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デイサービスの「今日は何の日」活用法11選!クイズ・脳トレへの広げ方

デイサービスの「今日は何の日」活用法

デイサービス「今日は何の日」は、その日の記念日や年中行事、昔の出来事などを取り上げ、クイズや会話、レクリエーションのきっかけとして活用できます。
 
朝の会やレクリエーションの導入で、「今日は○○の日ですよ」と話しかけている方も多いのではないでしょうか。ただ、由来を説明しても「そうなの」と返ってきて、その先の会話が続かないこともあります。
 
また、毎日のことだからこそ、話題にするネタを探すこと自体が負担に感じられることもあるでしょう。
 
「今日は何の日」は、記念日を紹介するだけで終わらせる必要はありません。ひとつの話題から、クイズや脳トレ、歌、ジェスチャー、昔の思い出などへ広げることで、ご利用者が参加しやすい活動につなげられます
 
この記事では、「今日は何の日」から広げられる11の活用アイデアをはじめ、ご利用者が参加しやすくなる工夫、取り入れる際の注意点、今日のネタの探し方まで紹介します。
 
365日分の記念日を並べるのではなく、見つけた今日のネタをデイサービスでどう活用するかを中心に解説します。

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デイサービスで「今日は何の日」を活用する方法

デイサービスの「今日は何の日」活用法

「今日は何の日」を活用するときは、話題を紹介して終わるのではなく、ご利用者が答えたり、思い出を話したりできる時間につなげていくことがポイントです。

「今日は○○の日です」「今日は○○という行事があります」「○年前の今日は○○があった日です」といった話題は、会話のきっかけになります。ただし、由来や雑学を職員が説明するだけでは、ご利用者が聞くだけになってしまうこともあります。

たとえば、次のような流れで展開すると取り入れやすいでしょう。

1.今日の日付と、記念日や行事、昔の出来事などを紹介する
 
2.その話題に関連するクイズや脳トレへ広げる
 
3.ご利用者の経験や思い出について尋ねる

たとえば節分であれば、「節分の豆まきには、どのような意味があるでしょうか」と3択で尋ねます。答え合わせをしたあとに、「ご家庭では、どなたが豆をまいていましたか」などと尋ねれば、節分の思い出へ話を広げられます。

もちろん、毎回3つすべてを行う必要はありません。その日のご利用者の様子や反応に合わせて、クイズだけにしたり、会話を中心にしたりと柔軟に変えてかまいません。

大切なのは、記念日や行事について詳しく説明することではなく、そこからご利用者が関われる話題へ広げていくことです。

デイサービスで使える「今日は何の日」から広がるアイデア11選

「今日は何の日」から話題を広げる方法は、ひとつではありません。

この章では、クイズにする、季節や食べ物の話に広げる、歌やジェスチャーにつなげるなど、11の活用アイデアを紹介します。同じ記念日や行事でも、その日のご利用者の顔ぶれや雰囲気によって、取り入れやすい方法は変わります。

すべてを覚えて使い分ける必要はありません。まずは取り入れやすそうなものをひとつ選び、ご利用者の反応を見ながら少しずつ広げてみましょう

記念日や行事の由来をクイズにする

記念日や行事の由来や意味を、クイズにして紹介する方法です。

説明だけでは聞き流してしまいがちな内容も、問いかけの形にすると、ご利用者が考えたり答えたりするきっかけになります。3択や○×など、答えやすい形式にすると取り入れやすいでしょう。

たとえば七夕を取り上げる場合も、その由来や風習にまつわる内容を3択クイズにしてみます。答え合わせをしたあとに、「子どもの頃、七夕にはどんなことをしていましたか」などと尋ねれば、クイズから昔の思い出へ話を広げられます。

大切なのは、正解を伝えて終わりにしないことです。答え合わせのあとに、ご利用者の経験や地域の風習について一言尋ねるだけでも、その先の会話につながりやすくなります。

なお、出題する内容は事前に事実関係を確認しておきましょう。インターネット上には由来がはっきりしない記念日や、複数の説がある行事もあります。確認できない内容を無理にクイズにする必要はありません。

季節や年中行事の話に広げる

季節や年中行事は、昔の暮らしや思い出について話を広げやすいテーマのひとつです。

節分や七夕、冬至などを取り上げたら、行事そのものを説明するだけでなく、「昔はどのように過ごしていましたか」などと尋ねてみましょう。毎年のように経験してきた行事であれば、その頃の暮らしや家族との思い出が話題にのぼることもあります。

たとえば冬至であれば、「冬至の日には、どんなことをして過ごしていましたか」と尋ねてみます。「かぼちゃを食べた」「ゆず湯に入った」といった話が出たら、「どなたが用意されていましたか」「ゆず湯はどんな香りでしたか」など、そのときの様子へ話を広げてみましょう。

ただし、行事の過ごし方は地域や家庭によって異なります。「この行事では、こうするもの」と決めつけず、「そちらではどうされていましたか」と尋ねることが大切です。

それぞれの違いを正解・不正解として扱わず、地域や家庭ごとの習慣として話を聞くことで、会話の幅も広げやすくなります。

食べ物や昔の食卓の話に広げる

食べ物にまつわる記念日や行事は、昔の暮らしや食卓の思い出へ話を広げやすいテーマです。

料理そのものだけでなく、旬の食材や買い物、家庭での食べ方など、さまざまな方向へ話を広げられます。普段の暮らしに身近なテーマだからこそ、ご利用者から思い出や経験が出てくることもあるでしょう。

たとえば、さつまいもに関連する日であれば、「さつまいもは、どのようにして食べることが多かったですか」と尋ねてみます。「焼きいも」「ふかしいも」といった話が出たら、「どこで買っていましたか」「ご自宅でもよく食べていましたか」など、その頃の暮らしへ話を広げてみましょう。

味つけも、会話を広げやすい話題です。同じ料理でも、家庭や地域によって味つけは異なります。「どんな味つけがお好きでしたか」と尋ねることで、その方ならではの好みや食卓の思い出を聞けることもあります。

ただし、ご利用者自身が料理をしていたとは限りません。「ご自宅で作られていましたか」と決めつけるのではなく、「よく召し上がっていたものはありますか」「ご家庭ではどんな料理が多かったですか」など、その方が答えやすい聞き方を選びましょう。

昭和の暮らしや出来事につなげる

昭和にまつわる話題は、当時の暮らしを振り返りながら会話を広げられるテーマです。

昭和に関連する記念日や出来事をきっかけに、当時使っていた道具や学校生活、仕事、遊び、流行していたものなどへ話を広げてみましょう。現在との違いを尋ねることで、その頃の生活について具体的な話が出てくることもあります

たとえば家電に関する話題であれば、「ご家庭で洗濯機を使い始めたのは、いつ頃でしたか」と尋ねてみます。「それまでは、どのように洗濯していましたか」「初めて使ったときはどう感じましたか」などと続ければ、ひとつの道具から当時の暮らしへ話を広げられます。

クイズにする場合は、昭和の暮らしや流行をテーマにした問題も取り入れやすいでしょう。具体的な出題例は、次の記事で紹介しています。

 
ただし、昭和の出来事には、戦争や災害など、つらい記憶につながる話題もあります。ご利用者の反応を見ながら、話したくなさそうな様子があれば無理に尋ねず、別の話題へ切り替えましょう。

出身地や地域の話に広げる

地域に関する話題は、ご利用者がこれまで暮らしてきた土地や、その頃の思い出について話を広げやすいテーマです。

その土地にゆかりのある記念日や出来事をきっかけに、名産品や郷土料理、方言、お祭りなどへ話を広げてみましょう。同じ地域で育った方がいれば、「懐かしいですね」「こちらでもありました」など、ご利用者同士の会話につながることもあります。

たとえば郷土料理が話題になったときは、「そちらでは、お祝いの日にどんなものを召し上がっていましたか」と尋ねてみます。料理名が出たら、「どんな材料を使うのですか」「どんなときに食べていましたか」と続けることで、その土地ならではの習慣や思い出へ話を広げられます。

方言も、地域の違いを楽しめる題材です。「こちらでは○○と言いますが、そちらでは何と言いますか」と尋ねると、言葉の違いから地域での暮らしや昔の出来事へ話がつながることもあります。

なお、地域による言葉や習慣の違いに、正解・不正解があるわけではありません。職員が知らない言い方や習慣が出てきたときも、「そう呼ぶのですね」「こちらでは違うのですね」などと受け止め、教えていただく姿勢で話を聞くとよいでしょう。

言葉や漢字の問題に変える

その日の話題に出てきた言葉を使って、言葉遊びや漢字の問題へ広げる方法です。

記念日や行事に関係する言葉は、難読漢字や穴埋め、連想、しりとりなど、さまざまな問題にできます。その日の話題に関連した言葉を使えば、記念日の紹介からそのまま次の活動へつなげやすくなります

たとえば野菜に関する記念日を取り上げた場合は、野菜の名前を漢字で示して、読み方を尋ねてみましょう。答えが出たあとに「よく召し上がっていましたか」「どんな料理がお好きですか」と続ければ、問題から食べ物の話へ広げることもできます。

連想やしりとりも、その日の話題に合わせてアレンジできます。たとえば「秋と聞いて思い浮かぶものは何ですか」と言葉を出してもらい、そこからしりとりにつなげる方法があります。テーマを限定すると難しくなる場合もあるため、言葉が出にくいときは職員が例を示したり、条件をなくしたりして調整しましょう。

こうした言葉遊びの進め方や出題例は、次の記事で詳しく紹介しています。

 
なお、難しい問題ばかりが続くと、答えを考える時間が長くなってしまいます。答えやすい問題を交えたり、必要に応じてヒントを出したりしながら、ご利用者の様子に合わせて難易度を調整するとよいでしょう。

日付や記念日にまつわる数字で脳トレをする

その日にちなんだ数字を使って、簡単な計算や数字の問題へ広げる方法です。

日付や出来事が起きた年、記念日の由来になった数字など、「今日は何の日」の話題にはさまざまな数字が登場します。話題のなかに出てきた数字を使えば、そこから自然に計算や数字の問題へつなげられます

たとえば8月17日であれば、「8と17を足すといくつになりますか」と尋ねてみましょう。昔の出来事を取り上げたときには、「今からおよそ何年前のことでしょうか」と、みなさんで一緒に考える方法もあります。

必ずしも一人で答えを出してもらう必要はありません。みなさんで声を出しながら数えたり、職員が途中まで一緒に計算したりするなど、ご利用者の様子に合わせて進めましょう。

なお、計算の速さや正確さを確かめる時間にならないよう注意が必要です。すぐに答えを求めずに考える時間をとる、全体で答えてもらう、数字を紙やホワイトボードに書いて見えるようにするなど、その場に合わせて進め方を変えるとよいでしょう。

歌や音楽につなげる

季節や記念日にちなんだ歌を取り上げて、音楽へ話題を広げる方法です。

童謡や唱歌、その頃に流行していた歌などは、曲名や当時の出来事を思い出すきっかけになることがあります。実際に歌う時間をとってもよいですし、歌わずに会話の題材として楽しむこともできます。

たとえば、「この季節といえば、どんな歌を思い浮かべますか」と尋ねてみましょう。曲名が出たら、「どこで覚えましたか」「学校で歌いましたか」などと続けることで、歌から当時の思い出へ話を広げられます。

職員が曲のヒントを出し、曲名を当ててもらうクイズにする方法もあります。実際に歌うことにこだわらなければ、それぞれのご利用者に合わせて参加方法を変えやすくなります。

なお、歌詞をプリントしたり、ホワイトボードに書いたりして使用する場合は、著作権に注意が必要です。古くから親しまれている童謡や唱歌でも、著作権の保護期間が終了しているとは限りません。歌詞を複製して使用するときは、必要に応じてJASRACなどの著作権管理団体や権利者が公開している情報を確認しましょう。

参照:「ここが知りたい著作権
参照:「楽譜・歌集など出版物

身振り・ジェスチャーゲームに広げる

その日の話題に関係するものや動作を、ジェスチャーで表して当ててもらう方法です。

記念日や行事に出てくる食べ物、道具、動作などは、そのままジェスチャーのお題にできます。口頭で答えるだけでなく、選択肢から選んだり、身振りを見て考えたりする形にすれば、参加方法にも幅を持たせられます

たとえば節分であれば豆をまく動作、七夕であれば短冊に願いごとを書く動作、スポーツにまつわる話題であればボールを投げる動作などが考えられます。その日に取り上げた話題のなかから、動きで表しやすいものを選んでみましょう。

ご利用者にジェスチャーをしていただく場合は、立ち上がったり大きく体を動かしたりすることを前提にせず、座ったまま手や腕を動かすだけでもできる内容にします。

また、体を動かすことが難しい方や、人前で演じることを望まない方もいます。その場合は職員がジェスチャーを行い、ご利用者に答えてもらう形でも楽しめます。無理に演じてもらうのではなく、その方に合った参加方法を選びましょう。

お題の選び方や進め方は、次の記事で詳しく紹介しています。

ヒントを出して「私は誰でしょう」クイズにする

その日の話題に関係するものを答えにして、ヒントを少しずつ出していく方法です。

答えにするものは、人物に限りません。食べ物や道具、動物、場所など、記念日や行事に関係するさまざまなものを題材にできます。最初は範囲の広いヒントから始め、答えが出なければ少しずつ具体的なヒントを加えていきましょう

たとえば梨にまつわる話題であれば、「私は果物です」「秋によく出回ります」「みずみずしく、しゃりしゃりとした食感があります」「漢字では『梨』と書きます」と、順番にヒントを出していきます。答えが出たあとは、「よく召し上がっていましたか」「好きな品種はありますか」などと尋ね、食べ物の話へ広げることもできます。

進めるときは、最初から答えが分かるヒントを出さず、ご利用者の反応を見ながら少しずつ具体的にしていくのがポイントです。なかなか答えが出ない場合は、ヒントを追加したり、選択肢を示したりして調整しましょう。

ヒントの作り方や、ジャンル別の出題例は、次の記事で紹介しています。

昔の思い出を聞いて会話につなげる

クイズやゲームにせず、その日の話題からそのまま会話へ広げる方法もあります。

記念日や行事は、必ずしも問題にする必要はありません。「この行事のときは、どのように過ごしていましたか」などと尋ねるだけでも、会話のきっかけになります。答えがひとつに決まらない問いかけなら、ご利用者それぞれの経験や思い出を聞きやすくなります

たとえば手紙にまつわる話題であれば、「どなたに手紙を書くことが多かったですか」と尋ねてみましょう。手紙を送っていた相手について話が出たら、「どんなことを書いていましたか」「返事が届くのを楽しみにしていましたか」など、その方の経験に合わせて話を広げていきます。

このとき、職員が答えを想像して先回りしないことも大切です。「お子さんへ書かれたのでしょうね」などと決めつけてしまうと、ご本人が話そうとしていた内容とずれてしまうことがあります。

また、話が続かなかったり、話したくなさそうな様子が見られたりしたときは、無理に質問を重ねず、別の話題へ切り替えましょう。会話の広げ方や質問例は、次の記事で詳しく紹介しています。

「今日は何の日」にご利用者が参加しやすくなる5つの工夫

デイサービス「今日は何の日」の工夫

「今日は何の日」を取り入れるときは、進め方を少し工夫することで、その場に加わりやすくなる方もいます。

この章では、問いかけの順番、出てきた言葉の拾い方、参加方法、ホワイトボードの使い方など、5つの工夫を紹介します。いずれも大がかりな準備をするものではなく、普段の進行に取り入れやすい方法です。

発言が多い方を中心に進んだり、いつも同じ方が答えたりする場面は、デイサービスでもあるでしょう。全員が同じように発言する必要はありませんが、聞いている方もそれぞれの方法で加われるようにしておくことが大切です

答えやすい問いかけから始める

最初は、答えやすい問いかけから始めてみましょう。

いきなり行事の由来や難しい知識を尋ねると、答えが浮かばないまま時間が過ぎてしまうことがあります。3択や○×、好みを尋ねる質問などから始めると、答えるきっかけをつくりやすくなります

たとえば食べ物が話題であれば、「甘いものはお好きですか」と尋ねるところから始めます。うなずくだけでも答えられますし、反応があれば「どんなものをよく召し上がっていましたか」と、経験を尋ねる質問へ広げてみましょう。

進めるときは、正解が決まっている質問と、答えがひとつではない質問を組み合わせるのもひとつの方法です。正解を当てる問題ばかりが続くと、自信がない方は答えにくくなることがあります。一方、好みや経験を尋ねる質問なら、正解・不正解を気にする必要はありません。

その日のご利用者の反応を見ながら、答えやすい質問から少しずつ話を広げていくとよいでしょう。

ご利用者から出た言葉を拾って話題を広げる

ご利用者の発言のなかから、次の問いかけにつながる言葉を拾ってみましょう。

正解を発表してすぐに次の問題へ進むと、せっかく出てきた話がそのまま流れてしまうことがあります。答え合わせのあとに少し間をとり、ご利用者が口にした言葉に目を向けると、そこから会話を広げられることがあります

たとえば「畑で作っていた」という話が出たら、「どんなものを育てていらっしゃいましたか」と尋ねてみます。地名が出たときは、「そちらにお住まいだったのですね」と受け止め、「どんなところでしたか」などと、その土地の思い出へ話を広げてみましょう。ひとつの発言が、次の話題につながることもあります。

このとき、あらかじめ考えていた流れに無理に戻す必要はありません。用意した問題をすべて出すことよりも、その場で出てきた話に耳を傾けることで、ご利用者の経験や思い出についてさらに話を広げられることがあります。

進行の予定は、あくまで目安として持っておくとよいでしょう。

ご利用者の反応に合わせて話題や難易度を変える

その場の様子を見ながら、話題や問題の難しさを調整していきましょう。

答えがなかなか出ないときは、ヒントを加える、選択肢を3つから2つに減らす、答えの一部を伝えるなど、その場でできる工夫があります。問題そのものを変えなくても難易度を下げられるため、進行しながら調整できます

一方で、ひとつの話題から会話が広がったときは、予定していた問題数にこだわる必要はありません。そのまま会話を続けたほうが、その日のご利用者に合っていることもあります。

また、全員に同じ難しさや答え方を求める必要もありません。すぐに答えが出る方には追加の質問をしたり、迷っている方にはヒントや選択肢を示したりするなど、それぞれの反応に合わせて関わり方を変えてみましょう。

その日の体調や疲れによって、いつもと反応が違うこともあります。前回と同じ進め方にこだわらず、その日の様子を見ながら内容や進め方を調整することが大切です。

さまざまな方法で参加できるようにする

答え方をひとつに決めず、いくつかの参加方法を用意しておきましょう。

一人ずつ指名して口頭で答えてもらう方法だけでは、声を出しにくい方や、人前で話すことを好まない方が参加しにくいことがあります。挙手する、○×の札を上げる、選択肢を指さす、隣の方と相談してから答えるなど、さまざまな方法を取り入れられます。

たとえば○×クイズであれば、○と×の札を用意し、一斉に上げてもらう方法があります。声に出して答える必要がないため、口頭での発言が難しい方も意思を示すことができます

また、答えることだけが参加ではありません。話を聞いたり、うなずいたり、周りの方の話に笑顔を見せたりすることも、その場への関わり方のひとつです。無理に発言を求めず、ご利用者それぞれの参加のしかたを大切にしましょう。

クイズが続いて反応が少ないようであれば、歌やジェスチャー、会話などへ切り替えてもかまいません。正解を答えることだけにこだわらず、その日のご利用者に合わせて参加方法を変えていくとよいでしょう。

ホワイトボードで話題や選択肢を見えるようにする

その日の話題や問題をホワイトボードに書き出しておくと、耳で聞くだけでなく、目でも内容を確認できます

今日の日付や、取り上げた記念日・行事の名前、クイズの選択肢などは、大きな文字で見やすく書いておきましょう。聞き取りにくかったときや、途中で内容が分からなくなったときにも、書かれたものを見ながら確認できます。

ご利用者から出た言葉を書き加えていく方法もあります。たとえば冬至の話題で「かぼちゃ」「ゆず湯」といった言葉が出たら、ホワイトボードに書き出してみましょう。そこから別の言葉や思い出が出て、さらに話が広がることもあります。

書くときは、一度に情報を詰め込みすぎないことも大切です。文字が小さくなったり、どこを見ればよいのか分かりにくくなったりします。今扱っている内容が分かりやすいように、必要に応じて書いたものを消したり、配置を整理したりしましょう。

なお、ホワイトボードが見えにくい席の方には、手元でカードや選択肢を示すなど、その方に合わせて伝え方を変えます。ホワイトボードを使ったレクの進め方は、次の記事で詳しく紹介しています。

「今日は何の日」を取り入れるときの注意点

「今日は何の日」を取り入れるときは、話題の選び方や伝え方に配慮が必要な場面があります。

記念日や行事は身近な題材ですが、そこから広がる話のなかには、ご利用者にとって振り返るのがつらい記憶や、答えにくい内容が含まれることもあります。また、同じ内容を伝えても、聞こえ方や理解のしやすさは一人ひとり異なります

この章では、進めるときの姿勢、話題を選ぶときの配慮、伝え方の工夫という3つの観点から、気をつけたいポイントを紹介します。いずれも特別な対応ではなく、日々の関わりのなかで意識しておきたい内容です。

正解を求めすぎず、ご利用者のペースに合わせる

クイズや脳トレを取り入れるときは、正解することを最優先にせず、ご利用者のペースに合わせて進めましょう

答えを考える時間が続くと、職員のほうが気になって声をかけたくなることがあります。ただ、すぐに答えを促すと、考えている途中の方が話しにくくなることもあります。まずは少し待ち、それでも難しそうであれば、ヒントを加えたり選択肢を示したりしてみましょう。

ヒントを出しても答えが出ないときは、無理に答えてもらう必要はありません。職員から答えを伝え、そのまま次の話題へ進む方法もあります。答えられなかったことを必要以上に取り上げないようにしましょう。

また、正解した方だけに注目が集まりすぎないようにすることも大切です。答え合わせのあとに「昔はどのようにしていましたか」「ご存じの方はいらっしゃいますか」などと全体に問いかければ、正解・不正解から次の会話へ話題を移しやすくなります。

考える速さや答え方は、一人ひとり異なります。全員のペースをそろえようとせず、その日のご利用者の様子を見ながら進めていきましょう。

ご利用者の気持ちに配慮して話題を選ぶ

「今日は何の日」で取り上げる話題は、ご利用者の気持ちにも配慮して選びましょう。

昔の出来事のなかには、戦争や災害、事故、大切な方との別れなど、つらい記憶につながるものもあります。歴史上の出来事を取り上げるときは、どのような内容なのかを事前に確認し、ご利用者への影響も考えて選ぶことが大切です

会話のなかでご本人からつらい経験について話が出た場合は、職員の判断ですぐに話を広げず、まずはその言葉を受け止めましょう。話したくなさそうな様子があれば、無理に質問を重ねず、別の話題へ切り替えます。

また、「昔の話であれば喜んでもらえる」と決めつけないことも大切です。過去を振り返ることを望まない方もいます。その日の様子やご本人の関心に合わせて、今の楽しみや日課など、現在の話題へ広げてもよいでしょう。

ご利用者の状態に合わせて内容や伝え方を工夫する

同じように伝えても、伝わり方は一人ひとり異なります。

聞こえ方や理解のしやすさ、言葉の出やすさなどには個人差があります。説明が長くなると内容をつかみにくくなることもあるため、一度に伝える内容は短くまとめ、区切りながら話すとよいでしょう

言葉だけでは伝わりにくいときは、ほかの方法も組み合わせてみましょう。文字にして示す、選択肢を用意する、実物や写真を見せる、身振りを添えるなど、その方に伝わりやすい方法を選びます。

進める時間の長さにも配慮が必要です。集中が続かない様子や、疲れている様子が見られたら、問題数を減らしたり、途中で切り上げたりしてかまいません。

予定していた内容を最後まで行うことより、その日のご利用者の様子を優先することが大切です。あらかじめ決めた進行にこだわらず、状態に合わせて内容や時間を調整しましょう。

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「今日は何の日」のネタに困ったときの探し方

毎日続けていると、今日取り上げる話題がなかなか見つからない日もあるでしょう。

そんなときは、日付から候補を探し、そのなかから使いやすそうなものを選び、内容を確認してから取り入れるという順序で進めると探しやすくなります。同じ日には複数の記念日や出来事があるため、すべてを紹介する必要はありません。

この章では、「今日は何の日」の候補を探す方法から、デイサービスで取り上げる話題の選び方、由来や内容を確認する方法まで紹介します。あわせて、月ごとに話題を探すときの起点となるテーマも一覧でまとめました。ネタが浮かばないときの手がかりとして活用してください。

「今日は何の日」と日付を組み合わせて検索する

まずは、日付を入れて検索してみましょう。

「○月○日 今日は何の日」「○月○日 記念日」のように検索すると、その日にまつわる記念日や出来事の候補を見つけやすくなります。前日までに調べておけば、当日あわてずに済みます。

ひとつの日付に対して、いくつもの記念日が見つかることもあります。すべてを紹介しようとせず、そのなかからひとつ選べば十分です。いくつも紹介するより、ひとつの話題からクイズや会話へ展開するほうが進めやすい場合もあります。

選ぶときは、ご利用者との接点があるかどうかを見てみましょう。食べ物、季節、暮らしに関わるものは、そのあとの話につなげやすい題材です。

なお、検索結果に出てきた説明をそのまま紹介するのは避けたいところです。由来がはっきりしないものも含まれるため、内容の確認については、この章の後半で説明します。

記念日・行事・出来事を紹介するサイトから探す

日付ごとの記念日や出来事をまとめたサイトも、話題の候補を探す手がかりになります。

「今日は何の日」を紹介するサイトや、日付ごとの出来事をまとめたページを見れば、その日の候補を一覧から探せます。使いやすいサイトをいくつかブックマークしておくと、毎回一から探す手間も減らせるでしょう。

記念日を探す際には、一般社団法人日本記念日協会の公式サイトも参考になります。同協会では記念日の登録制度を設けており、審査を経て登録・認定された記念日を検索できます。記念日を制定した企業や団体が公式サイトで由来を紹介している場合は、そうした情報も内容を確認する手がかりになります。

参照:「一般社団法人 日本記念日協会

一方、インターネット上には、さまざまな記念日や出来事を独自にまとめているサイトもあります。こうしたサイトは候補探しには便利ですが、掲載されている情報の出典や由来が明確とは限りません

ここで見つけた情報は、まずは話題の候補として扱いましょう。実際に取り上げるものが決まったら、制定した企業・団体や公的機関など、その内容に合った情報源で事実関係を確認します。

その日の記念日・行事・出来事を複数候補から選ぶ

候補が複数あるときは、そのあとの展開まで考えて選びましょう。

同じ日には、記念日や年中行事、歴史上の出来事、著名人の誕生日など、さまざまな候補があります。デイサービスで取り上げるのであれば、ご利用者の年代や経験と接点がありそうか、その後の活動へ広げやすいかを基準にすると選びやすくなります

たとえば、次の2点を確認してみましょう。

・ご利用者が過ごしてきた時代や暮らしと接点がありそうか
 
・クイズや会話などへ広げられそうか

食べ物や季節、暮らしの道具などに関わる話題は、こうした展開につなげやすい題材です。一方、専門的な知識が必要なものや、名称だけでは内容が伝わりにくいものは、その後の話を広げにくいことがあります。

また、政治や事件、事故などに関する話題は、受け止め方が人によって異なります。取り上げるかどうかは、ご利用者への影響も考えて慎重に判断しましょう。

珍しさだけで選ぶのではなく、「この話題から何を尋ねるか」「どんな活動につなげられるか」まで考えておくと、当日も話を広げやすくなります。

記念日・行事・出来事の由来や内容を確認してから使う

取り上げる話題が決まったら、由来や内容を確認してから紹介しましょう。

インターネット上には数多くの「○○の日」があり、なかには制定した団体や由来がはっきりしないものもあります。由来をクイズにする場合はもちろん、話題として紹介するだけの場合でも、事前に事実関係を確認しておくことが大切です

確認する情報源は、話題の種類によって異なります。

記念日:制定した企業・団体の公式サイト、記念日の登録・認定を行う団体の情報
 
年中行事:公的機関や自治体、博物館、図書館などが公開している資料
 
歴史上の出来事:公的機関、研究機関、博物館、図書館などの資料
 
祝日や暦:内閣府や国立天文台が公開している情報

たとえば国民の祝日については、内閣府がそれぞれの日の趣旨を公開しています。春分の日や秋分の日は年によって日付が変わり、国立天文台が毎年2月に翌年の「暦要項」を発表しています。

参照:「「国民の祝日」について
参照:「暦要項

由来や内容を確認できない場合は、無理に取り上げる必要はありません。別の記念日や行事、出来事を選び、確認できた情報をもとに話題を組み立てましょう。

ネタが浮かばないときは、その月に関係するテーマから探してみましょう。祝日や年中行事、季節の移り変わりなどを起点にすると、記念日が思い浮かばない日でも話題を見つけやすくなります。

話題の起点となるテーマ
1月 正月、七草がゆ、鏡開き、成人の日、大寒、寒さの過ごし方
2月 節分、立春、建国記念の日、天皇誕生日、雪、梅
3月 ひな祭り、春分の日、彼岸、卒業、桜の便り
4月 入学、昭和の日、花見、新茶、春の野菜
5月 端午の節句、憲法記念日、みどりの日、こどもの日、田植え
6月 梅雨、夏至、あじさい、衣替え、梅仕事
7月 七夕、海の日、土用の丑の日、夏祭り、暑さのしのぎ方
8月 お盆、山の日、花火、夏の甲子園、涼のとり方
9月 敬老の日、秋分の日、彼岸、月見、秋の味覚
10月 スポーツの日、運動会、紅葉、収穫、秋祭り
11月 文化の日、七五三、勤労感謝の日、立冬、冬支度
12月 冬至、大掃除、年越し、正月の準備、一年の振り返り

 

同じテーマでも、地域や家庭によって過ごし方は異なり、行事の時期や日付が年によって変わるものもあります。ここに挙げたものは話題を探す手がかりとして使い、実際に紹介するときは、前述の方法で内容や日付を確認しておきましょう。

デイサービスの「今日は何の日」に関するよくある質問

「今日は何の日」はどのくらいの時間で行えばよいですか?

決まった時間はありません。短い話題として取り入れることも、クイズや会話へ広げて時間をとることもできます。

話題を紹介するだけなら数分で終わることもありますが、そこから思い出話やクイズへ広がれば、自然と長くなることもあります。あらかじめ時間を細かく決めるより、ご利用者の反応を見ながら調整するとよいでしょう

会話が自然に続いていればそのまま広げ、話題が広がりにくければ短く切り上げるなど、その日の様子に合わせて調整します。

同じような話題が続いてしまうときはどうすればよいですか?

話題そのものを変えるだけでなく、広げ方を変えてみましょう。

同じ食べ物の話題でも、クイズにする、思い出を尋ねる、ジェスチャーにつなげるなど、取り入れ方を変えられます。この記事で紹介した11のアイデアから、前回とは違う方法を選んでみるのもよいでしょう

ご利用者の反応がよかった話題や進め方を簡単に書き留めておくと、次のネタを考えるときの手がかりにもなります。

認知症のあるご利用者にも取り入れられますか?

認知症のあるご利用者にも取り入れることはできますが、その方の状態や反応に合わせて進め方を調整することが大切です

一度に伝える内容を短くする、選択肢を示す、写真や実物を使うなど、伝え方を工夫することで参加しやすくなる方もいます。日付や年号を正しく答えることを求めるのではなく、その場でのやり取りを大切にしましょう。

認知症のある方すべてに共通する進め方があるわけではありません。ご本人の様子や、日頃の関わりから分かっていることをもとに、その方に合う方法を選びましょう。

朝の会以外の場面でも使えますか?

朝の会だけでなく、レクリエーションの導入や少人数での会話など、さまざまな場面で活用できます。

活動の合間などに短く取り入れることもできます。個別に関わる場面であれば、その方の興味や経験に合わせて話題を選ぶ方法もあります

朝の会そのものの進め方やネタについては、次の記事で詳しく紹介しています。

まとめ

「今日は何の日」は、記念日や行事を紹介して終わりにする必要はありません。

ひとつの話題から、クイズや脳トレ、歌、ジェスチャー、昔の思い出など、さまざまな方向へ広げられます。この記事で紹介した11のアイデアのなかから、その日のご利用者に合いそうな方法を選んでみてください

進めるときは、正解することや、予定した内容を最後まで行うことにこだわる必要はありません。答え方に幅を持たせたり、反応を見ながら難易度を調整したりして、ご利用者それぞれが参加しやすい方法を選びましょう。

今日の話題が見つからないときは、日付や月ごとのテーマから候補を探し、由来や内容を確認してから取り入れます。

まずは、次に取り上げる話題をひとつ選び、そこから「どんなクイズにできるか」「どんなことを尋ねられるか」を考えてみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
シフトライフ編集部
Shift Life編集部

介護現場での実務経験を持つライターと、介護報酬・制度に精通した編集スタッフが連携し、現場で役立つ情報をお届けしています。
制度・加算に関する情報は、厚生労働省・自治体などの公的機関が発行する一次情報を優先的に参照し、掲載前にファクトチェックを実施しています。

 
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