短期集中個別リハビリテーション実施加算とは、通所リハビリテーションにおいて、退院・退所日や、新たに要介護認定を受けた場合の認定日を起点として、早い時期に集中的な個別リハビリテーションを行った場合に算定できる加算です。
介護保険には「短期集中リハビリテーション実施加算」「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」など、名称のよく似た加算がいくつもあります。対象となるサービスや算定要件は異なるため、どの加算を算定できるのか迷う場面も多いのではないでしょうか。
この記事では、単位数と算定要件、併算定できない加算、名称の似た加算との違いを整理しました。算定を検討している通所リハビリテーション事業所のご担当者は、ぜひ参考にしてください。
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短期集中個別リハビリテーション実施加算とは
短期集中個別リハビリテーション実施加算は、通所リハビリテーション(デイケア)に設けられている加算です。介護予防通所リハビリテーションには設けられていません。
評価の対象となるのは、ご利用者の状態に応じて、基本的動作能力および応用的動作能力を向上させ、身体機能を回復するために個別に実施するリハビリテーションです。これを一定の期間内に、決められた頻度と時間で提供することが、原則として算定の前提になります。
なお、名称が似ている「短期集中リハビリテーション実施加算」は、対象サービスや要件が異なる別の加算です。
参照:「通所リハビリテーション・介護予防通所リハビリテーションの手引き(令和6年6月・兵庫県)」
短期集中個別リハビリテーション実施加算の単位数・算定要件
短期集中個別リハビリテーション実施加算は、単位数そのものはシンプルですが、実施の頻度や時間、起算日の考え方に細かな決まりがあります。ここでは、単位数と算定要件を整理したうえで、併算定できない加算や間違えやすいポイントまで確認していきましょう。
単位数
短期集中個別リハビリテーション実施加算の単位数は、1日につき110単位です。
通所リハビリテーション費の基本報酬に加算する形で算定します。所要時間の区分(1時間以上2時間未満、6時間以上7時間未満など)にかかわらず、1日あたりの単位数は変わりません。
算定要件
短期集中個別リハビリテーション実施加算の算定要件は、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 起算日 | 退院・退所日または認定日 |
| 算定期間 | 起算日から3月以内 |
| 実施頻度 | 1週につきおおむね2日以上 |
| 実施時間 | 1日当たり40分以上 |
| 実施者 | 医師、または医師の指示を受けた理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 |
| 実施方法 | ご利用者に対して個別に実施する |
実施頻度と実施時間は、いずれか一方を満たせばよいものではありません。原則として、1週につきおおむね2日以上と、1日当たり40分以上の両方を満たす必要があります。
「認定日」は、要介護認定の効力が生じた日を指します。要介護認定は申請のあった日にさかのぼって効力が生じるため、認定年月日ではなく認定有効期間の初日が起算日になります。更新認定や区分変更認定などの個別の取扱いは、保険者または指定権者への確認が確実です。
なお、厚生労働省のQ&Aでは、正当な理由なく算定要件に適合しない場合は算定が認められないとされています。一方、ご利用者の体調悪化などのやむを得ない理由による場合や、総合的なアセスメントの結果、適切なマネジメントに基づいてご利用者の同意を得たうえで回数を調整した場合は、リハビリテーションを行った実施日について算定が認められます。この場合は、通所リハビリテーション計画の備考欄などに、その理由を記載する必要があります。
参照:「通所リハビリテーション・介護予防通所リハビリテーションの手引き(令和6年6月・兵庫県)」
参照:「短期集中リハビリテーション実施加算の取扱いについて(平成25年1月30日・岡山県)」
※同資料は平成25年に発出されたもので、記載されている単位数は当時のものです。ここでは認定日の考え方について参照しています。
参照:「平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)(平成27年4月30日)問17(厚生労働省)」
併算定できない加算と算定時の注意点
短期集中個別リハビリテーション実施加算は、認知症短期集中リハビリテーション実施加算または生活行為向上リハビリテーション実施加算を算定している場合は算定できません。いずれも通所リハビリテーションに設けられている加算のため、ご利用者ごとの状態や算定要件を確認し、どの加算を算定するのかを整理しておきましょう。
一方、リハビリテーションマネジメント加算の算定は、短期集中個別リハビリテーション実施加算の要件には含まれていません。認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)や生活行為向上リハビリテーション実施加算では要件とされているため、混同しやすいところです。
また、リハビリテーションに関する記録は、実施時間や訓練内容、担当者、加算の算定根拠となった書類などをご利用者ごとに保管し、事業所のリハビリテーション従事者が常に閲覧できる状態にしておく必要があります。実施時間の記録は、算定要件を満たしていることを示す重要な根拠になりますので、様式や運用をあらかじめ整えておくと安心です。
参照:「通所リハビリテーション・介護予防通所リハビリテーションの手引き(令和6年6月・兵庫県)」
決められた頻度でリハビリテーションを提供するには、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の勤務を計画的に組む必要があります。シンクロシフトは、職員ごとの勤務回数や日ごとの配置人数を確認しながらシフトを作成でき、日々の調整にかかる時間を削減します。
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短期集中リハビリテーション実施加算との違い
「短期集中リハビリテーション実施加算」と「短期集中個別リハビリテーション実施加算」は、名称が2文字違うだけですが、介護報酬上は別の加算です。両者は対象となるサービスが異なり、通所リハビリテーションで算定するのは「個別」が入る短期集中個別リハビリテーション実施加算です。
2つの加算の違いを整理すると、以下のようになります。
| 比較項目 | 短期集中個別リハビリテーション実施加算 | 短期集中リハビリテーション実施加算 |
| 名称 | 「個別」が入る | 「個別」が入らない |
| 通所リハビリテーションでの算定 | 算定できる | 算定できない |
| 単位数・算定要件 | 本記事で解説 | 算定するサービスごとに定められている |
迷ったときは、「個別」の2文字があるかどうかで確認してみてください。ケアマネジャーや他事業所とやり取りする際は、正式名称を確認し、どちらの加算を指しているのかを共有しておくとよいでしょう。
短期集中リハビリテーション実施加算の単位数や算定要件は、算定するサービスごとに定められています。詳しくは関連記事をご覧ください。
まとめ
短期集中個別リハビリテーション実施加算は、通所リハビリテーションに設けられている加算です。退院・退所日や、新たに要介護認定を受けた場合の認定日を起点として、定められた期間内に個別のリハビリテーションを集中的に行った場合に算定できます。
算定にあたっては、原則として実施の頻度と時間の両方を満たし、実施内容を記録しておく必要があります。また、名称の似た加算のなかには併算定できないものもあるため、算定前の確認が欠かせません。
退院・退所後や新たに要介護認定を受けた後は、身体機能の回復や生活動作の向上に向けて、計画的にリハビリテーションを行っていきたい時期にあたります。加算の要件を正しく押さえておくことは、必要なリハビリテーションを計画的に届けることにもつながります。判断に迷う場面が出てきたときは、保険者や指定権者に確認しながら進めていきましょう。
※この記事は、作成時点の最新資料・情報を基に作成しています。具体的な算定可否や届出の取扱いについては、その都度、最新の告示・通知等をご確認のうえ、必要に応じて保険者または指定権者へお問い合わせください。
この記事の執筆者![]() | Shift Life編集部 介護現場での実務経験を持つライターと、介護報酬・制度に精通した編集スタッフが連携し、現場で役立つ情報をお届けしています。 制度・加算に関する情報は、厚生労働省・自治体などの公的機関が発行する一次情報を優先的に参照し、掲載前にファクトチェックを実施しています。 |
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