手続きがなくなっても、研修を受ける場面がなくなるわけではありません。対象となるケアマネジャーには、専門職としての力を保ち高めていくために、定期的な研修の受講が求められます。
主任介護支援専門員についても、更新制を廃止したうえで、定期的な研修の受講を求める方針が示されています。
研修のあり方についても見直しが進められています。厚生労働省の資料では、一定の期間内に分割して受講できる仕組みや、研修時間の縮減、国が作成する教材を用いたオンライン・オンデマンドでの受講などが検討の方向として示されています。
受講の周期や時間数などは、2026年8月時点でまだ確定していません。今後の省令や通知などを確認する必要があります。
現行制度と廃止後の違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 現行制度 | 更新制廃止後 |
| 介護支援専門員証 | 5年の有効期間あり | 有効期間の定めなし |
| 更新手続き | 必要 | 不要 |
| 更新のための研修 | 必要 | 更新要件としては廃止 |
| 資質向上のための研修 | 更新研修等として受講 | 更新とは切り離して定期的に受講 |
参照:「厚生労働省 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(認知症施策・地域介護推進課)」
対象となる事業者・施設に求められる対応
更新制の廃止にともない、対象となる事業者または施設の開設者にも新たな対応が求められます。対象となるのは、介護サービスを提供する事業者または施設の開設者のうち、都道府県または市町村の条例により介護支援専門員を有しなければならないものとされているものです。
ケアマネジャーを雇用していれば、どの法人にも一律に同じ手続きが生じるわけではありません。法律で定められた義務は大きく2つあり、報告事項や方法、受講機会を確保するための措置の具体的な内容は、今後の厚生労働省令などで示されることになっています。
特別養護老人ホームにおけるケアマネジャーの配置基準や役割については、特養(特別養護老人ホーム)のケアマネ(介護支援専門員)配置基準、役割・仕事内容について解説もあわせてご覧ください。
ケアマネが業務に就いた・外れた際は事業者が報告する
1つ目は、都道府県知事への報告です。対象となるケアマネジャーを業務に従事させたとき、またはその業務に従事しなくなったときに、氏名などを報告することが求められます。
報告先は、そのケアマネジャーの登録に係る都道府県知事です。他の都道府県で登録を受けた方を採用している場合、勤務地の都道府県とは異なる可能性があるため、事前に登録先を把握しておくと手続きがスムーズです。
研修を受講できる機会を確保する
2つ目は、研修の受講機会に関する対応です。対象となるケアマネジャーを従業者として有している場合、その資質の保持と向上を図るため、受講機会を確保するための措置をとることが求められます。
厚生労働省の資料では、想定される措置として、受講時間の確保や受講状況の確認が挙げられています。
なお、厚生労働省は現行の取扱いとして、更新研修など参加が業務上位置づけられている研修を受講する場合は、労働時間として適切に扱うよう、都道府県に管内事業者への周知徹底を求めています。
研修費用について、2026年8月時点で確認できる改正法や厚生労働省の資料には、事業者が一律に全額を負担するとの規定はありません。今後の省令や通知なども確認しておく必要があります。
報告事項や措置の内容など詳細は今後示される
現時点で確定しているのは、2つの義務が設けられることです。報告事項や報告方法、受講機会を確保するための措置の具体的な内容は、今後の厚生労働省令などで定められることになっています。
義務が果たされていない場合の仕組みも設けられています。報告をせず、または必要な措置をとっていない場合は都道府県知事による勧告の対象となり、勧告に従わなければ公表される場合があります。
さらに、法律で定められた指定事業者・施設などが、正当な理由なく研修受講機会の確保に関する勧告に従わない場合は、命令の対象になることもあります。
また、改正法には、正当な理由なく研修を受けない本人への受講命令と、命令に従わない場合の1年以内の業務禁止も規定されています。厚生労働省は運用の考え方として、まず事業者に受講機会を確保するための措置を求め、事業者が必要な措置を講じても本人が受講しない場合に、受講命令などの段階へ進む流れを示しています。
研修を受けていないことだけで直ちに業務禁止となることは想定していない、とも説明されています。まずは受講しやすい環境を整えることから始めるとよいでしょう。
参照:「衆議院 社会福祉法等の一部を改正する法律案 第69条の38・第69条の40」
参照:「厚生労働省 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(認知症施策・地域介護推進課)」
更新制廃止に向けて事業所が確認したいこと
ここまでは法律で定められた義務を見てきましたが、施行に備えて事業所が実務上できることもあります。省令などの詳細が示されるのを待つ間も、在籍するケアマネジャーの状況を把握しておけば、いざ制度が切り替わったときに慌てずに済みます。
いずれも改正法で方法まで定められたものではなく、準備として取り組んでおきたい内容です。自事業所の状況に合わせて、無理のない範囲から始めてみてください。
在籍するケアマネの有効期間と研修状況を整理する
施行までは有効期間の管理が引き続き必要になります。在籍するケアマネジャーごとに、介護支援専門員証の有効期間と登録先の都道府県を一覧にしておくと、今後、採用や配置変更、退職などによって業務への従事状況が変わり、報告が必要になった際にも確認しやすくなります。
主任介護支援専門員の方が在籍している場合は、主任介護支援専門員に関する研修の受講状況もあわせて整理しておきましょう。
研修を受講できる勤務体制を検討する
研修の受講機会を確保するためには、受講日や受講時間に合わせた勤務調整が必要になることがあります。研修の日程が決まってから勤務を組み直すのではなく、あらかじめ研修予定を組み込める体制を考えておくと、現場の負担を抑えやすくなります。
分割受講やオンラインでの受講が導入された場合、受講の形は今より柔軟になる可能性があります。どのような形になっても対応できるよう、勤務表の作り方を見直しておくとよいでしょう。
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厚生労働省や都道府県の案内を確認する
施行日や報告事項、具体的な運用については、今後の政令、省令、通知等を確認する必要があります。厚生労働省や都道府県のページを定期的に確認し、更新があれば事業所内で共有できるようにしておくと安心です。
研修を受けやすい勤務体制を整えることは、制度への対応だけでなく、ケアマネジャーが働き続けやすい職場づくりにもつながります。
ケアマネ更新研修廃止に関するよくある質問
最後に、更新制の廃止について寄せられることの多い疑問をまとめました。個別の手続きは状況によって異なるため、詳しい取扱いは登録先の都道府県などにご確認ください。
更新制が廃止されたら研修を受けなくてもよいですか?
研修の受講そのものがなくなるわけではありません。廃止されるのは、介護支援専門員証の有効期間と、その更新のために研修の受講を求める仕組みです。
更新制の廃止後も、対象となるケアマネジャーには、定期的な研修の受講が求められます。受講の周期や時間数などの詳細は、2026年8月時点で確定していないため、今後公表される情報を確認しておきましょう。
2027年4月1日から更新研修が廃止されますか?
2026年8月時点では、まだ決まっていません。改正法の原則的な施行日は令和9年4月1日ですが、更新制の廃止と研修の見直しに関する部分は、これとは別に政令で施行日を定めることとされています。
その施行日は、公布日である2026年6月25日から1年6か月を超えない範囲内で定められます。2027年4月1日になる可能性も残されているため、政令が公布されるまでは断定できない状態です。
次の更新期限が近い場合も更新研修を受ける必要がありますか?
施行日を迎えるまでは、現行の取扱いが続きます。そのため、それまでに有効期間が満了し、その後もケアマネジャーとして業務を続ける場合は、現行制度に沿って必要な研修を受け、更新の手続きを行うことになります。
申込みの時期や必要な研修の課程は都道府県によって異なる場合があるため、登録先の都道府県や研修実施機関の案内を早めに確認しておきましょう。
主任ケアマネジャーの更新制も廃止されますか?
主任介護支援専門員の更新制も廃止される方針です。廃止後も定期的な研修の受講は求められますが、研修内容や受講周期などの詳細は、2026年8月時点でまだ確定していません。
施行までは現行の取扱いが続くため、都道府県の案内を確認しながら必要な手続きを進めてください。
まとめ
ケアマネジャーの更新制の廃止は、2026年6月に成立した法改正で正式に決まりました。ただし、具体的な施行日は、2026年8月時点でまだ決まっていません。
施行日を迎えるまでは現行の制度が続きます。それまでに介護支援専門員証の有効期間が満了し、その後も業務を続ける場合は、これまでどおり必要な研修を受けて更新の手続きを進めておきましょう。
事業所の側では、在籍するケアマネジャーの有効期間と登録先を整理しておくと、報告が求められる場面に備えられます。研修を受けやすい勤務体制を考えておくことも、施行後の対応を進めやすくするでしょう。
更新制が廃止された後も、対象となるケアマネジャーには、資質の保持と向上を図るための定期的な研修の受講が求められます。研修の内容や受講方法の詳細は今後示されるため、厚生労働省や都道府県の案内を確認しながら、落ち着いて準備を進めていきましょう。
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この記事の執筆者![]() | Shift Life編集部 介護現場での実務経験を持つライターと、介護報酬・制度に精通した編集スタッフが連携し、現場で役立つ情報をお届けしています。 制度・加算に関する情報は、厚生労働省・自治体などの公的機関が発行する一次情報を優先的に参照し、掲載前にファクトチェックを実施しています。 |
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