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エバリュエーションとは?福祉・介護での意味、モニタリングとの違い、進め方を解説

エバリュエーションとは?福祉・介護での意味

エバリュエーションとは、福祉や介護の支援の区切りや終了時に、目標がどこまで達成できたか、支援が適切だったかを振り返る事後評価のことです。介護保険制度でも、介護予防支援の運営基準で、計画に位置づけた期間が終わるときに目標の達成状況を評価すると定められています。
(参考:厚生労働省「指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」)
 
この記事では、エバリュエーションの意味、アセスメント・モニタリングとの違い、進め方、記録と注意点を整理します。ケアマネジャー、サービス提供責任者、介護職のリーダーの方に向けた内容です。

エバリュエーションとは

エバリュエーションとは

福祉・介護では「事後評価」を指す

エバリュエーションは英語の evaluation(評価)で、福祉・介護では支援の区切りで結果を振り返る「事後評価」を指します。横浜市が障害福祉の計画相談支援についてまとめたガイドラインでも、エバリュエーションは事後評価とされています。

目的は、支援の効果を確かめ、次の支援に生かすことだといえます。

介護保険制度での事後評価(介護予防支援)

介護保険の運営基準にも、事後評価にあたる仕組みがあります。2026年11月現在、介護予防支援の運営基準では、担当職員が目標の達成状況を評価するよう定めています。

評価の時期は、介護予防サービス計画に位置づけた期間が終わるときです(第30条第15号)。また、特段の事情のない限り、評価期間が終わる月には、ご利用者の居宅を訪問して面接することとされています(同条第16号ハ)。

相談援助(ソーシャルワーク)の展開過程と、エバリュエーションの位置づけ

相談援助(ソーシャルワーク)の支援の流れは、いくつかの段階に分けて説明されます。整理の一例は次のとおりです。

インテーク(受理面接) → アセスメント(事前評価) → プランニング(目標設定・計画作成) → インターベンション(支援の実施) → モニタリング(状況確認) → エバリュエーション(事後評価) → ターミネーション(終結)

エバリュエーションは、この流れの後半に置かれます。段階の数や呼び方はテキストによって異なります。

評価の結果によっては終結せず、アセスメントに戻って支援を続けることもあります。

アセスメント(事前評価)との違い

アセスメントは、ご利用者の能力や置かれている環境などから、解決すべき課題を把握することです。居宅介護支援の運営基準でも、この課題の把握を「アセスメント」と呼んでいます(第13条第6号・第7号)。
(参考:厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」)

アセスメントは計画前の「事前評価」として説明されますが、同じ基準では、計画を作った後の実施状況の把握にも、継続的なアセスメントが含まれています(同条第13号)。

アセスメントで明らかにした課題と目標が、エバリュエーションで振り返るときの基準になります。

モニタリングとの違い

モニタリングは、計画に沿って支援を進めている途中で、その実施状況を続けて確かめることです。居宅介護支援の運営基準では、計画の作成後に実施状況を把握することとしています(第13条第13号・第14号)。ケアマネジャーは、特段の事情のない限り、少なくとも1か月に1回ご利用者に面接し、その結果を記録します。

2024年(令和6年)4月施行の改正で、訪問しない月はテレビ電話装置などを使って面接できるようになりました。一定の要件を満たし、少なくとも2か月に1回は居宅を訪問して面接することが条件です。

モニタリングが支援の途中で確かめるものであるのに対し、エバリュエーションは区切りで支援全体を振り返るものです。モニタリングの記録は、事後評価の材料になります。

エバリュエーションの進め方

目標の達成度と支援内容の妥当性を確かめる

振り返りでは、次の2つの観点に分けると整理しやすくなります。

・目標の達成度(効果性):計画の目標がどこまで達成されたか。届かなかった場合は何が妨げになったか
 
・支援内容の妥当性:支援の内容・回数・方法が目標に合っていたか

居宅サービスの運営基準(以下、居宅サービス基準)は、通所介護の記録についても定めています。通所介護従業者は、ご利用者ごとに、通所介護計画に従ったサービスの実施状況と目標の達成状況を記録します(第99条第5項)。
(参考:厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」)

日々の記録があると、達成度を感覚ではなく事実で振り返れます。

ご利用者本人・ご家族と一緒に振り返る

評価は支援者だけで決めず、ご利用者本人と一緒に振り返ります。居宅介護支援の運営基準も、ご利用者の意思と人格を尊重し、常にご利用者の立場に立って居宅介護支援を行うよう求めています(第1条の2第3項)。

振り返りでは、本人が今の暮らしをどう感じているか、これからどう暮らしたいかを聞きます。ご家族の希望は本人の意向と分けて聞き取り、記録にも分けて書いておきましょう。次の判断のときに、本人の意向が埋もれにくくなります。

言葉で伝えにくい方の場合は、表情や普段の様子も手がかりにします。

結果をもとに終結・継続・計画の見直しを決める

評価の結果から、次の対応を決めます。

評価の結果 次の対応
目標を達成し、支援の必要がなくなった 終結を検討する
目標に近づいているが、まだ達成していない 今の計画での継続を検討する
目標が合わない、状態が変わった 再アセスメントを行い、計画を見直す

 

居宅サービス計画を変更するときは、原則として、作成時の手順をもう一度行います(居宅介護支援の運営基準 第13条第16号)。アセスメントから原案作成、サービス担当者会議、説明・同意、交付までの手順です。

ただし解釈通知では、ご利用者の希望による軽微な変更であれば、こうした一連の手順は必要ないとされています。例として、サービス提供日時の変更が挙げられています。
(参考:厚生労働省「居宅介護支援・介護予防支援・サービス担当者会議・介護支援専門員に係る項目及び項目に対する取扱い」)

説明・同意と交付の相手は、計画によって次のように定められています。

・居宅サービス計画:原案をご利用者またはその家族に説明し、文書でご利用者の同意を得る。ご利用者と、計画に位置づけたサービスの担当者に交付する(第13条第10号・第11号)
 
・訪問介護計画:ご利用者またはその家族に説明し、ご利用者の同意を得る。ご利用者に交付する(居宅サービス基準 第24条第3項・第4項。計画を変更するときも、同条第6項で同じ扱いとされている)

介護現場(サービス事業所)でのエバリュエーション

エバリュエーションは、ケアマネジャーだけの業務ではありません。サービス事業所の個別の計画にも、実施状況の把握や記録、見直しの仕組みがあります。

計画 実施状況の把握・記録などを担う職種 基準の定め
訪問介護計画 サービス提供責任者 実施状況を把握し、必要に応じて変更する
通所介護計画 通所介護従業者 実施状況と目標の達成状況を記録する
施設サービス計画(特養) 計画担当介護支援専門員 実施状況を把握し、定期的に面接・記録し、必要に応じて変更する

 

根拠は、訪問介護計画が居宅サービス基準の第24条、通所介護計画が同じく第99条、特養の施設サービス計画が指定介護老人福祉施設の基準の第12条です。
(参考:厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」)

介護福祉士の養成でも、介護実習Ⅱでは、介護過程の展開(介護計画の作成、実施、実施後の評価、計画の修正)が重点とされています。

職員が少なく、計画を作る人とケアをする人が同じという事業所でも、評価の時期を計画に書いておくと、振り返りが後回しになりにくくなります。

エバリュエーションの記録と注意点

記録と共有の範囲

評価の内容は、記録に残して関係者と共有します。記録には、目標を達成できたかどうかとその原因、本人・ご家族の意見、今後の方針を書いておくと役立ちます。

介護予防支援については、令和6年度介護報酬改定を案内する厚生労働省のページに、「介護予防支援・サービス評価表」の様式例が掲載されています。

居宅介護支援では、アセスメントやモニタリングの結果を記録したものなどを台帳にまとめ、完結の日から2年間保存します(居宅介護支援の運営基準 第29条第2項)。この2年間は国の基準で定めた期間のため、事業所のある自治体の定めもあわせて確認しておきましょう。

事業所内での共有は、支援に必要な範囲の職員にとどめます。居宅介護支援の運営基準では、従業者は、正当な理由がなく、業務の中で知ったご利用者またはその家族の秘密を漏らしてはならないと定めています(第23条)。

サービス担当者会議などで個人情報を使う場合は、あらかじめ文書で同意を得ておきます。ご利用者の個人情報はご利用者本人から、ご家族の個人情報はご家族から同意を得ます。

状態が変わったら、評価の時期を待たずに報告する

状態が変わったときは、評価の時期まで待たずに、ケアマネジャーやサービス提供責任者に報告し、計画の見直しにつなげます。介護予防支援の運営基準でも、ご利用者の状況が大きく変わったときは、特段の事情のない限り、担当職員が居宅を訪問して面接することとされています(第30条第16号ハ)。

急な体調の変化があったときは、次のように対応します。

・ろれつが回りにくい、意識がない、急な息切れ・呼吸困難などの症状があれば、すぐ119番通報する
 
・救急車を呼ぶか迷うときは、事業所の手順に沿って主治医(かかりつけ医)に相談する。救急相談窓口(♯7119など)も使える。窓口があるかどうかや番号、受付時間は地域によって異なる
 
・119番通報した場合も含め、事業所の手順に沿って、主治医への連絡や管理者・ケアマネジャーへの報告を行う

訪問介護では、サービス提供中にご利用者の病状が急変したとき、訪問介護員などは、すぐに主治医へ連絡するなど、必要な措置をとります(居宅サービス基準 第27条)。

振り返りの時間を業務の中に確保する

振り返りは業務の一部です。勤務の後に個人で記録をまとめる形にせず、業務時間の中で行えるよう計画しておくとよいでしょう。

新しく会議を増やすより、今ある訪問や会議、申し送りの場に組み込むと続けやすくなります。

・モニタリング訪問で、本人と目標の達成度を確かめる
 
・サービス担当者会議で、評価の結果を共有する
 
・事業所のケース会議や申し送りで、担当を決めて短く振り返る

職員が少ない事業所では、振り返りをしている間、見守りや介助を誰が担うかを、シフトを組む段階で決めておくと進めやすくなります。

第三者評価・事業所の自己評価との違い

「福祉の評価」で調べると、福祉サービス第三者評価の情報が多く出てきます。これは事業所単位の評価で、ご利用者一人ひとりの支援を振り返るエバリュエーションとは対象が違います。

社会福祉法は、社会福祉事業の経営者に、良質で適切な福祉サービスを提供するよう努めることを求めています。その方法の一つが、自ら福祉サービスの質を評価することです(第78条第1項)。
(参考:e-Gov法令検索「社会福祉法」)

訪問介護や通所介護の運営基準にも、事業者が自らサービスの質を評価し、改善していくよう定めた規定があります(居宅サービス基準 第22条第2項・第97条第2項)。

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まとめ

エバリュエーションは福祉・介護の事後評価を指します。アセスメントは課題の把握、モニタリングは実施状況の継続的な確認、エバリュエーションは区切りでの振り返りです。

目標の達成度と支援内容の妥当性を本人・ご家族と一緒に確かめ、結果をもとに終結・継続・見直しを検討しましょう。計画を変えるときは、その種類や変更内容に応じて、説明・同意・交付などの手続きを行います。

状態が変わったら評価の時期を待たずに報告し、急変時は119番などの対応を優先します。

この記事の執筆者
シフトライフ編集部
Shift Life編集部

介護現場での実務経験を持つライターと、介護報酬・制度に精通した編集スタッフが連携し、現場で役立つ情報をお届けしています。
制度・加算に関する情報は、厚生労働省・自治体などの公的機関が発行する一次情報を優先的に参照し、掲載前にファクトチェックを実施しています。

 
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