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【今さら聞けない!】通所介護(デイサービス)の人員配置基準とは?計算方法や違反時について解説

通所介護の人員配置基準

通所介護(デイサービス)を運営していくにあたり、厚生労働省が定めた人員配置基準を満たす必要があります。通所介護に必要なのは、管理者・生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練相談員です。
それぞれの役割や配置すべき人数、兼務について、人員基準に違反した場合についても解説をしています。

通所介護(デイサービス)の人員配置基準とは

デイサービスの介護職員

通所介護(デイサービス)を運営していくためには、厚生労働省が定めた人員配置基準を満たす必要があります。

厚生労働省が定めている通所介護(デイサービス)の人員配置基準では、

  • ・管理者
  • ・生活相談員
  • ・看護職員
  • ・介護職員
  • ・機能訓練相談員

の配置が必要とされています。また、通所介護の利用者数によっても、これら職員の人数が定められています。

人員配置基準を満たすことができない場合、人員基準違反となり、減算や事業所の指定取り消し、サービスの停止などの処分が科されてしまいます。

介護人材不足の状況もあり、募集を行ってもなかなか採用ができない通所介護もあるかもしれません。しかし急な人手不足(職員の病欠、退職なども含めて)にも対応できるよう職員を雇用しておくことは健全な通所介護の運営に必要なことといえるでしょう。

次に、通所介護の運営に必要な人員についてみていきましょう。

管理者

管理者は施設の責任者として、運営基準を始めさまざまな基準・法令を遵守して事業運営を管理します。そのため、原則として常勤専従で1人を配置する必要があります。

ただし管理業務に支障がない場合、以下の兼務が可能です。

・通所介護の他の職務を兼務すること

・同一敷地内や道路を隔てて隣接している他の事業所の職務を兼務すること

デイサービスの管理者となるための資格要件はありません。常勤の生活相談員・機能訓練指導員・看護職員・介護職員と兼任している事業所も多いのではないでしょうか。

生活相談員

生活相談員は常勤で1名以上配置が必要です。利用者やそのご家族の抱える悩みについて相談に乗り、必要に応じて介護の専門的なアドバイスを行う職種となります。

また、ご利用者やご家族の窓口となり、通所介護サービス利用時の手続き、ケアマネージャーとの連絡・調整などの他、契約の手続き、介護業務なども施設によって様々担当します。利用者のケア、送迎業務なども兼務している場合も多いです。

全体的なマネジメント業務にも携わることも多く、生活相談員の業務は多岐に渡ります。

生活相談員の資格要件としては、

・社会福祉士
・精神保健福祉士
・社会福祉主事任用資格

となります。

ただし自治体によっては資格要件が異なり、他の資格(介護福祉士など)も要件として認められる場合もあります。事前に確認されておくとよいでしょう。

看護職員

看護職員も通所介護において人員配置基準として定められています。利用定員によって看護職員の配置基準が異なります。利用定員が10名を超える場合、専従で1名以上の配置が必要です。

ただし、病院や訪問看護ステーションなどと連携する場合、営業日ごとに利用者の健康状態の確認でき、サービス提供時間帯を通じて密接かつ適切な連携を行うことができる状態であれば、人員配置基準を満たしたことになります。

密接かつ適切な連携とは何を指すかというと、

「事業所へ駆けつけることができる体制や適切な指示ができる連絡体制などを確保すること」

とされています。対して利用定員10名以下の地域密着型通所介護(小規模デイサービス)の場合は、看護職員又は介護職員のいずれか1名の常時配置で配置要件を満たす、となっています。

看護職員の資格要件は、

・看護師
・准看護師

です。

介護職員

通所介護(デイサービス)に勤務する介護職員の主な仕事、食事や排せつ、入浴などの介護業務のほか、掃除や機能訓練の補助などとなります。利用者の送迎に従事することもあります。通所介護で介護職員として働く場合、基本的には資格は必要ありません。※

通所介護の介護職員の人員配置基準ですが、利用者数が15名の通所介護では1名以上の配置です。

利用者数が16名以上の通所介護では、

「15名を超える分を5で割った数+1人」

以上を配置する必要があります。

例えば利用者が20名の場合、

(20名-15名)÷5+1

となります。必要な介護職員は2名以上です。

資格要件について

※2021年4月の介護報酬改定で、無資格の介護職員に「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されています。認知症介護基礎研修が完全に義務化されるのは2024年4月からです。

2021年4月から2024年3月までの3年間は経過措置期間となります。(2021年4月から2024年3月末までの3年間は経過措置期間のため未受講でも働くことができます)

機能訓練指導員

機能訓練指導員は、通所介護では1人以上を配置する必要があります。利用定員には関係なく、機能訓練指導員の配置が定められています。

資格要件として、看護師・准看護師の資格を持つ者も機能訓練指導員として勤務することが可能です。そのため、看護職員が機能訓練指導員を兼務することも可能です。

資格要件としては、

・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・看護師
・准看護師
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師・きゅう師(※)

です。

はり師・きゅう師について

※はり師、きゅう師を機能訓練指導員として配置する場合、「鍼灸師以外の機能訓練指導員を配置した介護事業所等で、6ヶ月以上機能訓練指導に従事した経験」が必要になります。

【利用定員別】通所介護(デイサービス)の人員配置基準

利用定員が10名以下の場合

デイサービスの利用定員が10名以下の場合、下記のような人員基準になります。

管理者:1名(常勤)
生活相談員:1名以上
看護職員、又は介護職員:1名以上
機能訓練指導員:1名以上

利用定員が10名を超える場合

デイサービスの利用定員が10名を超える場合、以下のような人員基準になります。

管理者:1名(常勤)
生活相談員:1名以上
看護職員:1名以上
介護職員:1名以上
機能訓練指導員:1名以上

通所介護の介護職員の人員基準の計算式

改めて介護職員の人員基準の計算式を確認しておきましょう。

利用者数が15名の通所介護

利用者数が15名の通所介護では1名以上の配置となります。

利用者数が16名以上の通所介護

利用者数が16名以上の通所介護において、介護職員の計算式は、

「15名を超える分を5で割った数+1人」

となります。

例えば利用者が20名の場合、

(20名-15名)÷5+1

となり、必要な介護職員の配置の人数は2名以上です。

通所介護(デイサービス)で人員基準に違反した場合どうなる?

ここまで通所介護の各職種の人員基準を見てきましたが、厚生労働省が定めた人員基準を満たさなければ、減算などの処分を受けることになります。看護職員、介護職員の人員が満たせない場合には、介護報酬の減算措置が必要になります。

この場合は、

通所介護の人員基準欠如減算

となります。

また、人員基準を満たすことなく人員虚偽をした場合には、人員基準違反になってしまい、以下の刑罰を受ける可能性があります。通所介護は原則6年に1回、運営指導があり、その際に人員基準違反が発覚した場合の処分は以下になります。(状況により、指導や改善勧告などのケースも)

・事業所の指定取り消し

・介護報酬の減算

・新規利用者の受付停止

・サービスの停止

人員基準欠如減算と人員基準違反との違い

人員基準欠如減算と人員基準違反との違いについてです。

・人員基準欠如減算は介護職員と看護職員が対象

・人員基準違反は、管理者や生活相談員、機能訓練指導員も対象

通所介護の人員基準欠如減算

通所介護における「通所介護の人員基準欠如減算」の要件は、「基準に定める看護職員または介護職員を配置していない」となります。

人員基準欠如減算に該当する場合、

人員基準欠如が生じた翌月または翌々月から、人員基準欠如が解消されるに至った月まで「利用者全員について基本報酬の70%を算定する(30%減算)」

と定められています。

また減算適用となると、ほか一部の加算が算定できなくなることにも注意が必要です。人員基準欠如が解消された翌月以降は、通常の算定に戻すことが可能ですので、早期に人員欠如を解消することが大切です。

まとめ

通所介護(デイサービス)の人員配置基準や介護職員の計算方法、人員配置基準を下回った場合などについて情報をまとめました。事業所運営をギリギリの人員で回していると、突発的な病欠、休職や退職などでたちまち減算になりかねません。

兼務ができるように有資格者を採用したり、資格取得を奨励するといったことも有効でしょう。病院、訪問看護ステーション、診療所と連携を取れるようにしておいたり、といった対策を取っておくことも重要といえそうです。

またスタッフを離職させず、定着して働いてもらう仕組み作りも人員基準に違反しないためには大切だといえるでしょう。以下の記事も参考にしてみてください。スタッフのストレスマネジメントも大切だと考えます。

 
※本記事は作成時点の最新資料・情報を基に作成していますが、具体的な解釈等に関しては自治体等へお問い合わせいただきますようお願いいたします。

この記事の執筆者
シフトライフ編集部
シフトライフ編集部

主に介護業界で働く方向けに、少しでも日々の業務に役立つ情報を提供したい、と情報発信をしています。

 

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